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仲宗根 峻也*; 横山 須美*; 高橋 知之*; 太田 雅和; 柿内 秀樹*; 杉原 真司*; 平尾 茂一*; 百島 則幸*; 玉利 俊哉*; 島 長義*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 16, p.2405035_1 - 2405035_5, 2021/02
液体シンチレーションカウンタによる環境水試料のトリチウム分析では、試料に含まれる溶存有機物等の不純物の除去が必要である。一般的に用いられている前処理法は試料の蒸留であるが、蒸留は時間を要する(24時間程度)という欠点がある。発表者らは、イオン交換樹脂を用いた迅速な前処理法を提案してきた。本研究では、イオン交換樹脂を用いた前処理法の定量評価を目的としてバッチ実験を実施し、実験結果から不純物の除去が短時間(5分程度)で完了することを確認した。
仲宗根 俊也*; 横山 須美*; 高橋 知之*; 太田 雅和; 柿内 秀樹*; 杉原 真司*; 平尾 茂一*; 百島 則幸*; 玉利 俊哉*; 島 長義*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 15, p.2405027_1 - 2405027_3, 2020/05
事故時あるいはトリチウム使用施設からのトリチウム放出時の環境影響評価においては、環境試料中のトリチウムの迅速な分析が求められる。液体シンチレーションカウンタによる水試料のトリチウム分析では、その前処理として、水試料に含まれる有機物やイオンといった不純物の除去が必要である。一般的に用いられている前処理法は、試料の蒸留である。しかしながら、蒸留は時間を要するという欠点がある。本研究は、イオン交換樹脂を用いた迅速な前処理法の検討を目的とする。このために、陸水試料を用いて不純物除去のバッチ実験およびカラム実験を実施したところ、イオン交換樹脂の使用により、試料に含まれる不純物の除去が短時間(5分以内)で達成されることが確認された。
横山 須美*; 高橋 知之*; 太田 雅和; 柿内 秀樹*; 杉原 真司*; 平尾 茂一*; 百島 則幸*; 玉利 俊哉*; 島 長義*; 安藤 麻里子; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 14(Sp.2), p.3405099_1 - 3405099_4, 2019/06
核融合科学研究所は、2017年に大型ヘリカル装置を用いたD-D実験を開始した。施設の安全確保のためにはD-D反応で生成するトリチウムの環境中移行評価法の確立が重要となる。大気及び土壌中のトリチウム水(HTO)は植生に移行し、光合成を経て有機物トリチウム(OBT)が生成される。OBTは植生中に滞留し、経口摂取による被ばくを引き起こすため、トリチウム放出においてはOBT生成の予測が重要となる。本研究は、簡易なコンパートメントモデルと実用性の高いパラメータを使用して上述した環境中トリチウム移行を推定することを目的とする。これまでに、大気・土壌・植生系から成る簡易なコンパートメントモデルを提案し、精緻なモデルであるSOLVEGとの比較によりモデルの検証を図った。本研究では、簡易モデルへの湿性沈着過程の導入及び土壌の通気性や大気・土壌・植生中トリチウム濃度の測定によるパラメータの取得、更にはOBT分析時の簡便な前処理手法の確立を計画している。
原賀 智子; 大内 和希; 佐藤 義行; 星野 仁*; 田中 玲*; 藤原 隆司*; 黒川 秀樹*; 渋川 雅美*; 石森 健一郎; 亀尾 裕; et al.
Analytica Chimica Acta, 1032, p.188 - 196, 2018/11
被引用回数:12 パーセンタイル:45.99(Chemistry, Analytical)放射性試料中のアクチノイドイオンを安全、迅速、高感度に分析するため、蛍光プローブを用いたキャピラリー電気泳動法による分析法を開発した。本研究では、化学ライブラリーを用いて、アクチノイドイオンの検出に必要となる蛍光プローブを選択し、大環状および非環状の多座配位骨格を有するプローブ群を整備した。アクチノイドのうち、ウラニルイオンに対して、4座の配位骨格を有する蛍光プローブを用いることにより、従来のキャピラリー電気泳動法の検出限界(ppmレベル)を大幅に改善し、pptレベルの検出限界を達成するとともに、実際の放射性廃液試料の分析に適用できることも示した。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 笠原 清司; 田中 伸幸; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 久保 真治
Energy Procedia, 131, p.113 - 118, 2017/12
被引用回数:22 パーセンタイル:99.79(Energy & Fuels)ISプロセスは最も研究された熱化学水素製造プロセスである。現在、原子力機構は実用材料機器を用いた設備による試験の段階にある。主な課題は、プロセス全体の成立性と過酷な環境下での安定した水素製造の確証である。そのために、耐食材料を用いた水素製造能力100L/hの試験設備を作製した。初めに、工程ごとの試験により反応器や分離器の基礎的な性能を確認した。その後、全工程を接続して運転を行い、8時間連続での10L/hの水素製造に成功した。
向 泰宣; 中道 英男; 小林 大輔; 西村 和明; 藤咲 栄; 田中 秀樹; 磯前 日出海; 中村 仁宣; 栗田 勉; 飯田 正義*; et al.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 8 Pages, 2017/04
東海再処理工場では、2007年の運転以降、長期間、プルトニウムを溶液の状態で貯蔵している。硝酸Pu溶液は、全電源喪失時に水素爆発や沸騰に伴う事故により放射性物質を施設外に放出するリスクがあり、2011年の東日本大震災以降、原子力機構は硝酸Pu溶液貯蔵時の潜在的なリスクについて評価を実施し、2013年に貯蔵中の硝酸Pu溶液(約640kgPu)の潜在的なリスクを低減するため、当該溶液をMOX粉末に転換し、固化・安定化を図ることを目的としたプルトニウム転換技術開発施設(PCDF)の運転を計画した。PCDFの運転をリスク低減化活動の一環として新規制基準の適用を受けずに実施するため、緊急安全対策等の原子力安全に係る必要な対策を実施し、原子力規制委員会より運転実施の了解が得られた。その結果、PCDFの運転を2014年の4月28日から開始し、2016年8月3日に約2年間の処理運転を計画通り無事に完遂した。
田中 伸幸; 竹上 弘彰; 野口 弘喜; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1022 - 1028, 2016/11
原子力機構では、工業製材料を使用した100L/hr規模の連続水素製造試験装置を完成させた。連続水素製造試験に先立って、製作した各機器の機能確認を行うため、5つある工程の工程別試験をそれぞれ実施した。本発表では、5工程のうち、ブンゼン反応工程及びHI濃縮工程の結果を示した。ブンゼン反応工程では、供給された反応原料がブンゼン反応器において混合され、ブンゼン反応が進行しなければならない。反応原料のSOが全て溶液中に吸収されていることから、原料が確実に混合され、かつ、ブンゼン反応が速やかに進行していることを示し、ブンゼン反応器の機能が設計通りであることを明らかにした。HI濃縮工程では、製作した電解電気透析(EED)スタックを用いて、HI濃縮試験を実施した。その結果、既報の予測式に一致する濃縮性能を持つことを確認し、EEDスタックの機能確認を完了した。シリーズ(II)で示す硫酸工程, HI蒸留, HI分解工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:184 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:49.7(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
Travnikova, O.*; Colin, D.*; Bao, Z.*; Brve, K. J.*; 田中 隆宏*; 星野 正光*; 加藤 秀樹*; 田中 大*; Harries, J.; 為則 祐介*; et al.
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 181(2-3), p.129 - 134, 2010/08
被引用回数:1 パーセンタイル:7.38(Spectroscopy)本論文ではNOのN-ターミナル、N-セントラルとOのコアー励起に伴うオージェ崩壊後の終状態震度状態分布についてのスタディーを報告する。励起光のエネルギーをみつの共鳴のある領域をスキャンするとベンド:ストレッチの振動分布がかわることを証明する。これがコア励起状態においてRenner-Tellerスプリットによる効果だということが知られているが、非対称ストレッチ励起がおもにN-ターミナルの1s-励起後の崩壊に伴うものであることを証明した。この選択性についてはそれぞれの電子状態のポテンシャルエネルギーサーフェスを比較して議論する。
中村 博雄; Agostini, P.*; 荒 邦章; Cevolani, S.*; 千田 輝夫*; Ciotti, M.*; 深田 智*; 古谷 一幸*; Garin, P.*; Gessii, A.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1007 - 1014, 2008/12
被引用回数:19 パーセンタイル:76.01(Nuclear Science & Technology)本報告では、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウム(Li)ターゲットの最近の設計について述べる。IFMIFは、核融合材料照射のための加速器型中性子源である。中性子は、重陽子ビームを液体Li流に照射して発生させる。ターゲット系の主な設計要求は、1GW/mの熱負荷除熱のための流速10m/sから20m/sで安定なLi流を実現することである。そのため、2段絞りのノズル及び曲面流が採用され、流動特性は水とLi流実験で確証された。純化系は、コールドトラップ及び2種類のホットトラップから構成されており、トリチウム,ベリリウム7,酸素,窒素,炭素等を、許容量以下に制御する。窒素は10ppm以下に、トリチウムは1ppm以下である。また、信頼性のある長期運転のため、自由表面計測など種々の計測器が設置される。ターゲットアセンブリの背面壁は、50dpa/yの中性子照射を受けるため、遠隔操作で交換可能な構造が不可欠であり、2つの方式が検討中である。
南波 秀樹; 田中 淳; 伊藤 久義
日本原子力学会誌ATOMO, 50(12), p.785 - 789, 2008/12
前回の解説では、近年技術革新のキーテクノロジーとして世界的に注目されている量子ビームの応用研究の概要について紹介した。線,電子線やイオンビームを用いた荷電粒子・RI利用研究は、量子ビームの利用の中でも最も長い歴史を持ち、学術研究分野はもとより、工業,農業,医療活動の幅広い分野において、さまざまな形で利用されている。本稿では、この荷電粒子・RIを用いたバイオ技術・医療応用・環境・エネルギー分野での研究開発を紹介する。
田中 隆宏*; 星野 正光*; 加藤 秀樹*; Harries, J.; 為則 雄祐*; 上田 潔*; 田中 大*
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 164(1-3), p.24 - 27, 2008/07
被引用回数:4 パーセンタイル:24.52(Spectroscopy)Cの1s, Iの3d、それからFの1sイオン化端付近のX線励起による全イオン収率及び角度分解イオン収率を紹介し、スペクトルに現れるそれぞれの電子状態を推定する。イオン収率の異方性はC 1sの遷移のみに現れ、この遷移の双極子モーメントがCと平行になっていることを示す。CFIのサンプルを800Kまで加熱し、この条件で測定したスペクトルと室温のスペクトルを比較して初めてCFの内殻励起過程について情報が得られた。
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:51 パーセンタイル:71.25(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
牛草 健吉; 関 昌弘; 二宮 博正; 乗松 孝好*; 鎌田 裕; 森 雅博; 奥野 清; 柴沼 清; 井上 多加志; 坂本 慶司; et al.
原子力ハンドブック, p.906 - 1029, 2007/11
原子力ハンドブックの第VIII章核融合の研究開発において、核融合炉の概念,炉心プラズマ物理と炉心制御技術,国際熱核融合実験炉(ITER)計画,核融合ブランケット技術,核融合燃料循環処理技術,核融合炉用材料技術,核融合動力炉概念とシステム工学課題について、研究の現状を解説する。
細馬 隆; 向 泰宣; 田中 秀樹
STI/PUB/1298 (CD-ROM), p.699 - 705, 2007/08
再処理及び転換施設では、計量管理及び保障措置の目的で、環状槽内の硝酸プルトニウム溶液の密度と液量を浸漬管により正確に測定している。この方法は、浸漬管先端における静水圧測定を原理としており、測定中は溶液を静置することが前提である。本前提は、計量測定のための短い時間中は満たされるが、それ以外の時間は、安全上の理由から常時撹拌されている。その結果、溶液は槽内で流動し、静水圧に振動を与えるうえ、条件によってはわずかながら測定上のバイアスをもたらす。槽の連続監視データは保障措置上の非常に重要な情報であるが、以上の理由で見かけの液量変化が現れる。このような測定値の変動やバイアスは、槽の底部に近い浸漬管は撹拌の影響を受けにくい一方、底部から数百mmの高さにある浸漬管は撹拌の影響を受けやすいため、撹拌の影響が相殺されることなく密度測定値と液量測定値に現れるために生じると考えられる。測定原理上、密度測定値に+の変動が生じると液量測定値には-の変動を生じる。そこで、液量と密度の積から求まる溶液重量に着目し演算処理したところ、変動や測定バイアスは著しく減少した。
小澤 顕*; 松多 健策*; 長友 傑*; 三原 基嗣*; 山田 一成*; 山口 貴之*; 大坪 隆*; 百田 佐多夫*; 泉川 卓司*; 炭竃 聡之*; et al.
Physical Review C, 74(2), p.021301_1 - 021301_4, 2006/08
被引用回数:43 パーセンタイル:89.22(Physics, Nuclear)理化学研究所のリングサイクロトロンで、陽子過剰核Alの因子を初めて測定した。実験的に測定された因子の絶対値は、1.5570.088と決められた。この原子核は、鏡像核Neのエネルギー準位から見ると、基底状態は1/2もしくは5/2と考えられる。決められた因子と殻模型計算による因子との比較から1/2は明らかに否定されるため、基底状態のスピンは5/2と与えられた。これまで、Alは陽子ハロー構造のため、1/2状態が基底状態になる可能性が議論されてきたが、この実験により少なくとも基底状態にハロー構造が存在しないことがはっきりした。また、Neの磁気モーメントの実験値から、Alの基底状態におけるアイソスカラー固有スピンの期待値が求められるが、その値はCのように異常な値を示さず、正常であることがわかった。
田中 秀樹
核物質管理センターニュース, 35(4), p.11 - 12, 2006/04
平成17年10月30日から11月2日にかけて、アメリカ、サンタフェで行われた第5回ESARDA/INMM合同ワークショップに参加し、おもに聴講したワーキンググループ2(保障措置のための探知能力強化)について概要をまとめた。本ワーキンググループでは、未申告の原子力活動まで対象範囲を広げた現在の保障措置において、探知能力をいかに強化していくかがテーマとなっており、IAEA,アメリカ,フランス,ドイツ等から、情報収集・評価,衛星画像解析,環境サンプル分析,新概念の封印,微弱線カメラ等について計13の口頭発表が行われた。本ワーキンググループでは、一般公開情報(Open source information)がキーワードの一つとなっており、特にインターネット上の情報と購入可能な衛星画像が注目されていた。従来の査察官による査察活動から得られる情報と、これらの情報を組合せることにより、より確度の高い保障措置上の結論を得ることが目的である。その他にも、反ニュートリノ検出器を利用する方法も紹介されていた。これらを上手に選択し、組合せることが、査察を適時かつ効率よく行う鍵になるとまとめられた。
田中 均*; 高雄 勝*; 松下 智裕*; 青柳 秀樹*; 竹内 政雄*; 安居院 あかね; 吉越 章隆; 中谷 健
放射光, 19(1), p.27 - 32, 2006/01
挿入光源の誤差磁場のうち軌道変動を引き起こすダイポール成分を高精度で補正する方法を開発した。その結果、円偏光の極性反転に必要な位相空間において、サブミクロン精度で軌道変動を抑制できること,任意の駆動パターンに対し補正が拡張できることがわかった。
田中 正暁; 村上 諭; 檜原 秀樹*; 須藤 浩三*
Proceedings of International Conference on Jets, Wakes and Separated Flows (ICJWSF 2005), p.623 - 627, 2005/10
温度の異なる流体が混合することにより生じる温度変動により、構造材内部に熱疲労が発生する現象(サーマルストライピング現象)を評価することは重要な課題である。特に、振幅の大きな温度変動が高い繰り返し数で構造材に作用すること(高サイクル熱疲労)に対して十分考慮する必要がある。また、比較的低い周波数の流体温度ゆらぎは、構造材に対する影響が大きいため、T配管合流部の設計を行う際には、これら高振幅成分と低周波成分の発生条件に対して十分考慮する必要がある。そこで核燃料サイクル開発機構では、T字配管合流部設計の自由度を広げる観点より、流体温度ゆらぎの高振幅成分と低周波成分を積極的に低減させることが可能な流体混合促進機構(乱流プロモータ)に関する基礎研究を行っている。本報では、当該基礎実験を対象とした実験解析結果について報告する。本研究では、乱流プロモータによる混合促進効果の有効性の確認と特性の一般化を図ることを目的とし、さらに、高速炉プラント設計の合理化に資することを目的としている。本報告では、準直接シミュレーションコード(DINUS-3)を用い、この基礎実験を対象とした実験解析を実施し、数値シミュレーションにより流れ場を再現できることを確認すると共に、乱流プロモータの混合促進効果の有効性について検討を行った。