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山口 正剛; 浅野 攝郎*
日本応用磁気学会誌, 25(4-Part2), p.659 - 662, 2001/04
PdFe中のPd,NiMnSb中のSb,CoS中のSなど、強磁性体中の非磁性元素について、そのわずかな磁化などの磁気的性質を調べるために、軌道放射光を用いて磁気円二色性(MCD=Magnetic Circlar Dichroism)スペクトルが測定されている。われわれはそのMCDスペクトルとX線吸収スペクトル(XAS)を、第一原理計算から計算することを試みた。計算されたスペクトルは、CoS以外では実験をよく再現した。特にPdFeのPd3PXASにおいて、今まで理解されていなかった大きなサテライトピークの起源を明らかにすることができた。
山口 正剛; 日下部 鉄也*; 弓野 健太郎*; 浅野 攝郎*
日本応用磁気学会誌, 24(4-2), p.379 - 382, 2000/04
PtMnSb,MnBi,MnPtは、1~2eV程度のエネルギーで非常に大きなKerr回転角をもつことで知られる。これらのKerrスペクトルをLMTO-ASA法を用いた第一原理計算によって計算し、大きなKerr回転角の起源について調べた。得られた計算結果は実験データとよく一致し、大きなKerr回転角の起源については、PtMnSbはの寄与、MnPtについてはからの寄与が大きいことなどがわかった。
山口 正剛; 日下部 鉄也*; 弓野 健太郎*; 浅野 攝郎*
Physica B; Condensed Matter, 270, p.17 - 34, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:51.95(Physics, Condensed Matter)3d遷移金属と貴金属を1層ごとに積層した構造のL1型規則合金TM-X(TM=Mn,Fe,Co,X=Pt,Au)の基底状態の電子構造を、局所密度近似に基づくLMTO-ASA法を用いた第一原理計算によって計算した。得られたエネルギー固有値と波動関数から、線形応答理論に基づく式を用いて光学伝導度やカー回転角を計算した。詳しい解析により、カースペクトルの形状を支配しているいくつかの重要な光学遷移を見いだした。例えば、(1)FeAuで4eVに見られるピークの主な起源は、Au(5d$↓$)Fe(3d$↓$)遷移において現れるAuの大きなスピン軌道相互作用にあること、(2)この遷移はFeAu以外でも見られるが、遷移の終状態が減っていくMn,Fe,Coの順に弱くなっていくこと、(3)TM-Ptでは3-4eVでPt上のP$↓$d$↓$遷移が強く、Pt(P)バンドのスピン軌道分裂の効果が現れて(1)の遷移とは逆向きの作用をするため、特にCoPtで3-4eV付近のカー回転角が大きくなること、などである。
山口 正剛; 日下部 鉄也*; 弓野 健太郎*; 浅野 攝郎*
日本応用磁気学会誌, 22(11), p.1401 - 1406, 1998/00
異なる原子を一層ずつ積層した構造をもつL1型規則合金TM-X(TM=Mn,Fe,Co,X=Pt,Au)の磁気光学カー(Kerr)スペクトルを第一原理から計算した。計算結果は実験とよく一致した。また、計算された電子構造を詳しく解析し、カースペクトルの形状がどのような光学遷移に由来するのかを明らかにした。例えば、(1)FeAuの場合に4eV付近に現れるピークは、minority-spin bandにおけるAuの5d-bandからFeの3d-bandへの遷移において、Auの強いスピン軌道相互作用の効果が現れるために生じること、(2)Pt系の物質では、Ptが少し磁化されることにより、Ptのminority spin band側の5d-bandに少し空いている部分ができ、ここを終状態とするPd遷移が強くなってカー回転角を増大させる効果があること、などが分かった。
山口 正剛; 浅野 攝郎*
Physica B; Condensed Matter, 254(1-2), p.73 - 83, 1998/00
被引用回数:3 パーセンタイル:22.13(Physics, Condensed Matter)現在最も強力で安価な永久磁石材料であるRFeB化合物の電子構造をLSD(局所密度)近似にもとづくFLAPW法によって計算した。磁気モーメント、結晶場のパラメーターA、電場勾配V,Vを計算し、実験とよく一致する結果を得た。またB原子の磁気的性質に対する効果を調べるため、Bを除いたり、CやNで置換して計算した。その結果、B原子をCで置換するとAが約20%増加したが、これは実験結果とよく一致した。
山口 正剛; 弓野 健太郎*; 浅野 攝郎*
日本応用磁気学会誌, 21(7), p.1014 - 1022, 1997/00
磁気記録材料として期待されるPt/Coなどの金属多層膜や、永久磁石材料として期待される侵入型の希土類遷移金属化合物において、結晶磁気異方性は重要な役割を果たしている。近年、この結晶磁気異方性の第一原理計算が盛んに行われ、定量的な理解が進むとともに、より優れた材料の探索に役立てようとする試みがなされ始めている。この解説記事では、結晶磁気異方性の第一原理計算について、筆者らの計算を主に紹介しつつ、その進展の状況を概説する。前半では金属多層膜とY-Co化合物について、遷移金属の3dバンドのスピン軌道相互作用に起因する結晶磁気異方性エネルギーの計算について述べる。後半では、希土類-遷移金属化合物の結晶磁気異方性を決定する希土類サイトの結晶場のパラメーターAの計算について述べ、B,C,Nなどの侵入原子がAに与える影響について説明する。
山口 正剛; 浅野 攝郎*
Journal of Applied Physics, 79(8), p.5952 - 5954, 1996/04
被引用回数:16 パーセンタイル:62.03(Physics, Applied)イットリウム(Y)とコバルト(Co)の化合物であるYCo、YCo、YCo、Yの3電子に起因する磁気異方性エネルギーを、スピン軌道相互作用を取り入れたLMTO-ASA法によって計算した。定量的に実験結果を説明することは難しいことがわかったが、YCoの大きな磁気異方性エネルギーをバンド構造の特徴から説明することができた。また、YCo、YCo、YCoの磁気方性エネルギーの変化も定性的だがバンド構造の違いから説明できることができた。