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丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.
JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10
本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。
渡部 豪; 奥山 哲; 浅森 浩一
no journal, ,
九州地方は、日本列島の中でも特異な地殻変動が認められている地域である。特に、北緯32付近ではGPS速度場の東西成分に約5mm/yr程度の速度ギャップが存在するとともに、M5-6クラスの地震が発生していることがこれまでの研究により指摘されている。しかし、同領域にはこれに対応する活断層が認められておらず、どのようなひずみ蓄積過程を経て地震として解消されるのか等、明らかにされていない点が多い。また、九州地方には第四紀火山が多数存在するために、高温による非弾性的な地殻変動も推測される。このため、地殻ひずみの収支を考えるにあたり、地殻・マントルの不均質に起因する非弾性的挙動が地殻変動場に与える影響を定量的に見積もることも重要であると考えられる。以上の背景に基づき、本研究では、九州地方で進行している地殻変動の要因を明らかにするため、GPS速度データを用いて九州地方におけるひずみ速度場の推定を行った。
渡部 豪; 奥山 哲; 浅森 浩一
no journal, ,
将来数万年以上にも及ぶ極めて長い時間スケールの地殻変動を評価するためには、過去現在の地質環境の変遷に基づいた外挿によるアプローチに加えて、変動のメカニズムを考慮した運動学的なシミュレーションによる予測手法を構築することが重要である。本研究では、長期間のプレート間相互作用に基づいてプレート境界地震に伴う地殻歪の解放の影響を排除したシミュレーションに向けて、これに必要なひずみ速度分布を活断層データを用いて推定した。その結果、過去現在のひずみ速度の短縮軸の方向は、現在の最大主応力軸の方向と調和的な傾向を示すことが明らかになった。
渡部 豪; 奥山 哲; 浅森 浩一
no journal, ,
地質環境の長期安定性に関する研究のうち、長期予測・影響評価モデルの開発において進めている「時間スケールに応じた地圏環境変動の予測技術」について、研究開発の進捗状況を紹介する。ここでは、将来の地殻変動に関する予測技術の構築に向けて、それぞれ異なる時間スケールの地殻変動を示す地質学的ひずみ速度と測地学的ひずみ速度を推定し、両者の違いについて検討した結果を報告する。
渡部 豪; 奥山 哲; 浅森 浩一; 梅田 浩司
no journal, ,
地層処分における地質環境の予測・評価は、過去の自然現象の偏在性や変動傾向に基づき、将来への外挿することが基本となる。しかし、地形・地質学的に推定される過去のイベントや変動パターン等に係る記録は、遡る年代や地域によって識別できる分解能が異なることから、予測結果に伴う不確かさも様々である。ここで、時間スケールごとの変動方向や速度が大きく異なる場合は、単純な外挿による予測には、より大きな不確実性が伴う。また、日本列島は、プレートの沈み込みにより長期にわたって短縮変形を受け続けている。これによる地殻変動は、複雑な地形・地質構造で特徴付けられる我が国の地質環境の根元的な形成・変動要因であると考えられる。そこで本研究では、地質学的データから推定されるひずみ速度分布に基づき、長期間のプレート間相互作用をモデル化し、地球物理学的観測から推定される地殻の粘弾性不均質を考慮した数値シミュレーションに応用することで、長期間の地殻変動を推定する手法を構築する。このうち本報告では、(1)活断層データを用いた地質学的ひずみ速度の推定及び、(2)粘弾性不均質を考慮したシミュレーションについて報告する。
渡部 豪; 浅森 浩一; 梅田 浩司*; 雨宮 浩樹; 野村 勝弘; 中司 昇
no journal, ,
東濃地科学センターでは、九州南部のせん断帯における詳細な地殻変動の把握とせん断帯の形成過程解明を目的とし、10点のGNSS観測網を構築し、2016年2-3月より観測を開始した。この観測開始から約1ヶ月後の4月14日、16日に熊本地方を震源とするM6.5、M7.3の地震が発生し、震源から約60km離れた観測点でM7.3の地震による南方向への約6cmの変動を捉えた。本発表では、10点のGNSS観測網での解析結果を示し、国土地理院F3解を用いたひずみ速度の解析から、九州地方におけるひずみ速度の時間変化について議論する。また、産業技術総合研究所の活断層データベースを用いたひずみ速度(地質学的ひずみ速度)分布もふまえ、同領域における地質学的時間スケールと測地学的時間スケールでのひずみ速度の比較を行い、上部地殻の変形についての考察を行う。
渡部 豪; 浅森 浩一; 梅田 浩司*
no journal, ,
2016年熊本地震の地震時のGPS観測より地震で7.10310のせん断ひずみが解放されたことが明らかとなった。また、産総研の活断層データより推定された地質学的ひずみ速度から、この地震の再来周期は約3100年であることが推定された。この再来周期は、活断層データベースに記載された値と良い一致が見られた。一方、地震後の余効変動に関しては、M7.3の本震より2.5カ月経過した時点で、本震時のおよそ10%程度のせん断ひずみの解放が推定され、それらは、本震と比してわずかであることが示された。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
地層処分においては、数万年以上に及ぶ長い時間スケールにおける地質環境のモデル化が重要となる。日本列島における第四紀後期の地殻変動には一様継続性が見出されているが、測地学的ひずみ速度と地質学的ひずみ速度には、概ね一桁の違いがあることが指摘されている。本研究では、活断層データを用いて日本列島における地質学的ひずみ速度の再推定を行うとともに、測地学的ひずみ速度との比較を行った。その結果、測地学的データに基づくせん断ひずみ速度分布では、九州南部にせん断帯が確認できる。一方、地質学的に基づく結果には、これに対応する領域は認められない。以上の結果は、せん断帯の活動が比較的若い時代に開始したことを示唆する。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
本研究では、GNSS観測データから推定した2016年熊本地震に伴うひずみ解放量と、活断層データに基づくひずみ速度との比較によって、震源域周辺における測地学的・地質学的ひずみ速度の関係について検討した。この結果、2016年熊本地震により最大で7.110のせん断ひずみが解放されたことが明らかとなり、活断層データからは、震源域で2.310/yrのせん断ひずみ速度が推定された。せん断ひずみとせん断ひずみ速度の比を計算することで断層の活動間隔を推定し、断層の活動間隔は3,100年であることが示された。この結果は、活断層調査より推定された平均活動間隔とほぼ一致し、熊本地震は過去10万年間続く断層運動と整合的であることを示唆している。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
日本列島における第四紀後期の地殻変動には、一様継続性(変位の方向の一様性や変位の等速性)が指摘されている。しかし、日本列島における測量に基づく測地学的ひずみ速度と活断層データ等から推定された地質学的ひずみ速度には、一桁に及ぶ顕著な食い違いが認められる。地層処分における将来の地質環境の予測・評価は、過去の自然現象の偏在性や変動傾向に基づき、将来へ外挿することが基本となる。そのため、特に外挿法による予測においては、対象とする領域における一様継続性の成立性が重要となる。そこで本研究では、活断層の変位等の地形・地質学的な情報をもとに地質学的ひずみ速度を推定し、測地学的ひずみ速度との比較を行った。その結果、上下変動について、東北地方の太平洋側では長期的に見て隆起、短期的には沈降という従来からの指摘と同様、地質学的な推定結果と測地学的な推定結果の違いが認められた。一方で、ひずみ速度の主軸分布においては、新潟-神戸ひずみ集中帯での北西-南東方向の短縮、九州地方(島原-別府地溝帯)での南北伸長が認められ、測地学的ひずみ速度の主軸分布と調和的な傾向を示すことが明らかになった。
渡部 豪; 雑賀 敦; 浅森 浩一
no journal, ,
九州南部には、およそ東西方向に伸びるせん断ひずみ速度の大きな領域(九州南部のせん断帯)が存在することが近年のGNSSデータから指摘されている。しかし、この地殻変動に対応する明瞭な活断層の存在は確認されていない。このような現在の活動と過去の変動傾向との関連性を明らかにすることは、地質環境の長期安定性を検討する上で重要であると考えられる。そこで、本研究では、将来の地殻変動をモデル化する技術開発の一環として、比較的最近の時代に変動が開始したと考えられる九州南部のせん断帯の詳細な地殻変動を把握するため、せん断帯と直交する方向に10点のGNSS稠密観測点を設置し、2016年2-3月より観測を開始した。同観測によって得られたデータを用いて変位速度を推定した結果、周辺のGEONET観測点の変位速度と整合的であることが確認された。一方で、GEONETデータを用いたせん断帯での地殻変動の予備的解析の結果、せん断帯西部では、深さ9km以深で6.8mm/yrの相対運動が推定された。これは、先行研究によるブロック断層モデルから推定されたすべり速度の推定結果と調和的である。さらに、せん断帯のすべり方向は、せん断帯近傍で発生する地震のメカニズム解とも整合的であった。以上の結果は、せん断帯西部で示されている高いひずみ速度は、上部地殻深部における未成熟な断層の運動が関与している可能性を示唆する。
渡部 豪; 雑賀 敦; 浅森 浩一
no journal, ,
九州南部には、GNSS速度場を用いたひずみ速度の推定から、せん断ひずみ速度の高い領域(九州南部のせん断帯)の存在が明らかにされている。さらに、同領域では、1997年にマグニチュード6クラスの地震が2回発生している。しかし、それらの地震活動や高いせん断ひずみ速度に対応する明瞭な活断層の存在は認められていない。このような現在の活動と過去の変動傾向との関連性を明らかにすることは、地質環境の長期安定性を検討する上で重要であると考えられる。そこで、本研究では、将来の地殻変動をモデル化する技術開発の一環として、比較的最近の時代に変動が開始したと考えられるせん断帯の地殻変動を把握するため、九州南部のせん断帯と直交する方向に10点のGNSS観測点を設置し、2016年2-3月に稠密観測を開始した。これらの稠密観測から得られたデータを用いて、変位速度の推定を行ったところ、周辺の国土地理院観測点の変位速度と調和的な結果が得られた。しかし、この期間の観測データには、2016年4月に発生した熊本地震の余効変動の影響が含まれると考えられる。そのため、観測データの時系列に対して対数近似などの余効変動の推定を経て、せん断帯での地殻変動の抽出を行う必要がある。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
本研究では、日本列島における第四紀後期の地殻変動の一様継続性について検討するため、測地データ・地質データに基づいた測地学的・地質学的ひずみ速度の推定及び両者の比較を行った。測地学的・地質学的ひずみ速度の推定では、国土地理院GNSSデータと産業技術総合研究所の活断層データを用いた。また、現在の日本列島における地殻変動には、プレートの沈み込みに伴う変形が卓越していることから、本解析では、それらを取り除いた上で、両ひずみ速度の比較を行った。その結果、ひずみ速度の大きさに係る差異は、従来の指摘と同様に、一桁程度の差が認められたものの、両ひずみ速度の空間パターンについて多くの共通点が認められた。以上の結果より、両者の比較は地殻変動の一様継続性を議論する上で、有益な情報を与えることができると考えられる。
渡部 豪; 浅森 浩一; 奥山 哲*; 雑賀 敦; 梅田 浩司*
no journal, ,
日本列島における地殻変動は空間的に一様ではなく、プレートの沈み込みに代表されるプレート間相互作用や、地殻内の物性不均質に支配されている。特に、地質学的時間スケールのような長期に及ぶ地殻変動のシミュレーションを行う場合、地下の温度構造や、最近明らかにされつつある地殻流体の存在に伴う粘弾性不均質を考慮した解析を行い、地殻の非弾性変形を検討することが重要となる。本発表では、上記の地殻流体の存在に焦点を当てた地殻変動のシミュレーションとして、2011年に茨城県・福島県県境で発生した群発地震をターゲットに二次元のシミュレーションを行い、地殻応力場と隆起について再現を試みた。さらに、二つ目の事例として、比較的若い時代に変動が開始したとされる九州南部のせん断帯をターゲットに、三次元のシミュレーションを行い、同領域で生じているせん断ひずみ速度の高い領域の再現を試みた。その結果、流体分布域の周辺において観測された局所的な地殻変動と調和的な傾向がシミュレーションにより定性的に再現された。このことは、地殻内の流体がその周辺の地殻変動に関与していることを示唆する。
渡部 豪; 雑賀 敦; 浅森 浩一; 島田 顕臣; 梅田 浩司*
no journal, ,
近年、GPS観測に基づく地殻の変位速度場から、九州地方南部にせん断ひずみ速度の大きな領域が存在することが指摘されているが、この変動に対応する活断層は認められていない。本研究では、同領域の地殻変動を詳細に推定するため、平成28年2-3月に10点のGNSS稠密観測網での観測を開始した。しかし、観測開始より約一か月後の2016年4月に熊本地震が発生し、稠密観測点でも地震時のステップや余効変動が捉えられた。せん断帯周辺の定常的な運動像を得るには、この地震の余効変動を推定・除去した上で地殻変動の議論を行う必要がある。そこで、同観測網で得られた変位速度に対し、熊本地震の粘性緩和と桜島の火山性変動を補正し、せん断帯に平行な方向の速度プロファイルを求めた。その結果、熊本地震前後で地殻変動パターンがよく一致することが明らかになった。これは、せん断帯の定常的な変動が熊本地震の発生の有無によらず継続していることを示しており、せん断帯の地下深部における定常的な断層すべりの存在を示唆する。
梅田 浩司*; 浅森 浩一; 渡部 豪*
no journal, ,
地層処分システムの物理的隔離機能や閉じ込め機能に著しい影響を与える現象については、段階的なサイト調査によって適切に回避することが求められているが、海溝型地震によって誘発される局所的な群発地震も回避すべき現象の一つとして考え得る。そのため、2011年東北地方太平洋沖地震以降、福島県浜通りから茨城県北部にかけて活動し、長期間の湧水を伴う群発地震を事例として、これまでに得られている知見を整理した。その結果、群発地震の直下には、その発生に関与した流体の存在を示唆する地震波低速度体や低比抵抗体といった地球物理学的なアノマリーが下部地殻に認められている。さらに、地震発生前のデータを用いた地震波トモグラフィーでも同様の低速度体の存在が確認されている。そのため、このアノマリーの存在は、東北沖地震以前に捉えることが可能であったことを示唆する。このことは、現在の技術レベルであっても地球物理学的観測等を行なうことによって、今回のような海溝型地震に誘発される前弧域の地震活動やその震源域を予見できる可能性を示唆する。
渡部 豪; 雑賀 敦; 浅森 浩一; 小川 大輝; 島田 顕臣; 梅田 浩司*
no journal, ,
地層処分に係る地質環境の長期安定性を検討する上では、地形的に不明瞭な活断層の可能性を評価することが重要となる。九州南部には、10e-7/yr超のせん断ひずみ速度の大きな領域が存在することがGNSS観測の結果から知られている。しかし、このせん断ひずみ速度に対応する明瞭な活断層は認められておらず、地下深部のすべり(断層運動)によって地表で大きな変形が生じているとも考えられる。そこで、本研究では、せん断帯周辺の地殻変動を明らかにするために、2016年2月に同せん断帯を南北に横切るような配置で10か所のGNSS観測点を構築し、同年の3月から観測を開始した。約2年間に渡って取得したデータを解析した結果、せん断帯付近の深さ約16km以深において、12.4-14.3mm/yrの速度で左横ずれの深部すべりが起こっていることが明らかになった。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
地層処分に係る地質環境の長期安定性を検討する上で、地形的に不明瞭な活断層が活動する可能性を評価することは重要な課題の一つである。南九州には、国土地理院のGNSS観測網で得られたGNSS速度データのひずみ解析より、10e-7/yr超のせん断ひずみ速度の大きな領域(南九州せん断帯)が九州地方を東西に横切る帯状の形で存在する。しかし、同領域内では、上記のせん断ひずみ速度に対応する明瞭な活断層が認められていないことや、マグニチュード5-6クラスの内陸地震が発生していることから、地下深部のすべり(断層運動)によって地表で大きな変形が生じていることが予想される。本研究では、同せん断帯周辺の地殻変動を明らかにするために、10か所のGNSS稠密観測網を構築し、約三年間のデータから、固着域の最深部が約15kmであること、この深さ以深で約14mm/yrの速度で左横ずれのすべりが生じていることを明らかにした。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
地層処分に係る地質環境の将来予測は外挿法を用いることが基本となるが、若い時代に活動が開始したと考えられる領域においては、その適用が限定されてしまう。したがって、数値シミュレーション等の演繹的な手法の構築も重要であると考えられる。本研究では、比較的若い時代に活動が開始したと考えられる南九州のせん断帯においてGNSS観測を実施し、詳細な地殻変動を推定した。2016年2月より現在までに取得した約三年間のデータを用いた解析の結果、このせん断帯では地表から深さ約15kmまでが固着してひずみを蓄積していること、それ以深では約14mm/yrの速度で左横ずれのすべりが生じていることが明らかになった。これらの結果は、数値シミュレーションを用いて将来の地殻変動を評価する場合に、その境界条件を与えるための情報として有用であると考えられる。
渡部 豪; 浅森 浩一; 島田 顕臣; 小川 大輝; 雑賀 敦; 梅田 浩司*
no journal, ,
九州地方南部には、GNSS速度場を用いたひずみ速度解析から、10/yr超のせん断ひずみ速度集中域が存在する。また、その領域では、明瞭な活断層は認められていないものの、左横ずれの断層運動を伴う内陸地震が発生している。これらの観測事実は、地下深部で断層運動が生じている可能性を示唆する。そこで、本研究では、同領域(南九州せん断帯)の地殻変動を推定するため、GNSS観測を2016年3月より開始した。その結果、せん断帯直下の深さ約22km以深で約13mm/yrすべりが生じていることを明らかにした。この結果は、下部地殻のせん断すべりが同領域での地震活動や地殻変動に寄与している可能性を示唆する。