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石野 栞*; 寺井 隆幸*; 奥 達雄*; 荒井 長利; 林 君夫; 伊藤 久義; 矢野 豊彦*; 本橋 嘉信*; 北村 隆行*; 筑本 知子*; et al.
JAERI-Review 99-019, 238 Pages, 1999/08
本報告書は、HTTRによるセラミックス系新素材の照射試験計画を効率的に遂行するため、関連研究動向、HTTR照射試験方法等の調査・検討を、原子力学会に委託した結果をまとめたものである。高温超伝導材料、高温半導体の照射改質、耐熱セラミックス複合材料の照射損傷のほか、新規テーマ(超朔性セラミックス材料の照射効果、変形・破壊のシミュレーション等)を対象とした。本調査により、各研究テーマの目標・意義、HTTR照射試験方法等が明らかになった。本調査は、高温工学に関する先端的基礎研究について、さらに詳細な計画を立案し、実施してゆくための重要な基礎を構築したものである。
数又 幸生*; 岡安 悟; 左高 正雄; 熊倉 浩明*
Physical Review B, 58(9), p.5839 - 5847, 1998/09
被引用回数:7 パーセンタイル:40.79(Materials Science, Multidisciplinary)平行及び交差した円柱状欠陥をBi-2212テープ材に導入して、磁束の挙動を調べた。両欠陥ともに不可逆曲線を著しく増加させた。不可逆曲線の角度依存性を調べた結果平行な円柱状欠陥では、欠陥方向にピークが観測されるのに対して、交差した欠陥では中間位置にピークが存在することを見い出した。ab面に平行に磁場をかけた場合、不可逆曲線が温度と共に指数的に減衰することを示し、この減衰がキンクの運動によって支配されていると説明した。欠陥と平行に磁場をかけた場合不可逆曲線は、欠陥に捕獲された1本1本の磁束の温度依存性によって支配されていることを示した。円柱状欠陥による指向性は5Kでは観測されず、30K以上の温度で現れることを見い出した。欠陥の不規則分布は、高磁場で磁束のピンニングを不安定にすることを示した。
数又 幸生*; 熊倉 浩明*; 戸叶 一正*
Physical Review B, 54(22), p.16206 - 16210, 1996/12
被引用回数:5 パーセンタイル:34.44(Materials Science, Multidisciplinary)タンデム加速器からの重イオン、230MeV Au及び120MeV Oイオン、をBi-2212テープ材に照射した。この照射によって生成した円柱状欠陥及び点欠陥による磁束のピン止め状態を調べた。残留磁化及び臨界電流密度は照射によって大幅に増加した。特に照射方向と垂直な方向においても臨界電流密度の増加が観測されたことは特徴的である。この増加をCuO面を横切るkinkの運動として解釈した。不可逆磁場の方位依存性の測定から、円柱状欠陥に捕らえられている磁束は、直線的(3次元的)であるとの結論に達した。点欠陥による不可逆磁場はスケール則に従っていた。結論として、磁束の3次元から2次元への転移は、欠陥構造によって大きく左右されることを指摘した。
数又 幸生; 岡安 悟; 熊倉 浩明*; 戸叶 一正*
Physica C, 235-240, p.2825 - 2826, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:20.83(Physics, Applied)Bi2212フィルム及びテープ材に120MeV酸素イオンを照射して、超電導特性の変化を調べた。臨界温度は、最大照射量1.610O/cmで、照射前の82Kから77Kに減少した。臨界電流密度は、照射により増大し、増加の割合は高温・高磁場で大きい。磁化及びヒシテリシスの測定から不可逆曲線を決定した。照射による不可逆曲線の改善を見い出した。更に、Bi2212では、不可逆曲線は従来主張されているように温度のべき乗ではなく、指数関数的であることを示した。磁化の時間緩和の測定から、磁束の活性化エネルギーを臨界電流密度の関数として求めた。照射による活性化エネルギーの増加が観測された。以上の実験事実から、点欠陥或はクラスター欠陥によっても、臨界電流密度が改善されることが明らかになった。