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斉藤 健; 山本 博之; 山口 憲司; 仲野谷 孝充; 北條 喜一; 原口 雅晴*; 今村 元泰*; 松林 信行*; 田中 智章*; 島田 広道*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.321 - 325, 2003/05
被引用回数:7 パーセンタイル:46.83(Instruments & Instrumentation)放射光を利用したX線光電子分光法(XPS)を用い、-FeSiの表面酸化過程を解析した。Si(111)基板表面に-FeSiを生成後、約2日間大気曝露を行い、表面酸化を試みた。XPSによりシリサイド表面の非破壊深さ方向分析を行った結果、シリサイドはアイランド状の構造をとっており、基板のSi表面も一部露出した構造をとっていることが明らかとなった。シリサイド精製時のアニール温度や初期膜厚の違いにより、表面組成が異なることが明らかとなった。シリサイド表面がSiリッチな状態の試料に関し表面酸化を行った場合には、表面に非常に薄いSiO薄膜が生成し、シリサイドがほとんど酸化されなかった。しかしながら、Feリッチな試料の場合にはシリサイドが著しく酸化されることが確認された。このことから、表面付近に生成するSiO酸化物相がシリサイド薄膜の酸化保護膜として機能していることが推測された。
斉藤 健; 山本 博之; 朝岡 秀人; 原口 雅晴*; 今村 元泰*; 松林 信行*; 田中 智章*; 島田 広道*; 北條 喜一
Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.1073 - 1076, 2002/03
放射光を利用したX線光電子分光法(SR-XPS)を用い、-FeSi生成過程におけるSi,Feの深さ方向組成分布の解析を試みた。Si(111)基板表面に室温で100Å Feを蒸着し、723Kでアニールを行うことにより、-FeSi薄膜の作成を試みた。励起X線エネルギー200~1000eVの範囲でFe/Si比の励起X線エネルギー依存性を解析した。IMFP値を用いたFe,Siの深さ方向分布シミュレーションの結果と実験により得られたFe/Si比とを比較した結果、Fe蒸着後のアニールにより、Siが表面のFe相中に次第に拡散することが明らかとなった。Fe 2p XPSスペクトル,価電子帯光電子スペクトルそれぞれを測定した結果、723Kのアニールでは-FeSiの生成は起こらず、相のみの生成が確認された。973Kでアニールを行った場合には-FeSiの生成が確認され-FeSi生成には、より高温でのアニールが必要であることが明らかになった。
松林 信行*; 田中 智章*; 今村 元泰*; 島田 広道*; 斉藤 健
Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.119 - 121, 2002/03
放射光の特性、すなわち励起エネルギーを変化可能なこと、高強度高分解能の偏向性を考慮した場合、X線光電子分光法(XPS)とX線吸収分光法(XAS)をあわせて用いることは、固体表面の元素分析や化学状態分析有効な手法となる。励起エネルギーを変化させ、光電子の運動エネルギーを変えることにより、非弾性平均自由行程の調整を行い、XPSによる非破壊深さ方向分析が可能となる。偏向XASは種々の機能材料に応用されている。共鳴光電子スペクトルの解析による電子構造の分析はチオシアネートの分析に用いられた。XASスペクトルと共鳴光電子スペクトルは放射光研究施設のBL-13Cにて行われた。
阪東 恭子*; 斉藤 健; 佐藤 剛一*; 田中 智章*; Dumeignil, F.*; 今村 元泰*; 松林 信行*; 島田 広道*
Topics in Catalysis, 18(1-2), p.59 - 65, 2002/01
CO水素化反応時におけるRh担持Yゼオライト触媒に関し、XAFS分析法によりその場観察を行った。分析の結果、低温ではRhY触媒は、LiをドーピングしたRhY触媒よりも、より還元されやすいことが明らかとなった。低温でのRhの還元には、Rh酸化物の形成が関与していることが明らかとなり、この現象はLiをドーピングしたRhY触媒では観察されなかった。反応中でのRh粒子の大きさは、RhY触媒では1.3nm,LiをドーピングしたRhY触媒では0.8nmであった。CO反応の場合だけでなく、乾燥空気にさらした場合でも、RhY触媒よりもLiをドーピングしたRhY触媒の方が、より構造変化を受けやすいことも明らかとなった。これらの違いはLiドーピングしたRhY触媒におけるLi酸化物の影響が関与している可能性によるものと結論された。
斉藤 健; 山本 博之; 原口 雅晴*; 今村 元泰*; 松林 信行*; 田中 智章*; 島田 広道*; 北條 喜一
Photon Factory Activity Report 2001, (19), P. 205, 2001/00
放射光を利用したX線光電子分光法(XPS)を用い、-FeSi生成過程におけるSi, Feの深さ方向組成分布の解析を試みた。Si(111)基板表面に室温でFeを蒸着後、523K, 723K, 973Kと段階的にアニールを行い、Si/Fe組成の変化の様子を放射光を用いたXPSにより解析した。励起X線エネルギー2001000eVの範囲でFe/Si比の励起X線エネルギー依存性を解析し、深さ方向分布の解析を行った。実験結果とIMFP値を用いたFe, Siの深さ方向分布シミュレーションの結果と比較した結果、室温でFe蒸着後のアニールを行うことにより、Siが表面のFe相中に次第に拡散することが明らかとなった。その際、Fe層は基板表面に島状構造を形成することも、同時に明らかとなった。また、シミュレーションの結果、島状構造をしたシリサイドは、基板表面50%程度覆っていることも明らかとなった。