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論文

Dynamic and static fluctuations in polymer gels studied by neutron spin-echo

金谷 利治*; 高橋 伸明; 西田 幸次*; 瀬戸 秀樹*; 長尾 道弘*; 武田 隆義*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.676 - 681, 2006/11

 被引用回数:13 パーセンタイル:52.05(Physics, Condensed Matter)

中性子スピンエコー法により三種類のポリビニルアルコール(PVA)ゲルについて研究した。第一にジメチルスルホキシド(DMSO)と水を体積混合比60対40で混合したものを溶媒とするもの、第二にPVAのホウ酸水溶液、そして第三に化学架橋のPVAゲルである。中間散乱関数I(q,t)/I(q,0)はそれぞれ大きく異なった。最初のゲルと第三のゲルは、非減衰項を含むが、第二のゲルは含まなかった。これは非減衰項が静的濃度揺らぎに起因して起こることを示唆している。静的濃度揺らぎと動的濃度揺らぎはそれぞれ、ゲル網目による運動の制限とZimmモードに起因する高分子鎖セグメントの運動を示していることが明らかとなった。

口頭

Nano-scale structure and dynamics of poly(vinyl alcohol) gels

高橋 伸明; 金谷 利治*; 西田 幸次*; 瀬戸 秀樹*; 長尾 道弘*; 武田 隆義*

no journal, , 

われわれは、三種類のポリビニルアルコール(PVA)ゲルのナノスケールにおける構造とダイナミクスを小角中性子散乱(SANS)及び中性子スピンエコー(NSE)により研究した。まず第一に、重水素化ジメチルスルホキシドと重水の混合溶媒によるPVAゲル、第二にPVAのホウ酸-重水溶液によるゲル、そして第三にグルタルアルデヒドにより化学架橋したPVAゲルである。第一のゲルは、NSEの結果からSANS強度を静的成分と動的成分に分離することに成功し、静的成分が支配的であることを明らかにした。第二のゲルのダイナミクスは、通常の溶液中の高分子鎖と同様の振る舞い(Zimmモデル)を示した。第三のゲルのダイナミクスは、短時間緩和はZimmモデルで示されたが、長時間もしくは非緩和成分が存在することが示された。

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