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永澤 耿*; 山田 美代子*; 森井 幸生
Journal of the Physical Society of Japan, 65(3), p.778 - 781, 1996/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)Cu-17.0Al-14.3Zn合金の相で、フォノン分散関係や弾性散乱異常が一軸応力や熱処理によってどのような影響を受けるかを調べた。[110]TAフォノンの測定から、[001]応力が相からマルテンサイト相への転移に関連する格子振動不安定性を増巾することが判明した。一方、2/3qに現われる弾性散乱異常は、この転移とは関連していない。また373Kで7日間の熱処理を加えても、[110]TA、[111]LA、[112]TAフォノンや2/3q弾性散乱、的弾性散乱への影響は見出せなかった。これらの弾性散乱は相における空孔の規則性からもたらされていると推測される。
牧田 知子*; 永澤 耿*; 森井 幸生; 皆川 宣明; 大野 英雄
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.430 - 432, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:68.04(Physics, Condensed Matter)AuZn合金は融点直下から広範囲の温度領域にわたってCsCl型規則構造(B構造)であり、これを冷却すると液体窒素温度付近、またはそれ以下の温度でマルテンサイト変態することが知られている。しかしこの合金に関する研究は少なく、マルテンサイト変態機構は勿論、マルテンサイトの結晶構造も明らかではない。これらの問題の解明は、相合金に生じるマルテンサイト変態の性質を統一的に理解するための基礎として重要である。この見地から、放射光及び中性子を用いて研究を行っているが、本研究では、プレマルテンサイト状態のフォノン分散、特に[110]TAフォノン分散の温度変化及びマルテンサイトの結晶構造に関する研究を行い、変態機構について議論した。
永澤 耿*; 山内 理恵*; 喜多 和枝*; 牧田 知子*; 森井 幸生
Journal of the Physical Society of Japan, 63(3), p.995 - 1000, 1994/03
被引用回数:1 パーセンタイル:19.6(Physics, Multidisciplinary)AuCuZn合金の[110]TAフォノンをbcc相、B2相、ホイスラー相において詳細に測定した結果、18R型マルテンサイト相へと関連して行く格子振動不安定性はホイスラー相のみが有する特徴であることが判明した。またホイスラー相における2/3[110]弾性散乱ピークの温度変化の測定から、このピークが[110]TAフォノンの2/3Qにあらわれる異常と関連しているのではなく、B2相に特徴的に存在する空孔に起因していることが明らかになった。
永澤 耿*; 森井 幸生
Mater. Trans. JIM, 34(10), p.855 - 873, 1993/00
被引用回数:15 パーセンタイル:65(Materials Science, Multidisciplinary)アルカリ金属、第六群金属、相合金、ニッケル合金、タリウムや第三群金属などの金属や合金におけるマルテンサイト前駆状態に関する最近の中性子散乱研究を概観する。これらの物質に観測される[110]TAフォノンや[111]LAフォノンの格子振動異常について、マルテンサイト相変態との関連において議論する。相形成に関連した弾性散乱の異常についても述べる。これらの異常から空孔や非調和振動や電子構造の重要性を指摘する。
永澤 耿*; 桑原 敦子*; 森井 幸生; 渕崎 員弘; 舩橋 達
Mater. Trans. JIM, 33(3), p.203 - 207, 1992/03
被引用回数:17 パーセンタイル:75.82(Materials Science, Multidisciplinary)超音波パルスエコー法、X線及び中性子回折法を用いて、プレマルテンサイト相-Cu-27.0Al-5.5Pd合金の一軸応力下における格子振動の不安定性について調べた。(110)面間力についての非調和項が大きいために[001]一軸応力下での[110]TAフォノンエネルギーが極めて小さくなり、この振動モードの不安定性が増すことが判明した。この面間力解析によって[001]応力下で誘起されるマルテンサイト相は18R(又は9R)構造を持つと予想される。
森井 幸生; 永澤 耿*; 松尾 欣枝*; 舩橋 達; H.R.Child*; R.M.Nicklow*
Journal of the Physical Society of Japan, 60(12), p.4160 - 4166, 1991/12
被引用回数:3 パーセンタイル:41.08(Physics, Multidisciplinary)中性子非弾性散乱と散漫散乱によって-AgZn合金の相変態を研究した。結晶主軸に沿ってフォノン分散関係を測定した結果、超音波実験から予測されていた[]LAフォノンモードの異常は観測されず、むしろ[]TAおよび[-2]TAモードのエネルギーが非常に小さい異常とこれらのモードに関連する散漫散乱が見い出された。この格子不安定性が相から相やマルテンサイト相への相変態で重要な役割を担っていることが判明した。
永澤 耿*; 喜田 和枝*; 森井 幸生; 渕崎 員弘; 片野 進; 舩橋 達; H.R.Child*
Mater. Trans. JIM, 32(11), p.1011 - 1016, 1991/00
被引用回数:4 パーセンタイル:47.89(Materials Science, Multidisciplinary)Heusler型結晶構造をもつ相AuCuZn合金について(H2/3,K2/3,L4/3)と(H2/3,K2/3,L4/3)の逆格子点にあわられるピーク状の回折ピークをX線と中性子を用いて調べた。このピークは不完全規則B相において、670KでHensler型規則構造へと変態する際の規則化を担う空孔が、ある種の規則配列をしたために起こることが判明した。この空孔は急冷処理によってHeusler型構造の中に凍結されると、ピーク状回折異常をもたらし、その後の昇温により空孔がなくなると、回折異常も消滅する。[111]LA、[112]TAフォノン分散関係の特徴も以上の結論を支持している。