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谷川 博康; Sokolov, M. A.*; 澤畠 篤司*; 橋本 直幸*; 安堂 正己; 芝 清之; 榎本 正人*; Klueh, R. L.*
Journal of ASTM International (Internet), 6(5), 10 Pages, 2009/05
F82Hに代表される低放射化フェライト鋼の靱性評価には、現在マスターカーブ法(MC法)が用いられているが、この手法は破壊起点が一様に分布していることを前提としている。一方、近年の研究より、MC法の許容値以下の値で破断したF82HではアルミナとTa酸化物の複合介在物が破壊起点に存在することが示されてきた。本研究では、複合介在物が鋼中に不均一に分布すること,低温では割れやすくなることが、靱性値に影響を与え、MC法による靱性値推定に影響を与えている可能性を示した。
澤畠 篤司; 谷川 博康; 榎本 正人*
日本金属学会誌, 72(3), p.176 - 180, 2008/03
被引用回数:14 パーセンタイル:59.5(Metallurgy & Metallurgical Engineering)核融合炉構造材料の第一候補材である低放射化フェライト鋼F82Hにおいては、鋼中にTa系酸化物,アルミナ、及びTa酸化物とアルミナの複合酸化物が形成されており、これらが衝撃特性に悪影響を及ぼしていることがわかりつつある。F82Hにとって不純物元素であるTiを低減し高純度化することで複合酸化物は減少させることが可能だが、Ta酸化物単体やアルミナといった介在物を完全に取り除くことは現行の溶解法(VIM)のみでは困難である。そこで、本研究では脱硫や非金属介在物の除去のため用いられている二次精錬方法のエレクトロスラグ再溶解(Electroslag Remelting: ESR)を施した鋼を溶製し、F82HにとってのESRの有効性と、酸化物が衝撃特性などの機械的特性に及ぼす影響を調査した。
谷川 博康; 澤畠 篤司; Sokolov, M. A.*; 榎本 正人*; Klueh, R. L.*; 香山 晃*
Materials Transactions, 48(3), p.570 - 573, 2007/03
被引用回数:22 パーセンタイル:72.03(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉構造材料の第一候補材料として期待される低放射化フェライト鋼は、照射後にも高い靱性を有することが求められる。本研究では、延性脆性遷移領域において散発的に低靱性を示す傾向のある低放射化フェライト鋼F82H IEAヒート材について、その要因と考えられる微細組織、及びその微細組織と靱性特性との相関について、特に介在物に着目して調査を行った。その結果、本来MX析出物の析出による耐熱性向上をねらって投入されたTaが、Ta酸化物あるいはアルミナとの複合介在物を形成し、その結果としてF82Hの靱性特性に影響を及ぼしている可能性が明らかになった。
澤畠 篤司; 谷川 博康; 芝 清之; 榎本 正人*
日本金属学会誌, 71(2), p.244 - 248, 2007/02
被引用回数:1 パーセンタイル:13.09(Metallurgy & Metallurgical Engineering)核融合炉用構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼F82Hの重要な課題の一つとして照射脆化の問題がある。現在、脱酸剤として添加したAlがTaと介在物を形成すること、介在物が靱性低下の原因となっていること、またTiが靭性低下を招くことが明らかになりつつある。そこでTiの靭性低下の原因と介在物形成との関係を調べるために、Tiをなるべく含んでいない高純度材と一般純度材のF82鋼を用いてシャルピー衝撃試験,微細組織観察・分析(FE-SEM)を行った。高純度材,低純度材ともにAlOとTaOの複合介在物, AlOを含まないTaO介在物が観察された。また、複合介在物のTaO部分にはTi, Vが含まれており、一般純度材の介在物は全体的にTiのEDSピークが高かった。また、高純度材には1m以下のTaO介在物が多く、一般純度材で多く見られた複合介在物はほとんどなかった。シャルピー衝撃特性は高純度(-64C)が一般純度材(-16C)よりも低いDBTTを示すことから、不純物元素であるTiの低減は複合介在物を減少と、良好な衝撃特性を得るには有効な手段であると考えられる。
澤畠 篤司; 谷川 博康; 芝 清之; 榎本 正人*
no journal, ,
低放射化フェライト鋼F82Hは核融合炉構造材料の第一候補材である。F82H鋼の衝撃特性はTi又はTa量を調整することで改善することができる。一方でF82H-IEA鋼の微細組織観察の結果、Taは酸化物を形成しやすく、衝撃特性の低下の要因になることも報告されている。そこで本研究では、Ti又はTaと衝撃特性の関係を微細組織観察を中心に調査を行った。