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清水 大志; 蕪木 英雄; 小田 竜樹*; 樋渡 保秋*
Journal of Non-Crystalline Solids, 250-252(2), p.433 - 436, 1999/00
液体及びアモルファスセレンの微視的構造を調べるためにタイトバインディング分子動力学法シミュレーションを行った。プログラムを並列化し、並列計算機HITACHI SR2201を用いて、512粒子の系について数十万ステップのシミュレーションを実行して得られた動径分布関数は、実験と一致している。2面体の分布は0度と100度にピークを持ち、30度で最小となったが、これは、これまでに行われたタイトバインディングモンテカルロ法シミュレーションや、第1原理分子動力学法シミュレーションによる結果と異なっている。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Physical Review E, 49(2), p.1251 - 1259, 1994/02
被引用回数:20 パーセンタイル:66.71(Physics, Fluids & Plasmas)逆ベキポテンシァルによって相互作用するソフト球液体について、等温分子動力学シミュレーションを実行した。このシミュレーション結果を用いて、液体の動的性質が、ポテンシァルの芝のやわらかさ(ソフトネス)によって、どのように変化するかを考察した。粒子拡散を特徴付ける自己拡散係数は、ソフトネスにほとんど依存せず、平均粒子間距離と熱速度によってスケーリング可能なことがわかった。一方、時間依存の粒子拡散を示す速度相間関数は、やわらかいポテンシァルほど振動的な相関を示し、メモリー関数による解析によって、これが粒子の協調的な運動によることがわかった。協調的な粒子運動の解析では、動的構造因子を計算し、やわらかなポテンシァルほど、音波のモードが広い波数領域にわたって存在することが明らかになった。これらの動的性質のソフトネス依存性は、前者のポテンシァルがかたく、後者のポテンシァルがやわらかいという不活性ガスと液体アルカリ金属の違いとよく対応しており、従来の静的性質での結果とよい一致を示した。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Molecular Simulation, 12(3-6), p.421 - 430, 1994/00
被引用回数:3 パーセンタイル:14.84(Chemistry, Physical)逆ベキポテンシァルによって粒子間相互作用が記述されるソフト球モデルについて、粒子数13,500個の等温分子動力学シミュレーションを実行した。このシミュレーションによって得られた2体分布関数を用いて、液体の分布関数理論において重要なブリッジ関数を数値的に計算した。計算結果とRogers-Young(RY)近似およびMHNCS近似とを比較したところ、RY近似では、過冷却領域における振動的なブリッジ関数の特徴を再現できないが、MHNCS近似では、この特徴を非常によく再現していることが明らかになった。RY近似およびMHNCS近似の違いは、前者に基本ダイアグラムによって示される粒子相関が含まれておらず、後者に含まれている点である。シミュレーションから得られた結果は、過冷却状態において、基本ダイアグラムによって表される粒子相関がきわめて重要であることを示している。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Physical Review A, 46(2), p.1014 - 1021, 1992/07
被引用回数:3 パーセンタイル:28.5(Optics)2成分短距離斥力ポテンシャル(ソフトコアモデル)系の2体分布関数および熱力学的性質を、MHNCS積分方程式を用いて計算した。粒子間ポテンシァルは、逆べきポテンシァルとKacポテンシァルを組み合せ、逆べきを4,6,9,12と変化させた。計算された2体分布関数から、濃度-濃度構造因子を求め、圧力=0における2成分液体の安定性を調べた。2体ポテンシャルの芯が柔かい場合、凝固点近傍で強い相分離の傾向があらわれ、このような溶液の過冷却状態を作ることが困難であることがわかった。一方、ポテンシァルの芯がかたい場合は、過冷却状態においても溶液が安定であった。また、濃度-濃度構造因子の濃度依存性から求めた混合エネルギーが、アルカリ金属間の混合液体の実験値と、非常によく一致することが明らかになった。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Physical Review A, 42(4), p.2176 - 2183, 1990/08
被引用回数:5 パーセンタイル:36.54(Optics)2成分短距離斥力ポテンシャル(ソフトコアモデル)系の2体分布関数および熱力学的性質を、MHNCS積分方程式を用いて計算した。MHNCS方程式は、1成分ソフトコア系について提案してもので、その解は安定な液体から過冷却液体にいたるまで分子動力学シミュレーションの結果と良く一致する。2成分系に対する計算結果でも、同様に、分子動力学シミュレーションと非常に良い一致が得られた。また、2体分布関数を用いて、混合系の混ざり方の指標となる濃度-濃度構造因子を計算した。この結果、混合系を構成する粒子の直径比および構成比率が、構造因子に強く影響し、系の安定性を決めるパラメータとなることが明らかになった。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Physical Review A, 41(4), p.1990 - 1996, 1990/02
被引用回数:18 パーセンタイル:68.26(Optics)液体理論における積分方程式を用いて、短距離斥力ポテンシャル(ソフトコアモデル)系の過冷却状態における2体分布関数を計算した。本計算では、MHNC方程式を過冷却状態に適用するため、ブリッジ関数に4点グラフ相関を導入した。この積分方程式を用い、2つのポテンシャル系について、それぞれ2体分布関数を求めた。計算結果を、同じポテンシャルを用いた計算機実験と比較すると、2体分布関数の第2ピークの分裂を再現している。第2ピークの分裂は、計算機実験では顕著に現れているが、従来の解析的手法(RY,MHNC)では得られなかったものである。また、ブリッジ関数の計算に、VP-100を用い、高速な計算を実現した。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Journal of Non-Crystalline Solids, 117-118, p.92 - 95, 1990/00
被引用回数:5 パーセンタイル:43.46(Materials Science, Ceramics)液体理論における積分方程式を用いて、短距離圧力ポテンシャル(ソフトコアモデル)系の過冷却状態における二体分布関数を計算した。本計算で用いた積分方程式は一成分プラズマに適用されたもので、中距離の相関を適切に取り込んでいる。この相関を計算するには6重の多重積分を行う必要がある。本件は、この計算をVP-100上で行い、高速な計算を可能とする。計算結果は、同じポテンシャルを用いた計算機実験の結果ときわめて良い一致を見る。特にガラス転移点近傍で、二体分布関数の第二ピークの分裂が観測される。これは、計算機実験では顕著に現れる特徴であるが、将来の解析的手法では得られなかったものである。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Proc. of the Yamada Conf. XXIV on Strongly Coupled Plasma Physics, p.683 - 686, 1990/00
液体理論における積分方程式に、新しいブリッジ関数を導入する。このブリッジ関数は、一成分プラズマに適用されたもので、中距離の相関を適切に取り込んでいる。ここでは、2成分ソフトコアモデルにこの積分方程式を適用した。ブリッジ関数の計算には空間2重積分を実効しなければならないが、本計算ではこの部分をスーパーコンピュータ上で行い、高速化を実現した。また、未知の3つの解を積分方程式から数値的に求める手法をフォートランによってプログラミングした。得られた結果は、同じモデルを使った計算実験のものときわめて良く一致する。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Physical Review A, 37(3), p.852 - 859, 1988/00
被引用回数:15 パーセンタイル:65.59(Optics)平衡状態における液体理論の積分方程式を数値的に解くことにより、逆ベキポテンシァルとカックポテンシァルによって特徴付けられるモデル液体の過冷却状態を求めた。