検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 50 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Changes in sulfur metabolism in mouse brains following radon inhalation

神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; Sun, L.*; 田中 裕史; 大津 厳生*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(17), p.10750_1 - 10750_14, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

活性イオウ分子種(RSS)は、酸化ストレスに深く関連して抗炎症作用があると報告されているが、放射線被ばく後のRSSの変化についてはまだわかっていない。そこで、本研究では、ラドン吸入後のマウス脳中のRSSに注目し、関連代謝物を網羅的に解析した。その結果、酸化型グルタチオンと還元型グルタチオンの割合、グルタチオンおよびシステインのRSSの割合はラドン吸入によって増加した。本研究でのラドン曝露は非常に低線量であったが、その酸化ストレス下でイオウイオンがグルタチオンやシステインに結合したと考えられる。また、我々は、機械学習を用いた代謝物の変化の総合的な評価により、ラドン吸入による特徴的な変化を明示した。本研究の結果は、RSSがラドン吸入の酸化ストレスに対する生体防御機構をもたらす可能性を示唆した。

論文

Potential inhibitory effects of low-dose thoron inhalation and ascorbic acid administration on alcohol-induced hepatopathy in mice

片岡 隆浩*; 石田 毅*; 直江 翔太*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 63(5), p.719 - 729, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:47.19(Biology)

Although thoron inhalation has antioxidative effects on several organs, there are no reports that thoron inhalation inhibits oxidative stress-induced damage. In the present study, we examined the combined effects of thoron inhalation and ascorbic acid (AA) administration on alcohol-induced liver damage. The mice were subjected to thoron inhalation at 500 or 2000 Bq/m$${^3}$$ and were administered 50% ethanol (alcohol) and 300 mg/kg AA. The results showed that although alcohol administration increased the levels of glutamic oxaloacetic transaminase (GOT) and glutamic pyruvic transaminase (GPT) in the serum, the combination of thoron inhalation (500 Bq/m$${^3}$$) and AA administration 24 h after alcohol administration effectively inhibited alcohol-induced liver damage. In conclusion, combination of thoron inhalation at 500 Bq/m$${^3}$$ and AA administration indicated an early recovery from alcohol-induced liver damage probably due to the increase of CAT activity.

論文

Radon solubility and diffusion in the skin surface layer

迫田 晃弘; 石田 毅*; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(13), p.7761_1 - 7761_12, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

ラドン温泉の入浴のような温泉水中のラドン濃度が空気中よりも著しく高い状況においては、皮膚を通じたラドンの摂取が起こるため、より正確な線量評価には本経路を考慮すべきであると考えられている。本研究の目的は、皮膚表面層(角質層)に着目して、皮膚中のラドン分布と拡散の程度を明らかにすることである。角層での拡散理論を含む体内動態モデルを作成し、その重要なパラメータである角層へのラドン溶解度を測定した。モデル計算により、角質層におけるラドンの拡散係数は、一般的なラドン難透過シートと同程度に低いことが示された。入浴20分間後の皮膚中ラドンの深さ分布について、皮膚最表面のラドン濃度は表皮・真皮層の1000倍ほど高いことがわかった。ラドンの位置情報は、皮膚に特定の標的細胞を想定するような線量評価に貢献すると考えられる。

論文

Radon inhalation decreases DNA damage induced by oxidative stress in mouse organs via the activation of antioxidative functions

片岡 隆浩*; 首藤 妃奈*; 直江 翔太*; 矢野 準喜*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 花元 克巳*; 光延 文裕*; 寺東 宏明*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.861 - 867, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:55.27(Biology)

Radon inhalation decreases the level of lipid peroxide; this is attributed to the activation of antioxidative functions. This activation contributes to the beneficial effects of radon therapy, but there are no studies on the risks of radon therapy, such as DNA damage. We evaluated the effect of radon inhalation on DNA damage caused by oxidative stress and explored the underlying mechanisms. Mice were exposed to radon inhalation at concentrations of 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ (for 1, 3, or 10 days). For example, the 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine levels decreased in the kidneys of mice that inhaled 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ radon for 1, 3, or 10 days. However, the level of Mn-superoxide dismutase (SOD) increased by 15-45% in kidney following radon inhalation. These results suggest that Mn-SOD probably plays an important role in the inhibition of oxidative DNA damage.

論文

Dosimetry of radon progeny deposited on skin in air and thermal water

迫田 晃弘; 石森 有; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 62(4), p.634 - 644, 2021/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:38.06(Biology)

大気中の放射能濃度、皮膚の標的細胞、皮膚を覆う物質、沈着速度など多くの関連パラメータに不確実性はあるが、ラドン子孫核種からの皮膚線量は無視できるほど小さくはなく、通常の環境下においても生体影響の可能性はあり得るとされている。一方で、ラドンに富む温泉水に皮膚をさらすことで、免疫反応が起こり有益な健康効果が得られるという興味深い報告がなされた。本研究の目的は、リスクや効能の評価の観点から、空気や水に含まれるラドン子孫核種の皮膚沈着に着目して、一般的な線量係数を求めることである。そこで我々はまず、最新のヒト研究のデータに基づいて、2つの媒体におけるラドン子孫核種の皮膚沈着速度を推定した。次いで、アルファ線源の位置と標的細胞(基底細胞またはランゲルハンス細胞)に関する異なる仮定の下で、皮膚線量の計算を行った。さらに、「ラドン被ばく」に関連するすべての被ばく経路からの実効線量に対するラドン子孫沈着の影響について、様々な曝露シナリオを用いて評価した。その結果、いずれの媒体(空気と水)においても、ラドン子孫核種の吸入による実効線量は、他の被ばく経路よりも1桁から4桁高いことがわかった。さらに、水中のラドン濃度が空気中よりも2桁以上高い場合には、皮膚への吸収線量が全経路の中で最も高くなる可能性が示された。

論文

Evaluation of the redox state in mouse organs following radon inhalation

片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 首藤 妃奈*; 矢野 準喜*; 直江 翔太*; 田中 裕史; 花元 克巳*; 寺東 宏明*; 光延 文裕*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(2), p.206 - 216, 2021/03

AA2020-0273.pdf:1.2MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:61.83(Biology)

ラドン吸入はマウス臓器の抗酸化機能を活性化させ、酸化ストレスに誘導されたダメージを抑制する。そこで、本研究では、ラドン吸入後の臓器中のレドックス状態を評価した。2, 20kBq/m$$^{3}$$のラドンを1, 3, 10日間マウスに吸入させ、主成分分析や相関の変化から、抗酸化機能と酸化ストレスの関係を評価した。本研究の結果は、臓器特有のレドックス状態に依存してラドン吸入後の臓器のレドックス状態が変化したことを示唆した。

論文

Methodology for simple spot measurement of equilibrium equivalent radon concentration

迫田 晃弘; 石森 有; 神崎 訓枝; 田中 裕史

Radiation Protection Dosimetry, 191(4), p.383 - 390, 2020/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.16(Environmental Sciences)

短寿命ラドン子孫核種の吸入に伴う実効線量の推定には平衡等価ラドン濃度が必須である。本研究ではスポット測定に焦点を当てて、単一のアルファ線グロスカウントから平衡等価ラドン濃度を定量する方法論を開発した。方法論の中心となる考え方は、フィルターに付着したラドン子孫核種が十分に壊変するまでアルファ線を計測することである。単一カウントから平衡等価ラドン濃度に変換する校正直線を理論的に求め、比較試験により妥当性を評価した。本方法の長所としては、使用機器や測定・解析手法に関する要求があまり高くない点があげられる。また本手法は、様々な現場における作業者等のひとつのオプションを提供することができる。

論文

Comparison of antioxidative effects between radon and thoron inhalation in mouse organs

小橋 佑介*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 石田 毅*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Radiation and Environmental Biophysics, 59(3), p.473 - 482, 2020/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:40.94(Biology)

ラドン療法は古くから酸化ストレス関連疾患に用いられて、生体におけるラドン曝露の効果が研究されてきた。しかし、ラドンの同位体であるトロンの効果はまだ十分に調査されていない。本研究では酸化ストレスに注目して、マウス臓器におけるラドンやトロン吸入の生体影響を比較した。オスのBALB/cマウスを15グループに分けて(疑似吸入、ラドン吸入500Bq/m$$^{3}$$または2000Bq/m$$^{3}$$、トロン吸入500Bq/m$$^{3}$$または2000 Bq/m$$^{3}$$)、吸入後すぐに、生化学分析のために様々な組織を採取した。その結果、いくつかの条件下でトロン吸入によってスーパーオキシドディスムターゼや総グルタチオン量が有意に増加し、過酸化脂質量が有意に減少した。加えて、ラドンとトロンの間で異なる濃度と吸入時間で同様の効果が見られ、トロン吸入も酸化ストレスに対して抗酸化機能を高めることが示唆された。しかしながら、ラドンとトロンの性質の差を考えた慎重な解析評価が必要である

論文

同位体をトレーサとしたラドン子孫核種の体内動態に関する研究

迫田 晃弘; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*

日本健康開発雑誌, (40), p.90 - 94, 2019/06

ラドン温泉の影響効果の評価には、曝露量として被ばく線量が求められる。本研究では、吸入ラドン(Rn-222)が体内で生成した子孫核種の臓器分布を検討するために、ラドン子孫核種(Pb-214)のトレーサとしてラドンの同位体トロン(Rn-220)の子孫核種(Pb-212)に着目し、マウスへのトロン曝露とPb-212の体内分布に係る実験を行った。トロン線源としてマントルを用意し、これを通過した空気を飼育ケージに導入することで、トロン雰囲気を作製した。トロンをマウスに曝露した後、血液・肝臓・腎臓・筋肉を採取した。試料は、ガンマ線スペクトロメトリにより放射能分析を行った。その結果、血液・肝臓・腎臓・尿中のPb-212濃度は概ね同じオーダーで、糞はその一桁高かった。今回の曝露条件で、概ね臓器中のPb-212を有意に検出できることがわかった。また、今後の実験結果の精度向上に向けて、飼育ケージ内でトロンの壊変により生成されたPb-212の各種表面への付着の影響などを検討する必要もあることがわかった。

論文

Protective effects of hot spring water drinking and radon inhalation on ethanol-induced gastric mucosal injury in mice

恵谷 玲央*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 田口 勇仁*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 58(5), p.614 - 625, 2017/05

 被引用回数:13 パーセンタイル:53.9(Biology)

ラドン($$^{222}$$Rn)ガスを用いたラドン療法は、ラドンガスの吸入とラドンを含む水の摂取の2種類の治療に分類される。温泉水の短期または長期の摂取は胃粘膜血流を増加させ、温泉水治療が慢性胃炎および胃潰瘍の治療に有効であることはわかっているが、粘膜障害に対するラドンの正確な影響やそのメカニズムは不明である。本研究では、マウスのエタノール誘導胃粘膜障害に対する温泉水摂取およびラドン吸入の抑制効果を検討した。マウスを用いて、ラドン2000Bq/m$$^{3}$$を24時間吸入、または温泉水を2週間摂取させた。水中$$^{222}$$Rn濃度は、663Bq/l(供給開始時)から100Bq/l(供給終了時)の範囲にあった。その後、マウスに3種類の濃度のエタノールを経口投与させた。粘膜障害の指標である潰瘍指数(UI)は、エタノールの投与量に依存して増加した。しかし、ラドン吸入または温泉水による処理は、エタノールによるUIの上昇を抑制した。ラドン処理群と無処理対照群では抗酸化酵素の有意差は認められなかったが、ラドンまたは温泉水で事前処理したマウスの胃の過酸化脂質レベルは有意に低かった。これらの結果は、温泉水摂取とラドン吸入がエタノール誘導胃粘膜障害を抑制することを示唆している。

論文

Measurements of radon activity concentration in mouse tissues and organs

石森 有; 田中 裕史; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*; 光延 文裕*

Radiation and Environmental Biophysics, 56(2), p.161 - 165, 2017/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:38.06(Biology)

吸入ラドンの体内動態を検討するため、約1MBq/m$$^{3}$$のラドンに曝露されたマウスの組織・臓器におけるラドン濃度を測定した。血液中のラドン濃度は液体シンチレーションカウンタで、組織・臓器は井戸型高純度半導体ゲルマニウム検出器で測定した。ラドン1MBq/m$$^{3}$$に曝露されたとき、血液中濃度の飽和値は0.410$$pm$$0.016Bq/gであった。分配係数は、肝臓で0.74$$pm$$0.19、筋肉で0.46$$pm$$0.13、脂肪組織で9.09$$pm$$0.49、その他臓器で0.22$$pm$$0.04であった。ラドンの体内動態モデルで上記結果を再現することにより、血液-空気間の分配係数は0.414と評価した。ラドン曝露中の血液中濃度の時間変動も評価した。また、本研究と先行研究の結果を詳細に比較検討した。

論文

One-year measurements of $$gamma$$-ray background using a high-purity germanium detector

迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有

保健物理, 51(4), p.245 - 250, 2016/12

本研究では、高純度ゲルマニウム半導体検出器による$$gamma$$線バックグラウンドを年間測定した。この結果、$$gamma$$線カウント($$^{214}$$Pb, $$^{214}$$Bi)と室内ラドン濃度の間に相関はなかった。これは、窒素ガスを検出器周辺へ導入することで、ラドンが十分に除去されていることを示している。また、主な天然核種のカウントは、年間を通じて数%$$sim$$数十%変動していたが、特徴的な季節変動はみられなかった。さらに、一年間で得られた全ての$$gamma$$線スペクトルを加算すると、通常の短時間測定では検出されない中性子誘導$$gamma$$線のピークが観察された。本研究で得られたデータは、$$gamma$$線スペクトロメトリの実践に有用な情報を与えると考えられる。

論文

原子力機構人形峠で観測された降雨雪による空間線量率変動の解析

田中 裕史; 迫田 晃弘; 安藤 正樹; 石森 有

保健物理, 51(2), p.107 - 114, 2016/06

日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターでは、空間線量率の監視や気象観測を常時行っている。本研究では、2014年4月$$sim$$2015年3月における降雨雪による空間線量率の変動を評価した。原子力機構人形峠では、冬季の積雪が多いという地域的特徴がある。概ね月1回の頻度で一定時間、降雨雪を採取し、ラドン子孫核種濃度を測定した(全17事例)。測定結果を用いて空間線量率の変動を計算した結果、観測値と比較的良い一致がみられた(4例を除く)。この4例のうち2例は、後方流跡線解析より降水採取前後での子孫核種濃度の変化が示唆され、これが不一致の原因と考えられた。他の2例は、雨水の地表からの流出によると考えられた。

論文

Difference in the action mechanism of radon inhalation and radon hot spring water drinking in suppression of hyperuricemia in mice

恵谷 玲央*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 57(3), p.250 - 257, 2016/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:46.3(Biology)

本研究では、ラドン療法の適応症である高尿酸血症について、吸入と飲泉による抑制効果を比較検討した。マウスにラドン吸入または飲泉させた後、オキソン酸カリウムを投与して高尿酸血症を誘導した。この結果、吸入と飲泉のいずれもキサンチンオキシダーゼ活性が抑制され、血清尿酸値の上昇も有意に抑えられた。また、ラドン吸入では肝臓と腎臓の抗酸化機能の亢進がみられた。高尿酸血症の抑制効果には、ラドン吸入では抗酸化機能の亢進が、飲泉では温泉水中の化学成分による薬理作用がそれぞれ寄与していることが示唆された。

報告書

極微量ウラン影響効果試験,2;(共同研究)

石森 有; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 恵谷 玲央*

JAEA-Research 2015-024, 41 Pages, 2016/03

JAEA-Research-2015-024.pdf:3.11MB

岡山大学と日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター(原子力機構人形峠)は、低線量放射線域でのラドン吸入に起因する影響効果に係る共同研究を実施している。岡山大学病院三朝医療センターは臨床的な知見に基づく研究課題設定を、岡山大学大学院保健学研究科は研究管理および生体応答評価を、原子力機構人形峠はラドン吸入試験設備の開発、ラドン濃度の制御、ラドンの体内挙動・線量評価をそれぞれ分担することとした。平成21年度から平成25年度は、ラドン温泉の適応症とされる活性酸素種関連疾患のモデルマウスなどで、ラドン吸入等による生体応答を確認し、その結果を解析評価することで、ラドン温泉の効果の機構解明を進め、同時に、吸入ラドンによる生体応答を定量的に議論し、また、リスクと比較して議論するため、吸入ラドンのマウスでの体内動態について把握し、各臓器・組織での吸収線量と関連付けて評価する方法について検討し、以下の成果を得た。(1)本研究の課題設定にあたり、温泉水の飲用効果について文献調査した。(2)ラドン吸入試験設備の機能を活用して作製したラドン水による飲泉試験を実施した。本飲泉条件下では、温泉含有成分(ラドンを含む)による影響効果は確認できなかった。(3)肝臓と腎臓の酸化障害の緩和症状について、事前の抗酸化物質(ビタミンC, ビタミンE)の投与とラドンの吸入効果を肝・腎機能などの観点から比較検討した。(4)吸入ラドンによる生体応答を定量的に議論するため、前期に引き続き、吸入ラドンの体内動態を評価解析した。(5)ラドンまたはその子孫核種の吸入で考えられる被ばく経路について、各経路におけるマウスの臓器線量を計算し、比較検討した。

報告書

極微量ウラン影響効果試験(共同研究)

石森 有; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 大和 恵子*; 西山 祐一*

JAEA-Research 2013-005, 60 Pages, 2013/06

JAEA-Research-2013-005.pdf:4.49MB

岡山大学と日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターは、低線量放射線域でのラドン吸入に起因する影響効果にかかわる共同研究を実施している。岡山大学病院三朝医療センターは、臨床的な知見に基づく研究課題設定を、岡山大学大学院保健学研究科は研究管理及び生体応答評価を、原子力機構人形峠はラドン吸入試験設備の開発、ラドン濃度の制御、ラドンの体内挙動・線量評価をそれぞれ分担することとした。平成19年度から平成23年度は以下の成果を得た。(1)本研究の課題設定にあたり、低線量域でのラドンの影響効果について文献調査した。(2)大規模な小動物のラドン吸入試験を目的とした国内初の大規模設備を開発した。(3)ラドンによる諸臓器の抗酸化機能の変化を知るうえで最も基本的な条件となる、ラドン濃度と吸入時間の関係について網羅的に検討した。(4)ラドン吸入に臓器中の抗酸化機能を亢進する効果を確認したことから、症状緩和が期待できる酸化障害への効果について疾患モデルマウスによる検討を行い、肝臓などでのアルコール等誘導酸化障害やI型糖尿病に対する抑制効果を確認した。(5)吸入ラドンによる生体応答を定量的に議論するため、吸入ラドンの体内動態を把握し、諸臓器・組織の吸収線量の評価方法について検討した。

論文

New result in the production and decay of an isotope, $$^{278}$$113 of the 113th element

森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10

 被引用回数:167 パーセンタイル:97.27(Physics, Multidisciplinary)

113番元素である$$^{278}$$113を$$^{209}$$Bi標的に$$^{70}$$Znビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の$$alpha$$崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知である$$^{262}$$Db及び$$^{258}$$Lrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が$$^{278}$$113, $$^{274}$$Rg (Z=111), $$^{270}$$Mt (Z=109), $$^{266}$$Bh (Z=107), $$^{262}$$Db (Z=105)及び$$^{258}$$Lr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である$$^{278}$$113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。

論文

Study of the response of superoxide dismutase in mouse organs to radon using a new large-scale facility for exposing small animals to radon

片岡 隆浩*; 迫田 晃弘; 石森 有; 豊田 晃章*; 西山 祐一*; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 52(6), p.775 - 781, 2011/11

 被引用回数:26 パーセンタイル:67.24(Biology)

新大型ラドン曝露設備を用いて、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性の線量あるいは線量率依存性について調べた。マウスに対して、ラドン濃度250, 500, 1000, 2000、あるいは4000Bq/m$$^{3}$$で、0.5, 1, 2, 4、あるいは8日間のラドン曝露を行った。その結果、2000日・Bq/m$$^{3}$$のラドン曝露群では、血漿,肝臓,膵臓,心臓,胸腺,腎臓のSOD活性で線量率効果が見られた。また、連続的なラドン曝露によってSOD活性は増大させるが、2日ほどで通常レベルへ戻ることもわかった。さらに、SOD活性の変化に基づいて、臓器を4つのグループ((1)血漿,脳,肺、(2)心臓,肝臓,膵臓,小腸、(3)腎臓,胸腺、(4)胃)に分類することができた。胸腺が最も高い反応性を持ち、胃が最も低かった。これからのラドン効果研究に向けて、本研究は有用な基礎データを提供する。

論文

Performance of the first Japanese large-scale facility for radon inhalation experiments with small animals

石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 迫田 晃弘*

Radiation Protection Dosimetry, 146(1-3), p.31 - 33, 2011/07

 被引用回数:12 パーセンタイル:66.82(Environmental Sciences)

さまざまなラドン環境での生物学的応答の相違に関する統計的妥当性を高めるために、小動物用のラドン試験施設を開発した。本論文では、その日本で最初の大規模施設の性能を示す。この施設では、一度におよそマウス150匹規模の試験が可能である。小動物のラドン曝露装置はそれぞれ5つの独立したケージを備えた6つの動物チャンバー群を有している。動物チャンバー群ごとに異なるラドン濃度が設定可能である。われわれの研究の当面の目標はラドンの体内挙動とその効果の調査であるため、主要な機能であるラドンの制御とトロンの除去について実験的に検討した。さらに、将来的な研究課題も見据えて、ケージ内のラドン子孫濃度と粒度分布についても実験的に検討した。

論文

Primary functions of the first Japanese large-scale facility for exposing small animals to radon

石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 迫田 晃弘*

保健物理, 45(1), p.65 - 71, 2010/03

日本原子力研究開発機構と岡山大学はラドンの詳細な身体への影響を調査するため、2007年から動物試験及び関連する研究を実施し、われわれの動物試験の統計上の確実性を増やすため日本で最初の大規模な小動物のラドン吸入試験設備を開発したので、本設備の性能について報告する。本設備ではマウス150匹規模で同時に異なるラドン濃度で吸入試験が可能である。ここでは、ラドン濃度の制御とトロンの除去について施設の基本性能を示した。より低いラドン濃度の場合では自然放射能の影響を受けるが、より高いラドン濃度においては、ラドン濃度の相対的な標準偏差はおよそ5%であった。

50 件中 1件目~20件目を表示