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山本 祐平; 青才 大介; 水野 崇; 渡邊 克晃*; 小暮 敏博*; 鈴木 庸平*
no journal, ,
コロイドは元素のキャリアとして重要な役割を持つが、地下水中のコロイドに関する研究は、回収・分析手法の問題のために、例が少ない。本研究は地下水中のコロイドの化学的特徴を把握するための手法開発を目的とした。地下水は瑞浪超深地層研究所内の2つのボーリング孔より採水し、被圧・嫌気状態を保持したまま限外ろ過を行う手法を用いてコロイドを回収した。電子線,赤外線,X線を利用した分光分析を用いてコロイドの化学的特性を分析した。その結果、本研究の手法を用いることでコロイドに含まれる元素の組成,元素の化学状態,有機物の特性の把握が可能であることが示された。またコロイド中の鉄の化学状態を詳細に分析することで、ボーリング孔掘削時の人為的影響の程度を評価できることも示された。本研究で開発した手法はコロイドの化学的特性の把握に関して有効である。
渡邊 克晃*; 山本 祐平; 青才 大介; 水野 崇; 竹野 直人*; 小暮 敏博*; 鈴木 庸平*
no journal, ,
花崗岩体深部におけるコロイドの働きは物質移動を議論するうえで重要であるが、コロイドの採取と分析の困難さからその特性は明らかでない。本研究では地下水中のコロイドの鉱物学的な特性の把握を目的として、花崗岩中に掘削されたボーリング孔から得られた地下水(深度650, 1150m)を嫌気状態で限外濾過(孔径10kDa)し、濾過膜を収束イオンビーム法で超薄片に加工した試料について分析を行った。透過型電子顕微鏡観察から、非晶質鉄酸化物の凝集体及び赤鉄鉱の微結晶がSiを伴って析出していることがわかった。本研究の結果を鉱物学的・地球化学的に解釈すると、確認されたコロイドはボーリング孔掘削時にFe(II)が酸化されることにより形成された可能性があること、Fe-Siコロイドは形成後数年間は安定であることが示された。本研究は原子力安全・保安院「平成22年度地層処分にかかわる地質評価手法等の整備」の予算の一部を利用して実施した。