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熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
Radiation Protection Dosimetry, 36(2-4), p.269 - 273, 1991/00
本論文は放射線防護の種々の局面における線量分布モデルの必要性を示したものである。対数正規及び正規分布を適用した、作業者の線量分布に関するGaleの研究(AERE-R4736、1965)以来、様々な線量分布モデルが出されている。その中でもICRP Pub1.26の採用により対数正規が最も普及している。しかし実際の線量分布は被曝を抑制するフィードバック機構の存在を示唆し、対数正規分布から外れることがある。このように線量分布モデルは線量限度の影響を反映したものである必要がある。本論文では、線量分布モデルの必要性、その分布モデルの簡単な歴史、1980年に著者らが提案した混成対数正規(HLN)という分布モデルのデータへのあてはめ法、混成目盛というスケール上における被曝管理状態の特徴、HLN分布を生ずる被曝管理過程、及びHLN分布の適用例を示した。
河合 勝雄; 外川 織彦; 山口 勇吉; 須賀 新一; 沼宮内 弼雄
JAERI-M 90-022, 16 Pages, 1990/02
本報告は、JAERI-M87-172に掲載した預託実効線量当量等の値を現行法令に準拠したものとするために、ICRP Publication48によって勧告されたアクチニド元素について、吸入あるいは径口摂取した場合の単位摂取量当りの預託実効線量当量及び非確率的影響によって年摂取限度が決まる預託組織線量当量を一覧表にまとめ、JAERI-M87-172の補遺として、放射線防護に関する線量算定の便に供するものである。
加藤 正平; 山本 英明; 熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
EPA-520/1-90-013, p.266 - 280, 1990/00
原子炉施設のデコミッショニングで発生する有用金属を再利用することにより発生する可能性のある残留放射能による理学工業機器に対する影響を調べる。特にLSI、高感度写真フィルム及び低バックグランド放射線測定器に対してはその可能性があることを明らかにし、その経済的影響の評価法を検討した。
熊沢 蕃; 松下 紘三; 山本 峯澄; 沼宮内 弼雄
7th Congress of the IRPA; Radiation Protection Practice, Vol. 1, p.589 - 592, 1988/00
本報は作業固有の作業者線量分布の性質を混成対数正規分布を用いて明らかにしたものである。使用したデーターはJRR-2での1次冷却系関連の修理作業及びJRR-3改造時の多種にわたる撤去作業の2つの放射線作業である。いづれの作業においても作業者の日線量及び累積線量は混成対数正規分布に適合していると考えられる。
中村 力; 足利谷 好信; 小野寺 淳一; 池沢 芳夫; 松井 浩; 沼宮内 弼雄
7th Int. Congress of the IRPA, Radiation Protection Practice, Vol. 3, p.1260 - 1263, 1988/00
JPDRは、BWR(出力90MWt)型の実証試験炉で、1963年から13年間運転した後、1976年に運転を終了した。この試作炉は1986年から1992年の7年間にわたって解体撤去される予定になっている。本報告書は、解体作業エリアの放射線率、解体工学等を考察し、JPDRデコミッショニングのおける作業者の集団被曝線量及び一般公衆の個人最大被曝線量を推定した結果について述べる。
熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄; A.Wolbarst*; C.B.Richardson*
日本SASユーザー会論文集, p.91 - 94, 1988/00
本報は米国環境保護庁の職業被曝評価のための解析にSAS(Statistical Analysis System)ソフトウエアを利用する方法及びその結果を述べたものである。本研究は、原研と米国環境保護庁との研究協力取決めの一環として実施し、原研で開発した職業被曝解析法の一部をSASソフトウエアで行う方法を開発することにある。本報では、職業被曝人員推定及び線量・年齢2次元分布推定のそれぞれにおけるSASソフトウエアの利用法を検討した。前者では、歯科用線装置台数、人口等の州分布へのジョンソンS分布をPROC NLINで実施する方法及びその結果を示した。また、後者では、年線量と年齢による2次元頻度データへの混成対数正規分布及びジョンソンS分布をそれぞれPROC REG及びPROC NLINで実施する方法及びその結果を示した。
加藤 清; 平山 勝嘉; 押野 昌夫; 沼宮内 弼雄
Proc. 1987 Int. Waste Management Conf., p.221 - 226, 1987/00
原研東海研究所の放射性廃棄物処理において、可燃性固体廃棄物は、1960年から現在までに3基の焼却設備が設置され、約7,600mが焼却処理されてきた。本発表では、これらの装置の概要と経緯を述べるとともに、現在運転中の焼却設備の仕様、性能、運転実績などを報告する。
沼宮内 弼雄; 加藤 清
原子力工業, 32(9), p.74 - 79, 1986/00
原子炉施設の解体に際しては、金属解体物やコンクリート解体物などの放射性廃棄物が解体期間中に集中的に大量に発生する。このため、解体廃棄物の処理技術等の確立をはかる必要がある。原研における解体廃棄物処理処分関連技術の開発として、57年度から、(i)解体廃棄物のパッケージ技術、(ii)金属廃棄物の減容処理技術(圧縮切断と高圧縮処理法)、(iii)コンクリート廃棄物のセメント固化処理技術、(iv)大型機器やコンクリート解体物の表面汚染固定処理技術、(v)解体廃棄物の管理システムの評価検討について、技術開発を進めてきた。これらの技術開発の現状を簡単に解説する。
間辺 巖; 吉田 真; 沼宮内 弼雄
Radioisotopes, 32(11), p.559 - 562, 1983/00
放射線管理用の試料の線スペクトルを自動的に測定するための大型しゃへい体と試料交換装置を開発し、その評価を行った。装置は環境管理用の試料が測定可能な15cm厚の鉛しゃへい体と、各種形状の試料が60個まで並べられる自動試料交換装置で構成される。本装置を用いて同一の試料を繰り返し測定した結果、試料が検出器上に置かれる位置がずれることにより生じる測定誤差は2%以下であった。またしゃへい体の横に設置した試料架台上の試料からの放射線による影響を調べた結果、放射能の弱い環境管理用試料の測定に対しても支障がないことが明らかになった。本装置の開発により多種多数の試料の連続測定が可能になり、測定業務の能率が飛躍的に向上した。
大峰 守*; 南 賢太郎*; 山口 恭弘*; 沼宮内 弼雄*; 伊藤 直次*
PNC TJ850 82-01, 67 Pages, 1982/10
反応度事故模擬による暴走放射線出力が得られるNSRRを利用し,ガンマ線検出型及び中性子線検出型臨界モニターのバースト状放射線曝射に対する応答特性を調査すると共に,臨界モニターの基本的特性を解明し,これを基に現場への配置計画並びに試験校正法について調査研究を実施した。
熊沢 蕃; 島崎 潤也; 沼宮内 弼雄
JAERI-M 82-035, 63 Pages, 1982/04
職業被曝の解析法を確立する一環として、混成対数正規分布に関連した数値計算法と計算プログラムを開発した。これらは、混成対数正規分布のパラメータの推定、分布関数、パーセント点、中央値、最頻値の計算、積率、平均値、分散、幾何平均値、幾何標準偏差の計算、さらに積率分布の分布関数、パーセント点、中央値、最頻値の計算である。計算プログラムはすべてサブルーチンまたは関数サブプログラム形式であり、必要な補助プログラムも含めることにより、混成対数正規分布に関し完備したプログラムパッケージとした。この結果、実測データから混成対数正規分布の3つのパラメータを推定し、個人被曝線量分布や個人被曝線量による集団線量分布を求めるための各種の統計量の計算が簡単化された。
間辺 巖; 吉田 真; 沼宮内 弼雄
保健物理, 17, p.469 - 478, 1982/00
東海研の放射線管理試料の測定と解析を効率的、経済的に行うとともに、測定の斉一化をはかる放射能試料自動測定解析システムを開発した。システムは小型計算機を中核に、、、(x)線スペクトロメータが8台迄と、2台のグロスカウンタが接続でき、測定は並列して行える。小型計算機は240K語のメモリと標準I/O装置で構成する。データの収集と解析は並列処理が可能である。リアルタイム処理にはデータ収集、スペクトル解析、エネルギー校正、計数効率校正、RIテーブルを基にする定性、定量などのデータ解析プログラムの他、業務の省力化をはかる自動実行プログラムがある。測定データはディスク装置にファイルされ常時照会に応じられると共に、放射線管理月報の要素データとなる。本システムは少人数で年間3万件以上の測定が可能である。
伊藤 精; 熊沢 蕃; 西 健雄; 沼宮内 弼雄
保健物理, 17, p.443 - 449, 1982/00
速中性子フィルム中の反跳陽子飛跡測定による速中性子線量当量を評価する場合の、検出限界線量当量の評価法を検討した。飛跡の検出限界数の推定にはポアソン分布を適用するとともに、評価にさいしては速中性子に対するフィルムの感度、エネルギー依存性、潜像退行等の要因を考慮した。検討の結果、検出限界線量当量はバックグラウンド放射線の変動に影響され、その程度は計測面積に依存することが明らかになった。また、中性子を照射したフィルムの計測面積が少ない場合であっても、バックグラウンド放射線測定用の計測面積を多くすることによって、検出限界線量当量はさらに低くすることができることがわかった。これらの結果をもとにして、検出限界線量当量と中性子照射フィルムの計測面積との関係をエネルギー依存性と潜像退行の効果を考慮して求めた。
熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
Health Physics, 41(3), p.465 - 475, 1981/00
被引用回数:27 パーセンタイル:92.17(Environmental Sciences)原子力の普及にともない、職業被曝の統計分布が問題にされるようになって来た。ICRP26でもこれに対数正規分布を適用する立場をとっている。しかし、高い被曝者は線量限度を設定して管理されるので、その出現頻度は対数正規分布に従わなくなる。本論文はこのような線量限度効果を示す被曝線量分布を解析するため混成対数正規分布と名付ける理論分布を提案するとともに、この分布の適用例について報告したものである。混成対数正規分布は被曝メカニズムに関する現実的な仮定から導き、ここではこの分布の性質や分布の3つの助変数の推定法などを示した。この方法を米国原子力規制委員会の公表した職業被曝データの解析に適用した結果、このデータは対数正規分布よりも混成対数正規分布の方にはるかによく適合することが知られた。
熊沢 蕃; 伊藤 精; 西 健雄; 沼宮内 弼雄
保健物理, 16(2), p.141 - 144, 1981/00
原研における年間全身被曝線量の分布則性をK.Pearsonの検定および尤度比検定により検討したものである。危険率5%として次のことが知られた。 1.年間全身被曝線量分布の対数正規分布への適合度は、フィルムバッジ全使用者に対して否定される傾向が見られるのに対して、検出限界線量以上の被曝者に対しては否定されない傾向が見られた。 2.年間最大全身被曝線量分布の二重指数分布への適合度は否定されなかった。 3.年度別の年間全身被爆線量の最大値対平均値の比の分布の対数正規分布への適合度はフィルムバッジ全使用者にたいしては否定されなかったのに対して、検出限界線量以上の被曝者に対しては否定された。
備後 一義; 田野 茂光*; 沼宮内 弼雄; 吉田 芳和; 山口 彦之*
Radiat.Res., 85(3), p.592 - 596, 1981/00
被引用回数:5 パーセンタイル:88.24(Biology)ムラサキツユクサの花序内にIを滴下すると、オシベ毛に体細胞突然変異が起る。Iの線による花序中のツボミの吸収線量の計算を実施した。体細胞突然変位の倍加線量は、Iがツボミ中に一様に分布すると仮定した場合、1radであった。また、ツボミの表面に一様にIが分布すると仮定した場合、ツボミが球状であるとすると0.38radであり、板状であるとしたときは0.07radであった。
南 賢太郎; 沼宮内 弼雄; 国分 守信; 吉田 芳和
JAERI-M 8966, 50 Pages, 1980/07
本報告は事故時における影響範囲の推定方法及び予測被爆線量評価を新しいモニタリング技術との関連でのべるものである。
備後 一義; 須賀 新一; 梶本 与一; 沼宮内 弼雄
Health Physics, 39(1), p.21 - 28, 1980/00
被引用回数:1 パーセンタイル:22.79(Environmental Sciences)入射線のエネルギーにほぼ無関係に、線量率を直接測定評価可能な線用サーベィメータを開発した。このサーベィメータは、表面汚染検査計としても使用できる。最大エネルギー0.4MeV以上の線に対するレスポンスは10%で一定である。線量率の測定範囲は510~10mrad/hr(皮膚の線量率測定…表皮厚7mg/cm),310~10mrad/hr(指先の線量率測定…同40mg/cm)である。汚染検査計として使用するときの測定範囲は0.3~1.710cm・sec(2方向)である。
西 健雄; 熊沢 蕃; 伊藤 精; 沼宮内 弼雄
保健物理, 15(2), p.111 - 118, 1980/00
原研における被曝の特徴を明らかにするとともに将来の被曝を予測するため、年間全身被曝線量分布について各種被曝統計解析をおこない、下記の結論をえた。(1)年間全身被曝線量分布は、対数正規分布則にしたがう。(2)年度別の年間最大全身被曝線量分布は、二重指数分布則にしたがう。この結果より、年間3remおよび4remを超える年間最大被曝者の出現年度割合は、それぞれ20年間に1回程度および100年間に1回程度と推定される。(3)年度別に年間全身被曝線量の最大値を平均値で割った値の分布は、対数正規分布則にしたがう。(4)年度毎の年間最大全身被曝線量を大きさの順にならべると、線量の大きさは順位の指数関数として表わすことができ、11番目ごとにその線量は1/eに減少する。
西 健雄; 伊藤 精; 熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
保健物理, 15(2), p.129 - 133, 1980/00
フィルムバッジの線に対するエネルギー依存性を改善する目的で、錫(1mmt)と鉛(0.5mmt)の金属板を重ね合わせたフィルタに直径1mmの貫通小穴を2mm等間隔にあけたエネルギー補償型フィルタを作成した。このフィルタの内側にアクリル板(3mmt)を接着した試作バッジケースの線に対するエネルギー依存性は、30keVから1.25MeVのエネルギー範囲まで、Coの線のフィルム感度を基準として、0.9から1.4の間に平坦化することができた。この実験で得られたエネルギー依存性は、ポケット線量計(国産)の特性より優れ、熱ルミネッセンス線量計(LiF)とほぼ同様な結果である。