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藤野 威男*; 佐藤 修彰*; 山下 利之; 田川 博章*
Solid State Ionics, 49, p.201 - 210, 1991/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.7(Chemistry, Physical)UOとSrの固溶体SrUOは立方晶蛍石型構造の他に0.05≦y≦0.1、0.15≦x≦0.25の領域で菱面体晶をとる。そこで菱面体晶のSrUOの結晶構造解析を行なった。格子定数はa=7.7413、=59.31゜となり、立方晶蛍石型構造(=60゜)からわずかに歪んだものである。この結晶の空間群としては、R32、R3、R3mが考えられるが、本試料の粉末X線回折線の数は少なく、X線回折強度から各原子位置を決定することは困難である。そこで、固溶体をイオン結晶と仮定し、マデルング定数を最大とする条件から計算により酸素パラメータを求めた。得られた各原子位置を用いたX線回折強度の計算値と実測値との比較により、空間群はR3mであることがわかった。
藤野 威男; 大内 金二; 茂住 泰寛*; 上田 隆三*; 田川 博章*
Journal of Nuclear Materials, 174, p.92 - 101, 1990/00
被引用回数:25 パーセンタイル:89.09(Materials Science, Multidisciplinary)蛍石型相固溶体EuUOは真空中、1400Cでy=0.51まで単相で存在する。y=0.51と0.80の間では蛍石型相と菱面体相が2相共存する。菱面体相はy=0.8~0.9で単相で存在する。不定比EuUOの結晶構造と原子パラメータは定比のEuUOとほぼ同一である。EuUO(y=0.1および0.3)の酸素ポテンシャルの測定値は他の希土類元素が固溶した固溶体よりも大幅に高い。また、酸素ポテンシャルの急変位置がハイポ側におれることがわかった。菱面体晶系Eu U O(x0)の酸素ポテンシャルも測定し、エンタルピー、エントロピーの比較検討を行った。
藤野 威男; 山下 利之; 田川 博章*
Journal of Solid State Chemistry, 73, p.544 - 555, 1988/00
被引用回数:12 パーセンタイル:53.71(Chemistry, Inorganic & Nuclear)-SrUO,UO,UO混合物ペレットをヘリウム気流中ないしは、真空中で加熱し、固溶体SrUOをつくった。ヘリウム中1300~1400Cに加熱した試料はy値として0.3近くまで立方晶系FCC相をつくる。しかし,1200C加熱試料ではx値が大きいため0.06≦y≦ca.0.10で、方晶系から僅かに歪んだ菱面体晶系化合物を生じる。x値およびウラン酸化状態はy=0.03,0.06,0.09で大きく変化し、これはストロンチウム原子の段階的な規則化によるものと考えられる。
山下 利之; 藤野 威男; 田川 博章
Journal of Nuclear Materials, 132, p.192 - 201, 1985/00
被引用回数:21 パーセンタイル:89.56(Materials Science, Multidisciplinary)UO-PrO-O 三元系における相関系と欠陥構造を1200から1500Cの温度範囲で調べた。空気中、ヘリウム中及び真空中で加熱した試料の相と組成をX線回折法及び化学分析法で分析した。螢石型構造を有する固溶体と菱面体構造相及びA型希土類二三酸化物相の存在領域を定めた。PryUyOと表される固溶体の単相領域での格子定数は、次の様に、とyの一次式で表されることがわかった。a=5.4704-0.127-0.007y,≧0 および a=5.4704-0.397-0.007y,0。ウランの平均原子価及び酸素欠陥の種類は、相の安定性及び格子定数変化に対し、重要な役割を果たすことが見出された。
田川 博章; 藤野 威男; 渡辺 賢寿*; 中川 由美子*; 斉田 幸二*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 54(1), p.138 - 142, 1981/00
被引用回数:15 パーセンタイル:69.29(Chemistry, Multidisciplinary)Ce-U-O系の混合酸化物の相関系を熱重量法、X線回折法によって調べた。空気中で製した混合酸化物の組成はyCeO+(1-y)UOで与えられる。X線回折によると、空気中1100Cで製した混合酸化物はy0.6ではCeUOとUOの混合物であり、y≧0.6では均一相の固溶体であった。この混合酸化物を空気中で熱すると500C以上で酸素を一部失う。水素還元すると反応は2段に分れ、第1段はMOMO、第2段はMOMOになる。生成物の組成はyCe+(1-y)UOで与えられる。格子定数はy0.5とy0.6では組成に対して別の関係になった。
藤野 威男; 田川 博章*; 安達 武雄
Journal of Nuclear Materials, 97, p.93 - 103, 1981/00
被引用回数:18 パーセンタイル:87.29(Materials Science, Multidisciplinary)UOの不定比性をいろいろな条件下でしらべた。金属ウランを空気中で酸化し、除冷して得たUO相のO/U比は一般に大きい。また反応容器に蓋をして加熱したものは900~950CにO/U比のピークを示す。しかし、UOの酸化によって得たUO相には、このピークは現れず、組成も一般に小さい。金属ウランにより得たUO相には加熱曲線と冷却曲線の間にヒステリシスがみられ、これより平衡には24時間以上の加熱をくり返す必要があることがわかった。組成にピークが現れる試料のX線回折線には相以外の回折線が存在し、新しい相の存在が示唆された。
山下 利之; 藤野 威男; 正木 典夫; 田川 博章*
Journal of Solid State Chemistry, 37, p.133 - 139, 1981/00
被引用回数:16 パーセンタイル:59.51(Chemistry, Inorganic & Nuclear)および-CdUOの結晶構造を粉末X線回折法により定めた。-CdUOは菱面体晶系、空間群Rm,格子定数a=6.233(3)=36.12(5)度,Z=1であり、-CdUOは底心斜方晶系、空間群Cmmm、格子定数a=7.023(4),b=6.849(3),c=3.514(2)であった。 両相における各原子の位置は次の通りである。 -CdUO:1U(0,0,0),1Cd(1/2,1/2,1/2),2O(1)(u,u,u),2O(2)(v,v,v),u=0.113,v=0.350 -CdUO:2U(0,0,0;1/2,1/2,0),2Cd(1/2,0,1/2;0,1/2,1/2),4O(1)(0,y,0;1/2,1/2y,0),4O(2)(x,0,1/2;1/2x,1/2,1/2),x=0.159,y=0.278 -CdUOにおいて、U-O(1)距離は1.91であり、直線状ウラニル(UO)鎖はC軸方向に延びる。一方、-CdUOにおけるU-O(1)距離は1.98であり、通常のウラニル結合距離よりも長い。
田川 博章*; 藤野 威男
Inorg.Nucl.Chem.Lett., 16(2), p.91 - 96, 1980/00
一ウラン酸カドミウムCdUOのおよびの相転移を酸素不定比性との関連において調べた。空気中で加熱すれば-CdUOは680Cにおいて一旦CdUOまで還元されるが、-CdUOへの相転移が起こると同時に酸化される。この転移は不可逆である。の相転移は920Cで起こり、酸素量はCdUOからCdUOに変わる。の相転移は可逆的であるが、転移速度は非常に小さい。
田川 博章*; 藤野 威男
Inorg.Nucl.Chem.Lett., 16(2), p.91 - 96, 1980/00
被引用回数:3 パーセンタイル:16.38(Chemistry, Inorganic & Nuclear)抄録なし
内藤 奎爾*; 辻 利秀*; 大内 金二; 矢幡 胤昭; 山下 利之; 田川 博章
Journal of Nuclear Materials, 95, p.181 - 184, 1980/00
被引用回数:13 パーセンタイル:77.12(Materials Science, Multidisciplinary)二酸化プルトニウムの電気伝導度を温度950~1100C、酸素分圧2.110~10Paの範囲で測定した。酸素分圧の関数としての電気伝導度変化には、極小値と、それに伴うn型からp型伝導への転移が見られる。この極小値は、不純物によるものと考えられるが、酸素過剰組成のPuOの存在する可能性も除外できない。電気伝導度の極小値の温度依存性から、固有のバンドギャップとして2.5eVが得られた。n型伝導領域におけるlog-logPoプロットの傾きは、-1/4.99(950C)、-1/4.72(1000C)、-1/4.77(1050C)、-1/4.81(1100C)であり、以前に報告されている値とよく一致する。また、この領域おける格子欠陥は、イオン化された酸素空孔が適当であると思われる。
室村 忠純; 田川 博章*
Journal of Nuclear Science and Technology, 17(1), p.57 - 66, 1980/00
被引用回数:6 パーセンタイル:58.22(Nuclear Science & Technology)炭化反応工程を経て酸化物からUNを製造する方法を報告する。UOはいったんUCまたはUCに転換し、これらを1400~1750CでNH気流、またはH+N気流と反応した。UNは炭化物から、(1)遊離炭素の析出反応,(2)二相領域(UNC+C)中での遊離炭素の析出および脱炭反応過程,(3)三相領域(UNC+C+N)中での遊離炭素の脱炭反応過程,(4)二相領域(UNC+N)中での結合炭素の脱炭反応過程、を経て生成する。得られたUN中には不純物炭素と酸素を合せて0.05~0.10wt%含まれていた。反応を短時間で完了するためには、UOからUCを経てUNを製造すると良い。
藤野 威男; 田川 博章
Analytica Chimica Acta, 107, p.365 - 371, 1979/00
被引用回数:3アルカリ土類金属を使った酸化重量法の適用性を3元系ウラン酸化物M-U-O(M=La,Ce,Th)について調べた。方法はMgOあるいはBaUOを酸化物試料と混合し、空気中適当な条件下で加熱する。アルカリ土類金属の共存下において加熱すれば、反応によってウランは完全に6価まで酸化されるから、反応前後の重量を測定すれば試料の酸素量が求められる。LaUOの酸素はMgOの添加によりy=0.8までx値の標準偏差0.006で定量された。ThyUOの酸素はBaUOの添加によりy=0.8までx値の標準偏差0.01で定量された。CeO-UO系についても分析を行った。
室村 忠純; 田川 博章
Journal of Nuclear Materials, 80(2), p.330 - 338, 1979/00
被引用回数:14UOとCの混合物をNH気流もしくはH-N混合気流中で1400~1600Cで反応し、UNの生成速度を測定した。反応は、UOの還元窒化および炭素の水素化反応に分けられた。UOの還元窒化反応速度は炭素の水素化反応速度より大きい。したがってUNの生成速度は炭素の水素化速度に支配される。
室村 忠純; 田川 博章
Journal of Nuclear Materials, 79(1), p.264 - 266, 1979/00
被引用回数:23UNの格子定数におよぼす炭素(0.0009~0.067wt%)酸素(0.011~0.094wt%)の影響をしらべた。格子定数は炭素量の増加に伴い大きくなる。酸素量は影響を与えない。この結果、UNの格子定数は0.48883mmと結論できた。
館野 淳; 藤野 威男; 田川 博章
Journal of Solid State Chemistry, 30(3), p.265 - 273, 1979/00
被引用回数:16固溶体MgUOの熱力学的性質をマグネシウムの低濃度領域において、固相電池を用いてしらべた。起電力の値は850~1050Cの間で温度変化に対して直線的に変化することが見出された。このことより、Goが温度に関して直線関係にあり、SO、HOが温度に無依存であることが分かった。そしてこれらの熱力学量をxおよびyの関数として求めた。実験より得られたSOの値が、前論文において導出された理論値と一致することが判明した。固溶したマグネシウムのGoにおよぼす影響は、UOのGoの値を用いて次の式で示される。-Go(MgUO)=-Go(UO)-0.0035Tln(1+0.07√y/x)-60y.
藤野 威男; 田川 博章; 安達 武雄; 橋谷 博
Analytica Chimica Acta, 98(2), p.373 - 383, 1978/02
被引用回数:3ウラン酸化物及びウラン混合酸化物を定量するための新しい乾式法について述べた。アルカリ土類のウラン酸塩は通常、空気中800~1100Cでの反応で生成するが、その中のウランの原子価はアルカリ土類とウランとの原子比が、ある特定の連続領域内にあれば+6の状態にある。従って、いま定量しようとする酸化物試料にアルカリ土類のウラン酸塩あるいはMgOのようなアルカリ土類を含む塩を加えて空気中で過熱、反応させれば、反応前後の重量を測定することによって酸素量が求められる。定量値の精度は試料にUOを使い、吸湿の補正をした場合、x値として0.0008~0.001であった。
室村 忠純; 田川 博章
J.Am.Ceram.Soc., 61(1-2), p.30 - 35, 1978/02
被引用回数:22UO+2C+1/2NzによるUNの生成反応を1420C~1750Cの範囲でしらべた。生成する UN相の格子総数は、反応中極小と極大を経て純UNのそれになる。またUN相の組成は反応時間に伴い変化した。反応は試料の表面から進行する。反応は1次の反応速度式に従って進み活性化エネルギーは83Kcal/molであった。反応は次の4段階に分かれて進むことがわかった。第1段階;UOからU(N,C,O)の生成、第2段階;U(N,C,O)からU(N,C)の生成、第3段階;U(N,C)へCの固溶UNoCoの生成、第4段階;UNoCoと残留Uo,Cの反応、純UNの生成。格子定数の極小は第2、3段階の間で生じ、極大は第3、4段階の間で生じる。第1~4段階のうち特に第4段階の進行は遅く、生成UNの純度を低下させることが判明した。極大点の組成UNoCoはU-C-N系の状態図から容易に説明できる。
藤野 威男; 舘野 淳; 田川 博章
Journal of Solid State Chemistry, 24(1), p.11 - 19, 1978/01
被引用回数:30固溶体MgUOの相安定性と熱力学的性質をマグネシウムの高濃度領域においてしらべた。この立方晶系固溶体の格子定数はx値が正であるか負であるかによってxと共に異なって変化する。組成と格子定数との関係をそれぞれの領域で定めた。固相電池法によるMgUOの熱力学量の測定の結果、部分モルエントロピーおよびエンタルピーの値は700~1050Cの測定範囲内で温度に無依存であり、-So,-Hoは共にxとyの対数関数として表された。部分モル自由エネルギーの負数、-Go,はyが大きくなると温度と共に大巾に減少することが見出された。これより2価のマグネシウムがUO格子の熱力学的性質に大きな影響を与えることが判明した。
田川 博章
化学工学, 1978(1), p.117 - 119, 1978/01
化学工業は鉄鋼業と並ぶエネルギー多消費産業の1つであるが、原子力と化学工業とのかかわり合いに関して、現在、および将来の問題として1.軽水炉の問題(開発規模と低利用率)2.高温ガス冷却炉の開発(材料開発と熱利用)について述べ、合わせて核不拡散に関する現状を述べた。
田川 博章; 藤野 威男
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 40(12), p.2033 - 2036, 1978/00
被引用回数:12ウラン酸ストロンチウムには3相がある。-と-SrUOは菱面体系(CaUOと同型)、-SrUOは斜方晶系(BaUOと同型)に属する。の転移は空気中、2C/分の速度で加熱すると780Cで起る。異なる酸素圧下で加熱すると-SrUOは一旦SrUOに還元され、次に-SrUOへの転移が起ると同時に再酸化される。転移点における温度、酸素含量は酸素圧、加熱速度によって変る。DTAでは2つのピークが観測される: 650C附近の吸熱と860C付近の発熱である。相転移は1280Cに観測された。転移時に-SrUOは結合酸素の一部を放出する。これらの相転移について熱力学的に検討した。