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福士 圭介*; 佐々木 美和*; 佐藤 努*; 柳瀬 信之; 天野 光; 池田 穂高*
Applied Geochemistry, 18(8), p.1267 - 1278, 2003/08
被引用回数:215 パーセンタイル:95.93(Geochemistry & Geophysics)西ノ牧廃鉱山では、鉱滓周辺の水は酸性でヒ素を多く含んでいる。しかし、下流のヒ素濃度は自然に減少する。このような自然浄化の機構を研究するために、河川水と沈殿物を採取した。試料はXRD, IR, ICP-MS及びイオンクロマトにより分析した。沈殿物については選択的抽出法による分析も行った。得られた結果を地球化学コードによる解析結果と比較検討した。パイライトとリアルガーの酸化により放出されたFe(II)は、バクテリアの酸化作用によりFe(III)となりシュベルトマナイトを生成する。シュベルトマナイトのような水酸化鉄はヒ素に対して大きい収着能を示す。この反応により下流の河川水中ヒ素濃度はバックグラウンドレベルまで下がり、沈殿物のヒ素濃度は60mg/gまで上昇する。したがって、ヒ素はシュベルトマナイトの生成により効果的に河川水から除去され自然浄化されることがわかった。