Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
佐野 成人; 山下 直輝; 渡邊 勝哉; 塚田 学*; 星野 一豊*; 平井 功希; 池上 雄太*; 田代 信介; 吉田 涼一朗; 畠山 祐一; et al.
JAEA-Technology 2023-029, 36 Pages, 2024/03
廃棄物安全試験施設(WASTEF)においては、令和元年度に原子力科学研究所内の第4研究棟よりガンマ線照射装置「ガンマセル220」を移設し、ガンマ線照射利用が開始された。当初は本装置の所有者である安全研究センター燃料サイクル安全研究ディビジョン サイクル安全研究グループがメインユーザーとして試験を実施していたが、令和4年度以降、日本原子力研究開発機構外部も含む他のユーザーの利用も開始された。ガンマ線照射装置「ガンマセル220」は、カナダNordion International Inc.製であり、平成元年度に購入してから、内蔵されるCo線源の線源更新を1回実施し、核燃料サイクル等に係る安全研究の目的で、今日まで利用されている。本報告書は、ガンマ線照射装置「ガンマセル220」設備概要、WASTEFにおける許認可、利用状況、保守点検及び今後の展望についてまとめたものである。
渡邊 成*; 荒木 康史; 小林 浩二*; 小澤 耀弘*; 野村 健太郎*
Journal of the Physical Society of Japan, 91(8), p.083702_1 - 083702_5, 2022/08
被引用回数:3 パーセンタイル:58.88(Physics, Multidisciplinary)本論文では籠目格子上で構成される磁気秩序について、電子系の強束縛ハミルトニアンに基づいて数値計算を行い、電子の充填率及びスピン軌道相互作用の強さに対する依存性を調べる。籠目格子上では電子の充填率によって、強磁性及びノンコリニア反強磁性秩序のいずれも取りうることを示す。これらの磁気秩序は、籠目格子に特有のディラック分散や平坦バンドといったバンド構造に由来するものである。更に、Kane-Mele型やRashba型のスピン軌道相互作用を導入することで、実効的なDzyaloshinskii-Moriya相互作用が誘起され、磁気スパイラルや反強磁性120度構造等のノンコリニアな磁気秩序が安定化されることを示す。本研究によって得られた磁気秩序の相構造に関する知見は、ワイル・ディラック電子を示すような籠目格子の層状物質群における磁気秩序の起源を理解するのに役立つと期待される。
奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 瀬戸 浩二*; 山田 和芳*; 安田 喜憲*
Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 592, p.110907_1 - 110907_11, 2022/04
被引用回数:2 パーセンタイル:28.09(Geography, Physical)小川原湖は、下北半島の太平洋沿岸に位置した汽水湖である。これまでの研究により、完新世の後期に海水準が低下したことで小川原湖が汽水化したと推測されているが、これまでに正確な年代は明らかにされていなかった。小川原湖が汽水化した年代を明らかにすることにより、過去の海水準変動の時期や規模に関する情報が得られると期待される。本研究では、小川原湖から採取した柱状堆積物(長さ約280m)中の、植物片と全有機炭素の放射性炭素年代測定、及びテフラの同定により堆積層の形成年代を決定した。また、堆積物中のハロゲン元素(臭素およびヨウ素)の鉛直分布を明らかにし、小川原湖の過去の塩分濃度変化を推定した。海水由来と考えられる堆積物中の臭素およびヨウ素濃度の増加時期から、約2200cal BPに小川原湖が汽水化したことが示唆された。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
大野 卓也; 渡邊 浩二; 田代 信介; 天野 祐希; 阿部 仁
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/07
福島第一原子力発電所事故以降、重大事故に対する対応策が日本における原子力施設の認可要件として求められている。セル内溶媒火災は重大事故の一つとして定義された。溶媒が燃焼すると煤を含むエアロゾルが発生する。これらは、換気系HEPAフィルタを目詰まらせ、差圧の上昇によって破損を生じさせる可能性がある。さらに、火災は、HEPAフィルタを通過する揮発性を有するガス状の放射性物質を放出させる可能性もある。これらの現象は、施設が有する閉じ込め機能の健全性及び公衆の被ばくを評価する上で重要である。我々は、溶媒火災に伴う目詰まり挙動とエアロゾルの放出挙動及び揮発性物質の放出挙動に着目して検討を行ってきた。本報告では、最近の研究における試験データと評価結果を報告する。
天野 祐希; 渡邊 浩二; 真崎 智郎; 田代 信介; 阿部 仁
JAEA-Technology 2016-012, 21 Pages, 2016/06
再処理施設における有機溶媒の火災事故時の安全性評価に資するため、共除染工程に存在する放射性元素のなかで比較的揮発性が高い化学形をとる可能性があるRuの溶媒抽出挙動を調査した。Ruについて溶媒中のTBPやTBP劣化物の濃度等の有機溶媒の組成や抽出温度をパラメータとした抽出試験を行い、火災事故時の抽出特性データを取得した。また、火災事故時の各元素の放出特性を把握するため、Ru及び核分裂生成物の代替物質としてEuを抽出した溶媒の燃焼試験を行い、溶媒の燃焼に伴うRu及びEuの放出割合を取得した。
大西 健夫*; Gelberg, A.*; 櫻井 博儀*; 米田 健一郎*; 青井 考*; 今井 伸明*; 馬場 秀忠*; Von Brentano, P.*; 福田 直樹*; 市川 雄一*; et al.
Physical Review C, 72(2), p.024308_1 - 024308_7, 2005/08
被引用回数:21 パーセンタイル:77.65(Physics, Nuclear)Crのベータ崩壊を理化学研究所のサイクロトロン加速器を用いて初めて測定し、値0.640.20が得られた。この実験値を殻模型空間を仮定した殻模型計算と比較し、その相互作用依存性を調べた。KB3, FPD6, GXPF2相互作用はそれぞれ実験値を誤差棒の範囲内で説明することはできるが、これらの理論値は1.5倍ほどの開きがあり、どの相互作用が優れているかは今後の精密測定が待たれることとなった。この比較的大きなベータ崩壊確率は、準重陽子描像により定性的に議論可能であることがわかった。
渡邊 浩二; 田代 信介; 阿部 仁; 高田 準一; 森田 泰治
JAERI-Tech 2004-029, 48 Pages, 2004/03
再処理施設等の核燃料施設の一部の建屋換気系には、換気系フィルタの一種として前置フィルタが用いられている。火災事故時には、この前置フィルタが大量の煤煙によって目詰まりし、差圧が上昇して破損することが考えられる。したがって、放射性物質の閉じ込め機能を維持する観点から、前置フィルタの差圧の時間変化を精度よく予測することは重要である。本研究では、粒径2m以上の煤煙粒子に対する前置フィルタのDFにも粒径範囲0.7-2mの煤煙粒子に対する実測DFから作成した粒径-前置フィルタのDFに関する実験式が適用できると仮定した。この仮定を用いたCELVA-1Dによる解析結果は、試験結果とよく一致した。
高田 準一; 林 嗣郎*; 渡邊 浩二; 瀧田 孝治*; 塚本 導雄; 田代 信介; 阿部 仁*; 内山 軍蔵*
JAERI-Tech 2002-102, 87 Pages, 2003/01
再処理施設の一部の建屋換気設備では、HEPAフィルタの直前に前置フィルタが設置されており、HEPAフィルタの保護と目詰まりを緩和する役割を担っている。しかし、火災事故が発生した場合、大量の煤煙が発生し、前置フィルタが煤煙の負荷により目詰まりし、差圧の上昇によって破損することが考えられる。そこで、原研では火災時の換気系フィルタの健全性が確保されることを調べる実証試験を実施した。試験では、模擬可燃性固体廃棄物(ゴム手袋,綿手袋,ゴム手袋/綿手袋混合物)や模擬回収溶媒(n-ドデカン,TBP/n-ドデカン混合物)を燃焼させ、煤煙の発生挙動や換気系ネットワーク(セル,ダクト,ダンパー,フィルタ)内による煤煙の減衰効果、及び煤煙の負荷による換気系フィルタの目詰まり特性などを把握する試験データを取得した。その結果、前置フィルタが破損した場合でも換気系全体の健全性が確保されることがわかった。また、安全性解析コード(CELVA-1D)によるフィルタの差圧上昇解析に適用させるため、前置フィルタの差圧上昇を単位フィルタ面積あたりの煤煙負荷量を関数とした二次の実験式で表し、前置フィルタの目詰まり係数(,)を求めた。
津幡 靖宏; 田代 信介; 小池 忠雄; 阿部 仁*; 渡邊 浩二; 内山 軍蔵
Transactions of the American Nuclear Society, 87, p.60 - 61, 2002/11
原研では、再処理施設の臨界事故で発生する揮発性核分裂生成物のベント系内移行挙動を解析する目的でシミュレーションコードFACTの整備を進めている。本コードではノードジャンクション法が採用されており、種々の流体機器が配置されたベント系ネットワークを模擬することができる。解析ではユーザが与えた臨界発生箇所での質量放出速度,エネルギー放出速度,揮発性物質放出係数を用いて一次元圧縮性熱流動に関する基礎方程式及び一次元移行解析式を解くことでベント系内各観測点での圧力,温度,流速,移行物質濃度等を推定する。本発表では、FACTの基本解析機能及び簡易プラントを想定した機能確認計算について報告する。
阿部 仁; 渡邊 浩二*; 田代 信介; 高田 準一; 内山 軍蔵
JAERI-Research 2001-052, 18 Pages, 2001/11
核燃料施設での火災事故事象を定量的に解析するためには、煤煙粒径分布や煤煙及びエネルギー放出速度等の放出ソースタームデータの整備が不可欠である。固体廃棄物や回収溶媒を模擬した模擬可燃性廃棄物を用いた燃焼試験を実施し、これら放出ソースタームの評価方法を検討した。模擬可燃性廃棄物としてゴム手袋と綿手袋が混在した場合、粒径が1m以上の比較的大きな煤煙が綿手袋の炭化した残留物中に閉じ込められ、ゴム手袋のみの場合と比べて煤煙の放出率が低くなった。ゴム手袋の燃焼に伴う試験結果をもとに安全性解析コードCELVA-1Dを用いて上記ソースタームを評価した。CELVA-1D評価結果は事故解析ハンドブック(NUREG-1320)中で推奨されている計算パラメータを用いた計算結果とほぼ一致し、本試験でのCELVA-1Dを用いた放出ソースターム評価手法の妥当性が確認できた。
塚本 導雄; 高田 準一; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 宮田 定次郎*; 西尾 軍治*; 村田 幹生*; 内山 軍蔵
JAERI-Tech 2001-031, 47 Pages, 2001/03
再処理溶媒(溶媒)と硝酸との異常化学反応に起因した爆発は、再処理施設のDBAに選定されている。そこで、原研では爆発がプルトニウム濃縮缶で起きた場合を想定し、セル換気系の安全性とHEPAフィルタの健全性が確保できることを実証するため、溶媒と硝酸とを反応容器に貯え、密封し、種々の加熱条件下で生成した硝化溶媒(TBP錯体等)を急激に熱分解させて、爆発を誘起させるニトロ化溶媒爆発試験を実施した。試験の結果、以下に述べる知見を得た。硝化溶媒の熱分解により溶媒1kgが噴出して爆発を起こした場合、実験的方法により導出した最大質量放出速度と最大エネルギー速度は、0.59[kg/s]と3240.3[kJ/kg・s]である。この爆発による波及がセル換気系に与える影響は小さく、HEPAフィルムの健全性が確保できることを実証した。
塚本 導雄; 高田 準一; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 宮田 定次郎*; 西尾 軍治*; 村田 幹生
JAERI-Tech 2000-036, p.43 - 0, 2000/03
再処理施設のセル換気系内において再処理溶媒(有機溶媒)と硝酸の異常化学反応に起因した爆発が起きた場合について、爆発規模とエアロゾル発生量の関係、及びセル換気系による放射性物質の閉じ込め効果を把握する試験を実施した。試験ではセル換気系実証試験装置のセル内に設置した反応容器に、純粋な溶媒並びに線照射により劣化した溶媒とCeを混合した硝酸とを充填・密封し、183まで加熱して爆発とエアロゾル発生を誘起させた。爆発により発生したCeエアロゾルは採取し、浮遊率や粒径分布を時間毎に測定した。さらに、質量濃度を実測してエアロゾルの沈降や沈着等による除去効果を調べた。その結果、噴出した溶媒ミストが急激燃焼を起こした場合、セル内に飛散するCeエアロゾルの初期(t=0)濃度は、3~600[mg/m]になることが判明した。しかしながら、爆発による温度上昇や圧力波の伝播は、セルやダクトで構成される換気系で十分に減衰するので、HEPAフィルタの健全性は確保され、セル換気系による放射性物質の閉じ込め効果は十分達成されることが確認できた。
宮田 定次郎*; 高田 準一; 井田 正明*; 中吉 直隆*; 小池 忠雄; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 2000-035, p.64 - 0, 2000/03
硝酸によるピューレックス溶媒(TBP,n-ドデカン)の熱分解の反応特性及び反応機構を明らかにするため、示差走査熱量計(DSC)、加速速度熱量計(ARC)等の熱分析装置並びにガスクロマトグラフ(GS)及びガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)等の分析装置による各種検討を行った。その結果、ステンレス製の密封セルを用いた硝酸配位の30%TBP/70%ドデカン混合溶媒のDSC測定では、約170と約320に極大となる発熱ピークが得られ、前者は硝酸と溶媒及びTBPの脱アルキル化により生成した硝酸ブチルとの反応におもに起因し、後者は硝酸とドデカンとの反応により生成したニトロドデカン自身の熱分解に起因することなどを明らかにするとともに、ARCによる検討では、硝酸とTBPとの反応及び硝酸n-ブチル自身の熱分解の活性化エネルギーがそれぞれ123.2及び152.5kJ/molであることなどを明らかにした。また、得られた結果に基づき、本反応の反応機構を推論した。
阿部 仁; 高田 準一; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 村田 幹生
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(7), p.619 - 625, 1999/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)1997年3月11日に、動力炉核燃料開発事業団(PNC)のアスファルト固化処理施設において火災・爆発事故が発生した。アスファルト/塩固化体の燃焼に伴う煤煙発生機構及び換気系フィルタの目詰まり現象を検討するため、小規模模擬燃焼試験を実施した。PNCにおける実廃液組成を参考に模擬固化体を作成して燃焼させた。その際の燃焼挙動を観察するとともに燃焼質量とフィルタの差圧上昇の間の関係を測定し両者の関係を表す実験式を導いた。さらに固化体から放出される質量、エネルギー及び煤煙の放出速度を試験データと一次元熱流動解析コードCELVA-1Dを用いた解析結果を用いることで求めた。模擬固化体の燃焼に伴って発生した煤煙の火災発生セルから換気系へ移行率は約2.5%、また実固化体中に含有されている放射性物質を模擬するために模擬固化体に添加したCsの移行率は約9.6%であった。
宮田 定次郎; 高田 準一; 中吉 直隆*; 小池 忠雄; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 99-040, 194 Pages, 1999/05
耐圧ガラス製反応装置(内容積約1000ml)を用いて、4種類の溶媒系(100%TBP,100%TBP/U,30%TBP/70%n-ドデカン及び30%TBP/70%n-ドデカン/U)を温度129~192C,反応時間90~270分の条件の下で硝酸と反応させる方法によりレッドオイル(Red Oil)を合成し、その成分及び合成時に発生したガス成分をガスクロマトグラフ(GC)及びガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)により同定・定量した。レッドオイルは150種類以上の成分からなりその中の94成分の化学形を確定または推定した。レッドオイルの主要な成分はn-ドデカンとTBPのモノ及びジニトロ化物、ドデカノン、硝酸n-ブチル、DBP及びMBPである。合成時に発生した気体成分(vol%)はNO(23~50)が最も多く、以下CO(17~34)、NO(5.5~15)、N(4.3~12)、CO(4~12)、NO(1.5~8)、炭化水素(0.7~1.2)の順に減少し、OとHはほとんど検出されなかった。蒸発成分の水冷却凝縮液の大部分は硝酸n-ブチルであり、n-ブタノールは非常に少ない。
宮田 定次郎; 高田 準一; 井田 正明*; 中吉 直隆*; 塚本 導雄; 小池 忠雄; 渡邊 浩二*; 西尾 軍治*
JAERI-Tech 99-039, 70 Pages, 1999/05
溶媒及び劣化溶媒と硝酸との反応の反応特性及び発熱特性に関する情報収集を目的として、純粋な溶媒並びに熱化学的及び放射化学的に劣化させた溶媒を用いて、密封セル示差走査熱量計(SC-DSC)及び加速速度熱量計(ARC)による熱分析試験、並びに密閉容器(内容量3.0 )による熱分解試験を実施し、以下に述べる結果を得た。硝酸飽和溶媒、100%TBP溶媒(100%TBP/~2.7M HNO)及びドデカン含有溶媒(30%TBP/70%n-ドデカン/~0.8M HNO)は、約170Cと約210Cに極大を有する発熱ピークを与え、前者のピークは溶媒と硝酸との反応に起因し、その活性化エネルギーと頻度因子は124kJ/mol及び8.410secである。硝酸水溶液共存下での、密閉系における硝酸による溶媒の急激熱分解の開始温度は、開放系の場合とほぼ等しく140C以上である。過濃縮したCe(NO)含有硝酸配位溶媒は約180C以上で急激に熱分解する。ドデカノン、n-ブタノール、硝酸n-ブチル等の溶媒劣化物は約80C以下で硝酸と発熱的に反応する。
阿部 仁; 渡邊 浩二*
JAERI-Tech 99-034, 21 Pages, 1999/03
1997年11月、東海研究所ウラン濃縮研究棟で火災事故が発生した。管理区域内で火災が発生すると大量の煤煙による排気系フィルタの目詰まりとブロアの排気能力の低下によって管理区域内圧力の負圧から正圧への逆転と煤煙を含んだ気体の区域外への流出が引き起こされる可能性がある。このような危険性を回避するためには、給気の停止が有効な手段であると考えられるが、施設内閉じ込め効果に対する給気停止の影響を定量的に評価した例はこれまでない。そこで熱流動解析コードCELVA-1Dを用いて施設内閉じ込め効果に対する給気流量の停止の影響を定量的に評価することを試みた。その結果、火災発生セルへの強制給気を停止した方が停止しない場合に比べて施設内閉じ込め機能は若干長い時間持続されるが、その効果は事故規模が大きくなるにつれて無視できるようになることがわかった。
西尾 軍治*; 山崎 昇*; 河野 浩二*; 渡邊 浩二*; 村崎 穣*
JAERI-Data/Code 98-033, 235 Pages, 1998/11
CELVA-3Dは、再処理施設のセル内で想定される爆発時の熱流動現象と放射性物質の移行挙動を評価するため開発された計算コードである。この計算コードでは、3次元熱流動解析によりセル内の温度、圧力、流速を、熱流動を考慮した物質移流解析によりセル内の放射性物質の閉じ込め効果を計算する。また、CELVA-3Dは爆燃用解析のCELVA-3D(M)と爆轟用解析のCELVA-3D(R)に分かれている。ここで、CELVA-3D(M)の数値解法はSIMPLE法及びSIMPLEST法(半陰解法)が、CELVA-3D(R)はICE法(陽解法)が採用されている。CELVA-3Dの解析モデルは、再処理施設の想定爆発を模擬した安全性実証試験の結果と比較することにより検証された。
西尾 軍治*; 渡邊 浩二*; 河野 浩二*; 山崎 昇*; 向出 恵勇*; 吉岡 逸夫*
JAERI-Data/Code 98-017, 279 Pages, 1998/03
この報告書は、再処理施設のセル内で想定される火災・爆発時の放射性物質閉じ込め効果を評価するため開発された計算コード(CELVA-1D)の解析モデルの説明、検証結果、及び使用手引き書から構成されている。この計算コードは、再処理施設内のセル換気系内の温度、圧力、流速の変化を1次元熱流動解析で計算すると共に、放射性物質の移行、沈着、フィルタ捕集等の閉じ込め効果が評価できる。CELVA-1Dの計算値は、セル内の火災・爆発を模擬した実証試験の効果を比較され、よく一致することを確かめた。したがって、CELVA-1Dの数学モデルとプログラムは検証されたとみなしてよい。