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藤原 一成*; 伊東 賢伸*; 笹沼 美和*; 田中 英朗*; 広谷 浄*; 鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀; 雨澤 博男*
Transactions of the 20th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-20) (CD-ROM), 8 Pages, 2009/08
現在国内では、原子力発電所の高経年化に対する関心が高まっている。しかしながら、原子力発電所を構成するコンクリートに及ぼす放射線照射の影響については、研究例や実測例が非常に少ないのが現状である。そこで、放射線照射がコンクリートの基本的な材料特性に及ぼす影響を確認するため、JMTRにおいてコンクリート試験体への照射試験を行った。JMTRでの照射試験では、照射中のコンクリート試験体の温度は原子力発電所の設計規定値である65C以下を満足し、高速中性子照射量は、代表的BWR型原子力発電所の原子炉圧力容器外側における60年相当の照射量を十分に超える1210n/cm(E0.1MeV)を与えることができた。照射後のコンクリート試験体を用いた圧縮強度試験の結果、基本的な環境で養生したコンクリート試験体とほぼ同等の圧縮強度が得られた。また、試験体の水分量を測定した結果、結合水量に照射前後で変化は見られなかった。以上より、本実験における照射量の範囲では、放射線照射がコンクリートの基本的な材料特性に大きな影響を及ぼさないことを確認した。