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木崎 寛之*; 和田 眞一*; 佐古 恵里香*; 隅井 良平*; 輪木 覚*; 漁 剛志*; 関谷 徹司*; 関口 哲弘; 田中 健一郎*
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.447 - 451, 2005/06
被引用回数:5 パーセンタイル:27.30(Spectroscopy)光刺激イオン脱離(PSD)法により放射光励起プロセスにおける内殻電子励起後の電子緩和,解離,脱離に至る機構がより詳細に調べられてきた。放射光のエネルギー可変性を使い内殻共鳴励起を引き起こすことにより特定の化学結合の切断を誘起できる可能性が示されて以来、放射光励起プロセスはさらに大きな興味がもたれてきた。本研究は放射光の励起エネルギー可変による選択性に加え、Au(111)表面上に制御して吸着された自己組織化(SAM)配向膜の結合軸にX線の偏光ベクトルを一致させることによりさらなる選択励起を目指した。ランダム配向であるPMMAポリマー薄膜に比較し、SAM膜は約4倍高い反応選択性を示した。実験結果は直接解離過程と2次電子による間接過程が関与している反応機構により考察された。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; 吉田 茂生*; 田中 良平*; 脇坂 雅志*; 中尾 誠*; 佐藤 聡; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.58 - 61, 2004/03
核融合施設の天井から漏洩した放射線が空気と散乱して、施設周辺の地上に到達する、いわゆるスカイシャンは、核融合施設周辺の放射線安全に最も重要な項目の一つである。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャインの実験を2002年3月と2003年3月の2回にわたって実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を測定した。2002年3月の実験ではHe-3レムカウンタを用いて線源から550mまでの中性子線量率分布と200mまでの2次線スペクトルを大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器で測定した。2003年3月の実験ではFNS建屋周辺において、NE213シンチレーション検出器を用いた中性子スペクトル測定とBGOシンチレータ検出器を用いた2次線スペクトル測定を実施した。測定された結果は、JENDL-3.3を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4C)とよく一致し、MCNPによる計算がスカイシャインによる線量を十分な精度で評価できることを確認した。
吉田 茂生*; 西谷 健夫; 落合 謙太郎; 金子 純一*; 堀 順一; 佐藤 聡; 山内 通則*; 田中 良平*; 中尾 誠*; 和田 政行*; et al.
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.637 - 641, 2003/09
被引用回数:9 パーセンタイル:53.15(Nuclear Science & Technology)核融合炉からのスカイシャインは炉の安全の評価上重要であるが、これまでD-T中性子に対するスカイシャインの実験的評価はほとんどなかった。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャイン実験を実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を線源から 550mまでの範囲で測定した。中性子に対しては、He-3レムカウンタ,BF-3比例計数管,線に対しては、大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器を使用した。測定された線量は中性子がほとんどを占め、1.710n/sの発生率に対し、線源から150m及び400mでそれぞれ0.1Sv/h,0.01Sv/hであった。またJENDL-3.2を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4B)と比較した結果、150mまでは、実験値とよく一致することがわかった。また空中に打ち上げられた中性子を線上中性子源とみなす解析モデルは非常によく実験値を再現することがわかった。2次線に関しては6MeVの高エネルギー線が主になっており、スカイシャイン中性子が地中で起こすSi(n,)反応によると考えられる。
田中 良平*; 落合 謙太郎; 中尾 誠*; 山内 通則*; 堀 順一; 和田 政行*; 佐藤 聡; 西谷 健夫
JAERI-Tech 2003-063, 62 Pages, 2003/07
原研FNSにおいて天井に設けられているスカイシャインポートを開放した状態でD-T中性子のスカイシャイン実験を実施し、2次線の測定を行った。NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いて、中性子発生源から最大300mまで測定を行った。それにより得られた実験データをアンフォールディングしてフラックスを求め、それに線量当量換算係数を掛け合わせ線量率を算出した。この線量率をモンテカルロコードMCNP-4Bによるシミュレーション計算により得られた値と比較した結果、実験値と計算値は20%内で一致した。この測定で得られた線量率から300mまでではあるが半経験式の導出を行った。また高純度Ge半導体検出器を用いて発生中性子に起因する建屋依存による周辺での2次線核種同定の測定を実施した。その結果、建屋構造材に使用されている鉄からのピークを検出した。また、水素,ケイ素の放射捕獲反応によるピークが検出されたことから、2次線の発生源はこれまで考えられていた中性子と空気との散乱反応よりむしろ、土等によるスカイシャイン中性子の放射捕獲反応が主になっていることを示唆する結果を得た。
西谷 健夫; 落合 謙太郎; 吉田 茂生*; 田中 良平*; 脇坂 雅志*; 中尾 誠*; 佐藤 聡; 山内 通則*; 堀 順一; 高橋 亮人*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 79(3), p.282 - 289, 2003/03
核融合炉からのスカイシャインは炉の安全の評価上重要であるが、これまでD-T中性子に対するスカイシャインの実験的評価はほとんどなかった。そこで原研の核融合中性子源FNSを用いてD-T中性子に対するスカイシャインの実験を実施した。FNS第一ターゲット室の天井のスカイシャインの実験用遮蔽ポート(1m1m)を開放し、上空向かって中性子を打ち上げ、散乱中性子及び2次線の分布を線源から 550mまでの範囲で測定した。中性子に対しては、He-3レムカウンタ,BF-3比例計数管、線に対しては、大形NaIシンチレータ検出器及びGe半導体検出器を使用した。測定された中性子線量分布に対し、JENDL-3.2を用いたモンテカルロ計算(MCNP-4B)と比較した結果、230mまでは、実験値とよく一致することがわかった。遠方における差異の原因としてはレムカウンターの感度のエネルギー依存性に問題があると考えている。また空中に打ち上げられた中性子を線上中性子源とみなす解析モデルは150mまでよく実験値を再現することがわかった。本実験においては、2次線による線量は、中性子による線量の1/50であり、MCNPによる計算と良く一致した。以上により、MCNPによる計算はスカイシャインによる線量を十分な精度で評価できることがわかった。
和田 眞一*; 隅井 良平*; 漁 剛志*; 輪木 覚*; 佐古 恵理香*; 関口 哲弘; 関谷 徹司*; 田中 健一郎*
Surface Science, 528(1-3), p.242 - 248, 2003/03
被引用回数:45 パーセンタイル:84.35(Chemistry, Physical)内殻軌道電子が特定原子に局在しているため放射光エネルギーを共鳴励起準位に合わせることにより励起された原子近傍の結合解裂が促進されると期待される。ポリメチルメタクレートポリマー,水素置換メチル基,重水素置換メチル基,エチル基を持つ硫黄系自己組織化膜(SAM)を金基板に吸着した試料を放射光照射した。パルス放射光を組合せた回転型飛行時間質量分析法により生成物を測定した。全ての分子において側鎖だけを選択的に光分解できることがわかった。また放射光の偏光角度を SAM分子の主骨格の角度に合わせたとき反応選択性が最も向上するという新しい現象が見いだされた。
和田 眞一*; 佐古 恵理香*; 隅井 良平*; 輪木 覚*; 漁 剛志*; 関口 哲弘; 関谷 徹司*; 田中 健一郎*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 199, p.361 - 365, 2003/01
被引用回数:11 パーセンタイル:59.22(Instruments & Instrumentation)内殻軌道電子が特定原子に局在しているため放射光エネルギーを共鳴励起準位に合わせることにより励起された原子近傍の結合解裂(「サイト選択光分解」)が促進されると予想される。ポリマー(ポリメチルメタクレート,PMMA)薄膜,PMMAの類似モノマーであるメチルイソブチル酸エステルの凝集薄膜及びPMMAに類似した自己組織化単分子(SAM)薄膜(HS(CH)COOCH)の放射光照射を行い分子環境の変化及び光偏光角度の変化が及ぼす分解反応の選択性への影響を調べた。ポリマー薄膜と単分子薄膜はサイト選択分解が起こるのに対し凝集薄膜では選択分解は起こらない。またSAM膜では顕著な偏光角度依存性が観測された。分子環境が反応選択性に大きく影響することが見いだされた。
田中 良平*; 近藤 達男
Nuclear Technology, 66, p.75 - 87, 1984/00
被引用回数:38 パーセンタイル:94.43(Nuclear Science & Technology)過去10年にわたる多目的高温ガス炉の開発推進の中で、原研における原子炉用耐熱合金の改良開発ならびに工学技術院原子力製鉄開発のいわゆる大プロの二つの研究の流れがある。それぞれが独創性の高い成果を挙げたが、昭和57年度に両者を合体して原研中心の新しい原子炉用耐熱合金の開発がはじまった。原研の研究は評価の方法論と、合金のヘリウム環境適合性を高める方法に開発で特色があり、工技院計画はそれまでの我国に耐熱合金技術の潜在力を吟味して定量化し、特に高強度材料の選定で成果があった。両者を合体した計画の特色は、強度、耐食性、及び組織安定性が平衝し、しかも我国独自に二つの発明(1)Cr-Mnスピネル酸化膜防食法、(2)相析出強化性Ni-Cr-W系合金をとり入れたものである。