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片山 一成*; 竹石 敏治*; 永瀬 裕康*; 眞鍋 祐介*; 西川 正史*; 宮 直之; 正木 圭
Fusion Science and Technology, 48(1), p.561 - 564, 2005/07
被引用回数:1 パーセンタイル:10.46(Nuclear Science & Technology)JT-60Uのグラファイトタイルに蓄積されている軽水素,重水素,トリチウムを加熱法と同位体交換法を利用して放出させ、各種水素同位体の放出挙動を観測した。その結果は以下のようである。(1)軽水素,重水素については、比較的同様な放出曲線を示したが、トリチウムとは異なっていた。(2)グラファイト中に蓄積した水素同位体をすべて放出させるには、加熱のみでは困難であり、同位体交換法あるいは燃焼法が必要である。(3)水素蓄積量は、重水素蓄積量に比べ一桁多かった。この結果は、重水素放電によりグラファイト中に捕捉された重水素の大部分が、後の軽水素放電により放出されたことを示す。(4)カーブフィッティング法により、おおまかな水素同位体の深さ方向分布を推定した。第一壁タイルでは、軽水素,重水素は表面から1mmまで、トリチウムは2mmまで、比較的一様に分布していると推定された。また、ダイバータタイルでは、軽水素,重水素,トリチウムとも表面から2mmまで比較的一様に分布していると推定された。
片山 一成*; 竹石 敏治*; 眞鍋 祐介*; 永瀬 裕康*; 西川 正史*; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 340(1), p.83 - 92, 2005/04
被引用回数:7 パーセンタイル:49.23(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60U W型ダイバータ領域ドームトップと内側ウィングタイルで使用されたグラファイトタイルからのトリチウム放出挙動を、Ar, H/Ar, (O+HO)/Ar雰囲気での昇温脱離法により調査した。その結果は以下のようである。(1)Ar雰囲気中で1000Cに加熱した後、なお総トリチウム蓄積量に対しておよそ20-40%がタイル内に残留していた。この残留トリチウムは、1000C以上の温度でH/Arもしくは(O+HO)/Arガスに曝すことにより回収された。(2)トリチウム蓄積量は、ドームトップで84-30kBq/cm、内側ウィングタイルで8-0.1kBq/cmと求まった。トリチウム濃度は、ドームトップで最も高く、ウィングタイル端にかけて減少していることがわかった。(3)段階昇温過程でのトリチウム放出曲線から放出開始温度を推定した。放出開始温度は、ウィングタイル端で最も高く、ドームトップで最も低かった。これは、トリチウム蓄積分布と逆の傾向である。放出開始温度は、プラズマ放電中のタイル表面温度を反映していると考えられ、タイル表面温度が高いほどトリチウム蓄積量が少ないことを示している。(4)タイルの深い位置からも微量のトリチウムが放出された。これは、分子状トリチウムがグラファイト細孔内を拡散し、グレイン表面から吸収されたことを示している。