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清水 裕太*; 稲垣 誠*; 熊田 高之; 熊谷 純*
Journal of Chemical Physics, 132(24), p.244503_1 - 244503_8, 2010/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)固体パラ水素の放射線分解によって生じた捕捉電子とH及びその同位体の電子スピン共鳴分光研究を行った。捕捉電子とH及びその同位体の収量は、パラ水素に添加した少量のD及びHDの濃度とともに増加した。われわれはH分子のイオン化によって生じた自由電子が、固体パラ水素中のD及びHD分子に捕捉されることにより、電子とイオンの再結合が阻害されたものと結論付けた。同じ水素分子でもHより、質量の大きなDやHDのほうが、捕捉電子から生じる内部電場によるエネルギー準位の変化(Stark Shift)が強いために、自由電子はD及びHD近傍に捕捉されたと考えられる。
熊田 高之; 牛田 考洋*; 清水 裕太*; 熊谷 純*
Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1318 - 1322, 2008/10
被引用回数:8 パーセンタイル:49.21(Chemistry, Physical)近年、われわれは線照射した固体para-H(p-H)中にH, p-H-HD, p-H-D混合固体中にそれぞれHD, HDのESR信号を見つけることに成功した。われわれはまた、H+HDHD+HやH+DHD+Hなどの、同位体置換反応の観測も行った。Hは固体p-HをH+H H+H反応により拡散し、その拡散は自然同位体比で存在するHD分子とH+HD反応することで終息する。一方で、同位体置換体HD, HD, HDイオンは固体p-H中を拡散することができず、それらは捕捉電子と半減期5時間程度で対再結合することが判明した。
黒崎 譲; 清水 裕太*; 熊谷 純*
Chemical Physics Letters, 455(1-3), p.59 - 63, 2008/03
被引用回数:2 パーセンタイル:5.23(Chemistry, Physical)Hクラスターとその同位体置換クラスター、[H(H)H], [H(H)D], [H(HD)H]について直接非経験的分子動力学計算を行った。計算の結果、[H(H)D]及び[H(HD)H]クラスターの平均構造は非対称的になるため、超微細結合定数(HFCC)を決定するスピン密度が偏ることが予測された。この予測は、線照射された固体パラ水素中に生成するとされるこれらのクラスターのHFCCについての最近のESR観測の結果と一致している。よって今回の計算結果は、固体パラ水素中におけるHクラスターの生成をより強く裏付けるものである。
熊谷 純*; 稲垣 宏樹*; 刈谷 奏*; 牛田 考洋*; 清水 裕太*; 熊田 高之
Journal of Chemical Physics, 127(2), p.024505_1 - 024505_13, 2007/07
放射線照射した固体パラ水素中にHイオンとその同位体HD, HD, HDの電子スピン共鳴信号を観測することに初めて成功した。これは水素分子イオンはすべてHかそれを核にしたクラスターイオンであるとするこれまでの通説を否定する意義深い研究である。われわれはまたHD, HDにおいて主軸上に沿って顕著な電子の波動関数におけるD対称の破れがあることと、H+HDHD+Hなどの同位体濃縮反応が起こっていることを見いだした。
熊谷 純*; 稲垣 宏*; 刈谷 進*; 牛田 高広*; 清水 裕太*; 熊田 高之
Journal of Chemical Physics, 127(2), p.024505_1 - 024505_13, 2007/07
被引用回数:17 パーセンタイル:51.97(Chemistry, Physical)線照射した固体para-H中には4本線のシャープなESR信号、para-H-HD(1mol%)中及びpara-H-ortho-D(1mol%)中では50本を超えるESR信号が新たに観測された。われわれは理論計算との比較からこれらの信号がH-core Hイオン及びその同位体HD, HD, HDのものであると同定した。われわれはまた同位体置換による同イオンの対称性の乱れ及び、同位体濃縮反応も合わせて観測することに成功した。
熊田 高之; 熊谷 純*; 牛田 考洋*; 清水 裕太*
no journal, ,
放射線照射した固体水素及びパラ水素の電子スピン共鳴実験を行い、水素イオンラジカルHの信号観測に成功した。Hは固体水素中をH+HH+H反応の繰り返しにより拡散し、同位体交換反応H+HDHD+H、又はH+D HD+ Hを持ってその拡散は終結する。生成物の同位体置換体は捕捉電子との対再結合により消滅することがわかった。
熊田 高之; 清水 裕太*; 熊谷 純*
no journal, ,
放射線照射したパラ水素及び同位体水素混合固体中に、微小ながら先鋭な計50本の電子スピン共鳴(ESR)信号線を観測した。理論計算との比較から、それらの信号線は、D2dの対称性を持つHイオンラジカルとその同位体のものであることが判明した。本結果は、閉殻構造を持つ奇数個の水素イオンのマジックナンバーが3(H)であるのに対して、開殻構造を持つ偶数個の水素イオンラジカルのマジックナンバーは6(H)であることを示している。本発表では部分同位体置換体における電子波動関数の対称性の破れ、及び同位体濃縮反応についても述べる。
熊田 高之; 南 雅人*; 清水 裕太*; 熊谷 純*
no journal, ,
質量が小さく分子間相互作用も弱い固体水素中において、固体中の格子点を占める各分子は、格子定数の18 %に及ぶ量子力学的ゼロ点振幅を持つ。そのゼロ点運動のおかげで固体は常にセルフアニールされ均一で最安定な構造を保つ。われわれはその特徴を生かし、(1)希ガスマトリックスに比べ10倍近い分解能が得られる高分解能電子スピン共鳴分光、(2)高圧装置と電子スピン共鳴装置を組合せた、固体水素中における分子運動や化学反応に対する圧力効果の研究、(3)低温化学反応における固相場の影響の研究を行ってきた。(3)では、溶質-溶媒分子間相互作用により実質的な反応障壁が形成され、それが低温固体中における活性種同士の反応において重要な役割を演じることを見いだした。