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渡辺 卓嗣*
マリンエンジニア, 545-546, 31 Pages, 1992/07
原子力船「むつ」は、平成2年から出力上昇試験に入り、原子炉施設の使用前検査および原子力船としての海上試運転に合格した。その後、4回の実験航海を行って数多くのデータを採取した。その間、「むつ」プラントの維持管理・運転準備・各段階での原子炉運転等を経験した。当直・試験体制、プラント起動、高出力運転、負荷変動、スクラム、放射線管理、水ガス管理等について運転経験を中心に記述した。特に、高出力運転と負荷変動については、各種データを示し、原子炉が舶用動力源として極めて優れた特性を示したことを記している。
渡辺 卓嗣; 落合 政昭; 北村 敏勝; 中原 健*; 伊勢 武治; 内藤 裕; 田中 圭
原子力工業, 38(4), p.32 - 50, 1992/04
原子力船「むつ」の出力上昇試験は、平成2年3月29日より、16年振りで再開された。同年12月14日入港の4次航海をもって所定の全試験を完了した。また、同時に海上試運転も成功裏に終了し、平成3年2月14日、「むつ」は我が国初の原子力船として名実ともに完成した。その後、概ね1ヶ年間に、4回の実験航海を行い、原子力船を実際に航行させ海洋環境下でのデータを入手した。本文は、「むつ」の出力上昇試験と実験航海とで得られた実験データを中心に、その間の運航及び運転状況、原子炉の諸特性等を概説したものである。