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中原 由紀夫; 加藤 千明; 山本 正弘; 渡辺 敦志*; 布施 元正*
Proceedings of Symposium on Water Chemistry and Corrosion in Nuclear Power Plants in Asia 2009 (CD-ROM), p.226 - 231, 2009/10
原子炉内での高温水の放射線分解は、原子炉材料の腐食及び応力腐食割れを抑制するうえで重要な要因の一つと考えられている。しかしながら、腐食等の材料表面での反応やすき間等の形状が放射線照射を受けた高温水中での水化学に及ぼす影響については、環境を測定することが困難なため、ほとんど研究されていない。本研究では、水化学に対して線照射及びすき間部模擬形状が及ぼす影響を評価するため、SUS316Lについて高温水中で腐食試験を実施した。試験では、試験片を288Cの線照射された高温水中に500時間浸漬した。線の吸収線量率は、評価した結果30kGy hだった。円板型試験片(直径16mm,厚さ0.5mm,表面#800研磨紙仕上げ)を、1枚単独と、すき間部を模擬するため2枚を重ね合わせて浸漬した。試験後の試験片表面をSEM, TEM,レーザーラマン分光装置で分析した結果、線照射によって表面での鉄酸化物の析出が促進され、また、内層酸化物層の厚さが厚くなった。すき間部模擬環境に面した表面でも、線照射によって表面酸化物の形態が変化した。
中原 由紀夫; 加藤 千明; 山本 正弘; 塚田 隆; 渡辺 敦志*; 布施 元正*
no journal, ,
高温水中すき間内でのSUS316Lの腐食が線照射により受ける影響を明らかにするため、すき間を付与したSUS316L試験片を、線照射した288C高温水中に500時間浸漬した(吸収線量率30kGy/h)。試験後の試験片の表面分析の結果、線照射により、すき間内での腐食形態が変化した。
中原 由紀夫; 加藤 千明; 山本 正弘; 塚田 隆; 渡辺 敦志*; 布施 元正*
no journal, ,
ステンレス鋼の高温水中での腐食に対する放射線の影響について研究している。本研究では、すき間形状を模擬した試験片を用いて、拡散が制限された環境での腐食について試験を実施した。試験では、SUS316Lで製作した試験片を線照射された288Cの脱気純水中に500時間、浸漬した。線源としてCoを利用し、高温水中での吸収線量率は最大で約30kGy hと推定された。試験後の試験片について、表面に形成された酸化物をSEM,レーザーラマン分光装置(LRS), TEM/EDXで分析した。線照射された高温水中にすき間を模擬して浸漬した試験片表面では、表面を完全に覆ってしまう程ではなかったが、析出した粒子が観察された。析出した粒子のほかに、表面でより大きな粒子も観察された。LRSで得られたスペクトルから、小さな粒子はFe-Niスピネル、大きな粒子は-FeOと考えられる。表面近傍断面のTEM/EDXによる深さ方向分析でも、小さな粒子はFe-Niスピネル、大きな粒子は-FeOであることが示された。-FeOの大粒子は、線照射下高温水中に浸漬したすき間を模擬した腐食試験片の表面でしか観察されなかった。試験結果から、すき間を模擬した領域では線照射により生じた酸化剤によって電位が貴な方向に変化したと推定される。
山本 正弘; 中原 由紀夫; 加藤 千明; 塚田 隆; 鈴木 和博; 畠山 祐一; 渡辺 敦志*; 布施 元正*
no journal, ,
軽水炉などでは、水の放射線分解によりHO等の酸化剤が生成する。これらは材料のECPを貴な電位とし、ステンレス鋼表面に生成する腐食生成物の形態を変化させる。今回、高温高圧水中におけるSUS316LとSUS304L鋼に関して、線照射と溶存酸素が及ぼす酸化皮膜の変化をレーザラマン及びTEM分析により評価した。また、すき間部等の構造的な影響も合わせて検討した。