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中村 敦子*; 市川 和樹*; 小島 和明*; 大野 豊; 小林 泰彦; 田中 重雄*; 坂田 洋一*
no journal, ,
カドミウム(Cd)は強い毒性を有する重金属で、Cd汚染土壌の浄化にあたり、植物の環境浄化能が注目されている。植物のCd無毒化機構として、グルタチオン(GSH)から合成されるファイトケラチン(PC)が知られている。本研究では、植物における新たなCd耐性機構を解明することを目的とし、カーボンイオンビーム照射により得た変異体のスクリーニングを行い、シロイヌナズナのCd高感受性変異体()を単離した。これまでに、変異体はCd以外にも、水銀(Hg),亜鉛(Zn)に対し野生型よりも高感受性を示すことが明らかとなっている。また遺伝学的解析及び阻害剤実験から、変異体の原因遺伝子はPC合成酵素とは異なることが示唆されている。今回、変異体の地上部のCd含有量を測定した結果、野生型と有意な差がないことが判明し、cds1変異体の根から地上部へのCd輸送能には異常がないことが示された。またマッピングにより変異体の原因遺伝子は、第4染色体下腕の約300kbp領域に存在することが示唆された。この領域に含まれる遺伝子の1つは、プロモーター領域に大きな欠損があることが明らかとなった。