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須黒 寿康; 能登屋 信; 西川 義朗*; 中村 亮将*; 澁谷 朝紀; 黒羽 光彦; 亀井 玄人
JNC TN8430 2004-004, 27 Pages, 2005/01
TRU廃棄物処分の安全評価上不可欠なプルトニウム(Pu)のセメント材料に対する収着データを取得した。処分環境として(1)還元的であり,(2)廃棄物に相当量の硝酸塩が含まれることを考慮し,極低酸素濃度(1ppm以下),還元条件でNaNO濃度を変数(00.5M)として普通ポルトランドセメント(OPC)に対するバッチ式収着試験を行った。プルトニウムの初期添加量として,2.8410Mの1ケース,液固比は100mL g$-1及び1000mL$g$-1の2ケースとした。温度25$pm$5$circC$,試験期間7,14,28日でいずれも振とうは行わなかった。その結果,PuのOPCに対する分配係数(Kd,mL/$g)の値は,液固比100の場合501000mL g,同様に1000mL gの場合10010000mL gの範囲となった。これらのKd値については,試験期間の経過に伴い分配係数が上昇する傾向が示された。これらの結果に基づき,著者らはPuのOPCへの保守的なKd値として50を推奨する。
北村 暁; 澁谷 朝紀
Proceedings of 3rd NUCEF International Symposium (NUCEF 2001), p.659 - 666, 2002/00
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価するために、緩衝材に対する放射性核種の収着に関するデータが求められている。アクチニドイオンは水溶液の諸条件により酸化状態や錯体種が変化するため、その挙動は複雑で不明な点も多い。特に水溶液中の炭酸イオンの存在により複雑な挙動をとることから、アクチニドイオンの収着挙動に及ぼす炭酸の影響を調べることは重要である。本研究では、還元条件・炭酸共存下におけるスメクタイト(緩衝材であるベントナイトの主成分)に対するネプツニウムの分配係数をバッチ法により求め、その炭酸濃度依存性などから収着挙動について検討を行っている。
北村 暁; 戸村 努*; 澁谷 朝紀
JNC TN8400 2001-015, 30 Pages, 2001/09
還元条件・炭酸共存下におけるネプツニウムの収着挙動を調べた。バッチ法を用いて、スメクタイトに対するネプツニウムの分配係数の全炭酸濃度の関数を求めた。全炭酸濃度は、0.09M(Mmol-dm-3)から1.0Mの範囲で変化させた。得られた分配係数は、全炭酸濃度の増加とともに減少した。水溶液はNp(IV)とNp(V)の共存系であることが、TTA抽出法により明らかになった。本研究の試験条件では、水溶液中において、ネプツニルイオンNpO2+,Np(V)の3種の炭酸錯体NpO(CO) (n=1,2および3)と、Np(IV)の1種のヒドロキソ炭酸錯体Np(CO)(OH)の収着への寄与が予想された。試験で得られた分配係数を最小二乗法により解析することで、各化学種の分配係数を推定した。各化学種の分配係数の値から、スメクタイトに対するネプツニウムの収着挙動を論じた。
舘 幸男; 澁谷 朝紀; 佐藤 治夫; 油井 三和
Journal of Contaminant Hydrology, 47(2-4), p.171 - 186, 2001/02
被引用回数:35 パーセンタイル:66.88(Environmental Sciences)地層処分性能評価上の重要元素であるラジウムのベントナイト中における収着・拡散挙動についてデータ取得及びモデル化の検討を行った。収着試験ではpH,イオン強度、液固比をパラメータとしてバッチ法により分配係数を取得すると共に脱離試験を行った。分配係数がイオン強度に大きく依存すること、収着したラジウムの大部分がKClで脱離されることから、ラジウムの収着挙動はイオン交換反応に支配されることが示唆された。収着試験結果はイオン交換及び表面錯体反応を考慮した収着モデルによってモデル化でき、ラジウムに関する反応定数が取得された。拡散試験については密度及びイオン強度をパラメータとしてIn-diffusion法により行い、見かけの拡散係数は密度が高い程、イオン強度が高い程小さくなることが確認された。拡散モデルを用いて見かけの拡散係数から圧縮ベントナイト中での分配係数を導出すると共に、収着モデルの圧縮ベントナイ
北村 暁; 澁谷 朝紀
Proceedings of 3rd NUCEF International Symposium (NUCEF 2001), 0 Pages, 2001/00
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価するために、緩衝材に対する放射性核種の収着に関するデータが求められている。アクチニドイオンは水溶液の諸条件により酸化状態や錯体種が変化するため、その挙動は複雑で不明な点も多い。特に水溶液中の炭酸イオンの存在により複雑な挙動をとることから、アクチニドイオンの収着挙動に及ぼす炭酸の影響を調べることは重要である。本研究では、還元条件・炭酸共存下におけるスメクタイト(緩衝材であるベントナイトの主成分)に対するネプツニウムの分配係数をバッチ法により求め、その炭酸濃度依存性などから収着挙動について検討を行っている。
油井 三和; 澁谷 朝紀; 柴田 雅博; Ochs, M.*; Rai, D.*
Radioactivity in the Environment, 1, p.159 - 174, 2001/00
第2次とりまとめにおけるPuの熱力学データベースおよび収着データベースは、処分環境条件を考慮して整備されている。Puの熱力学データベースは、データ選定手順に従い、国際的専門家の意見を取り入れながら整備した。整備されたPuの熱力学データベースをもとに、Puの溶解度および化学種を設定した。Puの収着データベースは、膨大な文献データをもとに整備した。収着係数は、人工バリアおよび天然バリアの各々に対して異なる方法で選定された(人工バリア:拡散試験結果に基づく収着係数、天然バリア(バッチ式収着試験結果に基づく収着係数)。
藤島 敦; 鈴木 覚; 上野 健一; 舘 幸男; 澁谷 朝紀
Spring-8 User Experiment Report No.5 (2000A), 0 Pages, 2001/00
地層処分の性能評価において、緩衝材への放射性核種の吸着メカニズムの解明が重要である。核種の吸着挙動は、溶液中の溶存化学種の違いによって変化すると考えられ、本研究では、モンモリロナイトに吸着したSmのEXAFS測定・解析を行うことにより、Smの吸着構造について検討した。その結果、Smはモンモリロナイトの層間に水を配位した状態で吸着していることが示唆された。
油井 三和; 澁谷 朝紀
Using Thermodynamic Sorption Models for Guiding Radioelement Distribution Coefficient (Kd) Investigations, 107 Pages, 2001/00
動燃における第2次取りまとめ(次期性能評価レポート)に向けた収着データベース開発の考え方、現状、問題点等について報告する。わが国においてサイトジェネリックな性能評価を実施していく上で、信頼性の高い分配係数の予測を行う為には、収着現象のメカニズムを明らかにし、モデル化した上で、収着反応(イオン交換、表面錯体反応)の基本定数を取得し、データベースをして整備する必要がある。このため動燃では、単純な陽イオン及び陰イオンであるCs、Seについてそれぞれイオン交換、表面錯体反応の平衡定数を整備すると共に、Pu、Amのベントナイトへの収着については、イオン交換によるモデル化を行い、圧縮系への適用性を確認した。更に、U、Np、Cm、Tcのベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩への収着については、還元環境下でもバッチ試験及び分配係数の温度依存性試験を実施し、Cmを除き、表面錯体反応の平衡定数を整備した。
澁谷 朝紀; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博
JNC TN8410 99-051, 260 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性(地層処分研究開発第2次取りまとめ)における安全評価に用いるための放射性核種の岩石に対する分配係数を設定した。対象とした岩石は(1)花崗岩類(結晶質岩(酸性岩)), (2)玄武岩類(結晶質岩(中性塩基性岩)), (3)砂岩類(古期・新規堆積岩), (4)凝灰岩/泥岩類(古期・新期堆積岩)の4種類であり, 対象とした地下水は降水系高pH型地下水(FRHP), 海水系高pH型地下水(SRHP), 降水系低pH型地下水(FRLP), 海水系低pH型地下水(SRLP), 混合系中性pH型地下水(MRNP), 酸化性地下水(降水系高pH地下水; FOHP)の6種類とした。また、対象とした元素はNi, Se, Zr, Nb, Tc, Pd, Sn, Cs, Sm, Pb, Ra, Ac, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm の19元素とした。設定の根拠となるデータは、バッチ法によって得られた値から選定し、設定に当たってはその保守比を考慮した。
澁谷 朝紀; 陶山 忠宏*; 柴田 雅博
JNC TN8410 99-050, 67 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種の人工バリア及び天然バリアでの遅延能力を評価するうえで、その個々の元素のベントナイトや様々な岩石への収着の程度を表す分配係数は重要となる。本報告においては、主に静的なバッチ試験による膨大な分配係数をとりまとめたデータベース(JNC-SDB)について紹介する。JNC-SDBの整備においては、高レベル放射性廃棄物地層処分システムの性能評価上重要な22の元素(Ni, Se, Zr, Nb, Tc, Pd, Sn, Sb, Cs, Sm, Pb, Bi, Po, Ra, Ac, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm)を対象に、1997年までに公開された文献データやサイクル機構で主に取得してきた還元条件下でのデータを収集した。それに、1989年にOECD/NEAにより取りまとめられた収着データベースから、第2次とりまとめにおける核種移行パラメータの設定に有効であると考えられるデータを加えた。整備する過程で情報が得られた、上記元素以外のデータ(Ag,Ce,Co,Eu,Fe,I,Sr等15元素)も登録し、合わせて合計37元素に対するデータが登録されている。JNC-SDBには、元素、酸化状態、固相、表面積(m2/g)、陽イオン交換容量(CEC;meq/100g)、溶液量(ml)、固相重量(g)、液固比(ml/g)、温度、初期pH、最終pH、対象元素の初期濃度(mol/l)、初期Eh(mV)、最終Eh(mV)、液性、試験期間(日)、固液分離方法、雰囲気、分配係数(Kd;m3/kg)、誤差、参考文献、繰り返し数、特記事項等の情報が入力されている。また、このデータベースは使用者の利便性を考慮しマイクロソフト社製 汎用ソフAccess2000で作動し、文献やデータの検索だけでなく、分配係数のpH、Eh、イオン濃度、温度、依存性などを図化して見ることが容易になっている。
舘 幸男; 小原 幸利*; 内舘 信幸*; 澁谷 朝紀
JNC TN8400 99-089, 21 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価において、ベントナイト系緩衝材中の核種移行挙動を把握することは重要な課題であり、圧縮ベントナイト中の見かけの拡散係数(Da)は、第2次取りまとめにおいてベントナイト中の分配係数の設定根拠となることから、特に重要なパラメーターである。本報告では、ベントナイト中のPu及びAmの拡散試験結果について報告する。圧縮ベントナイト中のPu及びAmの拡散試験を、大気下,室温にてIn-diffsuion法により行い、以下の結果が得られた。(1)Puについては、乾燥密度0.4Mg/mのベントナイトに対して2.0102.210m/sの見かけの拡散係数が得られた。この値は過去に報告したスメクタイトの密度0.4Mg/mに対する値と同程度であった。(2)Amについては乾燥密度2.0Mg/mのベントナイトに対して2.7101.210m/sの見かけの拡散係数が得られた。この値は過去に報告したより低密度のベントナイト中のDaデータの密度依存性に合致するものであった。Pu, Amの見かけの拡散係数は非常に低いために、精度の高いデータを取得することは難しく、ここで報告したデータも一桁程度の幅をもった値として得られたものである。特に、Puの場合には濃度プロファイルが途中で折れ曲がる傾向が認められ、複雑な拡散挙動をとることが示唆された。今後、より精度の高いデータを取得するとともに、化学種と拡散挙動の関係に着目した研究を行い、拡散メカニズムについて検討する必要がある。
芦田 敬; 澁谷 朝紀; 佐藤 治夫; 舘 幸男; 北村 暁; 河村 和廣
JNC TN8400 99-083, 63 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する第2次取りまとめにおいて設定されている核種移行データの妥当性の確認と信頼性の向上を目的として、地層処分放射化学研究施設(クオリティ)においてデータ取得を行った。実施した試験は、核種移行に係わる溶解度、収着、拡散に関する研究であり、以下に示す5テーマについて実施した。各試験の内容および成果の概要は以下に示す通りである。(1)Np(IV)の溶解度に及ぼす炭酸の影響に関する研究 還元条件、炭酸共存下におけるNp(IV)の溶解度をpHおよび炭酸濃度をパラメータに測定した。得られた溶解度曲線から2種類の水酸化炭酸錯体の存在が示唆され、その安定度定数を試算するとともに、既存の熱力学データと比較した。その結果、既存のデータと比較的近いことが分かった。(2)スメクタイトに対するNp(IV)の収着挙動に及ぼす炭酸の影響に関する研究 炭酸濃度をパラメータとしたスメクタイトに対するNp(IV)の分配係数(Kd)を測定した。Kdは、炭酸濃度(0.040.15M)の影響を受けずほぼ一定であった。1MKC1およびHC1による脱離挙動を調べた結果、低酸素濃度側ではHC1により、高炭酸濃度側ではKC1により脱離され、2つの異なる脱離挙動が見られた。(3)岩石に対するCs,Pb,Cmの分配係数測定国内の主要岩石(玄武岩、泥岩、砂岩、花崗閃緑岩、凝灰岩)に対するCs,Pb,CmのKdをイオン強度をパラメータに測定した。得られたKdを、第2次取りまとめにおける降水系および海水系での設定値と単純に比較してみると、いずれの条件においても設定値と同程度か高めの値になっており、第2次取りまとめにおける設定値の妥当性あるいは保守性が示された。(4)圧縮ベントナイト中のPbの拡散挙動に関する研究 圧縮ベントナイト中のPbの見掛けの拡散係数(Da)をベントナイトの乾燥密度、珪砂混合率、温度をパラメータに測定した。その結果、バックグラウンドの測定精度が重要であることが分かった。現状で得られた結果より概算したDaからKdを求め、第2次取りまとめにおける設定値と比較した結果、同程度であり、設定値の保守性が示された。(5)圧縮スメクタイト中のCsの拡散に及ぼすイオン強度の影響に関する研究 ベントナイトに不純物として含まれている可溶性塩を除去した圧縮スメクタイト中のCsのDaを乾燥密度
東 待郎*; 柴田 雅博; 吉田 泰*; 澁谷 朝紀; 能登屋 信; 油井 三和
JNC TN8400 99-071, 140 Pages, 1999/11
本研究では、「地層処分研究開発第2次とりまとめ」の安全評価における評価対象元素に対して、緩衝材間隙水中の溶解度の検討を行い、安全評価に用いるべき溶解度の設定を行った。評価対象元素はSe、Zr、Nb、Tc、Pd、Sn、Cs、Sm、Pb、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、およびCmの18元素であり、このうち可溶性で溶解度による濃度の制限が期待できないCsを除く17の元素を取り扱った。溶解度の設定においては、基本的には熱力学データを用いた化学平衡計算による値に基づくものとしたが、実験値などがある元素については、計算値と実験値の比較評価から、安全評価上保守的となる場合には実測値を採用した。また、ラジウムについては、アルカリ土類元素との簡易的な共沈モデルを用いた評価を行い溶解度設定を行った。さらに、間隙水組成の不確実性に対応した溶解度変化の計算を実施した。また、溶解度の不確実性に関する検討として、いくつかの元素について、溶解度制限固相の仮定に関する不確実さ、熱力学データに関する不確実さなどを考慮した計算を実施した。
澁谷 朝紀; 小原 幸利*; 小田 治恵; 久保田 満*; 久野 義夫; 柴田 雅博
JNC TN8400 99-066, 75 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価におけるベントナイト-地下水相互作用を把握するため、その主要構成鉱物であるNa型スメクタイトの物理化学的特性を評価するとともに、様々な濃度のNaCl溶液中でのH+との相互作用を評価した。Na型スメクタイトは、クニピアFから精製した。XRD測定を行った結果、若干石英(玉髄)の存在を示唆するピークが認められた。また、スメクタイト層間に介在する陽イオンは1価であり、均一に配列していること、全岩化学組成分析結果と合わせ、ほぼNa型であることが推定された。さらに、湿度制御およびエチレングリコール処理により、イライト化または緑泥石化されていない健全な膨張性を有するスメクタイトであることが分かった。アンモニウム酢酸塩を用いて測定した陽イオン交換容量は110.8meq/100gであった。N2-BET比表面積測定によるスメクタイトの表面積は5058m2/gであった。0.01、0.1および0.5MNaCl溶液中でのスメクタイトとH+との相互作用は、滴定法によって評価した。その結果、H+消費量は、pH6ではNaCl濃度に強く影響を受けるが、pH6ではNaCl濃度の影響をほとんど受けないことがわかった。また、溶液分析から、pH4ではスメクタイト骨格の溶解に起因すると見られるFe、AlおよびMgの溶出が認められた。さらに、イオン交換モデルおよび表面錯体モデルを用いて0.1MNaCl溶液中でのスメクタイトに対するH+の収着のモデル化を試みた結果、スメクタイト結晶端におけるH+収着/解離反応およびスメクタイト層間におけるH+収着反応の平衡定数は以下のように得られた。SOH+H+SOH2+ logK(+)=5.674 SOHSO-+H+ logK(-)=-7.916 ZNa+H+ZH+Na+logK(ZH)=1.88 本データを用いて、0.01および0.5MNaCl溶液中のスメクタイトに対するH+収着量を計算した結果、計算結果は実験結果とほぼ一致することが確認された。本計算結果から、低pH側ではH+が層間に収着することによってH+収着量にイオン強度依存性が生じたものと考えられた。
佐藤 治夫; 舘 幸男; 澁谷 朝紀; 油井 三和; 太田 久仁雄; 天野 健治
Nuclear Technology, 127(2), p.199 - 211, 1999/08
被引用回数:28 パーセンタイル:86.67(Nuclear Science & Technology)本研究では、釜石鉱山において見られる単一割れ目から岩石のマトリックス方向への間隙特性と核種の拡散挙動との関係を実験的に調べた。釜石鉱山亀裂部より採取した岩石(未変質部(花崗閃緑岩)、変質部、割れ目充填鉱物部)の間隙率、細孔径分布、間隙内比表面積、密度を測定すると共に、拡散実験を行い、Cs、Na、HTO、Cl、Seの実効拡散係数、見掛けの拡散係数、分配係数を取得した。Cs、Na、HTO、Clは大気下にて測定し、Seのみ雰囲気制御グローブボックス(O21ppm)で行った。また、バッチ法によりCs及びSeの分配係数を測定した。間隙率および密度は、水中飽和法により測定し、間隙率、細孔径分布、間隙内比表面積、密度は、水銀圧入法により測定した。間隙率は、両測定結果とも、割れ目充填鉱物部変質部未変質部の順となった。細孔径分布は、未変質部および変質部で100A0.2mmの範囲であった。一方、割れ
舘 幸男; 澁谷 朝紀; 佐藤 治夫; 柴田 雅博
JNC TN8400 99-088, 58 Pages, 1999/06
性能評価に用いるデータセットの信頼性を向上させることを目的として、性能評価上の重要核種の一つであり、かつ、実測データがほとんど存在しないパラジウムのベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩中における収着・拡散挙動に関するデータを取得した。収着試験については、ベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩を対象に、pH、イオン強度、液固比をパラメータとしてバッチ法により行った。Pdの分配係数として、10-1102m3/kgの範囲の値が得られた。ベントナイトに対する分配係数は花崗閃緑岩、凝灰岩に比べ若干高く、花崗閃緑岩と凝灰岩では同程度であった。分配係数のパラメータ依存性はいずれの固相でも同様の傾向を示した。pH依存性については、pH5で最大の分配係数となり、pHの増加に伴い減少する傾向であった。イオン強度の影響は顕著ではなく、液固比については、液固比が高いほど分配係数は高くなる傾向であった。Pdの収着挙動はNi,Co等の2価の金属イオンのそれとは異なり、これらのデータをアナログとしてPdを評価することは不適切であることが示唆された。本試験条件下におけるPdの支配化学種は、熱力学計算から中性のPd(OH)2(aq)と予想された。Pdの分配係数は10-1102m3/kgと比較的高い値であり、中性化学種の収着性は高いことが示された。また、分配係数がpHの増加と共に減少する傾向にあることから、Pdの収着は固相表面のS-OH2+サイトとの反応により支配されている可能性が示唆された。拡散試験については、ベントナイトを対象に密度をパラメータとしてin-diffusion法により行った。薄膜拡散源モデルにより解析された見かけの拡散係数は10-1310-12m2/sのオーダーであり、ベントナイト密度の増加と共に減少する傾向であった。見かけの拡散係数から得られた圧縮ベントナイト中での分配係数は10-210-1m3/kgとなり、バッチ収着試験により得られた値よりも12オーダー低い値であった。しかしながら、分配係数と液固比との関係には相関が見られ、液固比が低いほど分配係数は低くなる傾向であった。
能登屋 信; 澁谷 朝紀; Okazaki, M.*; 乾 真一*; 黒羽 光彦; 油井 三和
JAERI-Conf 99-004, p.643 - 653, 1999/03
本研究では、炭酸共存下におけるPuの溶解度試験を行った。試験に用いたPuは、同位体比として239-Pu(91%)を含有しており、初期濃度は10-6Mであった。試験は、0.1MNaNO3中で過飽和側から行い、pH領域は2から13であった。試験液中の炭酸濃度は、10-3、10-2、10-1MのNaHCO3により調整され、大気下・室温(約25)で、試験期間は48日から137日とした。試験終了後、限界ろ過(10000MWCO)によって固相と液相を分離し、液相中のPu濃度の測定を行った。その結果、Puの溶解度は、炭酸濃度の増加にともない増加する傾向を示した。また、pH10まではpHの増加にともないPuの溶解度が増加する傾向となったが、pH10から12では減少する傾向となった。添加したPu溶液の色が濃茶色であったことから、溶液中のPuは+IV価であると推定されたが、pH10以上の領域ではPu(VI
能登屋 信; 澁谷 朝紀; 黒羽 光彦; 油井 三和; 岡崎 充宏*; 乾 真一*
JAERI-Conf 99-004, p.643 - 653, 1999/03
本研究では、炭酸共存下におけるPuの溶解度試験を行った。試験に用いたPuは、同位体比として239-Pu(91%)を含有しており、初期濃度は10-6Mであった。
黒羽 光彦; 澁谷 朝紀; 山田 一夫; 油井 三和; 岡崎 充宏*; 乾 真一*
JNC TN8410 98-001, 35 Pages, 1998/10
ガラス固化体からのプルトニウム(Pu)の溶解挙動の把握及び、Puの熱力学データの整備を目的としてPu含有ガラス固化体からのPuの浸出試験、Puの溶解度試験を実施した。浸出試験に先立ち239PuO2の溶解度試験を実施した。溶解度試験は、Puを過飽和として初期濃度を6.2310-5mol/lに調整して行った。試験はいずれも大気下で実施した。溶解度試験では、全pH領域にわたってpHが増加するとPuの溶解度は減少した。これらの傾向は、これまで報告されている239PuO2(c)の溶解度とよく一致していた。また、既存のPuの熱力学データを用い、地球化学計算コードPHREEQEを用いて熱力学的解析を行った。本試験で得られた溶解度は高pH領域において計算値より高い値となった。浸出試験は、Puをドープしたガラス固化体を用い、MCC-3法に準拠してPu濃度のpH依存性を測定すると共に、熱力学的解析により、ガラス固化体表面でのPuの溶解度制限固相の推定を行った。浸出試験では、溶液中のPu濃度はpHに依存し、pH6ではpHの増加に従ってPu濃度が10-6から10-9mol/lへ低下した。また、得られたPu濃度は、これまでに報告されている239Pu(OH)4(am)の溶解度と傾向が一致しており、pH6ではPu含有ガラス固化体からのPuの溶解度を支配している固相は239Pu(OH)4(am)であることが示唆された。
澁谷 朝紀; 油井 三和
PNC TN8420 98-014, 19 Pages, 1998/08
本ワークショップは、放射性廃棄物地層処分の観点から、現象論的収着モデル(イオン交換モデル、表面錯体モデル等)の有効性について検討を行うために開催された会議で、13か国38機関から合計53名が参加して行われた。本会議は、大きく6つのセッションから構成され、性能評価のための収着データ(分配係数;Kd)の予測および設定したKdの信頼性を補完するために用いる現象論的収着モデルの現状、最新の収着現象の研究及び現象論的収着モデルに関する知見を中心に、核種の収着挙動における現象論的モデルの性能評価への適用性について各国の研究開発に関するアプローチ、現象論的収着モデルの現状、Kdの予測、Kdの信頼性、Kdの原位置条件への適用性の問題点について議論し、今後の研究の方向性の検討を行った。動燃事業団では、本会議で現象論的収着モデルの性能評価への適用性に関する発表を行い、現象論的収着モデルを用いることによって、バッチ法による収着実験で得られたKdを説明することが可能であるが、拡散実験から得られたKdについては、本モデルだけで説明することが困難であることを示した。発表では、この原因として、核種の移行経路、岩石中の空隙構造に起因する核種の遅延効果の評価が現段階では困難であることを指摘した。これらの結果から、現象論的収着モデルは、性能評価で用いるKdを直接算出するために用いるのではなく、設定したKdの信頼性の補完、環境の変化に伴うKdの変動幅の堆定に用いるべきであるとの動燃事業団としての見解を示した。本発表で示した圧縮ベントナイト中でのウランのKd及びモデル化については多くの議論が得られ、その手法、結果については妥当であるとの意見が出された。Uについては、近年現象論的収着モデルを用いた多くの研究がなされており、本結果が確証研究のケーススタディーになりうるとのコメントも出された。現象論的収着モデルについては従来から電気二重層モデルを中心とした研究が行われてきたが、スイスのPSIからは、スメクタイトヘの核種の収着挙動を正確に研究した例が紹介されスメクタイトについては電気二重層を考慮しないモデルがむしろ妥当であるという結論を導き注目を集めた。この結果については専門家から電荷の高い核種についても検討を行った上で結論を出すべきであるとのコメントが出された。現象論的収着モデルの性能評価への適用性に関する議