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横山 実紀*; 大沼 進*; 大澤 英昭; 大友 章司*; 広瀬 幸雄*
Humanities & Social Sciences Communications (Internet), 10(1), p.623_1 - 623_10, 2023/09
本研究では、「無知のヴェール」の概念を活用した意思決定プロセス(国全体を候補地として包含する白紙の状態から出発し、科学的(地質学的)安全性に基づいて候補地を絞り込むプロセス)が、高レベル放射性廃棄物の地層処分のための処分場立地に対する社会的受容を促進し、手続き的公正さを醸成することを実証した。
大沼 進*; 広瀬 幸雄*; 大澤 英昭; 大友 章司*; 横山 実紀*
日本リスク研究学会第31回年次大会講演論文集(USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/11
高レベル放射性廃棄物地層処分候補地が決まらない理由の一つに、仮に必要性が理解できたとしても自分の居住地が候補地になってほしくないため、候補地名が上がった途端に反発が生じることがあげられる。そこで、誰もが潜在的に当事者となり得る状況(無知のヴェール下)であらかじめ決め方に合意し、その決め方で決まったならば、受容しやすくなるだろうか。日本全国を対象に調査を実施した。その結果、無知のヴェールによる決定方法は現状の政策よりも受容の程度が高く、無知のヴェールによる決め方で自分の居住地が候補地になったとしても現状の政策よりは受容が高かった。さらに、現状の政策は手続き的公正の評価が低いが、無知のヴェールによる決定は肯定的に評価されていた。
大沼 進*; 横山 実紀*; 広瀬 幸雄*; 大澤 英昭; 大友 章司*
no journal, ,
サイト選定方法として、日本で想定されている国の申し入れ方式と、スイスで採用している全土を対象に、白紙の状態から、安全性基準に基づきサイトを選定する方式で、どちらが立地を受け入れやすいかを、シナリオ実験で確認した。スイスの方式は、無知のヴェール(自分がどのような利害や立場に置かれているか不明な状況で、NIMBY問題において誰もが当事者となる可能性がある中で議論したならば、公正な判断をするだろう)という考えに依拠した方式と考えられる。シナリオ実験の結果は、国の申し入れ方式よりも、無知のヴェールに依拠した方式の方が立地を受け入れやすい可能性を示唆した。
大沼 進*; 横山 実紀*; 広瀬 幸雄*; 大澤 英昭; 大友 章司*
no journal, ,
本研究では、誰もが潜在的に当事者となり得る状況(無知のヴェール下)が、高レベル放射性廃棄物の地層処分施設のサイト選定の手続き的公正を促進する方法として意義のあるものなのかを実証することを目的として、無知のヴェールの下でサイト選定を行っているスイスの方法と、日本の現在のサイト選定の方法でどちらが受け入れやすいかを、仮想的なシナリオ実験で調査した。その結果、スイスのサイト選定の方法の方が、わずかに受け入れやすいという結果を示した。