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報告書

廃棄物安全試験施設(WASTEF)におけるガンマ線照射利用

佐野 成人; 山下 直輝; 渡邊 勝哉; 塚田 学*; 星野 一豊*; 平井 功希; 池上 雄太*; 田代 信介; 吉田 涼一朗; 畠山 祐一; et al.

JAEA-Technology 2023-029, 36 Pages, 2024/03

JAEA-Technology-2023-029.pdf:2.47MB

廃棄物安全試験施設(WASTEF)においては、令和元年度に原子力科学研究所内の第4研究棟よりガンマ線照射装置「ガンマセル220」を移設し、ガンマ線照射利用が開始された。当初は本装置の所有者である安全研究センター燃料サイクル安全研究ディビジョン サイクル安全研究グループがメインユーザーとして試験を実施していたが、令和4年度以降、日本原子力研究開発機構外部も含む他のユーザーの利用も開始された。ガンマ線照射装置「ガンマセル220」は、カナダNordion International Inc.製であり、平成元年度に購入してから、内蔵される$$^{60}$$Co線源の線源更新を1回実施し、核燃料サイクル等に係る安全研究の目的で、今日まで利用されている。本報告書は、ガンマ線照射装置「ガンマセル220」設備概要、WASTEFにおける許認可、利用状況、保守点検及び今後の展望についてまとめたものである。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

Magnetic orderings from spin-orbit coupled electrons on kagome lattice

渡邊 成*; 荒木 康史; 小林 浩二*; 小澤 耀弘*; 野村 健太郎*

Journal of the Physical Society of Japan, 91(8), p.083702_1 - 083702_5, 2022/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:58.88(Physics, Multidisciplinary)

本論文では籠目格子上で構成される磁気秩序について、電子系の強束縛ハミルトニアンに基づいて数値計算を行い、電子の充填率及びスピン軌道相互作用の強さに対する依存性を調べる。籠目格子上では電子の充填率によって、強磁性及びノンコリニア反強磁性秩序のいずれも取りうることを示す。これらの磁気秩序は、籠目格子に特有のディラック分散や平坦バンドといったバンド構造に由来するものである。更に、Kane-Mele型やRashba型のスピン軌道相互作用を導入することで、実効的なDzyaloshinskii-Moriya相互作用が誘起され、磁気スパイラルや反強磁性120度構造等のノンコリニアな磁気秩序が安定化されることを示す。本研究によって得られた磁気秩序の相構造に関する知見は、ワイル・ディラック電子を示すような籠目格子の層状物質群における磁気秩序の起源を理解するのに役立つと期待される。

論文

Nodal lines and boundary modes in topological Dirac semimetals with magnetism

荒木 康史; 渡邊 成*; 野村 健太郎*

Journal of the Physical Society of Japan, 90(9), p.094702_1 - 094702_9, 2021/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.57(Physics, Multidisciplinary)

磁性を持つ線ノード半金属はいくつかの化合物で理論的および実験的に確認されているが、一方で、その磁気秩序と電子の性質の間の関係性についての理解は進んでいない。本研究では磁性線ノード半金属のバルク及び境界面における電子の性質を理解することを目的として、トポロジカルディラック半金属(TDSM)に磁性を導入した系を数値的および解析的に取り扱う。TDSMはスピン縮退したディラック点のペアを持つ物質であり、$$mathrm{Cd_3 As_2}$$及び$$mathrm{Na_3 Bi}$$等が知られている。TDSMの格子模型で電子スピンに結合した磁化を導入してバンド構造を計算することにより、TDSMは磁化の向き及び結合定数に依存して、ワイル半金属または線ノード半金属のいずれかに転移することが示された。これによって得られた磁性線ノード半金属相の電子状態を計算することにより、境界面においては線ノードに対応したドラムヘッド型バンド構造を持つゼロモードが現れることが示された。この境界モードはバルクの整数$$(mathbb{Z})$$トポロジカル数により特徴づけられるものであり、磁壁に局在して現れることが見出された。

論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

論文

The Surface composition of asteroid 162173 Ryugu from Hayabusa2 near-infrared spectroscopy

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.

Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04

 被引用回数:259 パーセンタイル:99.73(Multidisciplinary Sciences)

小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。

論文

断層面の形態観察に基づく断層活動性評価手法の検討

田中 義浩*; 亀高 正男*; 岡崎 和彦*; 鈴木 一成*; 瀬下 和芳; 青木 和弘; 島田 耕史; 渡邊 貴央; 中山 一彦

応用地質, 59(1), p.13 - 27, 2018/04

上載地層法が適用できない断層の活動性評価に資するため、活断層と非活断層の断層露頭で断層面の形態観察を実施し、断層活動性評価の指標を検討した。活断層としては五助橋断層の五助ダム上流露頭と六甲断層の船坂西露頭を、非活断層として六甲蓬莱峡のK地点を対象に、断層面の「連続性」,「切断関係」,「平滑性」に着目した。連続性は「断面形状の連続区間率測定」、切断関係は「周辺構造の切断率測定」を行った。平滑性については「断面形状の平面区間率測定」、「粗さ/うねり形状の測定」及び「写真解析による算術平均粗さ測定」という3種類の測定を行い、合計5つの測定手法を検討した。本研究結果から、「断面形状の連続区間率測定」、「周辺構造の切断率測定」、「断面形状の平面区間率測定」について、活断層と非活断層を見分ける識別基準値を有する可能性が示された。なお、引き続き、識別基準値の明確化とその検証のために測定事例の追加・検討、議論が必要である。

論文

NIRS3; The Near Infrared Spectrometer on Hayabusa2

岩田 隆浩*; 北里 宏平*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 荒井 武彦*; 荒井 朋子*; 平田 成*; 廣井 孝弘*; 本田 親寿*; 今栄 直也*; et al.

Space Science Reviews, 208(1-4), p.317 - 337, 2017/07

 被引用回数:54 パーセンタイル:71.62(Astronomy & Astrophysics)

C型小惑星リュウグウを目指す小惑星探査機ハヤブサ2に搭載された近赤外分光計NIRS3は1.8から3.2ミクロンまでの感度を持つ。NIRS3は小惑星の反射スペクトルを計測することで、3ミクロンバンドに現れる水に起因する吸収を検出することを目的としている。InAsフォトダイオードリニアイメージセンサと188Kでの動作を可能とする受動冷却システムによって、本分光計は十分な感度とダークノイズを達成できる。NIRS3フライトモデルは打ち上げ前に地上で性能評価実験が行われ、小惑星表面の水質変成度を決定できるだけのSN比があることが確認された。小惑星表面の計測では、小惑星の熱変性度や、炭素質コンドライトとの対応関係を明らかにできるだろう。

論文

Biogeochemical signals from deep microbial life in terrestrial crust

鈴木 庸平*; 今野 祐多*; 福田 朱里*; 小松 大介*; 廣田 明成*; 渡邊 勝明*; 東郷 洋子*; 森川 徳敏*; 萩原 大樹; 青才 大介*; et al.

PLOS ONE (Internet), 9(12), p.e113063_1 - e113063_20, 2014/12

 被引用回数:12 パーセンタイル:34.33(Multidisciplinary Sciences)

土岐花崗岩が対象として掘削された深層ボーリング孔において、深部地下水中の微生物特性の調査を行った。その結果、低硫酸濃度環境下において、微生物的硫酸還元に伴う硫黄同位体分別が認められた。また、硫黄同位体分別の大きな同位体比および炭素同位体比は、メタン生成菌の活性が低いことを示唆した。これらの特徴は、低栄養環境である深部火成岩中の微生物生態系の特徴と考えられた。

論文

Direct observation of lattice symmetry breaking at the hidden-order transition in URu$$_2$$Si$$_2$$

利根川 翔*; 笠原 成*; 福田 竜生; 杉本 邦久*; 安田 伸広*; 鶴原 悠悟*; 渡邊 大樹*; 水上 雄太*; 芳賀 芳範; 松田 達磨*; et al.

Nature Communications (Internet), 5, p.4188_1 - 4188_7, 2014/06

 被引用回数:52 パーセンタイル:89.07(Multidisciplinary Sciences)

We report on the observation of lattice symmetry breaking from the fourfold to twofold structure by high-resolution synchrotron X-ray diffraction measurements at zero field. Small orthorhombic symmetry-breaking distortion sets in at the transition temperature with a jump, uncovering the weakly first-order nature of the hidden-order transition. This distortion is observed only in ultra pure samples, implying a highly unusual coupling nature between the electronic pneumaticity and underlying lattice.

論文

Tolerance of anhydrobiotic eggs of the tardigrade ${it Ramazzottius varieornatus}$ to extreme environments

堀川 大樹*; 山口 理美*; 坂下 哲哉; 田中 大介*; 浜田 信行*; 行弘 文子*; 桑原 宏和*; 國枝 武和*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; et al.

Astrobiology, 12(4), p.283 - 289, 2012/04

 被引用回数:23 パーセンタイル:68.76(Astronomy & Astrophysics)

クマムシの乾燥休眠状態である卵の孵化率について、宇宙空間の特徴的な極限環境要因である放射線(Heイオン線),極低温,高真空に対する耐性を調べた。その結果、50%が孵化できない線量が約500Gy, -196度に曝されても70%以上が孵化し、6$$times$$10$$^{-5}$$Paの高真空においた後でも孵化することができることがわかった。以上の結果から、宇宙空間であってもクマムシの耐性能力により、乾眠状態であるならば、存在できる可能性が示唆された。

論文

Establishment of a rearing system of the extremotolerant tardigrade ${it Ramazzottius varieornatus}$; A New model animal for astrobiology

堀川 大樹*; 國枝 武和*; 阿部 渉*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; 行弘 文子*; 坂下 哲哉; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; et al.

Astrobiology, 8(3), p.549 - 556, 2008/06

 被引用回数:94 パーセンタイル:90.99(Astronomy & Astrophysics)

クマムシの一種、ヨコヅナクマムシ${it Ramazzottius varieornatus}$が藻類${it Chlorella vulgaris}$を餌として培養可能であることを報告する。本飼育条件にて、クマムシの平均寿命は35日、卵の孵化に要する時間が5.7日、孵化後9日で排卵した。本種の培養個体の乾眠能力を調査したところ、卵,幼体,成体のいずれの発生段階においても乾眠に移行できることがわかった。さらに、乾眠状態の成体は-196$$^{circ}$$Cの超低温や100$$^{circ}$$Cの高温,99.8%のアセトニトリル,1GPaの超高圧,5000Gyの$$^{4}$$Heイオン照射にも耐えうることがわかった。以上の結果から、ヨコヅナクマムシは、宇宙生物学における多細胞生物研究のモデルとして有用であると考えられる。

論文

Radiation tolerance linked to anhydrobiosis in ${it Polypedilum vanderplanki}$

中原 雄一*; 渡邊 匡彦*; 黄川田 隆洋*; 藤田 昭彦*; 堀川 大樹*; 奥田 隆*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 和田 成一*; et al.

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 113, 2008/03

本研究では、4種類のネムリユスリカ幼虫:(1)非乾燥幼虫,(2)非乾燥と乾燥との中間に位置する中間体幼虫,(3)乾燥幼虫,(4)乾燥から水に戻してすぐの幼虫について高LET放射線の影響を調べた。中間体幼虫と水に戻してすぐの幼虫は、非乾燥幼虫と比べてより長い期間生存した。これは、非乾燥幼虫であっても放射線耐性が増強することを意味する。乾燥幼虫になるための生理的変化トレハロースの蓄積,損傷修復能力の増加は、非乾燥幼虫の放射線耐性の増強と良い相関があった。加えて、乾燥幼虫は4種類の幼虫の中で最も放射線耐性が強かった。

論文

Physiological changes leading to anhydrobiosis improve radiation tolerance in ${it Polypedilum vanderplanki}$ larvae

渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; 坂下 哲哉; 黄川田 隆洋*; 藤田 昭彦*; 浜田 信行*; 堀川 大樹*; 和田 成一*; 小林 泰彦; 奥田 隆*

Journal of Insect Physiology, 53(6), p.573 - 579, 2007/06

 被引用回数:20 パーセンタイル:65.12(Entomology)

本研究では、4種類のネムリユスリカ幼虫:(1)非乾燥幼虫,(2)非乾燥と乾燥との中間に位置する中間体幼虫,(3)乾燥幼虫,(4)乾燥から水に戻してすぐの幼虫について高LET放射線の影響を調べた。中間体幼虫と水に戻してすぐの幼虫は、非乾燥幼虫と比べてより長い期間生存した。これは、非乾燥幼虫であっても放射線耐性が増強することを意味する。乾燥幼虫になるための生理的変化(トレハロースの蓄積,損傷修復能力の増加)は、非乾燥幼虫の放射線耐性の増強と良い相関があった。加えて、乾燥幼虫は4種類の幼虫の中で最も放射線耐性が強かった。

論文

Effects of heavy ions and $$gamma$$-ray on the tardigrade ${it Milnesium tardigradum}$

堀川 大樹*; 坂下 哲哉; 片桐 千仭*; 渡邊 匡彦*; 黄川田 隆洋*; 中原 雄一*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 東 正剛*; et al.

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 116, 2007/02

クマムシとは、緩歩動物門に属する動物群の総称である。陸生クマムシは、乾燥して無代謝状態であるanhydrobiosis(cryptobiosis)に移行する特徴がある。クマムシは、このanhydrobiosis状態において、さまざまな種類の極限環境(高温・低温・高圧・有機溶媒の暴露など)に耐性を示すことが知られている。クマムシにおける耐性機構を調査することは、高等生物の極限環境耐性獲得の可能性につながると思われる。そこで、この生物における放射線耐性に着目し、クマムシの一種・オニクマムシ(${it Milnesium tardigradum}$)のイオンビームと$$gamma$$線照射に対する耐性を調査した。活動状態とanhydrobiosis状態における放射線耐性を比較したところ、活動状態のクマムシの方がより高い耐性をもつことが示唆された。また、オニクマムシが$$gamma$$線よりもイオンビームに対してより高い耐性を示すことがわかった。

論文

Radiation tolerance in the tardigrade ${it Milnesium tardigradum}$

堀川 大樹*; 坂下 哲哉; 片桐 千仭*; 渡邊 匡彦*; 黄川田 隆洋*; 中原 雄一*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 東 正剛*; et al.

International Journal of Radiation Biology, 82(12), p.843 - 848, 2006/12

 被引用回数:130 パーセンタイル:99.14(Biology)

クマムシとは、体長がおよそ0.1$$sim$$1.0mmの緩歩動物門に属する動物群の総称である。陸生のクマムシは、通常80%程度である体内の水分含量率がおよそ1%にまで脱水してanhydrobiosis (無水生命)という無代謝状態に移行する特徴がある。クマムシは、無水生命状態において、さまざまな極限環境(高温・低温・高圧・有機溶媒などへの暴露)に耐性を示す。本研究では、この生物における放射線耐性に着目し、クマムシの一種であるオニクマムシ(${it Milnesium tardigrdum}$)に対し、活動状態及び無水生命状態において$$^{60}$$Co-$$gamma$$線(1$$sim$$7kGy)あるいは$$^{4}$$Heイオンビーム(12.5MeV/amu, LET: 16.2keV/$$mu$$m; 1$$sim$$8kGy)を照射し、照射直後から照射後31日間飼育後までの短期・長期生存率及び生殖能への影響を調べた。照射48時間後の半致死線量(LD$$_{50}$$)は、活動状態では5.0kGy($$gamma$$線)及び6.2kGy($$^{4}$$Heイオンビーム)であり、無水生命状態では4.4kGy($$gamma$$線)及び5.2kGy($$^{4}$$Heイオンビーム)であった。活動状態でも無水生命状態でも、照射した$$gamma$$線の線量に応じた寿命短縮効果が見られた。2kGy以上の$$gamma$$線照射によってほとんどすべての個体で産卵が阻害され、例外的に3個産卵した唯一の個体の場合も、その卵は孵化しなかった。

論文

Estimation of radiation tolerance to high LET heavy ions in an anhydrobiotic insect, ${it Polypedilum vanderplanki}$

渡邊 匡彦*; 坂下 哲哉; 藤田 昭彦*; 黄川田 隆洋*; 中原 雄一*; 浜田 信行*; 堀川 大樹*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; et al.

International Journal of Radiation Biology, 82(12), p.835 - 842, 2006/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:77.5(Biology)

本研究の目的は、乾燥耐性昆虫として知られるネムリユスリカ${it P. vanderplanki}$の高LET放射線に対する抵抗性を線量応答等に関して特徴づけることである。LETが16.2から321keV/$$mu$$mである3種の重イオン線を1から7000Gyの線量で非乾燥幼虫と乾燥幼虫に照射し、幼虫の生存率、及びその後の形態変化について調べた。すべての高LET放射線に関して、低LET放射線である$$gamma$$線照射の結果と同様に、乾燥幼虫は、非乾燥幼虫と比べて、一貫して、放射線に対してより抵抗性であった。抵抗性の要因としてはトレハロースの寄与が示唆されるが、今後の詳細な検討が必要である。また、RBE値は、116keV/$$mu$$mで最大値を示した。一方、近縁種との比較から、非乾燥幼虫において、近縁種よりも高LET放射線に対してネムリユスリカがより抵抗性であることがわかった。

論文

Biological effects of anhydrobiosis in an African chironomid, ${it Polypedilum vanderplanki}$ on radiation tolerance

渡邊 匡彦*; 坂下 哲哉; 藤田 昭彦*; 黄川田 隆洋*; 堀川 大樹*; 中原 雄一*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 小林 泰彦; et al.

International Journal of Radiation Biology, 82(8), p.587 - 592, 2006/08

 被引用回数:35 パーセンタイル:90.02(Biology)

本研究の目的は、クリプトビオシス生物であるネムリユスリカの放射線耐性が乾燥休眠により変化するかどうかを確かめることである。乾燥・非乾燥時の幼虫への$$gamma$$線照射が、幼虫の生存率,脱水能力,変態率,繁殖率に与える影響を調べた。非乾燥の場合には、2000Gy以上の線量で線量依存的に幼虫の生存率が減少し、4000Gyの照射後8時間経過した時点で実験に供したすべての幼虫が死滅した。一方、乾燥時の照射の場合には、7000Gyの照射でさえも一部の幼虫が生存した。変態時においても、乾燥幼虫が非乾燥幼虫に比べて放射線により抵抗性であった。しかしながら、繁殖に対しては乾燥による放射線耐性の効果はなかった。これらの結果は、繁殖を除くネムリユスリカの生活環境において、乾燥休眠が放射線抵抗性を高めることを示す。

論文

Observation of localized oscillations at ${it m/n}$=2/1 rational surface during counter neutral beam injection in the large helical device

諌山 明彦; 稲垣 滋*; 渡邊 清政*; 成嶋 吉朗*; 榊原 悟*; 舟場 久芳*; 居田 克巳*; 長山 好夫*; 山田 弘司*; 川端 一男*; et al.

Plasma Physics and Controlled Fusion, 48(1), p.L45 - L55, 2006/04

 被引用回数:12 パーセンタイル:39.17(Physics, Fluids & Plasmas)

大型ヘリカル装置において、逆方向の中性粒子ビーム(counter-NB)入射時に $$m/n=2/1$$の有理面に局在して現れる振動の構造を電子サイクロトロン放射(ECE)測定により測定した。ここで、$$m$$, $$n$$はそれぞれポロイダルモード数,トロイダルモード数である。プラズマ圧力がほぼ一定のもとでプラズマ電流が逆方向に増加している場合は、プラズマ電流の大きさが大きいところで現れた($$<$$$$sim$$20kA/T)。NBの入射方向をco方向からcounter方向又はその逆に切り替えた場合、振動は前者の場合のみ現れた。これらの結果はプラズマ電流の分布と強度が振動の発生に関係していることを示唆している。VMECコードを用いたメルシエ安定性に関する解析の結果、電流分布が平坦又は凹状の場合、プラズマ電流が負方向に大きくなるほど交換型不安定性に対し不安定になり、実験結果と同じ傾向を示すことが明らかになった。また、ECE測定による電子温度揺動分布から評価した変位分布は3次元理想MHD安定性解析コードTERPSICHOREの結果とよく合うことが明らかになった。

論文

Status of J-PARC muon science facility at the year of 2005

三宅 康博*; 西山 樟生*; 河村 成肇*; 牧村 俊助*; Strasser, P.*; 下村 浩一郎*; Beveridge, J. L.*; 門野 良典*; 福地 光一*; 佐藤 伸彦*; et al.

Physica B; Condensed Matter, 374-375, p.484 - 487, 2006/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:31.27(Physics, Condensed Matter)

物質生命科学実験施設の建屋の建設は2004年度の初めに開始された。2008年に加速器とビーム輸送系のコミッショニングが行われた後、2009年にはミュオンのユーザー利用が開始される。この論文ではJ-PARCミュオン科学実験施設建設の現状について述べる。

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