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柴田 欣秀; 諫山 明彦; 宮本 斉児*; 河上 翔*; 渡邊 清政*; 松永 剛; 河野 康則; Lukash, V.*; Khayrutdinov, R.*; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 56(4), p.045008_1 - 045008_8, 2014/04
被引用回数:3 パーセンタイル:15.46(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uのディスラプションにおいて、電流クエンチ初期のプラズマ電流の減衰をディスラプションシミュレーションコード(DINA)と計測された電子温度分布を用いて計算した。電流減衰時間が短い放電では、熱クエンチ直後の電子温度分布は既にピークしており、電流クエンチ中にあまり変化しなかった。一方、電流減衰時間が長い放電では、熱クエンチ直後の電子温度分布は電流減衰時間が短い放電に比べて広がりを持っており、電流クエンチ中に電子温度分布の収縮が観測された。そのような放電では、プラズマ外部インダクタンスはほとんど変化しないが、プラズマ内部インダクタンスの増加がDINAコードの計算でも観測された。一連の計算により、プラズマ内部インダクタンスの増加は、周辺領域の電子温度が減少し、プラズマ中心に電流が拡散することにより発生していることが分かった。また、本研究ではDINAコードを用いることにより、プラズマ周辺部の電子温度の加熱を用いることによりプラズマ電流の減衰時間を長くする方法を提案した。
河上 翔*; 柴田 欣秀; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 滝塚 知典*; 河野 康則; 岡本 征晃*
Physics of Plasmas, 20(11), p.112507_1 - 112507_6, 2013/11
被引用回数:2 パーセンタイル:8.92(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、ネオンガスパフディスラプションの電流クエンチの初期フェイズにおけるプラズマ電流減衰時間は、内部インダクタンスの増加率によって大きく影響されることが分かっていた。このフェイズにおいて内部インダクタンスが増加する理由を調べるために、電子温度(抵抗率)分布と電流密度分布の時間変化に着目し、数値計算を実施した。その結果、内部インダクタンスが増加する理由を解明した。電流クエンチ開始直後の電流密度分布は、数値計算で得られる定常状態での電流密度分布より広い分布をしており、電流密度分布はその後中心ピークした形へ変化していき、それに伴い内部インダクタンスが増加することを明らかにした。
河上 翔*; 柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 梶田 信*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 杉原 正芳*; 河野 康則; Lukash, V. E.*; et al.
no journal, ,
トカマク型核融合装置においてディスラプションが発生すると第一壁や真空容器に熱的・電磁的な負荷を与えることから、ディスラプションの特性を理解して予測・回避・緩和のためのシナリオを確立することが重要である。今回、ディスラプション発生時のプラズマ電流の減衰過程に関して、JT-60Uの実験結果と2次元軸対称MHD平衡計算コードDINAの計算結果とを比較した。DINAの計算においてパワーバランスから解いた電子温度を用いた場合、プラズマ電流の時間発展は実験に比べて速い減衰となった。また、電子温度を100eV、実効電荷を17で一定値として計算した場合、プラズマ電流とプラズマ断面積の減衰は実験とよい一致を示したが、ディスラプション開始時刻における内部インダクタンスは実験値より低くなり、その時間発展も実験とは異なるものとなった。DINAでは電子温度分布を一定としているが、実際は一定ではない分布を持つことから、内部インダクタンスの差異の原因の1つとして電子温度分布が考えられる。
河上 翔*; 大野 哲靖*; 渡邊 清政*; 柴田 欣秀; 岡本 征晃*; 宮本 斉児; 諫山 明彦; 杉原 正芳*; 河野 康則; Lukash, V. E.*; et al.
no journal, ,
JT-60Uの大量ネオンガスパフによるディスラプション実験において、電流減衰の初期段階の内部インダクタンスの増加が電流減衰時間の値に影響を及ぼすことが以前実験的に検証されたが、物理機構は十分解明されていなかった。本研究では、2次元軸対称シミュレーションコードDINAを用いることにより、ディスラプション中の電子温度分布がの時間変化に与える影響を解析した。まず、電子温度分布を空間一定とした場合、は実験での観測とは逆に時間的に減少した。次に、実験時に得られた電子温度分布を用いて計算した場合、は時間的にほぼ一定となった。このことは、電子温度の分布を考慮することでを実験結果を再現する方向に近づけることができるものの、これだけでは不十分であることを示唆している。今回の計算では計測の困難さなどの理由から空間一定としているパラメータがあるが、これらの分布もの時間変化に影響を及ぼしている可能性がある。
嶋田 祥宏*; 柴田 欣秀; 中村 裕司*; 渡邊 清政*; 河上 翔*; 宮本 斉児; 諫山 明彦; 松永 剛; 杉原 正芳*
no journal, ,
JT-60Uの高自発電流割合プラズマ放電ではマイナーコラプスという、ディスラプションまでは至らないがプラズマの閉じ込めが一時的に悪くなる現象が多く観測されている。この現象は一旦電流が減少し始めると放電停止まで電流が減衰するメジャーディスラプションとは振る舞いが異なるため、ディスラプション制御の観点から大変興味深い。そこで本研究では、プラズマの時間発展を含むMHD平衡計算コードDINAを用いて、マイナーコラプス時にプラズマ電流の減衰が止まり、そこから反転してプラズマ電流の上昇が起こるメカニズムの解明を目的としている。JT-60Uではプラズマ電流が減衰する過程で、プラズマ電流の減少を防ぐために周回電圧を印加する制御を行っている。そこでJT-60Uのオーミック(F)コイルの電流値を外部から入力できるようにDINAコードの改良を行い、周回電圧の効果を調べた。その結果、周回電圧はプラズマ電流の増加につながっているが実験の電流の増加は再現できず、この現象は他の影響によるものと考えられる。また、マイナーコラプス発生直後の電流減衰においては、電流密度分布の変化が電流減衰に与える影響が大きいことは過去の研究で判明している。そこで本発表では電子温度分布の時間発展と電流密度分布の時間変化の関係性、またそれらが電流の時間発展に与えている影響について調べた。