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論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2022)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 木村 健二; 島田 顕臣; et al.

第35回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.17 - 19, 2024/03

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、2台のAMSで実試料の年代測定を行い、さらにAMSの小型化に向けた試験装置1台で技術開発を行っている。2台の実試料測定用AMSでは炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の4核種を測定している。小型化に向けた試験装置は、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、現在炭素-14測定を目指して実証試験中である。発表ではそれぞれの研究開発状況を報告する。

報告書

東濃地科学センターにおける熱分解型元素分析装置/安定同位体比質量分析装置を用いた岩石試料等の水素と酸素の安定同位体比測定

山本 悠介*; 渡邊 隆広; 丹羽 正和; 島田 耕史

JAEA-Testing 2023-003, 67 Pages, 2024/02

JAEA-Testing-2023-003.pdf:4.63MB

東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として、地質環境の長期安定性に関する研究を進めている。一般に将来の自然現象に伴う地質環境の変化の予測・評価は、自然現象に関する過去の記録や現在の状況に関する調査結果に基づき行われる。岩石試料等の水素及び酸素の安定同位体比($$delta$$D、$$delta$$$$^{18}$$O)は試料に含まれる水の供給源や混合過程等に関する情報が得られるため、過去に発生した自然現象を明らかにする上で重要な基礎データの一つとなる。東濃地科学センターでは、岩石試料等の$$delta$$D及び$$delta$$$$^{18}$$Oを把握するため熱分解型元素分析装置(TC-EA)及び安定同位体比質量分析装置(IRMS)を組み合わせたTC-EA/IRMSによる分析手法を整備した。本稿ではTC-EA/IRMSを用いた岩石試料等の$$delta$$D及び$$delta$$$$^{18}$$Oの分析手法を作業手順書として示すとともに、標準試料を用いた補正式の評価、標準試料の繰り返し測定による分析精度の評価及び岩石試料等を用いた試験測定結果の一例について報告する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

ポータブル蛍光エックス線分析装置による津波堆積物の簡易判別手法の検討; 静岡平野から採取したボーリングコア試料への適用

渡邊 隆広; 山本 悠介; 北村 晃寿*

地学雑誌, 132(5), p.417 - 437, 2023/10

津波堆積物の簡易的な判別手法を検討するため、ポータブルXRFを用いて静岡平野の堆積物試料中の主成分および微量成分の定量分析を新たに実施した。本研究では、静岡平野で採取された6本のボーリングコア試料(各試料長さ約8m)および同地域の砂浜表層試料の定量分析を行った。得られたデータから約1000年前,約3500年前および約4000年前の津波堆積物の地球化学的な特徴について検討した。ポータブルXRFによる定量分析結果の大部分は従来法による既報値とよく一致した。したがって、本手法は静岡平野の堆積物試料にも適用可能であることが示された。

論文

LA-ICPMS U-Pb dating of zircon in paleotsunami deposits from Miyazaki plain, southwest Japan

渡邊 隆広; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 丹羽 正和

地学雑誌, 132(4), p.353 - 361, 2023/08

地層中の津波堆積物の分布を明らかにすることにより、過去の津波浸水域を推定し沿岸域の防災に貢献できると期待されている。しかし、地層中の津波堆積物と、洪水・高潮などの他のイベント堆積物との判別は容易ではなく、新たな判別手法の開発や改良が求められている。これまでに、西南日本の宮崎平野では西暦1662年の寛文日向灘地震・津波により発生した津波堆積物が発見されている。本研究では宮崎平野の津波堆積物に含まれる重鉱物ジルコンに注目し、新たな情報を得るため、東濃地科学センターに設置されているレーザーアブレーションICP質量分析装置を用いてジルコンのU-Pb年代測定を行った。年代測定の結果、約14Maから約2405Maの値が得られ、主に約100Maと約2000Maに年代値が集約する傾向が見られた。本研究により、ジルコンの年代値をもとに津波堆積物を構成する成分の供給源や堆積過程の推定につながる可能性が示された。

論文

Status report of JAEA-AMS-TONO; Research and technical development in the last four years

國分 陽子; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 松原 章浩; 石坂 千佳; 三宅 正恭*; 西尾 智博*; 加藤 元久*; 小川 由美*; 石井 正博*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 539, p.68 - 72, 2023/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

本発表では、東濃地科学センターJAEA-AMS-TONOで行っている加速器質量分析に関わるここ4年間の研究技術開発について紹介する。5MVの加速器を有する加速器質量分析装置(AMS)では、炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の地質試料の年代測定等に関する測定に加え、塩素-36の測定技術整備を行っている。また、測定の需要の高まりに伴い、300kMの加速器を有するAMSを2020年に導入した。また、試料調製法や同重体分離技術の開発も行っており、微量試料での試料調製法の開発や、イオンチャネリングによる同重体分別技術の開発やその技術を用いた超小型AMSの開発も行っている。

論文

$$^{10}$$Be analysis of the rock samples from the northeastern shore of Lake Pumoyum Co in south Tibetan Plateau

奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; Zhu, L.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 539, p.28 - 32, 2023/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

チベット高原はその広大な面積、及び地形学的な特徴から、地球規模の気候変動及び物質循環に対して重要な役割を果たしている。現在のチベット高原南部における降水量の変動は、特に南西からのインドモンスーンによる影響を受けることが知られている。したがって、この地域の降水量変動を復元することにより、アジアにおける過去のモンスーン活動の変動に関する情報が得られると期待される。チベット高原南部の標高約5,030mに位置するプマユムツォ湖は世界で最も高所に存在する湖の一つである。これまでにプマユムツォ湖の湖底堆積物を用いて過去の湖水面変動や環境変動の推測に関する研究が行われてきた。本研究では湖の北東側の湖岸から岩石試料を採取し、岩石中で生成する宇宙線生成核種である$$^{10}$$Be等の測定を実施することで、湖水面変動に伴う岩石の露出年代の推定を試みた。プマユムツォ湖湖岸の岩石中の$$^{10}$$Be濃度は、3.78-10.8$$times$$10$$^{6}$$(atoms/g)の範囲を示した。仮に岩石中の$$^{10}$$Be濃度が、湖水面変動に影響されているとすれば、$$^{10}$$Be濃度は湖から離れるに従い増加するはずである。しかし、プマユムツォ湖湖岸の岩石中の$$^{10}$$Be濃度の分布は、湖から離れるに従って減少する傾向を示した。したがって、プマユムツォ湖の湖岸段丘から採取された岩石中の$$^{10}$$Be濃度の分布は、岩石の露出年代よりも、侵食速度もしくはテクトニックな変動に影響されている可能性が高いと考えられる。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2021年度)

松原 章浩*; 藤田 奈津子; 三宅 正恭; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 西尾 智博*; 小川 由美; 神野 智史; 木村 健二; et al.

JAEA-Conf 2022-002, p.55 - 62, 2023/03

JAEA-AMS-TONO-5MVでは、2021年度末までに測定個数28912個、測定時間20478時間となった。同装置では2021年7月に複数の機器でバリスタが破損し、その原因究明、対策、復旧のため、運用はそれ以降停止している。バリスタ破損の事象は表1に示すように二度あり、一度目は2個、二度目は3個のバリスタが同時に破損した。一度目の破損の原因については、経年劣化によりバリスタ電圧が低下したバリスタにおいて地絡が発生し、これが起因となり他の劣化したバリスタが破損したと推測される。二度目の原因は、一度目でダメージを被ったバリスタ(表1の*印の機器に搭載)が通電の際に地絡し、他の劣化したバリスタの破損に繋がったと推測される。安全対策の一つとして、破損したバリスタと同型式のバリスタの他の機器での有無を調査し、該当するものは新しいバリスタに取り換える処置を行った。復旧は順次進めており、依頼測定の再開は2022年度の中頃を予定している。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(令和4年度)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 山本 悠介; 木村 健二; et al.

第23回AMSシンポジウム報告集, p.1 - 4, 2022/12

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、実試料測定用に2台、炭素-14測定用超小型AMSの開発に向けた試験装置が1台ある。JAEA-AMS-TONO-5MVではルーチン測定をしている4核種に加えて、地下水の年代測定に有用な塩素-36の測定に向けた技術開発や硫黄除去方法の検討を実施している。炭素-14測定用超小型AMSは、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、2022年度中の炭素-14測定を目指して実証試験中である。またAMSで測定を行うための試料前処理の研究開発として、炭素-14測定における微少量試料の前処理法やその測定方法の検討、塩素-36測定のための前処理方法の検討などを実施している。発表では、それぞれの研究開発状況を報告する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和4年度)

笹尾 英嗣; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 島田 耕史; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.

JAEA-Review 2022-022, 29 Pages, 2022/09

JAEA-Review-2022-022.pdf:0.97MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

A Safer preprocessing system for analyzing dissolved organic radiocarbon in seawater

乙坂 重嘉*; Jeon, H.*; Hou, Y.*; 渡邊 隆広; 阿瀬 貴博*; 宮入 陽介*; 横山 祐典*; 小川 浩史*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 527, p.1 - 6, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

海水中の溶存有機物の放射性炭素(DO$$^{14}$$C)の測定により、海洋における溶存有機物の動態の時間スケールや供給源に関する情報を効果的に得ることが期待されている。しかしながら、海水中のDOC濃度は低く、近年の加速器質量分析の高性能化を考慮しても、その分析には比較的多量の海水($$sim$$1L)を要する。また、高熱を発する紫外線照射などの複雑な試料処理が必要となる。本研究では、既往の紫外線処理法よりも安全で簡便な海水中DO$$^{14}$$Cを分析する方法を開発した。特に重要な変更点は、分解システムに低圧水銀ランプを採用した点で、これによって反応時の試料温度を水試料の沸点より低温に抑えることができ、安全に処理することが可能となった。加えて本研究では、可溶性の有機物標準試料と塩化ナトリウムからなる模擬海水を用いることで、このシステムを用いたDO$$^{14}$$C分析の確度の評価方法を提案する。本法は、炭素同位体比分析だけでなく、さまざまな溶存有機態の微量元素や同位体の分析にも適用されることが期待される。

論文

静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土と土石流堆積物の地球化学・粒子組成分析

北村 晃寿*; 岡嵜 颯太*; 近藤 満*; 渡邊 隆広; 中西 利典*; 堀 利栄*; 池田 昌之*; 市村 康治; 中川 友紀; 森 英樹*

静岡大学地球科学研究報告, (49), p.73 - 86, 2022/07

静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川で、2021年7月3日に土石流が発生し、大量の堆積物が流下した。その後の調査で、逢初川の源頭部には盛土があり、そのうちの約55,500m$$^{3}$$が崩落し、流下したことが判明した。本研究では、源頭部の崩壊していない盛土の黒色土砂と褐色土砂、3か所の土石流堆積物、2か所の土壌の堆積物試料について、泥質物と砂質物ごとに地球化学・粒子組成分析を行った。その結果、土石流堆積物の組成は、盛土の黒色土砂と褐色土砂の混合で説明される試料もあるが、それでは説明できない試料もある。後者は、盛土の組成の不均一性を示唆する。本研究では盛土の黒色土砂と土石流堆積物が放散虫チャートを含むことを発見した。このチャート片は、黒色土砂のトレーサー物質として有用である。さらに、放散虫チャートの堆積年代はペルム系/三畳系境界付近とそれ以降のジュラ紀、ないし前期白亜紀までに及ぶことが判明した。これは、黒色土砂の供給源の特定に重要な知見となる。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状; 2019-2020年度

藤田 奈津子; 松原 章浩; 三宅 正恭*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 西尾 智博*; 小川 由美*; 加藤 元久*; 島田 顕臣; 尾方 伸久

第33回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, P. 48, 2022/04

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、地質環境の長期安定性に関する研究における年代測定及びその技術開発に加速器質量分析装置(Accelerator Mass Spectrometer: AMS)を使用している。現在、東濃地科学センターにはAMSが3台あり、うち年代測定の実試料測定用に2台、AMSの技術開発用に試験装置が1台ある。発表では2019-2020年度のこれらの装置現状について報告する。

論文

Late-Holocene salinity changes in Lake Ogawara, Pacific coast of northeast Japan, related to sea-level fall inferred from sedimentary geochemical signatures

奈良 郁子*; 渡邊 隆広; 松中 哲也*; 山崎 慎一*; 土屋 範芳*; 瀬戸 浩二*; 山田 和芳*; 安田 喜憲*

Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 592, p.110907_1 - 110907_11, 2022/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:28.09(Geography, Physical)

小川原湖は、下北半島の太平洋沿岸に位置した汽水湖である。これまでの研究により、完新世の後期に海水準が低下したことで小川原湖が汽水化したと推測されているが、これまでに正確な年代は明らかにされていなかった。小川原湖が汽水化した年代を明らかにすることにより、過去の海水準変動の時期や規模に関する情報が得られると期待される。本研究では、小川原湖から採取した柱状堆積物(長さ約280m)中の、植物片と全有機炭素の放射性炭素年代測定、及びテフラの同定により堆積層の形成年代を決定した。また、堆積物中のハロゲン元素(臭素およびヨウ素)の鉛直分布を明らかにし、小川原湖の過去の塩分濃度変化を推定した。海水由来と考えられる堆積物中の臭素およびヨウ素濃度の増加時期から、約2200cal BPに小川原湖が汽水化したことが示唆された。

論文

Geochemical and heavy mineral signatures of marine incursions by a paleotsunami on the Miyazaki plain along the Nankai-Suruga trough, the Pacific coast of southwest Japan

渡邊 隆広; 鏡味 沙耶; 丹羽 正和

Marine Geology, 444, p.106704_1 - 106704_13, 2022/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:41.35(Geosciences, Multidisciplinary)

地層中の津波堆積物を指標として過去の津波浸水域を復元することにより、沿岸域における津波被害を推定し防災・減災につなげることができると期待される。しかし、現状では津波堆積物の供給源の推定や、洪水堆積物との区別等が解決すべき課題となっている。これらの問題を解決する一つの手段として、津波堆積物の地球化学判別手法が有効と考えられるが、国内での適用例は限られている。本研究では、宮崎平野から採取された津波堆積物の地球化学的特徴および重鉱物組成を指標として津波堆積物の検出を試みた。ポータブルXRFによる化学分析の結果、津波堆積物への遷移層においてS/TiやSr/Ti比等の増加、及びRb/Ti比等の減少傾向が見られた。また、津波堆積物の一部でZrが濃集していることが明らかになった。さらに、クラスター分析等の統計処理により、一部の津波堆積物と他の堆積層とを区別できることが示された。

報告書

東濃地科学センターにおけるポータブル蛍光エックス線分析装置を用いた岩石試料等の主要元素及び微量元素の定量分析; エックス線照射径3mmでの全岩化学分析手法

山本 悠介; 渡邊 隆広; 丹羽 正和; 島田 耕史

JAEA-Testing 2021-003, 58 Pages, 2022/01

JAEA-Testing-2021-003.pdf:6.82MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分事業や国の安全規制において必要となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化の予測・評価は、一般に自然現象に関する過去の記録や現在の状況に関する調査結果に基づき行われる。岩石や堆積物の全岩化学組成は、こうした自然現象に関する過去の記録や現在の状況を明らかにする上での重要な基礎データの一つとなる。東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、この全岩化学組成を迅速に把握する手法として、屋外で使用可能な可搬型の蛍光エックス線分析装置(ポータブルXRF)による非破壊での全岩化学分析手法を整備した。特に、少量試料への適用を想定し、ポータブルXRFのスモールスポット測定機能を用いた3mm径(標準仕様は8mm径)での試験測定を実施した。本稿では、スモールスポット測定による全岩化学組成の分析手法として、標準試料を用いた検量線の作成方法、主要元素(SiO$$_{2}$$, TiO$$_{2}$$, Al$$_{2}$$O$$_{3}$$, Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$, CaO, K$$_{2}$$O)と微量元素(Rb,Sr,Zr)の定量分析方法について示すとともに、本手法を用いた標準試料の繰返し測定による分析精度評価の結果及び既往研究により全岩化学組成データが知られている天然試料への適用性評価結果も示す。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和2年度)

石丸 恒存; 尾方 伸久; 國分 陽子; 島田 耕史; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; et al.

JAEA-Research 2021-007, 65 Pages, 2021/10

JAEA-Research-2021-007.pdf:4.21MB

本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度$$sim$$令和3年度)における令和2年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

$$^{129}$$I/$$^{127}$$I and $$Delta$$$$^{14}$$C records in a modern coral from Rowley Shoals off northwestern Australia reflect the 20th-century human nuclear activities and ocean/atmosphere circulations

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 横山 祐典*; 米田 穣*; 柴田 康行*; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 國分 陽子

Journal of Environmental Radioactivity, 235-236, p.106593_1 - 106593_10, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.21(Environmental Sciences)

深部流体の識別指標に資するためのヨウ素129($$^{129}$$I)測定技術開発を目的として、北西オーストラリア産の現生サンゴ骨格年輪(西暦1931年-1991年)のヨウ素129濃度($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)及び炭素14濃度($$Delta$$$$^{14}$$C)を測定した。$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは東濃地科学センター加速器質量分析装置(JAEA-AMS-TONO-5MV)を用い、$$Delta$$$$^{14}$$Cは東京大学の加速器質量分析装置を用いて測定した。その結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iと$$Delta$$$$^{14}$$Cの両方で1950年代から明瞭な上昇が見られた。$$Delta$$$$^{14}$$Cの上昇は大気圏核実験によるものであり、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iの上昇は大気圏核実験及び核燃料再処理によるものである。以上の結果は先行研究と良く一致していることから、JAEA-AMS-TONO-5MVによる$$^{129}$$I/$$^{127}$$I測定が更に拡張されたといえる。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和3年度)

石丸 恒存; 國分 陽子; 島田 耕史; 島田 顕臣; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.

JAEA-Review 2021-012, 48 Pages, 2021/08

JAEA-Review-2021-012.pdf:1.64MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度$$sim$$令和3年度)における令和3年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、これまでの研究開発成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、地層処分事業実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

Characteristics in trace elements compositions of tephras (B-Tm and To-a) for identification tools

奈良 郁子*; 横山 立憲; 山崎 慎一*; 南 雅代*; 淺原 良浩*; 渡邊 隆広; 山田 和芳*; 土屋 範芳*; 安田 喜憲*

Geochemical Journal, 55(3), p.117 - 133, 2021/00

 被引用回数:6 パーセンタイル:57.32(Geochemistry & Geophysics)

白頭山噴火年代は西暦946年であることが広く認められている。噴火で分散した白頭山-苫小牧(B-Tm)テフラは、精確な年代を示す鍵層となる。従来は、このテフラを同定するため、火山ガラス片の屈折率と主成分元素組成が使われていた。しかし、希土類元素に着目した微量元素分析やテフラ層の全堆積物に対する微量元素分析はこれまでほとんど報告例がない。本論文では、東北地方の小河原湖の堆積物コアから採取したB-Tmテフラ及び十和田カルデラ(To-a)テフラについて、火山ガラス片と全堆積物の主要元素及び微量元素分析結果を示す。主要元素及び微量元素の深度プロファイルでは、B-Tmテフラ層においてK$$_{2}$$Oと微量元素の増加が確認されたが、To-aテフラ層においては、これらの元素の増加は確認されなかった。B-Tmテフラ層で検出された高濃度の微量元素は全堆積物だけではなく、ガラス片にも確認された。B-Tmテフラ層のガラス片にみられる元素(特に希土類元素)の組成パターンは、他の日本のテフラガラスとは明らかに異なる。ガラス片と全堆積物の微量元素組成は、B-Tmテフラと他の日本のテフラを区別する上で、有用な指標となると考えられる。

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