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瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 立原 丈二; 高藤 清人; 沖田 高敏; 佐藤根 大士*; 鈴木 道隆*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 8(3), p.21-00022_1 - 21-00022_9, 2021/06
MOX燃料製造工程におけるグローブボックス内の核燃料物質の滞留並びに外部被ばく線量の低減を目的として、グローブボックス構成材のアクリルへのナノ粒子コーティングによる粉末付着防止に係る技術開発を進めている。AFM測定により、ナノ粒子コーティングを施したアクリル試験片表面の二乗平均平方根粗さは、非コーティング面に比べて高い値を有することを確認した。ナノ粒子コーティングにより、表面にナノオーダーの微細な凹凸が形成され、アクリル試験片と観察された最小粒子径約5mのUO粒子との間に働く付着力が約10分の1に低下し、さらにMOX粉末の付着量が約10分の1に低減することが明らかになった。本研究によりグローブボックス構成材に対し、ナノ粒子コーティングを施すことにより、核燃料物質の付着防止効果が得られることがわかった。本手法は、グローブボックスにおける核燃料物質の滞留並びに外部被ばく線量の低減、アクリルパネルの視認性の改善に有効である。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 立原 丈二; 高藤 清人; 沖田 高敏; 佐藤根 大士*; 鈴木 道隆*
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 6 Pages, 2020/08
MOX燃料製造工程におけるグローブボックス内の核燃料物質の滞留並びに外部被ばく線量の低減を目的として、グローブボックス構成材のアクリルへのナノ粒子コーティングによる粉末付着防止に係る技術開発を進めている。アクリル試験片にナノ粒子をコーティングすることにより、表面にナノオーダーの微細な凹凸が形成され、アクリル試験片と観察された最小粒子径約5mのUO粒子との間に働く付着力が約10分の1に低下し、さらにMOX粉末の付着量が約10分の1に低減することが明らかになった。本研究によりグローブボックス構成材に対し、ナノ粒子コーティングを施すことにより、核燃料物質の付着防止効果が得られることがわかった。本手法は、グローブボックスにおける核燃料物質の滞留並びに外部被ばく線量の低減、アクリルパネルの視認性の改善に有効である。
鈴木 紀一; 沖田 高敏; 青野 茂典
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/06
プルトニウム燃料第三開発室(PFPF)では、1988年より、工学規模での高速炉用MOX燃料の製造技術開発及び常陽・もんじゅの用MOX燃料の製造を行ってきた。特に、低密度仕様である「もんじゅ」の燃料製造では、様々な課題に直面したものの、製造技術の高度化により、それらの課題を克服してきた。本発表では、これまでにPFPFで培われた工学規模でのMOX燃料製造技術及び近年の燃料製造技術開発成果について報告する。
高藤 清人; 村上 龍敏; 鈴木 紀一; 柴沼 公和; 畑中 延浩; 山口 文吾; 飛田 良正; 篠崎 雄; 飯村 直人; 沖田 高敏; et al.
JAEA-Technology 2013-026, 42 Pages, 2013/10
高速炉実用化燃料は、高燃焼度化に対応する目的で、燃料ペレットのO/M比の仕様が1.95と、「もんじゅ」燃料仕様の1.98よりも低く設計されている。このような低O/M比の燃料ペレットの製造試験として、還元メカニズムの異なる二種類のO/M比調整試験を行った。1つ目の試験では、焼結ペレットを熱処理することでO/M比を低く調整する技術について評価した。もう一方の試験では、炭素を多量に含むペレットを焼結すると、残留炭素の還元反応によりO/M比が低下するという知見から、多量の有機添加剤を含むペレットを焼結し、残留炭素の還元反応によりO/M比を低く調整する技術について評価した。1つ目の試験の結果、O/M比の低下が見られたが、低下量は小さく、O/M比1.95に調整するには長時間の熱処理が必要と推測された。これは、熱処理中にペレットから放出される酸素を含むガスが焼結皿間に滞留し、このガスの酸素ポテンシャルと平衡となるようにO/M比が変化するためと考える。もう一方の試験の結果、残留炭素の還元反応によるO/M比の低下が確認された。また、O/M比を効果的に下げるには、焼結炉内の雰囲気ガスの酸素ポテンシャルを低く管理することが重要であることがわかった。
小野 高徳; 畑中 延浩; 沖田 高敏; 青野 茂典
JAEA-Technology 2012-042, 96 Pages, 2013/02
高速増殖炉もんじゅ用取替燃料製造に用いる原料粉末として、COGEMA社(仏国)において再処理して得られた酸化プルトニウム粉末(以下、「海外返還プルトニウム粉末」と言う。)を平成5年1月にプルトニウム燃料第三開発室に受入れた。海外返還プルトニウム粉末は、COGEMA社仕様の容器に収納されているため、プルトニウム燃料第三開発室のペレット製造工程で取り扱い可能な容器へ詰替える必要がある。このため、新たに原料詰替設備及び一時保管設備を設置し、これらの設備を使用して海外返還プルトニウム粉末の詰替作業を実施した。この詰替作業は、平成5年3月に開始し、平成18年3月にすべて終了した。本報告書は、原料詰替設備及び一時保管設備の設計から運転が終了するまでの運転及び保守を通じて蓄積された技術や課題を取りまとめたものである。この知見は、同様の設備を設計する際に反映することが重要である。
水野 峰雄; 芳賀 哲也; 須藤 勝夫; 武内 健太郎; 沖田 高敏; 木原 義之
JAEA-Technology 2011-009, 100 Pages, 2011/06
高速増殖原型炉もんじゅ用燃料ペレットは85%TDと低焼結体密度仕様であるため、製造には密度を降下させるためのポアフォーマ(以下、PFと略す)として、アビセルが使用されてきた。しかし、近年、アビセルの製造が中止されたため、代替材としてのPF候補材の特性を比較評価するための試験を実施した。下記に示した本試験の結果に基づき、セルフィアをアビセルの代替材に推奨した。(1)セルフィアを添加したペレットの焼結体密度のPF添加による密度降下率は、アビセルを添加したペレットとほぼ同一で、密度のばらつきはPF候補材の中で最も小さい。(2)ペレット外観観察における欠陥発生率は、PF候補材の中で最も低い。(3)セルフィアを添加したペレットのO/Mは、アビセル添加ペレットのO/Mと同等である。(4)ペレット縦断面金相観察におけるマイクロクラック発生の程度は、セルフィアがPF候補材の中で最も小さく、アビセル添加ペレットと同等である。(5)セルフィアを添加したペレットの焼しまり量はアビセル添加ペレットと同等である。上記のとおり、アビセルの代替材として推奨したセルフィアは、アビセル使用終了後のもんじゅ燃料製造に使用される予定である。
武内 健太郎; 沖田 高敏; 青野 茂典
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 4 Pages, 2005/10
FBR用MOXペレット製造において、混合粉末の比表面積や均一性といった粉末特性は、粉砕混合条件によって変化する。これらの粉末特性は、焼結密度やPu/U均一性等のペレット品質に大きな影響を与える。本試験では、混合粉末の特性、粉砕混合条件及びペレット品質の関係について評価した。
牧野 崇義; 沖田 高敏; 加藤 良幸; 栗田 勉; 高橋 芳晴; 青野 茂典
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 5 Pages, 2005/10
従来のMOX燃料製造コストを大幅に低減し得るショートプロセスと呼ばれる新たなペレット製造プロセスの開発を進めている。MH粉末は微粉末で流動性が悪いため、軽水炉に比べ細い高速炉用の成型金型にそのまま充てんしペレット化することは困難である。本試験では、2種類の方法でMH粉末の流動性を改良するためのホット試験を実施し、ペレット品質を評価した。
三浦 満; 助川 宣夫; 沖田 高敏; 出口 守一; 石田 忍; 大谷 誠二
動燃技報, (88), p.54 - 63, 1993/12
プルトニウム燃料第二開発室ATRラインは、昭和46年の施設完成後、大洗工学センターに設置されている重水臨界実験装置DCAの燃料を製造し、昭和50年7月よりATR原型炉「ふげん」の燃料製造を主として行っている。平成4年度には、「ふげん」のMOX燃料として累計500体の製造を成し遂げた。これらは「ふげん」で発電に利用され、これまでに一体の破損もなく、その燃料体の健全性を立証し続けている。本報告では、累積500体に至る燃料製造の経緯、および最近実施した高速増殖実験炉「常陽」のペレットを乾式回収して原料として使用する燃料製造技術開発について報告する。
牧野 崇義; 沖田 高敏; 加藤 明文*; 鈴木 雄一郎*; 皆川 進; 鹿志村 元明
no journal, ,
簡素化ペレット法(ショートプロセス)は、溶液段階でPu富化度調製したMOX粉末を直接成型・焼結するプロセスであり、実用化戦略調査研究フェーズ2の評価で主概念に選定された。本報告では、流動性を改良したMOX粉末を用いたダイ潤滑方式でのペレット成型・焼結試験を行ったので、粉末特性とペレット焼結密度の関係,流動性改良粉末の燃料製造への適合性について報告する。
須藤 勝夫; 牧野 崇義; 加藤 明文*; 沖田 高敏; 鈴木 政浩; 鹿志村 元明; 木原 義之; 芳賀 哲也
no journal, ,
粉末を圧縮成型する際、潤滑剤が不均一で粉末と成型ダイ壁面との摩擦抵抗が大きい場合、粉末に伝わる圧縮荷重が不均一となり、成型体の欠け、割れ、密度不均一、機械的強度低下の原因となる。これまでの基礎試験結果より、ダイ潤滑成型で安定した品質の成型体を得るための潤滑剤の塗布方式は、ダイ下方より噴霧し、ダイ内の余剰潤滑剤はダイ上方より吸引する構造とし、その際の塗布流速及び吸引流速の範囲を設定した。また、粉末流動性の違いにより、ダイ内に充填される粉末量にばらつきが発生する。そこで、粉末充填量のばらつきによる成型体品質への影響を低減するため、一定量の粉末を充填する定量充填機構を設ける構造とした。さらに、ダイセット部のみをグローブボックス内に設置し、動力部はグローブボックス外に設置する構造とし、メンテナンス性の向上を図っている。
鈴木 政浩; 石井 克典; 木原 義之; 栗田 勉; 吉元 勝起; 沖田 高敏; 鹿志村 元明; 加藤 正人; 滑川 卓志; 藤井 寛一
no journal, ,
FaCTプロジェクトにおいて、簡素化ペレット法による燃料製造技術の成立性見通しを得るために主要な革新技術(6課題)を設定し、2015年の技術体系の整備を目指した開発を推進している。本報告では、簡素化ペレット法燃料製造技術に関する主要な革新技術課題毎の進捗状況及び今後の計画について報告する。
武内 健太郎; 沖田 高敏; 関 正之; 高野 龍雄; 加藤 明文*; 鹿志村 元明
no journal, ,
高速炉サイクルの研究開発ではAm等のマイナーアクチナイド(MA)を数%含有するMOX燃料についての検討が進められている。そこで、MAを含有した高速炉用MOX燃料の熱的性能を確認するため、高速実験炉「常陽」においてAm含有MOX燃料の高線出力での照射試験を実施した。本報告では、照射試験に供した「もんじゅ」仕様を模擬した低密度のMOXペレットの製造及び燃料要素の加工に関して報告する。燃料ペレット製造では、Am含有率の高いPuO粉末及び濃縮UO粉末を原料粉末とし、均一化混合,ポアフォーマ(密度降下剤)及びバインダの添加混合,造粒,ルブリカントの添加混合,成型,予備焼結及び焼結を行い、燃料ペレットを得た。試験パラメータである燃料ペレットのO/M比及びペレット/被覆管ギャップ幅は、雰囲気制御下での熱処理及び外周研削により、それぞれの試験パラメータの目標値となるように調整した。燃料要素加工では、燃料ペレット及び各部材をSUS316相当ステンレス鋼製被覆管に充填し、タグガス雰囲気を模擬するためにKrを9%混合したHeガス雰囲気中(1気圧)で端栓を溶接して燃料要素を得た。
須藤 勝夫; 沖田 高敏; 武内 健太郎; 高野 龍雄; 加藤 明文*; 芳賀 哲也; 山田 美一; 木原 義之
no journal, ,
FaCTプロジェクトにおいて、簡素化ペレット法によるMOX燃料製造技術として、ダイ潤滑成型技術開発を進めている。これまでに、潤滑剤の選定,潤滑手法,ダイ潤滑成型試験及びダイ潤滑を模擬したMOX試験等を実施し、これらの技術成果をもとにダイ潤滑試験装置の設計,製作を実施した。本報告では、小規模のMOX試験用に整備したダイ潤滑成型装置のコールド試験結果について報告する。評価項目は、金型壁面への潤滑剤の塗布状況,下パンチに取り付けたロードセルによる成型体抜き出し荷重,潤滑剤切り出し精度,ペレットへの潤滑剤移行量及び成型速度である。試験の結果、潤滑剤が金型壁面全体に均一に塗布されており、成型体抜き出し荷重も現行の成型法と同等であり、潤滑剤切り出し精度も良好であった。また、成型速度については将来のMOX燃料製造プラントの設計に求められる成型速度である7.5サイクル/分・パンチを満足することができた。
水野 峰雄; 須藤 勝夫; 武内 健太郎; 沖田 高敏; 木原 義之
no journal, ,
簡素化ペレット法はFBRサイクル実用化研究開発(FaCT)において実用化の可能性が最も大きい主概念とされている。本試験では簡素化ペレット法の基礎試験として、これまでに経験のない、造粒粉末に乾式回収粉を混合した粉末によるMOXペレット製造の小規模試験を実施した。本試験の結果、ペレットの焼結体密度は、乾式回収粉の粒度及び添加率に強く依存することがわかった。本結果は今後の工学規模試験における試験条件等に反映される予定である。
沖田 高敏; 須藤 勝夫; 木原 義之; 朝倉 浩一; 小島 久雄
no journal, ,
原子力機構は、1974年から2001年にかけて、プルトニウム燃料第二開発室で773体の新型転換炉「ふげん」用のMOX燃料を製造した。この製造工程の主な特徴は、ボールミルによる一段混合,無造粒による成型、バッチ炉による焼結である。一段混合法では、秤量した各種原料粉末をボールミルのみで仕様のプルトニウム富化度に粉砕混合される。MOX粉末はボールミルによりミクロンサイズの粒子に粉砕され、その後の添加剤混合工程で造粒したように二次粒子が形成される。添加剤混合工程での二次粒子の形成により、「ふげん」用の成型金型に容易に充填できる流動性が得られる。「ふげん」燃料製造では、円筒形のバッチ炉を焼結炉及び脱脂炉に使用した。円筒形状の炉は優れた均熱性を有しおり、焼結ペレットの密度は仕様に対して十分小さな標準偏差となった。プルトニウム燃料第二開発室で製造した「ふげん」用燃料集合体は、照射により一体も破損することはなかった。28年間に渡る「ふげん」燃料製造を通じて、ボールミルによる一段混合、無造粒による成型、バッチ炉による焼結といった枢要技術が、年間10トン規模の燃料製造適用できることを確証した。
高藤 清人; 鈴木 紀一; 飯村 直人; 沖田 高敏
no journal, ,
原子力機構でのMOX燃料製造工程におけるペレット外観検査では、モニター上に映したペレットを目視により全数検査しており、検査員への負担や検査時間等に課題があり、外観検査の自動化へのニーズがあった。このため、2次元レーザー変位計によりペレットの表面形状を測定し、測定データからペレットの外観不良を判別するプログラムを開発した。本報告では、測定データ及び外観不良判別プログラムの信頼性を評価した結果を報告する。
市毛 秀和; 畑中 延浩; 飯村 直人; 沖田 高敏
no journal, ,
高速炉用MOX燃料を安定して量産製造するには、工程設備の信頼性、メンテナンス性の向上を図ることが重要である。特に、従来の連続焼結設備の炉内部品のメンテナンスでは、数か月に及ぶ長期の作業期間を要する等の課題があり、これらの課題を解決すべく、原子力機構において新規に開発した連続焼結設備を導入した。ここでは、ホット運転を経た新連続焼結設備の炉内不具合箇所の補修作業を通して、効率的にメンテナンスができることを実証したので、その結果について報告する。