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石川 法人; 園田 健*; 澤部 孝史*; 須貝 宏行*; 左高 正雄*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 314, p.180 - 184, 2013/11
被引用回数:20 パーセンタイル:82.62(Instruments & Instrumentation)UO中の高エネルギー核分裂片の通過に伴う照射損傷形態を予測するために、イオン加速器を利用した照射実験及び損傷寸法解析を行った。具体的には、イオントラックと呼ばれるイオンの軌跡に沿って形成される柱状の欠陥領域の寸法が、電子的阻止能(入射イオンからターゲットの電子系に伝達されるエネルギー密度)に対してどのように依存するかを解析した。これまで、10MeV/u程度の高いエネルギー領域のイオンが形成するイオントラックの寸法データは存在したが、核分裂片エネルギーに相当する約1MeV/uのエネルギー領域でのイオントラック寸法のデータは存在しなかった。そこで、本研究では、約1MeV/uのエネルギー領域で系統的なイオン照射実験を行い、透過型電子顕微鏡観察によって数nmオーダーのイオントラック寸法のデータを取得することができた。また、既存の理論モデルである熱スパイクモデル(イオンの通過による融解を想定したモデル)から予測される寸法より、明らかに小さいことがわかった。従来のモデルで想定してこなかった(融解直後の)再結晶化プロセスを考慮することで、従来モデルをUOにも拡張できる可能性を指摘した。
石川 法人; 園田 健*; 岡本 芳浩; 澤部 孝史*; 竹ヶ原 圭介; 小杉 晋也*; 岩瀬 彰宏*
Journal of Nuclear Materials, 419(1-3), p.392 - 396, 2011/12
被引用回数:10 パーセンタイル:60.88(Materials Science, Multidisciplinary)高エネルギー粒子照射環境下のUOにおける照射損傷モデルの検証を目的として、210-MeV Xeイオン照射したUO試料についてX線回折法、X線微細構造解析法を用いて結晶構造変化を評価し、イオン照射によるイオントラック損傷形成モデルに基づいて損傷蓄積挙動の解釈を試みた。その結果、nmサイズのイオントラック形成を反映して、10ions/mの比較的低照射量において明確な結晶構造劣化が観測されることがわかった。また、10ions/mの比較的高照射量に至るまで照射損傷が照射量に対して単調に増加し蓄積されることがわかり、イオントラック損傷がUO試料を埋め尽くして多重に重畳する高照射量においても結晶構造を維持していることがわかった。イオントラックの重畳度と結晶性劣化の関係を明らかにした。
園田 健*; 石川 法人; 左高 正雄; 澤部 孝史*; 北島 庄一*; 木下 幹康*
no journal, ,
高エネルギー核分裂生成物の通過に伴ってUO中に欠陥集合体(イオントラック)が形成され、特にそのイオントラックが何重にも重畳する高照射量領域において形成される微細組織を透過型電子顕微鏡で調べた。510 ions/cmの照射量で、UO製造時に生成されていた球状のポアが照射方向に延び、転位組織が形成され始める。110 ions/cmの照射量では、結晶粒の細粒化が認められ、転移密度の増加は照射量に対して飽和する傾向があることがわかった。イオントラックの重畳によって点欠陥だけでなく転位の運動が促進されて、結果的に細粒化が進行するという微細組織形成モデルに基づいて、観測結果を議論した。
石川 法人; 園田 健*; 澤部 孝史*; 須貝 宏行; 左高 正雄
no journal, ,
高エネルギーイオン照射によりUO中に形成されるイオントラック(イオンの軌跡に沿って連続的に形成されるnmサイズの損傷領域)は非晶質ではなく、通常YFeOやSiOなどで観測される非晶質イオントラックとは異なる照射損傷構造を持つことがわかってきている。そのため、従来のイオントラック形成理論による予測と、(特に低速領域で)合わないデータが蓄積されつつあり、理論の修正が重要な課題となっている。本研究では、特に1MeV/u付近の低速領域でのUO中のイオントラック損傷データを詳細に取得することにより、従来の理論による予測値とどの程度ずれているかを定量的に評価した。さらに、予測値からのずれを説明するために考慮すべきプロセス(再結晶プロセスなど)を提案した。
石川 法人; 園田 健*; 澤部 孝史*; 左高 正雄
no journal, ,
高エネルギー核分裂片による照射が継続的に発生している軽水炉UO燃料では、高燃焼度になるに従い高燃焼度組織(HBS)と呼ばれる組織変化が生じ、燃料特性が変化する。この組織変化の高精度予測のためには、100MeVオーダーの高エネルギー重イオンがUO中を通過する際の照射損傷メカニズムの解明が必須である。本研究では、(1)イオンが通過する軌跡に沿って形成されるイオントラックと呼ばれる柱状欠陥の寸法が既存の熱スパイクモデルなどで予測可能かどうかを検証すること、さらに(2)照射損傷同士が多重にオーバーラップする高照射量領域で、微細組織がどのように変化するのかを調べることが目的である。イオン照射後の透過型電子顕微鏡観察により、イオントラックの寸法の電子的阻止能(Se)依存性を調べた結果、Seの増加に伴って寸法が増加する傾向があることを確認することができた。本研究の結果では、100MeVオーダーのエネルギー領域において、イオントラックの寸法の実験値は、モデルの予測値より小さい値が観測され、既存の予測モデルを修正する必要性が示唆された。
石川 法人; 園田 健*; 澤部 孝史*; 左高 正雄
no journal, ,
UOは蛍石型結晶構造を有しており、耐照射損傷性が高い物質である。核燃料セラミックスでもあるUOの非常に高い耐照射損傷性の起源を探るために、セラミックスの照射損傷素過程を系統的に調べた研究結果を報告する。100MeVレベルの高いエネルギーのイオンがセラミックス中を通過する際に、イオンの軌跡に沿ってイオントラックと呼ばれる欠陥集合体が観測される。本研究では、その際の欠陥生成断面積を支配するパラメータが、電子的阻止能(高エネルギーイオンからターゲットの電子系に伝達されるエネルギー密度)であることを実験的に示した。ただし、局所的な熱スパイクが照射損傷の起源であるとする従来の解釈モデル(熱スパイクモデル)では、現象を説明できないエネルギー領域が存在することも本研究によって判明した。従来モデルの修正のために考慮すべきプロセスについて議論する。また、ナノメートル寸法のイオントラックが重畳することによって、サブミクロン寸法の微細組織が形成されていることを透過型電子顕微鏡の観察結果に基づいて指摘し、そのプロセスを説明できる合理的な損傷形成モデルを提案する。