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飯島 和毅; 林 誠二*; 玉置 雅紀*
Global Environmental Research (Internet), 24(2), p.85 - 93, 2021/06
福島第一原子力発電所事故による環境の放射性物質による汚染は、事故から約10年が経過する間に明らかに減少している。しかし、除染されていない森林に起因すると思われる自然生態系の汚染の長期化が多くの研究で指摘されており、生物学的に利用可能な放射性セシウムの環境動態とその生態系への移行については、より詳細な調査が必要と考えられた。また、生物への放射線の影響については、特に福島の避難地域では、放射線による直接的な影響よりも野生生物への避難の影響が顕著であった。
大村 嘉人*; 松倉 君予*; 阿部 淳一*; 保坂 健太郎*; 玉置 雅紀*; 土肥 輝美; 柿嶌 眞*; Seaward, M. R. D.*
Journal of Environmental Radioactivity, 141, p.38 - 43, 2015/03
被引用回数:12 パーセンタイル:35.16(Environmental Sciences)2013年8月に採取した葉状地衣類10種類の放射性セシウム濃度(Cs)の範囲は1.7-35kBq/kgであった。2つの優占種、Dirinaria applanataとPhyscia orientalisにおいて、それらのCs濃度と試料採取地点の空間線量率との関係を調べた。P. orientalisのCs濃度は福島原子力発電所事故から約1年後に測定したもので、試料採取地点の空間線量率との間に良好な相関関係がみられた(r=0.80)。さらに、事故から2年経過した試料採取地点の空間線量率との間にも相関関係がみられた(r=0.65)ことから、時間経過後も継続して大気中の放射性降下物レベルを反映するバイオモニターとしての有用性を示すといえる。対照的に、Dirinaria applanataの場合は、それらの試料採取地点の空間線量率との相関関係はみられなかった。
長谷 純宏; 吉原 亮平; 野澤 樹; 玉置 雅紀*; 鳴海 一成
no journal, ,
高等植物における放射線誘発突然変異の特徴を明らかにするため、大腸菌の遺伝子をマーカーとして導入したシロイヌナズナを用いて線とカーボンイオン(平均LET112keV/m)で誘発される突然変異の特徴を調査した結果、遺伝子内で起きる欠失のサイズが異なることを以前に報告した。この変異検出系を用いて、種子中でLETが極大になるようにカーボンイオンを照射した場合(平均LET402keV/m)、フルエンスあたりの致死効果はLET112に比べて高くなったが、遺伝子の変異頻度は非照射区と有意な差が見られなかった。この変異検出系では、変異した遺伝子を含むプラスミドをプラスミドレスキュー法によって回収しているため、本手法では検出できないような大規模な変異がLET402では多く誘発される可能性が考えられた。DNA二本鎖切断の修復に重要な役割を果たすLigase IVを欠損するシロイヌナズナと野生株における致死効果を比較した結果、LET402ではLET112に比べて生存曲線のDq値の差が極端に小さいことから、LET402では修復し難いDNA損傷が高い割合で誘発されると考えられた。さらに、LET402で起きている変異の特徴を明らかにするため、大規模な変異を検出できる実験系として、シロイヌナズナの遺伝子並びに大腸菌由来の遺伝子をマーカーとして変異解析を進めている。本発表では、これらの変異の特徴について報告する。
玉置 雅紀*; 坂本 綾子; 遠藤 真咲*; 土岐 精一*
no journal, ,
東日本大震災により伴う福島第一原子力発電所事故により、福島県の浜通りを中心に放射性物質による広域な土壌汚染が引き起こされた。放射性物質による土壌汚染はこれまでの重金属等による汚染とは異なり、放射線を放出することによりDNAへの損傷さらには突然変異を誘発する恐れが懸念される。本研究では福島における放射性物質汚染土壌が植物にどのような影響を与えるのかについてGU-USを導入した遺伝子組換えシロイヌナズナを用いて評価を行った。GU-USコンストラクトが導入されたシロイヌナズナ4系統#11, #651, #1406及び#1415を用いて5Gy/hの線を10時間照射したところ、すべての系統において遺伝子修復に伴うGUSスポットの増加が認められた。そこで、これらの植物を空間線量の異なる福島県内各地より採取した土壌を用いて栽培を行った。用いた土壌のCs濃度は、73kBq/kg(高濃度), 34kBq/kg(中濃度)及び5kBq/kg(低濃度)であった。また非汚染土壌での栽培も行った。これらの土壌で30日間栽培を行った後にGUS染色を行った結果、すべての系統において汚染土壌でのGUSスポットの増加が認められた。さらに#1406系統では土壌のCs濃度依存的なGUSスポットの増加が確認された。また、このGUSスポットは外部被曝によることが示された。汚染土壌で栽培した植物体では発芽率の低下は見られなかったが、活性酸素のスーパーオキサイドの生成量の増加が認められた。
新里 忠史; 佐々木 祥人; 渡辺 貴善; 三田地 勝昭*; 伊藤 聡美; 倉元 隆之*; 新井 宏受*; 野村 直希*; 林 誠二*; 玉置 雅紀*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故に由来する放射性物質のうち、Csは半減期が約30年と長く、今後長期にわたり分布状況をモニタリングし、その影響を注視していく必要がある。福島県の約7割を占める森林域では、これまでの長期観測によりCsは森林内に留まる傾向が明らかになりつつあるものの、住民帰還が進む中では、様々な状況の森林におけるCs環境動態の把握が重要と考えられる。本論では、2017年春に発生した福島県浪江町での林野火災に係るCs環境動態について、延焼地と非延焼地におけるCsの分布状況及び森林斜面からの流出状況に関する調査結果を報告する。