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中村 仁宣; 清水 靖之; 牧野 理沙; 向 泰宣; 石山 港一; 栗田 勉; 池田 敦司*; 山口 勝弘*
Proceedings of INMM 57th Annual Meeting (Internet), 9 Pages, 2016/07
日本国の統合保障措置は2004年に、核燃料サイクル工学研究所(JNC-1)においては2008年より導入され、査察業務量の低減及び核物質転用に対する抑止効果を高めることを目的とし、従前の中間在庫検認(IIV)に代わり短時間通告ランダム査察(RII)が導入された。そのRII手法は運転停止中(インターキャンペーン)を想定して設計されたため、運転時は改訂が必要であった。原子力機構では再処理施設の潜在的な安全上のリスクを低減するため、2014年4月よりPCDFの運転(溶液からMOX粉末への転換)を決定したことから、運転と統合保障措置の要件を満足させる最適な査察手法の検討に着手し、検知確率を減らすことなく、査察業務量を増加させることのない新たな査察手法をIAEA及び規制庁に提案した。IAEA等との協議の結果、同提案は受け入れられ、2014年3月に導入することができた。新たな査察手法では、査察日を事前確定型への変更、推定量の核物質を低減、リモートモニタリングデータの提供の実施、運転状態確認査察の改善及び適時性をもった在庫申告等の改善を図った。その結果、在庫情報等の提供に係る業務量は若干増加したものの、統合保障措置における要件とPCDFの運転を両立させることができ、2年間の運転に対する保障措置の効果的かつ効率的な実施に貢献した。
牧野 理沙; Swinhoe, M. T.*; 鈴木 久規; 池田 敦司*; Menlove, H. O.*; 清水 靖之; 中村 仁宣
核物質管理学会(INMM)日本支部第35回年次大会論文集(インターネット), 9 Pages, 2015/01
在庫サンプル測定システム(INVS)は、プルトニウム転換技術開発施設の査察において採取されたサンプル中のMOX粉末またはPu溶液中のPu量を測定する非破壊測定装置であり、31.3%の比較的高い検出効率を有している。現在のINVSの測定不確かさは、3-5%程度であるが、仮に測定の不確かさを1%以下まで改善することができれば、計量管理に用いる破壊分析の低減、Puの迅速確定、Kエッジデンシトメトリー(KEDG)の代替機器としての活用等、種々の効果が期待できる。本研究では、INVSの高精度化を目的として、実際の硝酸Pu溶液(再処理施設で通常用いられている濃度範囲に限定)を用いた校正試験を、3つの手法(キャリブレーションカーブ法、known-法及びマルチプリシティ法)を適用して行った。なお、実試料の測定に先立ち、検出器の最適なパラメータ及び測定位置を確認する特性試験を行い、最適化されたパラメータを用いて校正を行った。校正試験の結果、それぞれの手法において不確かさに違いはあるものの、計数値とPu量との間に良い相関があることを確認した。特にキャリブレーションカーブ法が最も相関がよく、結果として1%以下の測定不確かの測定ができる見通しを得ることができた。溶液の測定は、様々な因子(濃度,酸濃度及び容量)が影響を与えるため、その結果についても合わせて考察を行った。
牧野 理沙; 石山 港一; 木村 隆志; 山崎 勝幸; 中村 仁宣; 池田 敦司*; 山口 勝弘*
核物質管理学会(INMM)日本支部第33回年次大会論文集(インターネット), 9 Pages, 2012/10
JNC-1サイト(東海再処理施設,MOX燃料施設等)への統合保障措置(IS)は、2008年8月に適用が開始された。これに伴い、核燃料物質の転用にかかわる抑止力を高める目的で、あらかじめ日程が設定された従来の中間在庫検認(IIV)から、短時間通告によるランダム査察(RII)への移行が行われた。東海再処理施設(再処理工場及びプルトニウム転換技術開発施設を含む)では、ISの要件を満足するため、リモートモニタリングを確立しRIIの円滑な導入に協力してきた。RIIの導入により、運転員の常時待機や短時間での在庫リストの申告の提出の必要性が生じたが、現在運転停止中の東海再処理施設では査察対応日数は従来のIIVに比べ約60%に削減された。本発表では東海再処理施設におけるランダム査察導入後に得られた効果並びにキャンペーン中のRIIに関する今後の課題について、施設者の観点から報告を行う。
若杉 圭一郎; 宮原 要; 牧野 仁史; 石黒 勝彦; 澤村 英範*; 根山 敦史*; 西村 和哉*
JNC TN8400 2003-022, 84 Pages, 2003/11
本検討では,第2次取りまとめのレファレンスケースで設定したガラス固化体と同様の仕様を想定したガラス固化体を対象に、キャニスタおよびオーバーパックによる遮へいの効果を考慮して、ガラス固化体からの放射線量を定量的に把握した。さらに,ガラス固化体からの放射線量の特徴を遮へいの観点から把握することを目的として,管理区域の基準値までガラス固化体からの放射線量を減衰させるために必要なコンクリート壁の厚さを評価した。
油井 三和; 牧野 仁史; 芦田 敬; 梅木 博之; 石黒 勝彦; 根山 敦史*
PNC TN8410 92-161, 177 Pages, 1992/09
本報告書は、高レベル廃棄物地層処分の多重バリアシステムに関する性能評価において必要となる、ガラス固化体からの元素の溶出挙動と人工バリア空隙水中の元素の溶解度について、理論的、実験的検討を行い、核種移行解析のためのデータセットの設定を試みたものである。ガラス固化体からの元素の溶出挙動に関しては、1)可溶性元素については短期的にはSiに関する一次溶解反応との調和溶解、長期的にはガラス固化体の長期溶解速度に律速される。2)難溶性元素についてはガラス表面に形成される固相の溶解度に至る反応に律速される、と考えた。これにより、可溶性元素の溶出の評価に必要なガラス固化体の初期溶解速度及び残存溶解速度を、これまでの実験データに基づいて設定した。一方、難溶性元素に対する人工バリア空隙水中での溶解度に関しては、まず各元素の天然水中での価数、支配的水溶性化学種等を考慮し使用する熱力学データの信頼性、適用性の検討を行い各元素の熱力学データの選定を行った。次に溶解度を計算するために、溶液条件である人工バリア空隙水組成をもとに溶解度制限固相の設定を行った。最後に、与えられた溶解度制限固相と人工バリア空隙水組成をもとに、溶解度を計算し、核種移行解析のためのデータセットの設定を行った。
加藤 義夫; 荒木 信幸*; 小林 清志*; 牧野 敦*
Thermal Conduct., 18, p.95 - 104, 1985/00
溶融塩の熱拡散率測定用に開発したセラミックセルについて、従来理論境界条件を満足するサイズについては、実験的に定めてきたが、本報において試料溶融塩を囲むセラミック板の必要な半径、厚さについて数値解析を行い、実験で使用したセルがこれらの条件を充分満たすことを示した。測定した試料塩は、LiF-BeF-ThF(67-18-15mol%)で、加速器溶融塩炉のターゲット材の一つと考えられている。融点は515Cで、熱拡散率a〔mS〕としてa=2.3410+6.1010(-515) 550≦≦710C が得られた。