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論文

X線異常分散測定による好塩性細菌由来$$beta$$-lactamaseのCs$$^{+}$$選択性結合部位の発見

新井 栄揮; 柴崎 千枝; 清水 瑠美; 安達 基泰; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

九州シンクロトロン光研究センター年報,2014, p.17 - 19, 2016/03

タンパク質は生物の生命活動のために、金属イオンの電荷数の違いやイオン半径のわずかな違いを識別して結合するなど、緻密な原子・分子認識機構を有する。多くのタンパク質が必須元素の金属を結合することは広く知られている。しかし、タンパク質が必須元素ではないセシウム(Cs)を選択して結合しうるのか、また、その結合部位はどのような構造をしているのか等は明らかにされていなかった。特に、東京電力福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性Csの生物への影響を知るためや、タンパク質を利用したCs吸着剤を開発するためには、タンパク質におけるCs$$^{+}$$の結合のしやすさや結合部位の構造を解明することが重要と考えられた。そこで我々は、好塩性タンパク質とCs$$^{+}$$の相互作用の研究に着手した。好塩性タンパク質は、塩湖・岩塩・塩蔵食品・発酵食品などの高塩濃度環境に生息する好塩性細菌が作るタンパク質である。好塩性タンパク質は、高塩濃度環境に適応するために多く酸性アミノ酸を含有し、多くの負電荷を有することから、Cs$$^{+}$$を含む様々な金属イオンを結合する可能性があると我々は考えた。本研究では、好塩性タンパク質の中でも比較的高い酸性アミノ酸含量を有し[(Asp + Glu) / (Arg + Lys) = 2.11]、かつ、大腸菌への遺伝子組換えによって大量調製が可能な好塩菌${it Chromohalobacter}$ sp. 560由来$$beta$$-lactamase (以下、HaBLA)について、立体構造の解明とCs$$^{+}$$結合部位の検出を試みた。

論文

Structure of a highly acidic $$beta$$-lactamase from the moderate halophile ${it Chromohalobacter}$ sp.560 and the discovery of a Cs$$^{+}$$-selective binding site

新井 栄揮; 米澤 悌*; 岡崎 伸生*; 松本 富美子*; 柴崎 千枝; 清水 瑠美; 山田 貢*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 河本 正秀*; et al.

Acta Crystallographica Section D, 71(3), p.541 - 554, 2015/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:50.76(Biochemical Research Methods)

蛋白質を利用した希少・有害金属捕集材料の研究開発の一環として、中度好塩菌Chromohalobacter sp.560由来・高酸性$$beta$$-Lactamase(HaBLA)のX線結晶構造を解明するとともに、X線異常分散測定により、HaBLA分子上のCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の抽出を試みた。PFのNW3AにてHaBLAのX線結晶構造を解明した後、Cs吸収端($$lambda$$=2.175${AA}$)近傍のX線を利用できるSAGA-LSのBL7やPFのBL17A、及び、Sr吸収端($$lambda$$=0.770${AA}$)近傍のX線を利用できるSPring-8のBL38B1やPFのBL5Aなどを使用して、HaBLA分子に結合したCs$$^{+}$$及びSr$$^{2+}$$を同定した。その結果、HaBLA分子上に少なくとも1ヶ所のCs$$^{+}$$結合部位、3ヶ所のSr$$^{2+}$$結合部位を発見した。特に、今回発見したCs$$^{+}$$結合部位は、Na$$^{+}$$がCs$$^{+}$$の9倍量存在する条件下(Na$$^{+}$$/Cs$$^{+}$$ = 90mM/10mM)でもCs$$^{+}$$を選択的に結合できることが明らかになった。このCs$$^{+}$$選択的結合部位は、Trp側鎖のベンゼン環によるカチオン-$$pi$$相互作用、および、主鎖の2つの酸素原子によってCs$$^{+}$$を結合していた。本研究で得たCs$$^{+}$$結合部位の立体構造情報は、原発事故によって放出された放射性Cs$$^{+}$$を捕集する蛋白質材料の設計(人工的Cs$$^{+}$$結合部位の設計)の土台として利用できる。

論文

Interaction of double-stranded DNA with polymerized PprA protein from ${it Deinococcus radiodurans}$

安達 基泰; 平山 裕士; 清水 瑠美; 佐藤 勝也; 鳴海 一成*; 黒木 良太

Protein Science, 23(10), p.1349 - 1358, 2014/10

 被引用回数:9 パーセンタイル:25.51(Biochemistry & Molecular Biology)

DNAの修復に関与する多機能なPprAは、デイノコッカスラジオデュランスの高度な放射線耐性を促進する重要なタンパク質である。PprAによる放射線耐性機構を解明するために、大腸菌で発現した組換え型PprAと2本鎖DNAとの相互作用解析を実施した。ゲルシフトアッセイにより、PprAとスーパーコイル型のpUC19 DNAとの複合体のゲルシフトが2極性であり、それが1mMのMg, Ca, Srイオンで促進されることが示された。シフトしたバンドの相対的な割合からPprAとスーパーコイル型のpUC19 DNAとの複合体形成のヒル係数および解離定数を計算したところ、1mM Mgイオンの存在下で、それぞれ3.3と0.6$$mu$$Mであった。このことは、PprAがスーパーコイル型のpUC19 DNAに少なくとも281分子結合していることを示しており、ゲル濾過での分離後にUV吸収で見積もられた値と一致した。この結果は、PprAが2本鎖DNAに沿って、直鎖状に重合して結合していることを示唆している。一方で、直鎖状の2本鎖DNAとニックがある環状DNAのバンドシフトに関しては、飽和が見られず、1.3$$mu$$M以上のPprA濃度の時、さらに大きな複合体の形成が確認された。この結果は、DNAに結合したPprAが、ダメージを受けたDNAの末端の会合を濃度依存的に促進していることを示している。

論文

Creation and structure determination of an artificial protein with three complete sequence repeats

安達 基泰; 清水 瑠美; 黒木 良太; Blaber, M.

Journal of Synchrotron Radiation, 20(6), p.953 - 957, 2013/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:13.19(Instruments & Instrumentation)

Symfoil-4Pは、ヒト酸性繊維芽細胞増殖因子を基に設計した3回対称なベータトレフォイル構造をもつ人工タンパク質である。脱アミド反応を防ぐためにアスパラギン-グリシン配列を除去した変異体Symfoil-QGおよびSymfoil-SGを作製し、さらにSymfoil-QGにHisTagを付加したものをHis-Symfoil-IIとした。His-Symfoil-IIは、プロテアーゼ処理によりHisTagを除去することで、完全な3回繰り返し配列をもつことになる。各タンパク質は、大腸菌内で可溶性タンパク質として発現し、Niカラムにより精製した。Symfoil-IIについては、HisTagをプロテアーゼ処理により除去した後に陰イオン交換カラムを用いて精製した。Symfoil-QGとSymfoil-IIをそれぞれ、1.5および1.1${AA}$分解能で結晶構造解析した。精密化したSymfoil-IIは、他のSymfoilと同等に疑似3回軸を持っていることが示された。

口頭

環境試料中の放射性ストロンチウム分析におけるイオン交換法適用の検討

川崎 将亜; 渡部 陽子; 清水 瑠美

no journal, , 

環境試料中の放射性ストロンチウム分析において、試料中に多量に含まれ分析の妨げとなるカルシウムを分離する方法としてイオン交換法がある。イオン交換法においては、試料中のカルシウム含有量に応じてイオン交換カラムのサイズを適切に選択して分離を行えば、作業時間,コスト等の削減が期待できることに着目した。ここでは、代表的な環境試料であるシラス,カレイ,ほうれん草及び精米について、最適なカラムサイズ及び溶離条件の検討を行った。その結果、文部科学省放射能測定シリーズに示された標準的な分析法に比べて、作業時間が短縮でき、イオン交換樹脂量,溶離液に用いる有害なメタノールの使用量及び有機廃液量も大幅に削減できるカラムサイズ及び遊離条件を見いだすことができた。

口頭

変異導入とX線結晶構造解析によるナガガジ由来不凍タンパク質の抗凍結機構の解析

大原 高志; 安達 基泰; 清水 瑠美; 玉田 太郎; 黒木 良太; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 津田 栄*

no journal, , 

不凍タンパク質(AFP)は生体内で氷の表面に結合することで氷結晶の成長を抑制し、体液の凝固点を下げる働きを持つタンパク質である。北海道沿岸に生息するナガガジの体内では多数の3型AFP(nfeAFP)のアイソフォームが発現しており、これらはSP型及びQAE型に分類される。どちらも氷表面に結合する機能は有するが、氷結晶の成長を抑制する能力はQAE型の方がはるかに高い。そこでわれわれは、SP型であるnfeAFP6とQAE型であるnfeAFP8に注目し、両者の間でアミノ酸配列が異なる部分についてnfeAFP6とnfeAFP8のキメラ体4種類と、nfeAFP6の配列をnfeAFP8のものに置換したnfeAFP6変異体8種類を調製して、これら変異体の存在下での氷単結晶の成長過程を顕微鏡観察することで氷結晶成長抑制作用を調べた。その結果、nfeAFP6のAla19一か所のみをValに置換したnfeAFP6 A19V変異体がQAE型と同様の氷結晶成長抑制作用を持つことを見いだした。さらにnfeAFP6 WT及びA19V変異体の両者について単結晶X線構造解析に成功した。本発表では、nfeAFP6 WTとnfeAFP6 A19Vの構造の違いについても併せて報告する。

口頭

変異導入と結晶構造解析によるナガガジ由来不凍タンパク質の抗凍結機構の解析

大原 高志; 安達 基泰; 清水 瑠美; 栗原 和男; 玉田 太郎; 黒木 良太; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 津田 栄*

no journal, , 

不凍タンパク質(AFP)は生体内で氷の表面に結合することで氷結晶の成長を抑制し、体液の凝固点を下げる働きを持つタンパク質である。北海道沿岸に生息するナガガジの体内では多数の3型AFP(nfeAFP)のアイソフォームが発現しており、これらはSP型及びQAE型に分類される。どちらも氷表面に結合する機能は有するが、氷結晶の成長を抑制する能力はQAE型の方がはるかに高い。そこでわれわれは、SP型であるnfeAFP6とQAE型であるnfeAFP8に注目し、両者の間でアミノ酸配列が異なる部分についてnfeAFP6とnfeAFP8のキメラ体4種類と、nfeAFP6の配列をnfeAFP8のものに置換したnfeAFP6変異体8種類を調製し、nfeAFP6のAla19一箇所のみをValに置換したnfeAFP6 A19V変異体がQAE型と同様の氷結晶成長抑制作用を持つことを見いだした。さらにnfeAFP6 WT及びA19V変異体の両者について単結晶X線構造解析を行い、両者の水和構造の違いを明らかにするとともに、nfeAFP6 WTの中性子構造解析からこの部分の水和水が水分子同士で水素結合ネットワークを形成していることを見いだした。このネットワークがnfeAFP6 WTと氷結晶との相互作用を阻害していると考えられる。

口頭

ヒトトロンボポエチン受容体を構成する2つのサイトカイン受容体相同性領域の調製とリガンド相互作用

松本 富美子; 安達 基泰; 清水 瑠美; 目黒 瑞枝; 玉田 太郎; 加藤 尚志; 黒木 良太

no journal, , 

トロンボポエチン(TPO)は、血液細胞の一つである巨核球を増殖させるとともに血小板への分化を刺激するサイトカインである。そのためTPOによる受容体活性化機構に関する知見は学術的に重要であるだけでなく、創薬研究にも重要な情報を与える。われわれはecTPORのシステイン残基を選択的に変異させることにより、非特異的なジスルフィド結合形成の抑制を試みた。さらに、ecTPORのTPO結合部位の同定を行うためにecTPOR中に存在する2つのCRH領域(CRH-1とCRH-2)それぞれの発現系を構築した。大腸菌により発現したCRH-1はニッケルカラムにより粗精製した後リフォールディングを行い、ゲル濾過カラムにより精製することができた。CRH-1とTPO活性領域との相互作用は、ゲル濾過と光散乱を用いて解析した。その結果、CRH-1はTPOと親和性を有することを見いだした。先に動物細胞で発現させたecTPORにはTPO結合部位が一か所だけ存在することを明らかにしている。今回の結果からecTPOR中のTPO相互作用部位はCRH-1であると結論できる。

口頭

ナガガジ由来変異型不凍タンパク質の構造安定性と氷成長抑制活性の相関

清水 瑠美; 松本 富美子; 新井 栄揮; 大原 高志; 安達 基泰; 玉田 太郎; 黒木 良太; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 津田 栄*

no journal, , 

不凍タンパク質(AFP)は、氷の表面に結合することで氷結晶の成長を抑制し、体液の凝固点を下げる働きを持つタンパク質である。AFPは、非常にユニークな機能を持つことから、食品,医療などさまざまな分野での産業利用が期待されている。北海道沿岸に生息するナガガジの体内では多数のアイソフォームが発現しており、これらはSP型及びQAE型に分類される。われわれは、活性が低いSP型のnfeAFP6と活性が高いQAE型のnfeAFP8の間で、アミノ酸配列が異なる部分に着目し、キメラ体4種類と部位特異的変異体14種類を大腸菌発現系により調製して、氷結晶成長抑制活性を比較した。その結果、nfeAFP6の分子表面に存在するAla19一か所のみをValに置換したnfeAFP6 A19V変異体がQAE型と同様の高い氷結晶成長抑制作用を持つことを見いだした。さらに氷結晶の成長抑制活性と分子構造の安定性の相関を検討するために、各変異体の構造安定性を円偏光二色性の温度依存性から比較した。その結果、nfeAFP6 A19V変異体の構造安定性は、野生型よりも低く、その他の変異体に関して活性の強さと構造安定性に相関は見られなかった。よって、変異型AFPの不凍活性変化は、その安定性の変化に由来するのではなく、変異部位の導入によって、水和構造を変化させたからであると考えられる。

口頭

Activation mechanism of thrombopoietin receptor investigated by its specific ligand and neutralization antibodies

松本 富美子; 安達 基泰; 清水 瑠美; 目黒 瑞枝; 新井 栄揮; 玉田 太郎; 加藤 尚志; 黒木 良太

no journal, , 

Thrombopoietin (TPO) is a glycoprotein that regulates the production of platelets. It stimulates the production and differentiation of megakaryocytes, the bone marrow cells that fragment into platelets. The extracellular domain of thrombopoietin receptor (ecTPOR) contains a repeat of two cytokine receptor homologous regions, CRH-1 and CRH-2. In order to investigate the activation mechanism of thrombopoietin receptor, we prepared both CRH-1 and 2 by expressing in ${it E.coli}$. followed by refolding, and the interaction with its specific ligand, TPO, agonistic antibody (Ab-1), and neutralization antibodies (Ab-2 and Ab-3) were investigated. Our results suggested that TPO binding to CRH-1 promote receptor dimerization. It was also suggested that CRH-2 association is important for receptor activation because the binding of Ab-2 and Ab-3 to CRH-2 resulted in neutrallization of TPO induced receptor signal transduction.

口頭

モルヒネの代謝反応を触媒する組換え型パーオキシダーゼの調製

清水 瑠美; 安達 基泰; 黒木 良太; 山下 未知*; 森元 聡*

no journal, , 

モルヒネの酸化反応を触媒し、細胞壁強化に寄与するモルヒネパーオキシダーゼ-2(MP2)は、極めて高い基質特異性を有するため、構造生物学的観点から興味深い酵素である。そこで、MP2の構造機能相関を明らかにするために、大腸菌発現による組換え型MP2の調製に取り組んでいる。MP2のシグナル配列部分を除去した遺伝子を大腸菌で発現させたところ、組換え型MP2が不溶性タンパク質として大量発現した。変性剤で可溶化後に、還元と酸化条件下におけるSDS-PAGEでの移動度の差を指標に再生条件を検討した。再生処理後、組換え型MP2を陰イオンカラムクロマトグラフィー等で精製し、活性測定を行った結果、生成物であるビスモルヒネの生産が確認され、比活性は天然型と同等であった。また、精製品をHPLCで分析したところ、単一のピークが得られた。以上の結果は、再生した組換え型MP2が天然の酵素と同様に立体構造を形成していることを示唆している。

口頭

ヒトトロンボポエチン受容体を構成する2つのサイトカイン受容体相同性領域の機能

松本 富美子; 畠中 孝彰*; 安達 基泰; 清水 瑠美; 玉田 太郎; 伊東 祐二*; 黒木 良太

no journal, , 

トロンボポエチン(TPO)は、血液細胞の一つである巨核球を増殖させるとともに血小板への分化を刺激するサイトカインである。TPO受容体細胞外領域(ecTPOR)にはサイトカイン受容体相同性領域(CRH)が2つ並ぶユニークな配列が存在するが、ecTPOR中のシステイン残基は15箇所と多く、また試料調製中に非特異的なジスルフィド結合を形成して失活しやすいためecTPORの高純度試料の調製はこれまで困難であった。そこでわれわれはecTPORのシステイン残基を選択的に変異させることにより、非特異的なジスルフィド結合形成を抑制した2つのCRH領域(CRH-1とCRH-2)の大腸菌発現系を構築し、第11回日本蛋白質科学会年会にて発表した。さらにわれわれは、ecTPORとTPOとの相互作用を解析するとともに、中和抗体、アゴニスト抗体との相互作用部位を定量的に解析した。表面プラズモン共鳴法により親和性を調べところ、TPOはCRH1とCRH2の両方に結合すること、また既に取得している中和抗体はCRH2に、アゴニスト抗体はCRH1とCRH2の両方に結合することがわかった。先に動物細胞で発現させたecTPORにはTPO結合部位が一箇所だけ存在することを明らかにしていることから、リガンドがCRH1とCRH2の間に結合した際、受容体が活性化し、抗体などによりこの結合が阻害された場合、活性化が抑制されることが示唆された。

口頭

不活性型一本鎖HIV-1プロテアーゼと阻害剤KNI-272との複合体のX線結晶構造解析

安達 基泰; 清水 瑠美; 黒木 良太; 森谷 圭介*; 城所 俊一*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*

no journal, , 

エイズ治療の創薬標的タンパク質であるHIV-1プロテアーゼ(HIVPR)の阻害剤開発において、薬剤耐性に有効な阻害剤設計のためには、阻害剤複合体及び基質複合体の立体構造の特徴と、速度論的・熱力学的解析より得られるパラメーターの相関の解明が必要である。本研究では、一本鎖化したHIVPR(scHIVPR)及びA17型薬剤耐性変異体(scA17-HIVPR)を利用することにより、Asp25のみをAsnに置換したD25N-scHIVPR及びD25N-scA17-HIVPRを作製した。D25N-scHIVPR及びD25N-scA17-HIVPRの阻害剤複合体の結晶を使い、放射光施設(PF)において、それぞれ1.1${AA}$及び1.5${AA}$分解能の回折データを収集した。立体構造を精密化した結果、いずれの酵素においても阻害剤との相互作用を確認できた。導入したAsnの側鎖のアミノ基は、阻害剤のカルボニル基と水素結合していた。

口頭

三回繰り返し配列を有する人工タンパク質の創製とその結晶構造解析

清水 瑠美; 安達 基泰; 黒木 良太; Blaber, M.

no journal, , 

ヒト線維芽細胞増殖因子(hFGF)の立体構造情報をもとにして創製した、三回繰り返し配列を有する人工タンパク質(Symfoil)に関して、さらに高い分解能による立体構造情報の取得を目指している。今回、Symfoilの化学的に不安定な配列の除去と繰り返し配列の完全性の向上したSymfoil改変体(Symfoil-II)を設計した。Symfoil-IIは、大腸菌を用いて可溶性分画に発現させた後、Niキレートカラムにより精製し、さらにプロテアーゼ消化によってHisTagを除去したものを陰イオン交換HPLCにより精製した。その後Symfoilの二次構造形成を円偏光二色性スペクトルで確認した。精製試料の収量は、培地1Lあたり約15mgであった。精製したSymfoil-IIは、Symfoilと同様の結晶化条件(1.8M (NH$$_{4}$$)$$_{2}$$SO$$_{4}$$, 0.1M TrisHCl pH7.0)で結晶化した。実験室系のX線回折計による予備実験によって1.9${AA}$分解能の回折データを取得し、分子置換法で位相を決定した結果、Symfoilとは異なる結晶内分子パッキングを持つが、同様の高い対称性立体構造を有することがわかった。

口頭

Creation and structure determination of an artificial protein with three complete sequence repeats

安達 基泰; 清水 瑠美; 黒木 良太; Blaber, M.

no journal, , 

ヒト線維芽細胞増殖因子(hFGF)の立体構造情報をもとにして創製した、三回繰り返し配列を有する人工タンパク質(Symfoil)に関して、さらに高い分解能による立体構造情報の取得を目指している。今回、Symfoilの化学的に不安定な配列の除去と繰り返し配列の完全性の向上したSymfoil改変体(Symfoil-II)を設計した。Symfoil-IIは、大腸菌を用いて可溶性分画に発現させた後、Niキレートカラムにより精製し、さらにプロテアーゼ消化によってHisTagを除去したものを陰イオン交換HPLCにより精製した。その後Symfoilの二次構造形成を円偏光二色性スペクトルで確認した。精製試料の収量は、培地1Lあたり約15mgであった。精製したSymfoil-IIは、Symfoilと同様の結晶化条件(1.8M(NH$$_{4}$$)$$_{2}$$SO$$_{4}$$, 0.1M TrisHCl pH7.0)で結晶化した。実験室系のX線回折計による予備実験によって1.9${AA}$分解能の回折データを取得し、分子置換法で位相を決定した結果、Symfoilとは異なる結晶内分子パッキングを持つが、同様の高い対称性立体構造を有することがわかった。

口頭

中性子結晶構造解析を目指したカゼインキナーゼIIの大型結晶作製

柴崎 千枝; 安達 基泰; 清水 瑠美; 黒木 良太

no journal, , 

カゼインキナーゼは、細胞に広く存在するセリン/スレオニンキナーゼであり、その一つであるカゼインキナーゼII(CK2)は、細胞周期の進行や細胞の生存・増殖に関与することが知られている。またCK2の過剰な発現は、発癌や癌転移との関係が指摘されている。CK2の阻害剤開発において有効な立体構造的知見を得るため、我々はCK2のキナーゼ触媒サブユニット(CK2$$alpha$$)の中性子構造解析を目指している。大腸菌にて過剰発現させたCK2$$alpha$$をカラムクロマトグラフィーによって精製し、大型結晶の作製を試みた。大型結晶の作製にはマクロシーディング法を用い、約40mg/mLに濃縮したタンパク質試料に種結晶を加えることによって実施した。その結果、最終的に約2mm$$^{3}$$の大型結晶を得ることができた。取得した結晶を、重水および重水素化試薬を用いて作製した結晶保存溶液で透析し、ミュンヘン工科大学の研究用原子炉(FRM-II)中性子ビームライン(BioDIFF)において、予備的中性子回折実験を実施した。結晶を100Kに冷却し、約30分間の照射を行うことによって、1.9${AA}$分解能を超える回折点の観測に成功した。今後、取得した結晶を用いた中性子回折実験を実施し、CK2の詳細な構造解析を実施する予定である。

口頭

ブレビバチルスによる超好熱古細菌由来セルラーゼ(EGPf)の分泌発現におけるHis-Tagの効果

清水 瑠美; 廣本 武史; 安達 基泰; 黒木 良太; 片岡 未有*; 石川 一彦*

no journal, , 

中性子によるタンパク質の結晶構造解析においては、中性子ビーム強度が低いことから、X線結晶構造解析で用いられる結晶試料よりも格段に大きな体積(数mm$$^{3}$$)の結晶試料が必要である。そして、結晶の大型化には、多くのタンパク質試料が必要となる。中性子構造解析を目指した試料作製技術の高度化の一環として、ブレビバチルスによる様々なタンパク質の大量分泌生産を検討している。その一つの例として、超好熱古細菌由来のセルラーゼ(EGPf)の大量分泌発現に成功したので報告する。

口頭

Structural and functional differentiation of each subunit in dimeric HIV-1 protease by single-chain derivatization

安達 基泰; 柴崎 千枝; 新井 栄揮; 清水 瑠美; 黒木 良太

no journal, , 

HIV-1プロテアーゼ(HIV-PR)は、エイズ治療のための創薬標的タンパク質である。本研究では、2量体HIV-1プロテアーゼにおける各サブユニットを区別して、構造・機能的解析を行い、量子ビームの応用によって阻害剤結合機構を詳細に明らかにすることを目的とする。今回、プロトマー間でN及びC末端が隣接することに着目し、タンデムに結合した遺伝子間に2アミノ酸残基分のリンカー配列を挿入することで、一本鎖化HIV-PRの作製を試みた。一本鎖化HIV-PRは、野生型と同様に大腸菌内に封入体として発現した。リフォールディングした一本鎖化HIV-PRを精製し、KNI-272との複合体を結晶化した。得られた結晶を用いて、放射光施設(SPring-8)にて1.3${AA}$分解能の回折データを収集し、R値19%まで構造を精密化した。一本鎖化HIV-PRの立体構造は、野生型とほとんど同じ(RMSD[Calpha]=0.17${AA}$)であった。この結果は、導入したリンカーが、HIV-PRの全体構造に影響を与えていないことを示しており、一本鎖化が成功したことを示す。

口頭

Preparation of large-volume crystals for structure analysis of human casein kinase-2 by neutron crystallography

柴崎 千枝; 安達 基泰; 廣本 武史; 清水 瑠美; 黒木 良太

no journal, , 

細胞に広く存在するセリン/スレオニンキナーゼであるカゼインキナーゼII(CK2)は、2つの$$alpha$$サブユニットと2つの$$beta$$サブユニットからなる4量体構造を有しており、細胞周期の進行や細胞の生存・増殖に関与することが知られている。CK2$$alpha$$の生物学的機能を理解するために、我々は、中性子結晶構造解析を用いて、CK2$$alpha$$の水素原子や水和水の情報を含む蛋白質構造を明らかにすることを目指している。大腸菌にて過剰発現させたCK2$$alpha$$をカラムクロマトグラフィーによって精製し、得た蛋白質を用いて大型結晶の作製を試みた。大型結晶の作製にはマクロシーディング法を用い、40mg/mLの蛋白質溶液と同量の沈殿剤溶液(25mM Tris-HCl(pH8.5)、0.85M硫酸アンモニウム、1mM DTTおよび5%アセトニトリル)を混ぜた後、種結晶を添加した。その後、リザーバー溶液の硫酸アンモニウムの濃度を数日間かけて1.2Mまで上昇させた。その結果、子結晶の形成が抑えられ、最終的に約2mm$$^{3}$$の大型単結晶を得ることができた。取得した結晶を中性子実験と同一の条件(重水および重水素化試薬を用いて作製した結晶保存溶液)で透析し、X線回折実験を行った。その結果、100Kで1.1${AA}$の分解能の回折像を得ることができた。今後、作製した大型結晶を用いて中性子回折実験を実施し、CK2の詳細な構造解析を実施する予定である。

口頭

Crystal structures of the wild type and A20V-mutant for the anti freeze protein AFP6 derived from Japanese fish Zoarces elongatus Kner

安達 基泰; 大原 高志; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 清水 瑠美; 玉田 太郎; 津田 栄*; 黒木 良太

no journal, , 

抗凍結タンパク質は、氷の成長を阻害することから、科学あるいは工学的な応用の観点で着目されている。これまでの研究において、変異型nfeAFP6のほとんどが、野生型nfeAFP6とよく似た活性を示す一方で、A20V型nfeAFP6は、強い抗凍結活性を示すことを確認している。本研究では、その変異領域周辺の水和構造を調べるために、野生型とA20V型nfeAFP6のX線結晶構造を1.2および1.8${AA}$分解能で決定した。その結果、A20V型nfeAFP6の側鎖のVal20はGln9と面し、Gln9およびThr18とファンデルワールス接触していることが示された。さらに、変異部位であるVal20周辺の水和水は野生型と異なっていることが明らかとなった。これらの結果は、水和構造が抗凍結タンパク質の氷への結合と抗凍結活性に及ぼす複雑な寄与を明らかにするかもしれない。

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