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橋倉 靖明*; 石島 暖大; 中原 将海; 佐野 雄一; 上野 文義; 阿部 仁
保全学, 19(3), p.95 - 102, 2020/10
プルトニウム濃縮缶を対象とし、硝酸及び硝酸ナトリウム水溶液を用いて、印加電位を制御した定荷重引張試験及び電気化学試験を実施した。その結果を用い、硝酸濃度-き裂発生電位マップを作成した。また、応力腐食割れの可能性を評価する際には、硝酸だけでなく、硝酸塩に配位した硝酸イオン濃度も考慮する必要があることが明らかとなった。
石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁; 酒井 潤一*; 野島 康夫*; 橋倉 靖明*
no journal, ,
再処理機器材料として耐硝酸性に優れるジルコニウムが一部で採用されているが、一方で水素ぜい化を示すことが知られている。そこで、ジルコニウムの硝酸中における放射線分解水素吸収挙動を検討するため、0, 1, 3、及び7mol/L硝酸に浸漬したジルコニウムに線量率3及び5kGy/hの線を1000時間照射し、吸収水素量を水素放出曲線より評価するとともに、3kGy/hの線を照射しながら純水中で定荷重引張試験を1000時間実施した。した。その結果、ジルコニウムは線照射下で最大約250wppmの水素を吸収すること、またその存在状態は電気化学的な水素チャージによるものと同じく水素化物であることが明らかになった。一方で、定荷重引張試験で延性低下はみられなかった。この結果は、ジルコニウムの燃料再処理溶液環境での水素吸収を示唆する一方、水素化物は金属表面にとどまっていることを示すものであり、実機材料の水素吸収挙動を評価するためには、長期間の運転を考慮し水素吸収量および水素化物成長挙動の評価が必要であると考えられる。