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浅井 啓輔*; 湯川 恭平*; 井口 哲夫*; 直井 紀拓*; 渡辺 賢一*; 河原林 順*; 山内 通則*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1818 - 1821, 2008/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)DTプラズマ中のD/T比は、DD/DT反応によって発生するDD中性子(2.45MeV)とDT中性子(14.1MeV)の測定によりそれらの中性子強度比から求めることができ、測定にはDT中性子中の微量なDD中性子の検出が鍵となる。本研究では、TOF法をベースに、飛行時間を測定するシンチレータ対の前に中性子散乱体(水)を挿入した多重散乱飛行時間中性子スペクトロメータ(MS-TOF)の開発を行っている。本システムは、ビームライン上にアクティブな検出器を持たないことと中性子散乱体中の水素原子核がDT中性子よりもDD中性子に対して大きな弾性散乱断面積を有することを利用して、シンチレータ対に入射する中性子束のDD/DT中性子強度比を向上させることができ、微量DD中性子の検出に有利である。今回は、日本原子力研究開発機構核融合中性子源施設FNSの加速器DT中性子源を用いて、本システムによるDT中性子ビーム中の微量DD中性子検出を試みた。その結果、DT中性子ピークとともにDD中性子ピークも観測できた。また予備的ながら、使用した中性子ビーム中のDD/DT中性子強度比を評価し、妥当な結果を得た。
岩井 春樹*; 直井 紀拓*; 浅井 啓輔*; 井口 哲夫*; 磯部 光孝*; 湯川 恭平*; 河原林 順*; 今野 力
no journal, ,
本研究グループでは、重水素プラズマ実験におけるイオン温度測定用中性子スペクトロメータとして共役粒子同時計数型中性子スペクトロメータを開発している。本システムは、中性子-水素原子核弾性散乱の共役粒子である反跳陽子,散乱中性子のエネルギーをそれぞれ反跳陽子テレスコープ法,二結晶型飛行時間法により測定し、それらを足し合わせることで、入射中性子のエネルギーを求めるものである。反跳陽子,散乱中性子の角度広がりの影響を受けないことから、比較的コンパクトなサイズでの高エネルギー分解能達成が可能である。日本原子力研究開発機構FNS加速器DD中性子源を用いた実験とモンテカルロシミュレーションによる設計検討により、DD中性子に対して5%のエネルギー分解能が期待できるシステム構成を提示した。また、この場合、イオン温度2keV以上の重水素プラズマに対して適用可能である。しかし、現時点では適用可能な中性子強度が大幅に限定されることがわかり、本システムの設置位置,コリメータの設計などダイナミックレンジ拡張に向けた具体的検討が今後求められる。
湯川 恭平*; 浅井 啓輔*; 富田 英生*; 井口 哲夫*; 岩井 春樹*; 河原林 順*; 今野 力
no journal, ,
プラズマ中の燃料密度比(重水素Dと三重水素Tの密度比)はDT核融合炉のプラズマ燃焼制御において不可欠なパラメータであり、プラズマより発生するDT中性子(14.1MeV)とDD中性子(2.45MeV)の強度比より算出できるが、DD中性子発生率はDT中性子の約1/200と低く、微量なDD中性子検出がカギである。本研究では中性子散乱体で散乱した中性子を飛行時間法で測定する多重散乱飛行時間中性子スペクトロメータの開発を行っている。中性子散乱体中の水素原子核はDD中性子に対し大きな弾性散乱断面積を持つため(DT中性子に対する弾性散乱断面積の約3倍)、微量なDD中性子検出の一助となる。これまで加速器DT中性子源を用いDT中性子中の微量DD中性子検出を行った。その結果、線起因の偶然同時計数がバックグラウンドとなりDD/DT中性子強度比の精度を悪化させていたため、中性子-線弁別を用いたシステム改善を行った。今回は本スペクトロメータをITER搭載時に予測されるサンプリングタイム,測定精度を評価した。その結果、ITER最高出力時に要求測定精度20%に対しサンプリングタイム2秒程度ならば適用可能であるという見通しを得た。