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海老澤 昇; 木内 重巳*; 菊池 勝美*; 河野 勝己; 礒野 高明
JAEA-Testing 2014-003, 37 Pages, 2015/03
ITER CSモデル・コイル試験装置は、直径1.5mの空間に13Tの高磁場を発生する 中心ソレノイド(CS)モデルコイルを用いて核融合炉用超伝導導体の試験を行うための装置であり、大別するとヘリウム冷凍機システム、電源システム、真空システム及び計測システムで構成される。本報告は、上記ヘリウム冷凍機システムについて、2011年3月に発生した東日本大震災から2012年12月に行われたヘリウム液化試験運転までの期間を対象に本システムの整備状況についてまとめた。
名原 啓博; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 濱田 一弥; 高橋 良和; 松井 邦浩; 辺見 努; 河野 勝己; 小泉 徳潔; 海老澤 昇; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 22(3), p.4804804_1 - 4804804_4, 2012/06
被引用回数:18 パーセンタイル:65.46(Engineering, Electrical & Electronic)ITER TFコイル用NbSn導体のうち、原子力機構は日本の国内実施機関として415mの導体を9本、760mの導体を24本調達する。調達の第一段階として、TF導体の製作能力を確認するため、長さ4mの導体を2本組合せてサンプルを製作し、SULTAN装置を使って試験した。その結果、各導体の最小の分流開始温度は6.22Kと6.02Kであり、設計値(5.7K)を満たすことを確認した。そこで原子力機構はTF導体の量産を開始し、まず100mの導体と415mの導体を製作した。第二段階として、量産プロセスの適切性を確認するため、これら2本の導体からそれぞれ4mの導体を切り出し、SULTAN装置で試験した。その結果、各導体の最小のは6.16Kと5.80Kであり、設計値を上回ったことで、量産プロセスが適切であることを実証した。
濱田 一弥; 河野 勝己; 海老澤 昇; 中嶋 秀夫; 矢野 嘉孝*; 山口 孝則*
Proceedings of 24th International Cryogenic Engineering Conference (ICEC 24) and International Cryogenic Materials Conference 2012 (ICMC 2012) (CD-ROM), p.559 - 562, 2012/05
日本原子力研究開発機構は、ITER計画における日本の国内機関として、トロイダル磁場コイル用超伝導導体全体の25%、導体本数として33本の調達を担当している。導体は、直径0.8mmのNbSn超伝導素線900本,銅線522本を撚り合せて、直径43.7mm,肉厚2mmのステンレス保護管(ジャケット)に収めた構造であり、長さは430m及び760mである。これまでに23本の導体の完成検査として、室温の窒素ガスを用いて、流量と導体入口出口の圧力差の関係を測定した。測定結果は、無次元化して、管摩擦係数とレイノルズ数の関係に整理し、導体間で圧力損失特性に差がないことを確認した。この結果は、導体,撚線が均一な品質で製作されていることを示すものである。また、測定値は、ITERの圧力損失特性式による予想値よりも20%程度低い結果となり、予測式は補正が必要であることがわかった。一方、上記の無次元化したデータを外挿することにより、4Kでの圧力損失特性をITERの特性式よりも精度よく予想できると考えられる。
濱田 一弥; 高橋 良和; 名原 啓博; 河野 勝己; 海老澤 昇; 押切 雅幸; 堤 史明; 斎藤 徹*; 中嶋 秀夫; 松田 英光*; et al.
低温工学, 47(3), p.153 - 159, 2012/03
日本原子力研究開発機構は、ITER計画における日本の国内機関として、トロイダル磁場コイル用超伝導導体33本の製作を担当している。導体は、直径0.8mmのNbSn超伝導素線900本,銅線522本を撚合せて、直径43.7mm,肉厚2mmのステンレス保護管(ジャケット)に収めた構造であり、長さは430m及び760mである。導体の製作は2008年から開始され、2009年12月に導体製作装置を完成させた。超伝導導体の製作開始に先立ち、760mの銅製のダミー撚線を用いて模擬導体を製作し、製作方法が適切であることを実証し、実機導体の製作に着手した。導体製作のための技術として、原子力機構のこれまでの機械特性データを元に、TF導体用ジャケット材料用の改良型SUS316LN鋼やITERが要求する微小欠陥の検出技術も開発した。ジャケットの溶接部の品質管理については部分ヘリウムリーク試験技術及び溶接部内面形状寸法測定技術を開発した。これらを含めて日本が一連の導体製作技術を各極に先駆けて確立し、ジャケットに関しては他極が製作するTF導体においても採用された。
名原 啓博; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 小泉 徳潔; 濱田 一弥; 松井 邦浩; 辺見 努; 吉川 正敏*; 宇野 康弘; 押切 雅幸; et al.
no journal, ,
ITER TFコイルに使用されるNbSn超伝導素線に関しては、既に日本はその分担分の約半分の製作を終えており、順調に調達を進めている。その超伝導素線の調達における品質管理として、素線メーカーで測定された超伝導素線性能を原子力機構でも測定し、その品質を確認している。これまでに多くの超伝導素線の性能を調べた結果、素線メーカーの測定値と原子力機構の測定値はおおむね一致しているものの、差異が生じることもあり、その原因について報告する。
名原 啓博; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 濱田 一弥; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 辺見 努; 河野 勝己; 吉川 正敏*; 宇野 康弘; et al.
no journal, ,
ITER TFコイルに使用される超伝導導体の量産化が始まっている。まず、100mと415mの試作導体を製作し、これらから切り出した4mの導体の性能試験を行った。その結果、分流開始温度が設計値の5.7Kを上回ることを確認し、量産プロセスを開始した。そして、実機TFコイルに使用する導体を量産し、既に415mの導体を5本,760mの導体を6本製作した。
濱田 一弥; 布谷 嘉彦; 高橋 良和; 礒野 高明; 名原 啓博; 辺見 努; 松井 邦浩; 河野 勝己; 海老澤 昇; 押切 雅幸; et al.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構は、ITER計画における国内実施機関として、中心ソレノイド(CS)コイル用導体すべての調達を分担する。CS導体は、直径0.8mmの超伝導素線576本と銅素線288を束ねて、49mm角の金属製保護管(ジャケット)に挿入した構造である。導体調達に先立ち、著者らは実規模導体の製作及び性能試験,ジャケット溶接技術開発、及び導体製作手法の確認試験を実施してきた。実規模導体の性能試験では繰返し通電試験によって予想を超える超伝導特性の低下が観測された。性能低下の原因は、本試験における導体長手方向の磁場分布が、実機よりも不均一であることに起因し、実機よりも厳しい運転条件での性能評価が行われたと考えられる。今回、第2回目として、性能低下を考慮して超伝導性能がより高い超伝導素線を用いて導体サンプルを製作して、試験を実施した。その結果、予想通り、導体の性能は高まり、実機では十分な性能を持つことが期待できる。繰返し通電による性能劣化については、実機の運転条件に近いインサートコイル試験により特性を確認する。導体製作技術に関しては、ジャケット溶接試験を完了し、機械試験を実施中である。得られた引張り特性及び破壊靭性値はITERの要求特性を満足することを確認した。
名原 啓博; 諏訪 友音; 尾関 秀将; 櫻井 武尊; 梶谷 秀樹; 井口 将秀; 辺見 努; 下野 貢; 海老澤 昇; 佐藤 稔; et al.
no journal, ,
ITER中心ソレノイド(CS)用の導体を用いて、長さ約80mのソレノイド状のサンプル(ITER CSインサート導体)を製作し、那珂核融合研究所にあるCSモデル・コイルによってその導体性能を評価した。CSはITERにおいてパルス運転を行うことから、本試験では16000回の繰返し通電と3回の昇温・再冷却を行い、適宜、性能評価試験を実施した。その結果、分流開始温度は設計値(13T, 40kAにおいて5.2K)に対して1.5K以上の大きな裕度があることを明らかにした。また、2014年にスイスにあるSULTAN試験装置を用いて実施した、長さ約3mの直状サンプルの評価結果と比較し、両者が論理的に整合した結果であることを示した。
礒野 高明; 河野 勝己; 尾関 秀将; 齊藤 徹; 名原 啓博; 諏訪 友音; 下野 貢; 海老澤 昇; 佐藤 稔; 宇野 康弘; et al.
no journal, ,
原子力機構ではITER中心ソレノイド(CS)用導体の調達を進めており、今回、その超伝導性能をCSモデル・コイル試験装置を用いて評価した。試験において、16000回の繰り返し通電、3回の室温までの熱履歴を行い、分流開始温度(Tcs)の変化を測定した。また、試験コイルがフープ力により歪むことのTcsへの影響及びクエンチ試験を実施した。本稿では、これらの試験方法について報告する。