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大窪 貴洋*; 武井 滉洋*; 舘 幸男; 深津 勇太; 出口 健三*; 大木 忍*; 清水 禎*
Journal of Physical Chemistry A, 127(4), p.973 - 986, 2023/02
被引用回数:1 パーセンタイル:56.86(Chemistry, Physical)粘土鉱物へのCsの吸着サイトの特定は、環境化学の分野で研究されてきた。核磁気共鳴(NMR)実験によって、吸着されたCsの局所構造を直接観察することが可能である。固体NMR実験から得られたCsのNMRパラメータは、吸着されたCsの局所的な構造に敏感である。しかしながら、NMRデータだけからCsの吸着位置を決定することは困難であった。本研究では、機械学習と実験的に観察されたケミカルシフトを組み合わせることにより、粘土鉱物に吸着されたCsの吸着位置を特定するためのアプローチについて提示する。原子配置の記述子とNMRによるケミカルシフトの第一原理計算結果を関連付けて評価する機械学習の線形リッジ回帰モデルを構築した。これにより、原子配置の構造データからCsのケミカルシフトを高速で計算することが可能となった。機械学習モデルによって、実験的に観察された化学シフトから逆解析を行うことにより、Cs吸着位置を導き出すことが可能になる。
武井 滉洋*; 大窪 貴洋*; 舘 幸男; 深津 勇太
no journal, ,
天然の岩石や土壌中の放射性核種の移行を評価するうえで、風化生成物として含まれる粘土鉱物への放射性核種の吸着・固定は重要な現象のひとつである。放射性廃棄物の地層処分の安全評価や福島の環境中へ放出された核種の挙動評価において、重要な放射性核種であるCsは、主に粘土鉱物によって吸着・固定化される。岩石や土壌に含まれる代表的な粘土鉱物であるバーミキュライトはCsを強く吸着することが知られておりCsの移動挙動を支配する物質の一つである。バーミキュライトへのCsの吸着・脱着試験より、バーミキュライトは複数のCs吸着サイトが存在することが示唆されているが、その詳細なメカニズムについては解明されていない。そこで本研究では、Csが吸着したバーミキュライトの133Cs固体NMR実験とモデル構造によるシフト計算により、バーミキュライトに吸着したCsのケミカルシフトと構造の関係を調べた。