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江藤 徹二郎*; 遠藤 将一*; 今井 基晴*; 片山 芳則; 亀掛川 卓美*
Physical Review B, 61(22), p.14984 - 14988, 2000/06
被引用回数:49 パーセンタイル:87.7(Materials Science, Multidisciplinary)放射光,イメージングプレートとダイヤモンドアンビルセルを用いた角度分散X線回折その場観察によって、B1構造から菱面体晶系に歪んだNiOの格子定数に対する圧力効果を調べた。六方晶系格子で表した格子定数とは圧力の増加と伴に単調に減少した。軸比も加圧によって単調に減少しており、これは、菱面体[111]方向の歪みが増加することを示している。最近の理論計算によって示唆されていた60GPa以上でのの大きな変化は観測されなかった。
江藤 徹二郎*; 遠藤 将一*; 今井 基晴*; 片山 芳則; 亀掛川 卓美*
Science and Technology of High Pressure (Proceedings of AIRAPT-17), p.487 - 490, 2000/00
放射光とイメージングプレートを用いた角度分散X線回折その場観察によって、B1構造から菱面体晶系に歪んだNiOの格子定数に対する圧力効果を調べ、最近の局所スピン密度近似を使った密度汎関数による理論計算と比較した。六方晶系格子で表した格子定数とは圧力の増加とともに単調に減少した。軸比も加圧によって単調に減少しており、これは、菱面体歪みが強くなることを示している。理論計算によって示唆されていた60GPa以上でのの大きな変化は観測されなかった。
久木田 豊; R.R.Schultz*; 中村 秀夫; 片山 二郎*
Nucl. Saf., 34(1), p.33 - 48, 1993/01
PWRの低温側配管破断LOCAにおいて、事故後の長期的プラント冷却操作に際し、炉心の水位が異常に低下した状態が長時間継続する可能性がある。このような事態は、炉心で生じた蒸気が一次系内で凝縮し、かつ蒸気発生量と凝縮量がほぼつり合う場合に生じ得る。一次系内で蒸気が凝縮する機構として、(1)蒸気発生器二次側への伝熱に伴う蒸気発生器細管内での凝縮、(2)高温側配管への非常用炉心冷却水注入操作に伴う凝縮、(3)圧力容器バイパスを通りダウンカマ及び低温側配管中に流入した蒸気の凝縮、が考えられる。本報では、これらの機構についてLSTFを用いて行われた実験の結果から、LOCA発生後数時間以上経過し炉心の崩壊熱が著しく減衰した状態では、上記の条件がみたされ、長時間(数分間以上)にわたる炉心露出が生じる場合がありうることを示す。
中村 秀夫; 片山 二郎; 久木田 豊
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.9 - 16, 1993/00
これまで、PWRのミッドループ運転(原子炉停止時に、炉心崩壊熱を余熱除去系を用いて除去しつつ、一次系水位を水平配管付近まで下げて各種作業を行う)時に、余熱除去系が何らかの原因で停止し、炉心冷却材が沸騰する等、いくつかの事象例が報告されている。なお、ミッドループ運転時には、一次系は大気圧で室温に近く、気相部は非凝縮性ガス(空気又は窒素)で満たされている為、事象では、非凝縮性ガスが関与した複雑な熱水力挙動が発生する。ここでは、LSTF装置を用い、1次系に開口部が無い条件で実施した模擬実験の結果をまとめた。実験では、余熱除去系停止後、炉心沸騰、蒸気発生器(SG)での蒸気凝縮が生じたが、それに伴い、1次系気相部内の非凝縮性ガス(空気)がSG伝熱管内に蓄積されることが観察された。更に、簡単なモデルを用いた1次系の圧力予測を行い、1次側圧力を低く保つために、SGの2次側冷却材が重要な働きをすることを示した。
安濃田 良成; 片山 二郎*; 久木田 豊; R.Mandl*
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.89 - 96, 1993/00
ROSA-IV/LSTF装置を用いて、全電源喪失時の2次系減圧操作に関する実験を行った。原子炉の全電源喪失事故は、極めて起こりにくい事故ではあるが、原子炉リスクを考えるうえで重要である。本事故シナリオでは、発電所外および所内の全ての動力用電源(非常用電源も含む)が使用不能であり、かつタービン駆動補助給水系が不作動であると仮定した。この様な事故がシビアアクシデントに拡大することを防止する手段として、2次系減圧操作の有効性について実験した。この操作は、給水ポンプ停止後も給水ラインに残留している未飽和水が減圧沸騰する際の体積膨張によって、蒸気発生器2次側に噴出する効果を利用するものである。実験では、この操作によって、1次系圧力が急低下し、加圧器内に保持されていた1次冷却材が減圧沸騰により押出され、炉心に移行した。その結果、炉心は冠水し、冷却が維持された。
中村 秀夫; 片山 二郎; 安濃田 良成; 久木田 豊
日本機械学会第69期通常総会講演会講演論文集,Vol. B, p.456 - 458, 1992/00
原子炉停止時に炉心崩壊熱を除去する余熱除去系の機能喪失事象について、ウェスティングハウス型加圧水型原子炉を模擬したROSA-IV/LSTF装置を用いて、原子炉1次系に開口部の無い条件での模擬実験を行った。その結果、事象発生後、炉心冷却材の沸騰及び1次系の圧力上昇は、炉心出力等に依存するものの、今回の実験条件では、10分程度の早期に開始することがわかった。更に、1次系の圧力は、2次側に冷却材を持つ蒸気発生器(SG)の2次側圧力に依存し、SG2次側圧力の制御により圧力上昇を抑制することができること、また、非凝縮性ガス(今回実験では空気)が1次系内の各部、特に2次側に冷却材を持つSGの細管内に集まり蒸気凝縮を妨げると共に、1次系の圧力上昇に大きな影響を与えることなどがわかった。
中村 秀夫; 片山 二郎; 久木田 豊
Proc. of the 5th Int. Topical Meeting on Reactor Thermal Hydraulics: NURETH-5,Vol. 5, p.1333 - 1340, 1992/00
PWRのミッドループ運転時における余熱除去系機能喪失事象のLSTF装置による模擬実験を、RELAP5/MOD3コードを用いて解析した。解析は、コールドレグ5%破断相当の開口部を仮定した実験について行った。解析では、1次系圧力等の主要な実験結果が、ループシール水の排出の時点まで良く予測された。また、余熱除去系停止後の炉心冷却材の温度上昇等、多次元的な流動の関与したいくつかの現象についても、並行流路に分割する等の2次元的流動を考慮した計算を実施した結果、定性的に模擬することができた。更に、解析により、炉心及び上部プレナムとダウンカマの間での蒸気凝縮を伴う熱移動の模擬が、1次系圧力の予測に不可欠であることが明らかとなった。ただし、コードは炉心ボイド率を過大評価した為、炉心部水位が常に上部プレナム内に保たれ、実験で観察された炉心露出を模擬できなかった。
久木田 豊; 中村 秀夫; 佐伯 宏幸*; 平田 和男*; 後藤 博樹*; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 鈴木 光弘; 浅香 英明; 与能本 泰介; et al.
JAERI-M 91-040, 122 Pages, 1991/03
本報は、ROSA-IV計画大型非定常試験装置(LSTF)による10%ホットレグ破断(上向き破断)実験Run SB-HL-04の実験データをまとめたものである。本実験は、破断口向きの効果に関する実験シリーズ(合計3ラン)の一つとして実施され、他の2回の実験では、それぞれ同一破断面積の水平方向破断及び下向き破断を模擬した。また本実験では、高圧注入系と補助給水系の不作動を想定した。本実験の特徴的な実験結果としては、ループ間の非対称挙動、コールドレグ・上部ダウンカマ内の減圧沸騰、蓄圧注入系作動後のコールドレグ内凝縮減圧などがあげられる。
片山 二郎; 中村 秀夫; 久木田 豊
Proc. of the Int. Conf. on Multiphase Flows 91-TSUKUBA,Vol. 1, p.7 - 10, 1991/00
LSTFを用いた小破断LOCA実験において、ホットレグ中に生じる層状流の液相流速が気液界面に生じる波の伝播速度を上回る、いわゆる射流が生じる場合があることが観察されている。本研究では、蒸気発生器入口配管を模擬した上昇管をもつ小口径水平配管を用いて大気圧下の水・空気層状流について射流の生じた場合の流動様式遷移に関する実験を行った。実験では、水平管内あるいは上昇管入口において跳水が生じ、跳水の下流側は常流となり層状流から波状流あるいはスラグ流へ遷移した。特に高い水流量では、射流から直接スラグ流へ遷移し、明瞭な跳水は認められなかった。この実験から以下の点が明らかになった。(1)水平管内でスラグ流への遷移が生ずる液流量は、常流と射流の場合で異なる。(2)しかし、スラグ流へ遷移する直前の条件での局所ボイド率と気液間相対速度は、射流・常流のいずれの場合も同一のモデルにより予測できる。
久木田 豊; 平田 和男*; 後藤 博樹*; 小泉 安郎*; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 鈴木 光弘; 浅香 英明; 山本 信夫; 中村 秀夫; et al.
JAERI-M 90-039, 122 Pages, 1990/03
本報は、ROSA-IV計画大型非定常試験装置(LSTF)による10%ホットレグ破断実験Run SB-HL-02の実験データをまとめたものである。本実験では、高圧注入系と補助給水系の不作動を想定した。本実験の特徴的な実験結果としては、ループ間の非対称挙動、コールドレグ・上部ダウンカマ内の減圧沸騰、蓄圧注入系作動後のコールドレグ内凝縮減圧などがあげられる。
久木田 豊; 村上 洋偉*; 小泉 安郎*; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 鈴木 光弘; 浅香 英明; 山本 信夫; 中村 秀夫; 与能本 泰介; et al.
JAERI-M 89-225, 117 Pages, 1990/01
本報は、ROSA-IV計画大型非定常試験装置(LSTF)による5%ホットレグ破断実験Run SB-HL-01の実験データをまとめたものである。本実験は、小破断冷却材喪失事故(LOCA)時の熱水力挙動に対する破断位置の効果を調べた実験シリーズの一つであり、高圧注入系と補助給水系の不作動を想定した。本実験の特徴的な実験結果としては、ループ間の非対称挙動、コールドレグ・上部ダウンカマ内の減圧沸騰、蓄圧注入系作動後のコールドレグ内凝縮減圧などがあげられる。
久木田 豊; 平田 和男*; 小泉 安郎*; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 鈴木 光弘; 浅香 英明; 山本 信夫; 中村 秀夫; 与能本 泰介; et al.
JAERI-M 89-220, 127 Pages, 1990/01
本報では、ROSA-IV計画大型非定常試験装置(LSTF)による5%コールドレグ破断実験Run SB-CL-08の実験をまとめたものである。本実験は、加圧水型炉(PWR)のコールドレグ小破断冷却材喪失事故におけるループシールクリアリング時の炉心水位低下に対する蒸気発生器内残留水の影響を対象とする実験シリーズの一部として行われ、高圧注入系及び補助給水系の不作動を想定した。実験では2回にわたり炉心露出が生じた。第1回目はループシールクリアリング時におこり、蒸気発生器上昇流側と下降流側との残留水量の非対称による炉心水位低下の拡大がみられた。第2回目の炉心露出は圧力容器内冷却材のボイルオフのために生じ、蓄圧注入系の作動により炉心水位は回復した。
久木田 豊; 片山 二郎; 中村 秀夫; 田坂 完二
Nucl. Eng. Des., 121, p.431 - 440, 1990/00
被引用回数:11 パーセンタイル:72.27(Nuclear Science & Technology)PWRの小破断冷却材喪失事故(LOCA)においては、非常用炉心冷却水が1次系ループのクロスオーバーレグ部内に落下してこの部分を水封し、炉心で発生する蒸気によってこの封水がコールドレグへ排出される(ループシールクリアリング)という現象がくり返し発生する可能性がある。また、ループシールクリアリング過程では炉心水位が一時的に低下し、炉心上部が一時的に露出する可能性がある。本現象をROSA-IV LSTF装置により実験的に調べ、ループシールを通過する蒸気流量と1次系内冷却材分布が相互に連成して変動することによって上述のような非定常なループシール挙動が生じうることを明らかにした。
熊丸 博滋; 平田 和男*; 中村 秀夫; 久木田 豊; 小泉 安郎; 安濃田 良成; 鈴木 光弘; 浅香 英明; 片山 二郎; 山本 信夫; et al.
JAERI-M 89-027, 105 Pages, 1989/03
本報はROSA-IV計画の大型非定常試験装置(LSTF)による高圧注入系(HPIS)の故障を仮定した5%コールドレグ破断実験Run SB-CL-18の実験データをまとめたものである。実験では炉心露出が2回観察された。第一回目の炉心露出は、ループシールクリアリング時に発生した。この炉心露出は、蒸気発生器(SG)Uチューブ及びSGプレナムの上昇流側と下降流側での冷却材のホールドアップの差により生じるマノメータ効果により増幅された。本実験の燃料棒表面最高温度(PCT)は、ループシールクリアリング直前のこの一時的な炉心露出の間に観察された。第2回目の炉心露出は炉心ボイルオフにより発生したが、畜圧注入系(ACC)が自動的に作動した後に炉心冷却は回復した。本報は、本実験の全データをまとめたものである。データは工学単位に変換して集録されている。
久木田 豊; 浅香 英明; 中村 秀夫; 片山 二郎; 田坂 完二
CSNI-R-158, p.449 - 466, 1989/00
原子炉冷却系の減圧操作は、種々の事故シナリオにおいて炉心の冷却を維持する上で有効であると考えられている。特に最近は、1次系が高圧のままで炉心溶融に至り、高圧の炉心溶融物が圧力容器を貫通することを防止する観点から、1次系減圧操作が注目されている。本報は、ROSA-III及びROSA-IV計画によるLOCA実験のうち、減圧操作に関連した実験結果を要約したものであり、ROSA-III装置によりBWR小破断LOCA時のADSの作動条件を変更した場合の効果について調べた実験、ならびにROSA-IV装置によりPWR小破断LOCA時の1次系及び2次系減圧操作の有効性、限界、ならびに発生する可能性のある悪影響を調べた実験の結果を論じている。