Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
藤田 貴敏*; 田中 成典*; 藤原 崇幸*; 草 将晃*; 望月 祐志*; 志賀 基之
Computational and Theoretical Chemistry, 997, p.7 - 13, 2012/10
水の三量体とは、凝集相にある水分子間の水素結合状態を特徴づけるモデルとして、実験と理論の両面から活発に研究が行われている系である。本論文では、この水三量体を対象として、電子相関効果を三次のMller-Plesset摂動法まで考慮した高精度の第一原理経路積分モンテカルロ法を用いて、電子と原子核からなる系をすべて量子的に扱った第一原理シミュレーションを行った。具体的には、水三量体におけるO-O距離, O-H-O角度, H-OOO二面角など、水素結合を特徴づける構造因子を対象として、核の量子効果,熱的ゆらぎ効果,電子相関効果が与える影響について、系統だった解析を行い、これにより、計算で得られた水素結合構造の誤差を定量的に見積ることが可能となり、実験データとの直接比較ができるようになった。これらの成果は、水分子間の水素結合の基礎的理解を進めるものだが、高精度な原子分子レベルの計算手法の開発とその検証に該当し、原子力分野での応用が期待される。
藤田 貴敏*; 田中 成典*; 藤原 崇幸*; 草 将晃*; 望月 祐志*; 志賀 基之
Computational and Theoretical Chemistry, 997, p.7 - 13, 2012/10
被引用回数:9 パーセンタイル:21.22(Chemistry, Physical)固体や液体等において、低原子量の元素から構成される化合物のダイナミクスを解析する場合には、原子核の量子ダイナミクスを考慮する必要が指摘されており、原子力分野をはじめとしてさまざまな分野において、それを考慮した新規のシミュレーション手法の開発等が議論されてきている。本発表では、この観点に立ち、電子と原子核からなる系をまるごと量子力学的に扱った第一原理経路積分モンテカルロシミュレーションにより、三量体の水クラスターの構造を精密に調べた結果を報告する。なお、採用した手法は、三次の多体摂動論に基づいた電子状態理論で求められた断熱ポテンシャル上のもとで、量子及び熱的効果を含めた分子構造の動的なゆらぎを求めることのできる極めて精度の高いシミュレーション手法であり、計算の結果、水クラスターの水素結合の柔軟性は、従来の第一原理計算から予測されていた結果よりも大きく、酸素間距離が大きな振幅で振動する様子が明らかになった。