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小嶋 拓治; 須永 博美; 瀧澤 春喜*; 花屋 博秋; 橘 宏行*
Radiation Physics and Chemistry, 68(6), p.975 - 980, 2003/12
被引用回数:2 パーセンタイル:19(Chemistry, Physical)低LET放射線に対する特性が明らかになっている4種のフィルム線量計を3-45MeV/uのイオンビームに応用した。低LET放射線を基準とした線量計の相対応答は、いずれもおよそ1から10MeV/(mg/cm)であり、阻止能が高くなるにしたがって徐々に小さくなる。特性を明らかにしたこれらの線量計によるイオンビーム線量測定における不確かさは、フルエンス測定における不確かさを2%含んで5%(1)より良かった。特性を明らかにしたGaf線量計を用いることにより、それぞれ1及び10mより良い空間分解能で平面及び深度方向の線量分布測定ができることがわかった。
小嶋 拓治; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 花屋 博秋; 橘 宏行*
JAERI-Review 2002-035, TIARA Annual Report 2001, p.123 - 124, 2002/11
Co-線や2MeV電子線について特性が十分に明らかにされている、厚さ約10-200mmの薄いフィルム線量計をイオンビーム線量測定に応用した。線量範囲0.005-200kGyを5%以内の精密度でカバーする線量測定技術の開発のため、高精密なフルエンス測定技術の開発とともに、薄いフィルム線量計の応答の線エネルギー付与(LET) 特性研究を行った。また、平面及び深度方向の空間分解能がそれぞれ約1m及び10m未満の線量分布測定技術を開発した。最近の開発成果の概要をまとめて記す。
小嶋 拓治; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 花屋 博秋; 橘 宏行
JAERI-Review 2001-039, TIARA Annual Report 2000, p.120 - 121, 2001/11
MeV/uイオンビームについて特性を明らかにしたGafフィルム(MD-1260)をプラスチックファントム中平面方向の線量分布測定に応用した。450MeV Xeイオンを厚さ10mのメッシュマスク材(線幅6m 格子内側距離19mを通して照射することによりGafフィルム上に人為的に線量分布をつくった。そして、フィルムの放射線誘起着色を直径1mの分析光をもつ顕微分光光度計を用いて測定を試みた。この結果、フィルムは十分な先鋭度を持って平面方向の照射領域を正確に示すとともに、線量応答特性に基づき吸光度から線量に換算することにより空間分解能1mで線量分布測定ができる可能性があることが明らかになった。
小嶋 拓治; 橘 宏行; 羽田 徳之; 金子 広久; 春山 保幸; 田中 隆一*
Radioisotopes, 50(7), p.291 - 300, 2001/07
現在、医療用具の滅菌等放射線加工処理では、広い照射場が得られるようにCo 線板状線源を用い10010,000 Gy/h程度の線量率を利用している。こうしたパノラミックな(コリメートされていない)照射場の特性や線量率範囲は、点線源を用いたコリメートされた比較的低い線量率の照射場をもつ現在の線量標準機関と異なっていることから、この分野における線量トレーサビリティをもたせることは容易でない。そこで、日本原子力研究所(原研)では、国家標準である経済産業省産業技術総合研究所(産総研)における線量率範囲も含み広い範囲520,000 Gy/hをカバーするCo 線照射場を二つの大線量用線源を用いて構築し、この照射場において平行平板型電離箱システムに基づく大線量校正技術を開発した。原研での線量校正が産総研とトレーサビリティをもつことを技術的に明らかにするため、線量率範囲10100 Gy/hオーダーの産総研で与えられた電離箱の校正結果、すなわち電流から照射線量率への換算係数は、照射場の特性のちがいに関わる補正なく、大線量率520,000Gy/hにおいても有効であることを示した。また、不確かさ2.2%(95%信頼度相当)で線量0.5 Gyを校正できることを明らかにした。
小嶋 拓治; 須永 博美; 橘 宏行; 滝沢 春喜; 田中 隆一
IAEA-TECDOC-156, p.91 - 98, 2000/06
アラニン線量計を主として、原研で開発し使用している数種類の線量測定システムについて、線量率、放射線照射中の温度、線量計読み取り時の温度や素子の方向等が、線量応答に与える影響を定量的に明らかにした。これらにより、Co線、0.15~3MeV電子線及び制動放射X線のリファレンス/トランスファー線量計あるいはルーチン線量計としての特性を評価した。これとともに、線量相互比較を通じて、これらの線量測定システムにより与えられる線量値の信頼性をチェックした。本成果は、1995年より行われたIAEAの研究協力計画「放射線プロセスにおける品質保証のための大線量測定システムの特性研究と評価」の一環として得られたものである。
小嶋 拓治; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 橘 宏行
JAERI-Conf 2000-001, p.310 - 313, 2000/03
3-45MeV/amuイオンビームの0.005~200kGyの線量測定を目的として、低LET放射線(Co-線またはMeV電子線)について応答特性を既に明らかにした、アラニン、三酢酸セルロース(CTA)等厚さ10-200mのフィルム線量計の応用を行った。まず、ファラデーカップ(FC)を用いたフルエンス測定値の精度を、フルエンスの均一な照射場における熱量計との同時計測により評価した。この結果、数nA/cmレベルで両者の比は1.022%でいずれのむイオンビームについてもよく一致した。次に、FC計測に基づき応答の直線性ある線量域でフィルム線量計を照射し、その応答を低LET放射線の場合と比較した。いずれの線量計も高LETになるに従い応答が徐々に低下する傾向をそれぞれ4%以内の精度で同様に示した。これから、低LET放射線で構成したこれらのフィルム線量計が、適当な補正を加えることによりイオンビームにも応用可能であることを明らかにした。
小嶋 拓治; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 橘 宏行
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.100 - 102, 1999/10
345MeV/amuのイオンビームのフルエンス測定について、これまでに総電荷量5nc/cm以上では2%の高い精度が得られている。これに基づき、ファラデーカップのサプレッション電圧の最適化や非照射時の暗電流評価を行い、これ以下の電流域についても2%以内の精度が得られることを明らかにした。また、4種のフィルム線量計のLET特性を低LET放射線の場合に規格化して整理することにより、低LET放射線で得られる校正曲線への補正係数を4%以内で与えた。これにより、これまで着色量等の分布でしかなかった情報を線量分布として表すことが可能となった。このため、積層フィルム中の深度線量分布測定などの応用を進めている。
橘 宏行; 小嶋 拓治; 羽田 徳之; 金子 広久; 四本 圭一; 田中 隆一
Radioisotopes, 48(4), p.247 - 256, 1999/04
原研では、放射線加工レベルの大吸収線量校正用Co線照射施設を独自に設計・製作した。そして、その特性及び線量測定に関する性能を全体にわたり調べることにより、原研における線量値にかかわる不確かさを評価した。線量計校正装置は、線量率5~200Gy/h及び400Gy/h~20kGy/hの異なる線量率範囲を与える二つの線源、線量計固定用ステージ、正確な照射線量率測定用平行平板型電離箱、及び特定の照射条件下における線量計校正に用いるために付属した温度・湿度制御照射容器によって構成した。本装置は、一般的な運転時間(8h)内で0.5Gy~160kGyの線量範囲の既知線量を、不確かさ2.2%(95%信頼度相当)で被校正線量計に与えるために十分な照射場の特性及び線量測定の性能を持っている。また、原研で校正したアラニン線量計を用いたトランスファー線量測定により、不確かさ3.4%(95%信頼度相当)で線量を評価することが可能である。
小嶋 拓治; 須永 博美; 滝沢 春喜; 橘 宏行
IAEA-TECDOC-1070, p.197 - 202, 1999/03
TIARA AVFサイクロトロンからの5~20MeV/amuイオンビームを対象とした吸収線量測定を目的として、ファラデーカップ、全吸収型熱量計及びフィルム線量計といった測定システムの開発を行った。リアルタイムのビームモニタに用いるファラデーカップによる粒子フルエンス測定における不確かさを、粒子エネルギー公称値をもとに算出した評価値と実測値を比較することにより評価し、数10pA/cm(電荷測定値にして数nc/cm)レベルの低フルエンスであっても、平均の/は1.02であることを明らかにした。このフルエンス測定に基づき、アラニンフィルム及びラジオクロミック(FWT-60)測量計のイオンビームに対する線量応答特性を調べた。低LET放射線の場合に比べ、これらの線量計の相対線量応答は線量計素子中の変化を考慮して求めた平均質量衝突阻止能が約100MeV/g/cm以上から減少する傾向を示した。
L.G.Lanuza*; E.G.Cabalfin*; 小嶋 拓治; 橘 宏行
IAEA-TECDOC-1070, p.337 - 344, 1999/03
フィリピン原研(PNRI)で用いている線量測定システムの信頼性を評価するため、PNRIのエタノールクロロベンゼン(ECB)、フリッケ、原研高崎研(JAERI)のアラニン線量計を使った線量相互比較を線量50kGyまでについて行った。これらの線量計をPNRIの線施設で同時に照射した後、ECBとフリッケはPNRIで、アラニンはJAERIで分析・評価した。この結果、フリッケ/アラニンは0.95であったが、ECB/アラニンは1.00とよく一致した。また、日本において、JAERIの研究用線施設とラジオ工業の加工処理用線施設でコンベア使用の有無等の異なる照射条件下で行ったPMMAとアラニンの比較では、両者の比は1.010.02とよく一致した。国際線量保証サービス(IDAS)を通じて行ったPNRIと国際原子力機関(IAEA)との9年間にわたる比較でも、PNRIの線量値は5%の比較的よい結果が得られている。
小嶋 拓治; 橘 宏行; 羽田 徳之; 川島 郁男*; P.H.G.Sharpe*
Radiation Physics and Chemistry, 54(6), p.619 - 626, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:60.66(Chemistry, Physical)Co線の高線量測定に関して、照射及び校正の手順全体を詳細に検討し、その不確かさを評価した。この結果、原研の校正システムを用いて与えられる線量における不確かさは2.2%(2)であり、またアラニン/ESR線量計を用いたトランスファー線量測定における不確かさは3.4%(2)であった。また、この不確かさの値を確かめるため、線量範囲1-50kGyにおいて英国物理研究所(NPL)と原研の間で、アラニン-PS(原研)、アラニン-パラフィン(NPL)及び重クロム酸(NPL)線量計をトランスファー線量計に用いた郵送による双方向の線量相互比較を行った。アラニン及び重クロム酸線量計のいずれを用いた場合も、NPL及び原研の線量値は約2%以内でよく一致し、これから原研におけるCo線の線量測定において求めた不確かさの値の正当性が示された。
小嶋 拓治; 橘 宏行; 春山 保幸; 柏崎 茂*
放射線化学, (66), p.47 - 49, 1998/00
平成9年度放射線化学技術賞を受賞した「アラニン線量計開発計画」の内容を概説する。吸収線量に比例して生じる温度で安定なアラニンのフリーラジカルを電子スピン共鳴(ESR)法により定量することに基づく線量計測法に関し、アラニン-ポリマー混合物を用いた使用目的にあった種々形状の線量計素子の成形技術、専用ESR装置の開発及び線量計測における信頼性に関する研究を行った。これにより、放射線利用の試験・研究におけるアラニン線量計の応用を拡大するとともに、トランスファー線量測定による国内外の線量標準化技術の確立に寄与した。
H.H.Mai*; 橘 宏行; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 53(1), p.85 - 91, 1998/00
被引用回数:5 パーセンタイル:44.27(Chemistry, Physical)低線量及び高線量測定用の二種類の銀添加重クロム酸溶液線量計について、Co-線に対する線量応答の照射中及び吸光度測定中の温度依存性を調べた。照射中の温度が5~25Cの範囲では、線量応答は基準とした25Cにおける応答と変わらなかったが、25~60Cでは温度とともに徐々に減少する。ASTEM1401-96では5~50C全範囲を直線近似し、約-0.2%/Cの温度係数を与えているが、今回の結果からは、照射温度Tの時の応答と25Cの時の応答との比Rは、R=1.022-2.7310T-2.4410Tで表すことができる。比較のため25~50Cの範囲を直線近似して求めた係数は、線量範囲2~10kGy及び10~50kGyについてそれぞれ-0.20及び-0.23%/CとASTMの値とほぼ一致した。吸光度測定中の溶液の温度がモル吸光係数に与える影響は、5~50Cの範囲では認められなかった。
小嶋 拓治; 須永 博美; 滝沢 春喜; 橘 宏行; 田中 隆一
Radiation Physics and Chemistry, 53(2), p.115 - 121, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.03(Chemistry, Physical)TIARA AVFサイクロトロンから得られる数10MeV/amuイオンのビーム電流測定用ファラデーカップを製作し、Co-線や1~10MeV電子線の高線量域で技術が確立されているフィルム線量計の特性を調べるためのビームモニタとしての応用を進めている。フルエンスが均一な拡大照射野においてエネルギーフルエンス測定用全吸収型熱量計をファラデーカップと同時に用いることにより、5~20MeV/amuのイオンビームのフルエンス測定における不確かさを評価した。フルエンス評価値をサイクロトロン加速器のパラメータから導かれる粒子エネルギー公称値に基づいて求め、実測値と比較した。この結果、粒子当たりのエネルギーが5~20MeV/amuの範囲のイオンビームのほとんどについて、総電荷量が5nc/cm以上の測定においては、実測値/評価値の比の平均は1.024、精密度は68%信頼度で2%以内であることが明らかとなった。
小嶋 拓治; 須永 博美; 滝沢 春喜; 橘 宏行
JAERI-Conf 97-003, 00(00), p.492 - 494, 1997/00
イオンビームの吸収線量及びその試料内の分布を測定するため、全吸収型カロリメータ、ファラデーカップ、及びCoガンマ線・0.15~3MeV電子線に対する線量応答特性が明らかな数種のフィルム線量計から構成される線量測定システムの開発を進めている。このため、TIARAのAVFサイクロトロンから得られる数10MeVのイオン(価数:+1~+8)の均一フルエンス場(100100mm)で、これらを同時に照射する装置を設計・製作した。これを用い、カロリメータ及び加速器に付属するエネルギー分析器の値を比較することにより、電流測定における不確かさを評価した。また、簡便な吸収線量(分布)測定のため、フィルム線量計の応答特性を調べるとともに、積層したフィルムを用いた測定から得られた深部線量分布の結果を計算と比較した。
S.Biramontri*; 羽田 徳之; 橘 宏行; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 48(1), p.105 - 109, 1996/00
被引用回数:16 パーセンタイル:77.77(Chemistry, Physical)生鮮及び冷凍食品の放射線加工処理における線量測定を目的として、透明及び着色ポリメチルメタクリレート(PMMA)線量計の線応答に及ぼす照射温度の影響を、線量2及び25kGy、温度範囲-196C~+45Cについて調べた。線量25kGyでは、Radix RN15は-15C以下及び以上の温度で、それぞれ+0.15%/C及び+0.25%/Cの係数をもつ直線的依存性を示した。またこの線量で、Red4043は-196C及び-78Cでやや高い応答を示したが、Amber3042とともにこの温度範囲でRadixより小さい依存性を示した。線量2kGyでは、Amber3042の応答は-78C以上で温度に正比例して増加しその係数は約+0.5%/Cであった。gammachrome YRの応答は、-78Cにおいて20Cと比べ約30%高く、またこれ以上の温度では温度が高くなるにしたがい、-0.3%/Cの係数をもって直線的に減少した。
春山 保幸; 橘 宏行; 小嶋 拓治; 岡本 次郎*; 柏崎 茂*; 松山 茂樹*; 柳生 秀樹*
Radioisotopes, 44(8), p.507 - 513, 1995/08
原子力施設等の放射線場で用いられている機器部品や電線被覆材等の耐放射線性の評価および余寿命の予測に必要な線量測定のため、アラニン/ESR線量計の低線量率、長時間照射下の特性を明らかにした。線量率0.45Gy/h、1.97Gy/hで総線量a/kGy、1kGyを25Cから80Cの異なる温度で照射した模擬環境下で、アラニン線量計の有効性を調べた。また、照射中及び照射後の温度を変えて線量応答の安定性も明らかにした。アラニン線量計の線量応答は、0.45Gy/h、2000hの低線量率・長時間照射下においても、60C程度までであればその線量応答値は1kGyまで線量に直線的に比例し増加した。この線量率及び照射温度範囲では、補正なしで積算線量測定が可能であることが明らかとなった。線量応答値は照射中の温度に依存し、線量率の0.45及び1.97Gy/hで総線量0.1kGy及び1kGyでは、温度係数0.1%/Cの直線関係を示した。
小嶋 拓治; 柏崎 茂*; 橘 宏行; 田中 隆一; M.F.Desrosiers*; W.L.Mclaughlin*
Applied Radiation and Isotopes, 46(12), p.1407 - 1411, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:80.82(Chemistry, Inorganic & Nuclear)異なった成形方法(プレス及び押出し)で製造した異なる形状(異なる長さのロッド及びフィルム状)のアラニン-ポリマー線量計の電子スピン共鳴(ESR)測定における素子の方向依存性を明らかにした。ESR空洞共振器内の磁場に直角な垂直軸を中心に線量計素子を回転し、異なる方向におけるESR信号強度を22Cで測定した。ロッド状素子では、プレス及び押出しのいずれの成形方法についても、また長さが異なっても方向依存性は無視できた。円盤状に切り出した押出し成形で製造したフィルム状素子をESR空洞共振器内で水平(磁場に平行)に置いた測定では、アラニン結晶の配向性によると考えられる顕著な方向依存性がみられた。しかしながら、垂直(共振器中心軸に平行)に置く方法により、フィルム状素子の方向依存性を解消できることを明らかにした。
小嶋 拓治; 須永 博美; 滝沢 春喜; 橘 宏行
JAERI TIARA Annual Report 1994, p.71 - 73, 1995/00
イオンビームを利用する研究開発において、放射線の照射効果の比較・評価及び照射の制御のためには、共通の尺度である吸収線量の正確な測定とともに試料内の深さ方向の線量分布の評価が不可欠である。今回は、前者について、走査ビームにより得られるフルエンスが均一な照射場における熱量及び電荷測定の同時比較により、粒子エネルギーの測定及びビームモニターとしての電荷測定法における不確かさの評価に関する研究を行った結果について報告する。予備実験結果に基づき、本研究の実験を可能とする、複合材料耐環境性試験装置に付属する照射治具及び計測システムを設計・製作した。これを用いたH 20MeVビームの粒子エネルギーは、18.94MeV(0.8%)であり公称値により近くばらつきも少なかったことから、予備実験で得られた測定上の問題点はほぼ解決されたと考えられる。今後は、本治具・計測システムを用いたデータを集積する。
春山 保幸; 小嶋 拓治; 橘 宏行; 上松 敬; 岡本 次郎; 原 秀元*
Radioisotopes, 42(8), p.445 - 451, 1993/08
アラニン/ESR線量測定法を種々の放射線加工処理(線量範囲:1kGy~100kGy)の工程管理用ルーチン線量測定法として応用拡大するためには、簡単なアラニン線量計専用リーダーの開発が望まれている。そこで、ESR部、データー処理周辺機器(インターフェース)及びパーソナルコンピュータから構成された、取り扱いが容易な単一目的のアラニン線量計リーダーの開発を行った。まず、手動操作によりESR部についての測定パラメータの最適値を見い出した。これに基づき、ESR制御・データー処理用周辺機器類を同調させて機能させるためのプログラムを作成した。この自動化したリーダーは、放射線加工処理レベルである1kGy~100kGyの線量範囲について、1素子当たり1分以内の読み取りを1%(68%信頼度)の精度で可能とした。