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論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

論文

Conceptual design of an abnormality sign determination system for the general control system of the Materials and Life Science Experimental Facility at J-PARC

酒井 健二; 大井 元貴; 勅使河原 誠; 直江 崇; 羽賀 勝洋; 渡邊 聡彦*

Journal of Neutron Research, 22(2-3), p.337 - 343, 2020/10

核破砕中性子源やミュオン標的などを安全に効率よく運転するために、物質・生命科学実験施設(MLF)は、専用の全体制御システム(GCS)を有する。GCSは、様々な運転状況下でMLF内の多くの設備機器の監視操作やインターロック系を管理・運用する。2008年の最初の陽子ビームの受け入れ以来、GCSは10年以上も大きなトラブルもなく安定したMLFの運転を実現してきた。GCSはターゲットステーション関連の運転データを保存するデータ蓄積サーバーを有し、蓄積されたデータを調べることで異常事象検知や原因究明に貢献してきた。しかしながら、今後もMLFの安定した運転を継続するには、放射線損傷や経年劣化などに起因するターゲットステーションの潜在的な異常を予知する異常兆候判定システム(ASDS)の導入が必要になってくる。ASDSは、陽子ビーム,ターゲットステーション, 2次ビームなどの多様で長期間に渡る運転データを使った解析に基づいて、ターゲットステーションの僅かな状態変化から異常を判断する。本報告は、GCSの現状、ASDSの概念設計、及びASDSのための多様なデータを包括的に扱う統括データ蓄積サーバーの導入について論ずる。

論文

The Surface composition of asteroid 162173 Ryugu from Hayabusa2 near-infrared spectroscopy

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.

Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04

 被引用回数:259 パーセンタイル:99.73(Multidisciplinary Sciences)

小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。

論文

NIRS3; The Near Infrared Spectrometer on Hayabusa2

岩田 隆浩*; 北里 宏平*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 荒井 武彦*; 荒井 朋子*; 平田 成*; 廣井 孝弘*; 本田 親寿*; 今栄 直也*; et al.

Space Science Reviews, 208(1-4), p.317 - 337, 2017/07

 被引用回数:54 パーセンタイル:71.62(Astronomy & Astrophysics)

C型小惑星リュウグウを目指す小惑星探査機ハヤブサ2に搭載された近赤外分光計NIRS3は1.8から3.2ミクロンまでの感度を持つ。NIRS3は小惑星の反射スペクトルを計測することで、3ミクロンバンドに現れる水に起因する吸収を検出することを目的としている。InAsフォトダイオードリニアイメージセンサと188Kでの動作を可能とする受動冷却システムによって、本分光計は十分な感度とダークノイズを達成できる。NIRS3フライトモデルは打ち上げ前に地上で性能評価実験が行われ、小惑星表面の水質変成度を決定できるだけのSN比があることが確認された。小惑星表面の計測では、小惑星の熱変性度や、炭素質コンドライトとの対応関係を明らかにできるだろう。

論文

Biogeochemical signals from deep microbial life in terrestrial crust

鈴木 庸平*; 今野 祐多*; 福田 朱里*; 小松 大介*; 廣田 明成*; 渡邊 勝明*; 東郷 洋子*; 森川 徳敏*; 萩原 大樹; 青才 大介*; et al.

PLOS ONE (Internet), 9(12), p.e113063_1 - e113063_20, 2014/12

 被引用回数:12 パーセンタイル:34.33(Multidisciplinary Sciences)

土岐花崗岩が対象として掘削された深層ボーリング孔において、深部地下水中の微生物特性の調査を行った。その結果、低硫酸濃度環境下において、微生物的硫酸還元に伴う硫黄同位体分別が認められた。また、硫黄同位体分別の大きな同位体比および炭素同位体比は、メタン生成菌の活性が低いことを示唆した。これらの特徴は、低栄養環境である深部火成岩中の微生物生態系の特徴と考えられた。

論文

Analysis of electron temperature distribution by kinetic modeling of electron energy distribution function in JAEA 10 ampere negative ion source

柴田 崇統; 寺崎 良*; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 大楽 正幸; 谷口 正樹; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; et al.

AIP Conference Proceedings 1515, p.177 - 186, 2013/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:92.97(Physics, Applied)

JT-60SA用中性粒子入射装置では、大面積(0.9$$times$$0.45m$$^{2}$$)引出し面上の負イオン生成が偏っており、引き出された負イオンが電極に衝突して失われることが問題となっている。これまでの研究で、フィラメント陰極から放出される高速電子が$$mathbf{B} times textrm{grad} mathbf{B}$$ドリフトによって長手方向一方向へ移動すること、その電子温度の空間分布に負イオン一様性が強く関連することがわかっている。本研究では、電子温度の空間分布を一様にする負イオン源の磁場配位の改良を目的として、負イオン源内の電子温度分布を再現・予測するため、衝突素過程を考慮した3次元電子輸送解析コードを開発し、原子力機構の10アンペア負イオン源モデルで電子温度空間分布に偏りが発現する機構を調べた。その結果、解析結果はプローブ測定結果を良く再現できること、さらに高速電子が高いエネルギー($$E$$=25-60eV)を保持したまま長手方向端部の壁付近まで到達してプラズマ粒子と頻繁に衝突し、電子温度の空間分布に偏りを生じる過程を明らかにした。

論文

Positron lifetimes and mechanical properties of $$gamma$$-irradiated ultra high molecular weight polyethylene

小林 慶規*; 山脇 正人*; 岡 壽崇; 佐伯 誠一; Mohamed, H.*; 服部 兼久*; 渡邊 吉弘*

Materials Science Forum, 733, p.147 - 150, 2013/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.86(Materials Science, Multidisciplinary)

陽電子消滅寿命測定法は非破壊に材料中の空孔構造を分析可能な手法であり、広く使用されている。しかし、2種類の全く同じ測定用試料を材料から切り出す必要があるため、必ずしも「非破壊」であるといえなかった。そこで、われわれは試料を切り出すことなく、文字通り「非破壊」で陽電子消滅寿命測定を行う手法を開発した。本研究では、新規開発した非破壊陽電子消滅寿命測定法を用いて、$$gamma$$線照射を行った超高分子量ポリエチレンの陽電子寿命と力学特性の関係を調べた。超高分子量ポリエチレン内でのポジトロニウム形成割合は、高密度ポリエチレンや低密度ポリエチレンと同じように、低線量の$$gamma$$線照射によって著しく抑制された。通常、ポリエチレンに打ち込まれた陽電子は、陽電子によって形成されたブロッブ内の電子と対消滅するが、$$gamma$$線を照射した場合、照射によって形成された空隙に陽電子がトラップされてしまうためにポジトロニウムを形成し難くなったと考えられる。また、延伸した超高分子量ポリエチレンの陽電子寿命は破断強度と伸びに相関することが明らかになった。

論文

Effect of non-uniform electron energy distribution function on plasma production in large arc driven negative ion source

柴田 崇統; 古賀 章二朗*; 寺崎 良*; 井上 多加志; 大楽 正幸; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 土田 一輝; 梅田 尚孝; et al.

Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02A719_1 - 02A719_3, 2012/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.31(Instruments & Instrumentation)

次世代大型核融合実験炉におけるNBI加熱用負イオン源では、一様性の高い大面積からのH$$^-$$ビームの引き出しが課題となっている。非一様性発現機構理解のための物理モデルとして、ビーム強度非一様性が(1)電子エネルギー分布関数(EEDF)非一様性、(2)(1)による水素原子(H$$^0$$),正イオン(H$$^+$$)生成分布非一様性、(3)PG表面へのH$$^0$$/H$$^+$$粒子束非一様性、(4)表面生成を介した水素負イオン生成分布非一様性によって生じることが提案された。しかし従来研究ではEEDFがプローブ測定から得られる2温度Maxwell分布で仮定されていたため、フィラメントから生成されるような高エネルギー電子の寄与を正確に取り入れていない。本研究では、実際の負イオン源形状,磁場配位を3次元的に模擬したMonte-Carloモデルを電子に適用し、局所的なEEDFを数値計算により求め、H$$^0$$/H$$^+$$生成分布を計算する。水素分子,原子密度($$n_{rm H2}=2.80times10^{19}$$m$$^{-3}$$,解離度0.1)を仮定した結果から定量的な生成分布が求められ、高エネルギー電子成分がH$$^0$$/H$$^+$$生成分布非一様性を強調する結果が示される。

論文

Changes to the chemical structure of isotactic-polypropylene induced by ion-beam irradiation

岡 壽崇; 大島 明博*; 本橋 良太*; 瀬戸 直人*; 渡邊 裕司*; 小林 亮二*; 斉藤 功樹*; 工藤 久明*; 村上 健*; 鷲尾 方一*; et al.

Radiation Physics and Chemistry, 80(2), p.278 - 280, 2011/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:48.91(Chemistry, Physical)

アイソタクチックポリスチレンに種々のイオンビームを照射し、化学構造の変化を調べた。顕微赤外分光及び紫外可視分光の結果から、LETとフルエンスによって化学構造変化が大きく変化することが明らかになった。

論文

Development of high performance negative ion sources and accelerators for MeV class neutral beam injectors

谷口 正樹; 花田 磨砂也; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 柏木 美恵子; 森下 卓俊; 奥村 義和; 清水 崇司; 高柳 智弘; 渡邊 和弘; et al.

Nuclear Fusion, 43(8), p.665 - 669, 2003/08

 被引用回数:16 パーセンタイル:46.47(Physics, Fluids & Plasmas)

メートル級の真空長ギャップにおいて負イオン源加速器に相当する条件での放電特性を実験的に明らかにし、ITER等のNBI運転条件で1MVの高圧を保持できる見通しを示した。上記のデータに基づき、真空絶縁方式のMeV級負イオン加速器を設計製作し、その耐電圧と負イオン加速実証試験を行った。その結果、世界で初めて真空絶縁方式による負イオン加速器によって、ほぼ定格のエネルギーである970keVまでの負イオン加速に成功し、本方式の実現性を実証した。また、負イオン生成の効率改善の研究として、低ガス圧力で高密度の負イオン生成の可能なイオン源を開発した。従来0.3Pa程度の動作圧力であったものを、イオン源フィルター磁場等の改良により0.1Paの極めて低い圧力条件でも31mA/cm$$^{2}$$の高密度負イオンを生成する事に世界で初めて成功した。

報告書

アーク放電型イオン源における高プロトン比プラズマ生成機構

森下 卓俊; 井上 多加志; 伊賀 尚*; 渡邊 和弘; 柏木 美恵子; 清水 崇司; 谷口 正樹; 花田 磨砂也; 今井 剛

JAERI-Tech 2003-007, 16 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-007.pdf:1.28MB

IFMIF(国際核融合材料照射施設)のために開発した小型アーク放電イオン源において、磁気フィルターを適用することによって90%のプロトン比でかつ、120mAの正イオンビーム生成が可能となった。小型イオン源においても高プロトン比プラズマが生成されるメカニズムは興味深い。そこでイオン源中の正イオン及び水素原子密度をレート方程式を用いて数値的に求めた。主要なプロトン生成は分子イオンの解離反応であり、イオン源中心部では高プロトン比プラズマは生成されない。しかし磁気フィルター領域では分子イオンの生成は小さく、熱電子により分子イオンが解離しプロトンが生成されて分子イオン密度が減少し、プロトン比が増加することがわかった。同手法を用いて大型イオン源におけるプラズマ生成過程に関する計算を行った結果、放電領域において高密度のHが生成され、分子イオンを介さないHのイオン化によるプロトン生成により容易に高プロトン比プラズマ生成が可能であることがわかった。また、本計算で得られた正イオン,水素原子密度によって、大型イオン源における負イオン生成への各粒子の寄与を評価した結果、計算結果による負イオンビーム電流は実験結果と一致し、高密度水素原子による表面生成によって大量の負イオンが生成されることがわかった

報告書

セシウム添加型負イオン源におけるプラズマ電極材質の違いが負イオン生成に与える影響

清水 崇司; 森下 卓俊; 柏木 美恵子; 花田 磨砂也; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 和田 元*; 今井 剛

JAERI-Tech 2003-006, 26 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-006.pdf:1.12MB

セシウム添加型負イオン源におけるプラズマ電極の材質の違いが、負イオン生成効率に与える影響について実験的に調べた。本研究においては、金,銀,銅,ニッケル,モリブデンの5種の電極について調べた。実験では、プラズマ電極がフィラメント陰極材によって覆われることを防ぐために、2.45GHzのマイクロ波イオン源を用い、各電極において仕事関数と負イオン電流の相関性を測定した。その結果、得られる負イオン電流量は、その時の電極の仕事関数によって一意的に決まり、電極材質そのものには無関係であることが明らかになった。つまり、電極材質の違いが仕事関数の違いをもたらし、仕事関数の違いによって負イオン生成量が変わることがわかった。用いた材質の中では、金が最も低い仕事関数1.42eVを示し、負イオン生成効率も20.7mA/kWの高い値を示した。この値は、従来から電極として用いられている銅やモリブデンより30%高い値であった。さらに、セシウムとタングステンを同時堆積させた場合には、24.6mA/kWと最も高い効率を得た。

論文

アーク放電型小型イオン源における高プロトン比ビーム生成機構の解明

森下 卓俊; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 今井 剛; 柏木 美恵子; 清水 崇司; 谷口 正樹; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘

第1回21世紀連合シンポジウム; 科学技術と人間論文集, p.221 - 224, 2002/11

90%以上の高プロトン比で、かつ電流密度の高い高輝度正イオン源が、国際核融合材料照射施設(IFMIF)において要求されている。従来、核融合用イオン源開発において、イオンの閉じ込めを向上するためイオン源の大型化がプロトン比向上に適していることが示されたが、加速器用イオン源は単孔ビームで十分であり、効率や装置の単純化等の観点から、イオン源は小型であることが望ましい。小型のイオン源で高いプロトン比を生成するためには、プロトン生成の機構を把握し、高いプロトン比が得られる条件を積極的に与える必要がある。そこでレート方程式を用いてイオン源プラズマ中でのプロトンの生成過程を調べ、小型イオン源における高プロトン比生成機構について、実験結果と対比させた。その結果、従来より考えられていた分子イオンの電離によってプロトンが主に生成されるが、磁気フィルターの効果により小型のイオン源においても高プロトン比ビームの生成が可能であることを示した。

論文

Development of high performance negative ion sources and accelerators for MeV class neutral beam injectors

谷口 正樹; 花田 磨砂也; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 柏木 美恵子; 森下 卓俊; 奥村 義和; 清水 崇司*; 高柳 智弘*; 渡邊 和弘; et al.

Proceedings of 19th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2002) (CD-ROM), 5 Pages, 2002/10

メートル級の真空長ギャップにおいて負イオン源加速器に相当する条件での放電特性を実験的に明らかにし、ITER等のNBI運転条件で1MVの高圧を保持できる見通しを示した。上記のデータに基づき、真空絶縁方式のMeV級負イオン加速器を設計製作し、その耐電圧と負イオン加速実証試験を行った。その結果、世界で初めて真空絶縁方式による負イオン加速器によって、ほぼ定格のエネルギーである970keVまでの負イオン加速に成功し、本方式の実現性を実証した。また、負イオン生成の効率改善の研究として、低ガス圧力で高密度の負イオン生成の可能なイオン源を開発した。従来0.3Pa程度の動作圧力であったものを、イオン源フィルター磁場等の改良により0.1Paの極めて低い圧力条件でも31mA/cm$$^{2}$$の高密度負イオンを生成する事に世界で初めて成功した。

論文

ITER activities in Japan

常松 俊秀; 関 昌弘; 辻 博史; 奥野 清; 加藤 崇; 柴沼 清; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; 今井 剛; et al.

Fusion Science and Technology, 42(1), p.75 - 93, 2002/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.15(Nuclear Science & Technology)

ITER(国際熱核融合実験炉)工学設計活動における日本の工学技術の研究開発活動と成果について、欧州,日本,ロシア,米国の国際協力により実施されたITERの設計結果と合わせて述べる。ITERを構成する主要機器のうち、超伝導コイル,真空容器,高熱流束プラズマ対向機器,中性粒子入射装置,大電力のミリ波を発生するジャイロトロン等について、ITER実機に外挿可能な規模のモデル試験体を開発・製作・試験するプロセスを通じてITERに必要な新技術が開発された。日本で得られた主な成果は、13T, 640MJのニオブ・スズを用いた超伝導コイル技術,高さ15m,横幅9mの真空容器技術,20MW/m$$^{2}$$の熱流束を処理できるCuCrZr製の冷却管技術,31mA/cm$$^{2}$$の電流密度を有する負イオン源技術と1MeVのイオン加速器技術及び1MWの出力機能を有するジャイロトロン技術である。

論文

ITER工学設計活動報告

森 雅博; 荘司 昭朗; 荒木 政則; 斎藤 啓自*; 仙田 郁夫; 大森 順次*; 佐藤 真一*; 井上 多加志; 大野 勇*; 片岡 敬博*; et al.

日本原子力学会誌, 44(1), p.16 - 89, 2002/01

ITER(国際熱核融合実験炉)計画は、日本・米国・欧州・ロシアの政府間協定の下に核融合エネルギーの科学的・工学的実証を目指す実験炉を国際共同で実現しようというプロジェクトである。1992年7月以来9年間に亘り建設のために必要なすべての技術的データの作成を目的とする工学設計活動(EDA)を進めてきたが、2001年7月に当初の目標を達成して完了した。次の段階に進むこの時期に、EDAの概要と主要な成果をまとめておくことは、我が国の研究者が広くEDAの成果を評価し活用するうえでも、また、今後期待されるITERの建設・運転に向けた活動に多くの研究者が参画するための共通の基盤を築くうえでも必要と考えられる。本報告ではこのような趣旨に基づき、ITER工学設計活動の概要,工学設計及び工学RandDの成果,安全性に関する検討について、外部の研究者が全体像を掴むことを意図して記述されている。

論文

プラズマ電極材質の違いがH$$^{-}$$表面生成に与える影響

清水 崇司; 和田 元*; 渡邊 和弘; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 森下 卓俊; 雨宮 亨*; 今井 剛

第12回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2001)報文集, p.25 - 28, 2001/11

体積生成型負イオン源に少量のCsを添加すると、負イオン生成効率が3-5倍に増加することが知られている。そのため、核融合炉用などの大電流負イオン源として体積生成方式のセシウム添加型負イオン源が用いられている。Cs添加による負イオン生成の促進効果は、プラズマに直接面するプラズマ電極(PG)表面の仕事関数がCs吸着により下がることによって、表面生成効率が増加するためであると考えられている。セシウムが付着した場合のPG電極の仕事関数は電極材質によって異なるため、表面生成される水素負イオン量も電極材質によって違いがあることが予想される。本研究では、電極材質の違いが負イオン生成効率へ与える影響を調べるために、PG電極の材質(金,モリブデン等)を変えて、生成される負イオン電流値の比較を行った。その結果、Au,MoにそれぞれCsを添加した場合、負イオン電流値はCs/AuがCs/Moより1.5倍ほど高い値が得られ、電極材質の違いで負イオン生成量が大きく変化することが確認できた。

報告書

直流アーク放電型プラズマ中性化セルの開発

柏木 美恵子; 奥村 義和; 花田 磨砂也; 森下 卓俊; 渡邊 和弘; 折田 善崇*; 堀池 寛*; 井門 俊治*

JAERI-Tech 2001-046, 19 Pages, 2001/06

JAERI-Tech-2001-046.pdf:1.79MB

負イオンビームを用いた中性粒子入射装置の高効率化にために、中性化効率が60%である現在のガス中性化セルに対し80%以上となるプラズマ中性化セルの開発が重要である。本研究ではプラズマ中性化セルの実現に向けて、アーク放電型の円筒形多極磁場型大容量プラズマ源(長さ2000mm$$times$$直径600mm)を設計製作し、プラズマ生成実験を行った。プラズマの閉じ込め性能比較のために小型の円筒形プラズマ源での試験も実施した。その結果、閉じ込め性能の高いプラズマ源では低ガス圧で電離度の高いプラズマが得られることが確認され数値解析による傾向と一致した。さらに高電離プラズマ生成を目指してアルゴンプラズマ生成実験を行い、中性化実験に必要な電離度(10%)とプラズマ線密度(4.5$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$)を得た。また、アークパワー30kW,0.027Paにおいて17%の電離度を得た。

口頭

Changes of the chemical structures of isotactic-polypropylene induced by ion-beam irradiation

岡 壽崇; 大島 明博*; 本橋 良太*; 瀬戸 直人*; 渡邊 裕司*; 小林 亮二*; 工藤 久明*; 村上 健*; 鷲尾 方一*; 濱 義昌*

no journal, , 

With ion-beam irradiation, one can introduce an inhomogeneous depth distribution of functional groups due to the variation of the ion energy deposition as a function of depth. Ion-beam irradiation effects for polymers by such inhomogeneous energy deposition are important for evaluating polymer degradation, developing new materials, micromachining, and so on. In this work, the local transformations of the chemical structure induced in polymer by irradiation with various ion-beams are investigated.

口頭

A Study of colloids in deep groundwater using spectroscopic analysis

山本 祐平; 青才 大介; 水野 崇; 渡邊 克晃*; 小暮 敏博*; 鈴木 庸平*

no journal, , 

コロイドは元素のキャリアとして重要な役割を持つが、地下水中のコロイドに関する研究は、回収・分析手法の問題のために、例が少ない。本研究は地下水中のコロイドの化学的特徴を把握するための手法開発を目的とした。地下水は瑞浪超深地層研究所内の2つのボーリング孔より採水し、被圧・嫌気状態を保持したまま限外ろ過を行う手法を用いてコロイドを回収した。電子線,赤外線,X線を利用した分光分析を用いてコロイドの化学的特性を分析した。その結果、本研究の手法を用いることでコロイドに含まれる元素の組成,元素の化学状態,有機物の特性の把握が可能であることが示された。またコロイド中の鉄の化学状態を詳細に分析することで、ボーリング孔掘削時の人為的影響の程度を評価できることも示された。本研究で開発した手法はコロイドの化学的特性の把握に関して有効である。

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