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毛利 哲也; 大釜 和也; 羽様 平
Nuclear Technology, 209(7), p.1008 - 1023, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高速増殖原型炉「もんじゅ」で測定された1次系放射化ナトリウムであるNa及びNaの放射化量を評価し、測定値及び計算値の信頼性を検討した。JENDL-4.0による計算値と測定値との比(C/E)及びその不確かさは、Naで0.971.07及び8.111.0%、Naで1.031.16及び23.324.1%となった。Na(n,2n)断面積の違いにより、ENDF/B-VIII.0によるNa放射化量計算値は、JENDL-4.0及びJEFF-3.3による計算値より40%大きくなることが明らかになった。また、Na放射化量を正確に評価するためには、Na自身の中性子捕獲効果を考慮することが重要であることが確認された。本実験データは、将来的なナトリウム冷却高速炉設計の信頼性向上のための計算手法の検証に活用であると判断できる。
毛利 哲也; 永沼 正行; 大木 繁夫
Nuclear Technology, 209(4), p.532 - 548, 2023/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高速炉燃料サイクルが実用化され長期間使用された後の遠い将来におけるフェーズアウトの段階において、燃料サイクル内に存在するPuやMAを多重リサイクルにより低減できる高速炉燃焼炉心の概念を検討した。多重リサイクルによってPuやMAは高次化する。高次化によりナトリウムボイド反応度が増加するとともにドップラ係数が減少することで炉心の成立性に影響を及ぼす。これに対し炉心の扁平化,燃焼度引き下げ、さらに被覆管及びラッパ管への炭化ケイ素(SiC)材導入という3つの反応度係数改善策を取り入れることで成立性のある炉心概念を見出した。特に、SiC構造材による中性子スペクトルの軟化は反応度係数の改善だけでなくPuやMAの高次化を間接的に緩和する効果もあることが確認された。これらにより本燃焼炉心はPuとMAが大幅に減少するまで、例えば原子力発電設備容量30GWeを起点としたフェーズアウトシナリオを仮定した場合は初期のインベントリの約99%を消費するまで、多重リサイクルを継続することが可能となった。高速炉は、自ら生み出したPuや長寿命のMAを最小化できる自己完結型のエネルギーシステムになる可能性がある。高速炉は、将来の環境負荷低減のための重要な選択肢の一つとなり得る。
谷中 裕; 竹越 淳; 岸本 安史*; 毛利 哲也; 宇佐美 晋
Progress in Nuclear Energy, 101(Part C), p.329 - 337, 2017/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.65(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉における出力欠損反応度は燃焼欠損反応度と並び、炉心のPu富化度と制御棒本数を決める重要な設計パラメータとなっている。そのため、1994年から1995年にかけて実施された「もんじゅ」性能試験においても、これら特性値の測定が実施され、解析されてきた。直近の「もんじゅ」性能試験における出力係数測定試験に関する解析例としては、高野の論文がある。高野論文では考慮されていない最新の知見として、炉内温度分布の考慮、結晶拘束効果の考慮、対数平均温度の考慮、炉内膨張詳細化効果、最新の核データライブラリ(JENDL-4.0)の使用、測定値補正の精緻化がある。本研究では、これらの項目を全て考慮して、モデルの詳細化に伴う解析結果への影響を定量的に明らかにした。また、その結果、解析は実験を4.6%過大評価することがわかった。このバイアスについて、各種誤差要因以外の要因として炉心心湾曲効果を考慮した評価を行った結果、測定値と1.1%の差で一致した。これにより、出力上昇に伴う炉心湾曲効果が出力欠損反応度のような解析においては重要な要因である可能性が示唆された。
谷中 裕; 岸本 安史; 毛利 哲也; 宇佐美 晋
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.2610 - 2621, 2016/05
ナトリウム冷却高速炉における出力欠損反応度は燃焼欠損反応度と並び、炉心のPu富化度と制御棒本数を決める重要な設計パラメータとなっている。そのため、1994年から1995年にかけて実施された「もんじゅ」性能試験でも、これら特性値の測定が実施され、解析されてきた。直近の「もんじゅ」性能試験における出力係数測定試験に関する解析例としては、高野の論文がある。高野論文では考慮されていない最新の知見として、炉内温度分布の考慮、結晶拘束効果の考慮、対数平均温度の考慮、炉内膨張詳細化効果、最新の核データライブラリ(JENDL-4.0)の使用、測定値補正の精緻化がある。本研究では、これらの項目を全て考慮して、モデルの詳細化に伴う解析結果への影響を定量的に明らかにした。また、その結果、解析は実験を8.1%過大評価することがわかった。このバイアスは、各種誤差要因に基づく差異だけでは説明できなかった。そこで、炉心湾曲効果を考慮した評価を行った結果、2.9%の過大評価に削減された。これにより、出力上昇に伴う炉心湾曲効果が重要な要因である可能性が示唆された。
高野 和也; 毛利 哲也; 岸本 安史; 羽様 平
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; The Role of Reactor Physics toward a Sustainable Future (PHYSOR 2014) (CD-ROM), 13 Pages, 2014/09
2009年に仏Phenix炉のEnd of Life試験において、定格出力時における制御棒の非対称引抜が径方向出力分布に与える影響を目的とする「制御棒引抜試験」が実施された。IAEAのTWG-FR(高速炉技術作業部会)において本試験に対するベンチマーク解析を実施するための共同研究プロジェクト(CRP)が立ち上げられ、CEA, ANL, IGCAR, IPPE, IRSN, JAEA, KIT, PSIから専門家が参加し本CRPを進めている。ここでは原子力機構(JAEA)によるベンチマーク解析結果について述べるとともに、JAEA解析手法が出力分布偏差に対して十分な精度を有していることを示す。また、中性子線及び線輸送効果を考慮した発熱計算により、径方向ブランケット燃料領域における出力分布解析精度が向上することを示す。
毛利 哲也; 丸山 修平; 羽様 平; 鈴木 隆之
Nuclear Technology, 179(2), p.286 - 307, 2012/08
被引用回数:11 パーセンタイル:63.41(Nuclear Science & Technology)臨界性、制御棒価値に引き続き、もんじゅ再起動炉心で実施された等温温度係数測定試験のデータ評価について述べる。最確値とその誤差を最も詳細なレベルで評価した。炉心間のデータ比較のために前回性能試験のデータも同レベルの詳細度で評価した。詳細評価の結果、再起動炉心の温度係数は前回試験に比べて約8%絶対値が低下することを確認した。感度解析により、その変化がおもにPuとAmの組成変化によるものであることを示した。解析精度を2種類の核データについて比較し、JENDL-4.0を使用した場合に前回試験の結果を実験誤差2%内で解析できることを確認した。一方、再起動炉心の結果に対しては、整合した結果が得られていないことが判明した。詳細に分析した結果、これまで想定していなかった外乱が影響している可能性を見いだした。
城 隆久; 後藤 健博; 矢吹 健太郎; 池上 和律; 宮川 高行; 毛利 哲也; 久保 篤彦; 北野 彰洋; 中川 浩樹; 川村 義明; et al.
JAEA-Technology 2010-052, 84 Pages, 2011/03
高速増殖原型炉もんじゅは、平成7年12月に発生した2次主冷却系ナトリウム漏えい事故後、運転を停止していたが、平成22年5月6日に14年5か月ぶりに性能試験を再開した。性能試験は、3段階に分けて実施していく計画であり、その最初の段階の炉心確認試験を78日間に渡って実施し、同年7月22日に終了した。炉心確認試験は、制御棒価値,プラント内外の空間線量当量率,冷却材やカバーガスの純度確認及び1次主冷却系循環ポンプのコーストダウン特性を測定する試験等、合計20項目の試験で構成される。平成22年5月8日に臨界を達成、長期停止・燃料交換後炉心でも十分な精度で臨界予測が可能であることを実証した後、国の使用前検査により安全上の技術基準を満足していることを確認した。その後、研究開発を目的とした試験を行い、おもに零出力炉物理特性(特に、Am-241を多く含む炉心の特性)の把握に資するデータを収集した。また、日本原子力学会を通じて大学等から提案のあった未臨界度の測定法を検討するための試験も実施するとともに、中性子計装の健全性確認のための測定や核出力校正の確認、1次主冷却系循環ポンプコーストダウン特性確認等を実施した。
高野 和也; 杉野 和輝; 毛利 哲也; 岸本 安史*; 宇佐美 晋
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors, Nuclear Power; A Sustainable Resource (PHYSOR 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/09
本検討では、JENDL-3.3とJAEAの標準解析手法の妥当性を検証することを目的とし、複数の核データライブラリ(JENDL-3.2, JENDL-3.3, JEFF-3.1, ENDF/B-VII)と、JAEAの標準解析手法に基づき、「もんじゅ」の炉物理試験解析(臨界性,制御棒価値,等温温度係数,出力係数)を実施した。また、感度解析を実施し、核データライブラリの違いによる影響を詳細に分析した。その結果、いずれの核特性においても、JENDL-3.3による解析結果は実験値と良い一致を示し、その他の核データライブラリと同等以上の精度を有していることが確認された。これより、JENDL-3.3とJAEAの標準解析手法の妥当性を確認することができた。感度解析の結果からは、「もんじゅ」は実機炉心の特性を活かして、高次Puの断面積や自己しゃへい効果の温度依存性の検証に非常に有効であることがわかった。
溝口 忠憲*; 岡崎 隆司*; 藤沢 登; 阿部 哲也; 平山 俊雄; 一木 繁久*; 川村 孝*; 小出 芳彦; 水内 亨*; 毛利 明博*; et al.
JAERI-M 88-045, 126 Pages, 1988/03
本報告書はIAEA主催INTORワークショップ、フェーズIIA、パート3における日本報告書の第3章に相当するものである。
毛利 哲也; 佐藤 若英; 植松 眞理; 羽様 平; 鈴木 隆之
no journal, ,
「もんじゅ」で使用する核特性解析システムの妥当性確認のために、前回性能試験の解析を行った。対象とした核特性は、臨界性,制御棒価値,等温温度係数,出力係数に加えて、固定吸収体反応度価値,燃料等価反応度価値,冷却材反応度価値,燃焼係数,反応率とし、JENDL-3.2,JENDL-3.3, JENDL/AC-2008,JEFF-3.1,ENDF/B-VIIの計5種類の核データライブラリを用いて実施した。解析の結果、それぞれの核データライブラリによるC/E値(解析値と測定値の比)は、測定誤差の範囲内で一致した。ただし燃焼係数については、測定誤差の範囲から若干外れ、過大評価傾向であることがわかった。以上のことから、本研究で用いた核特性解析システムは、ここで適用したような核データライブラリを用いることでおおむね実測値を再現できると結論され、その妥当性が確認された。今後は本研究で判明した測定値と解析値との差異の要因分析を行い、解析システムの精度の向上を図るとともに、得られた知見を次回の「もんじゅ」炉物理試験解析に反映する。
北野 彰洋; 毛利 哲也; 永田 章人*; 齋藤 浩介; 三澤 毅*; 玉川 洋一*
no journal, ,
高速増殖原型炉「もんじゅ」性能試験において、未臨界状態の炉心から得られる中性子検出信号から、炉雑音解析法,逆動特性法,ロッド・ドロップ法を用いて原子炉の未臨界度測定を実施した。得られた測定結果について、各手法間の比較並びに予測解析値との比較を行い、各手法の適用性評価及び結果の差異についての分析を実施した。
毛利 哲也; 諸橋 裕子; 丸山 修平; 笠原 秀之; 矢吹 健太郎; 大川内 靖
no journal, ,
高速増殖原型炉「もんじゅ」性能試験において、ポンプ入熱により原子炉の温度を均一に昇降させ、温度上昇に対する負の反応度フィードバックである温度係数を測定した。得られた測定結果について、前回性能試験との比較並びに予測解析値との比較を行った。
諸橋 裕子; 毛利 哲也; 丸山 修平; 笠原 秀之; 矢吹 健太郎; 大川内 靖
no journal, ,
高速増殖原型炉「もんじゅ」性能試験において、1次主冷却系流量の変化に伴って生じる反応度変化から流量係数を測定した。得られた測定結果について前回性能試験との比較を行った。
毛利 哲也
no journal, ,
高速増殖原型炉「もんじゅ」性能試験において、ポンプ入熱により原子炉の温度を均一に昇降させ、温度上昇に対する負の反応度フィードバックである温度係数を測定した。得られた測定結果について、前回性能試験との比較並びに予測解析値との比較を行った。
毛利 哲也; 高野 和也; 北野 彰洋; 諸橋 裕子; 加藤 優子; 矢吹 健太郎; 宮川 高行; 大川内 靖; 羽様 平
no journal, ,
「もんじゅ」は2010年5月6日に、約14年5か月の停止期間を経て試運転を開始し、同年7月22日まで炉心確認試験を実施した。停止中の約14年の間に、炉心の燃料にはAm-241が蓄積している。このため、Am-241を比較的多く含んだ炉心の炉物理特性データを取得することができる。試験ではおもに、臨界性,制御棒価値,温度係数が測定された。臨界性については、臨界となったときの制御棒位置は事前の予測の範囲内であり、Am-241を含んだ炉心の臨界性の予測制度は良好であることが確認できた。制御棒価値については、中心制御棒であるCCR1をペリオド法で、その他の制御棒を置換法で測定した。温度係数については、測定値は前回性能試験と比べて、絶対値が減少していることが確認された。これは燃料交換等による燃料の組成変化が影響していると考えられ、おもに、Pu-239, Pu-241, Am-241の寄与が大きいと考えられる。
毛利 哲也; 羽様 平; 西 裕士
no journal, ,
もんじゅは1995年に中断していた性能試験を2010年に再開した。2010年時の炉心はMAの一種であるAm-241を多く含んでおり、そういった炉心の基本的な核特性として、臨界性、制御棒価値、等温温度係数、反応度フィードバック特性等の測定が行われ、さらに試験後は、1995年時の測定結果も含める形で、測定結果の詳細評価と解析評価が行われた。結果として、最新の核データであるJENDL-4.0にて更新されたAm-241の核データは、中断前後の両炉心間で整合した結果を与えることが確認された。これはAm-241の核データ更新の妥当性を示すとともに、MA燃焼率の予測精度向上に寄与する結果と言える。高レベル放射性廃棄物の低減技術の開発は、国のもんじゅ研究計画作業部会において、もんじゅにおける重要なミッションのひとつであることが確認されており、今後はGACID計画を中心として、フランスや米国と協力して、もんじゅにてMA含有燃料の照射を行っていく。
山田 文昭; 栗坂 健一; 高野 和也; 毛利 哲也
no journal, ,
研究開発段階のナトリウム冷却高速炉の設計基準事故を超える炉心及び使用済燃料体の重大事故に至るおそれのある事故ついて、新規制基準を踏まえて、重要事故シーケンス選定とその防止対策を提案し、対策が損傷防止に有効である見通しを得た。
毛利 哲也; 光元 里香; 二神 敏; 巣瀬 巌; 江沼 康弘
no journal, ,
廃止措置段階において着目すべき事故について、出力運転から約21年が経過し使用済燃料の放射能が減衰しているプラント状態を考慮し、事故の選定と評価を実施した。事故としては、希ガス及びよう素の放出に至り得る事故として燃料取扱事故、放射性物質を含むNaの流出に至り得る事故として1次冷却材漏えい事故を選定し、評価の結果、周辺の公衆に対して著しい放射線被ばくのリスクを与えないことを確認した。
毛利 哲也; 杉野 和輝; 大木 繁夫
no journal, ,
高次化Pu・MA燃焼のための高速炉炉心にSiC構造材を適用した場合の反応度係数改善の物理的メカニズムについて、拡散理論に基づく感度係数を用いて分析した。その結果、主要な反応度係数であるドップラ反応度及びNaボイド反応度ともに、ODSフェライト鋼などの鉄等をベースとした構造材に含まれるFe-56等やSiC構造材に含まれるC-12, Si-28の散乱断面積や中性子捕獲断面積の寄与が大きいことが分かった。また、寄与の大きいFe-56とC-12の弾性散乱に着目し感度係数を成分毎に分解した結果、Fe-56からC-12への置換による中性子スペクトル軟化がドップラ反応度の増加、Naボイド反応度の低下に大きく寄与していることに加え、Naボイド反応度の低下については中性子漏洩の増加も寄与していることを明らかにした。
毛利 哲也; 杉野 和輝; 大木 繁夫
no journal, ,
一般的な増殖型のナトリウム冷却MOX燃料高速炉心(以下、増殖炉心)では、ドップラ係数の軸方向分布は炉中心で最大となるが、高速炉のフェーズアウトモードにおける高次化Pu・MA燃焼炉心(以下、燃焼炉心)の場合は炉心下端で最大になることを確認した。本検討では燃焼炉心に見られるドップラ係数の特性について分析を行った。その結果、燃焼炉心の炉心高さが低いことで炉心燃料領域における低いエネルギーの中性子束が比較的平坦になっていること、及び軸方向ブランケットを配置しないことで減速された中性子の炉心への反射が増加することによって生じていることを明らかにした。
毛利 哲也; 杉野 和輝; 大木 繁夫
no journal, ,
高速炉の主要エネルギー源としての役割が終わった将来のフェーズアウトモードにおける、高速炉を用いたPu・MA燃焼炉心の核設計精度を評価し、SiC構造材の使用が精度に与える影響を評価した。その結果、SiC構造材を使用することで、特にドップラ反応度の解析モデル及び断面積起因の不確かさが増加することを確認した。解析モデル起因不確かさに対しては超微細群補正の増加、断面積起因不確かさに対してはSiC構造材による中性子スペクトル変化に起因するNa-23弾性散乱、Am-241捕獲、U-238非弾性散乱の不確かさ増加が主に寄与し、SiC構造材自身の断面積の不確かさの寄与は小さいことを明らかにした。