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伊藤 和寛; 田辺 裕美; 金子 義久; 籠田 栄一; 高橋 康雄
Proceedings of 2013 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2013) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2013/04
高速増殖原型炉もんじゅは、蒸気発生器又は加熱器から2次主冷却系統への水漏れを検知するため、カバーガス中及びナトリウム中の2種類の水素濃度計を設置している。この水素濃度計は、小規模の水漏えいを検出するため、非常に高感度である。このため、水漏えいを伴わなくても、原子炉の出力上昇など、プラント状態変動により、水素濃度の上昇が検出される。1995年に行った40%出力プラント確認試験では、水漏えいはなかったが、プラント状態の変動に伴う水素濃度の上昇が観察された。このときの2次主冷却系統内の水素濃度の挙動を評価し、次の知見を得た。ナトリウム中の水素濃度の挙動がナトリウム温度に依存している。カバーガス中水素濃度の挙動は、ナトリウム中水素濃度の挙動よりも、プラントの状態変化に敏感で複雑である。この複雑な挙動は、カバーガス空間の対流によってもたらされていると推測される。カバーガス中及びナトリウム中ともに、水素濃度計の校正曲線にドリフトが観察された。
柳澤 務; 田辺 裕美
日本原子力学会誌ATOMO, 49(7), p.499 - 504, 2007/07
ウラン資源の有効活用や環境負荷低減等の観点から高速炉の実用化への期待が高まっている。そこで日本原子力学会誌「高速炉の変遷と現状」の企画の第1回として、高速炉の誕生の歴史を中心に述べる。高速炉は原子力平和利用技術開発の当初から原子力発電の本命として開発が進められてきた。効率よく増殖を行うために、主たる核分裂には高速中性子が、燃料として中性子再生率の高いプルトニウムが、また冷却材として液体金属が選択された。実炉としては1946年に臨界に達した米国のクレメンタイン炉が最初である。そこでの経験に基づいて、高速増殖実験炉としてEBR-Iが建設され、1951年8月に臨界を達成するとともに、同年12月には発電にも成功し、さらにその後燃料の増殖も確認された。EBR-Iの成果は、(1)高速炉が熱中性子炉と同様に制御可能であること,(2)液体金属が冷却材として有用であること,(3)増殖が理論だけでなく現実に可能であることを実証したことであり、その後の各国での高速炉開発につながっていった。
三宅 収; 浜田 広次; 田辺 裕美; 和田 雄作; 宮川 明; 岡部 綾夫; 中井 良大; 広井 博
JNC TN2400 2003-003, 225 Pages, 2004/02
高速増殖炉の蒸気発生器における伝熱管破損事故(ナトリウム-水反応事故)の評価に関連して、事故発生時の高温ラプチャ型破損による隣接伝熱管への破損伝播の有無に係る評価手法を整備した。また、この評価手法を用いて「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管の健全性を評価した結果について整理した。
浜田 広次; 田辺 裕美
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(6), 665 Pages, 2004/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.03(Nuclear Science & Technology)中規模の水漏えいに伴うNa-水反応ジェットの影響を受けた伝熱管の高温ラプチャ解析を行い、それを実験データと比較することにより,以下の結論を得た。ガス加圧管の破損挙動は、実験条件に依存して、クリープ破損とクリープを伴う延性破損の2通りに分類できる。薄肉の伝熱管では、主に延性により数十秒以下で破損するが、厚肉の伝熱管では、クリープにより1分オーダで破損する。後者の条件では、ウェステージによる減肉が重要になる。実験と解析の破損時刻を比較すると、クリープ破損では実験より3550%、クリープを伴う延性破損では2050%早く評価しており、解析は保守側である。クリープ破損では、時間係数を1.52とした場合に実験との破損時刻が良く一致し、実機評価における時間係数3に対しては、1.52倍の裕度がある。高温ラプチャ評価手法をNa-水反応実験に適用することで、解析モデルの保守性および妥当性を確認した。
栗原 成計; 谷田部 敏男; 廣井 博; 田辺 裕美
JNC TN9400 2003-060, 236 Pages, 2003/07
高速増殖原型炉「もんじゅ」の大リーク・ナトリウム-水反応事故に対する安全設計データ及び安全解析コード検証用データを得るため、動燃大洗工学センターにおいて、SWAT-1試験装置、SWAT-3試験装置を用いて試験が行われた。本報告書はSWAT-3で実施された第1回および第2回大リーク・ナトリウム-水反応試験(Run-1およびRun-2)において得られたデータをとりまとめたものである。Run-1およびRun-2で使用された内部構造物は、東芝/IHIで設計製作されたものである。また、放出系配管取付位置は蒸発器頂部である。Run-1およびRun-2の注水率はそれぞれ6.7kg/sおよび14.2(初期)9.7kg/sであり、これはIso-velocity modelによれば、伝熱管3.3本および7.1(初期)4.8本破断に相当する試験規模であった。試験においては、圧力、ひずみ、温度、液面、ボイド、配管反力、加速度、変位および流量等が計測された。Run-1およびRun-2の初期スパイク圧力は、注水点近傍でそれぞれ1.13MPaおよび2.62MPaであり、準定常圧力の最大値はRun-1およびRun-2において0.49MPaおよび0.67MPaであった。伝熱管の二次破損はなかった。蒸発器放出系ラプチャ板は注水開始後1.1および0.7秒に破裂し、放出系の作動は概ね良好であったものの実機に反映すべき改善点も明らかになった。
三宅 収; 浜田 広次; 田辺 裕美; 和田 雄作; 宮川 明; 岡部 綾夫; 中井 良大
JNC TN9400 2001-130, 235 Pages, 2002/03
高速増殖炉の蒸気発生器における伝熱管破損事故(ナトリウム-水反応事故)の評価に関連して、事故発生時の高温ラブチャ型破損による隣接伝熱管への破損伝播の有無に係る評価手法を整備した。また、この評価手法を用いて「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管の健全性を評価した結果について整理した。主な内容は以下の通りである。 (1)伝熱管材料強度については、時間依存のクリープ破断強さを強度評価の基本とすることとし、2・1/4Cr-Mo鋼の摂氏700度摂氏1200度のクリープ試験データを取得し、それに基づく評価基準値を策定した。また、この評価基準値が誘導加熱による伝熱管破損模擬試験結果とも整合することを確認した。(2)ナトリウム-水反応による反応域と管外熱伝達率を求め、反応域モデルとしてコサイン温度分布を設定した。(3)伝熱管内の冷却条件(水・蒸気の伝熱相関)については、ヘリカルコイル型蒸気発生器の伝熱相関式に加え、限界熱流束(CHF)相関式並びにPosr-CHF伝熱相関式を組合せて設定した。(4)整備した評価手法を用いて、SWAT-3試験及び米国LLTR試験条件の解析を行い、本評価手法に十分な保守性があることを確認した。また、1987年の英国PFR事故で高温ラブチャ型破損が生じた原因と事故後に行われた改造の有効性について、上記評価手法を適用して定量的に示した。 (5)この評価手法を採用した「もんじゅ」蒸気発生器に関する解析では、カバーガス圧力計信号によって伝熱管破損を検出した場合、カバーガス圧力計検出の機能強化と水ブローの性能強化を図った設備改造後の「もんじゅ」において給水流量を定格、40%給水、10%給水運転条件のいずれのケースとした場合でも隣接する伝熱管に高温ラプチャ型の破損伝播が発生しないことを確認した。
三宅 収; 浜田 広次; 田辺 裕美; 岡部 綾夫; 宮川 明
JNC TN9400 2001-099, 76 Pages, 2001/11
高速増殖炉の蒸気発生器(以下、SGと略す)における伝熱管破損事故(ナトリウム-水反応事故)の高温ラプチャー型破損の評価手法とその適用については、既に JNC技術報告書「蒸気発生器伝熱管の高温ラプチャ型破損評価手法の整備と適用」にまとめられている。本報告書では、上記報告書以降に検討を行った以下の事項をとりまとめた。 (1)ナトリウム-水反応評価条件について、SWAT-3試験データに基づき、より現実的な熱的条件 (反応度及び局所的伝熱管加熱条件)を与える反応域モデルとして、定格運転及び40%給水運転条件に対しては反応温度1170を最高とするコサイン温度分布、 10%給水運転条件に対しては1110を最高とするコサイン温度分布を設定した。(2)ナトリウム-水反応の管内冷却条件について、ヘリカルコイル型SGの伝熱相関式に加え、軽水炉における研究成果を調査し、限界熱流速(CHF)ならびにPost-CHF伝熱相関式を検討した。具体的には、 CHF相関式としては甲藤の式、Post-CHF伝熱相関式としてはCondie-Bengston IVの式とBromleyの式の組み合わせを設定した。(3)その他、ナトリウム-水反応による伝熱管内の水/蒸気の全体的な加熱条件、伝熱管材料物性値の温度依存性等について検討を行った。以上の検討に基づく新評価手法を整備して、新評価手法を採用した実機SG体系の高温ラプチャ解析を行った。その結果、カバーガス圧力計の検出信号によれば定格運転、40%給水運転、10%給水運転条件のいずれのケースでも高温ラプチャが発生しないことを確認した。また、カバーガス圧力検出と水ブローの信頼性向上を図った設備改造後のSG体系の高温ラプチャ解析においても、いずれの運転条件でも伝熱管に高温ラプチャが発生することはなく、高温ラプチャ型破損に対する安全裕度が改善されることが分かった。
内山 尚基; 高井 俊秀; 西村 正弘; 宮原 信哉; 三宅 収; 田辺 裕美
JNC TN9400 2000-090, 413 Pages, 2000/08
「もんじゅ」2次主冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の一環として、原子炉補助建屋部分モデル試験装置(SOLFA-1:コンクリート製矩形セル)内に模擬漏えい配管、換気空調ダクト、グレーチングおよび床ライナ等を実機と同様に配置して、ナトリウム漏えい燃焼実験を行った。本実験の目的は、ナトリウム漏えい燃焼挙動、換気空調ダクト・グレーチングの破損挙動、床ライナ・コンクリートヘの影響を確認することであった。試験後、各種の分析・調査を行い、以下の結果を得た。(1)ナトリウム漏えい燃焼挙動:漏えい初期のナトリウム落下状況は、液滴状で換気空調ダクトに跳ね返り広範囲に飛散した。一部は、換気空調ダクト表面を伝わってコラム状に流れ、さらにグレーチング、ガス温度測定用サポートに当たり液滴となって飛散した。(2)換気空調ダクト、グレーチングの破損挙動:換気空調ダクトは600700で推移し、温度計直下周辺に「もんじゅ」より大きな欠損部が認められた。グレーチングは600900(最高温度1000程度)で推移し、温度計直下近傍に「もんじゅ」で見られた半楕円状の欠損ではなく、グレーチング長手方向に2山形状の欠損が認められた。(3)床ライナヘの影響:床ライナ温度は主に800850で推移し、3時間20分後頃に1000を超えた。表面は波打つように変形して、温度計直下周辺約1m1mの範囲に大小5個の破損孔が認められた。また、温度計直下を中心に、北側と西側に減肉の大きい範囲が分布していた。(4)コンクリートヘの影響:壁、天井コンクリートは、強度測定・化学分析結果について実験前調査結果と比較して有意な差はみられず、健全性は保たれていた。床コンクリートは、ナトリウム化合物の床ライナ下部への侵入により、最大8cmの浸食が見られた。当該部では、圧縮強度に対し静弾性係数が低く、熱負荷の影響がみられたが、圧縮強度は設計基準値以上であった。(5)ナトリウム燃焼生成物の化学組成:床ライナ上の堆積物は水酸化ナトリウムとNaFe複合酸化物Na5FeO4が多く含まれており、床ライナ上に約5cm以下の厚さに広く比較的平坦に堆積していた。実験実施から3日後に行われたセル内観察によると、温度計直下から遠いセル入り口側床ライナ上には、深さ約1cmの潮解液プール(水以外の主成分は水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウム)が形成され
川田 耕嗣; 寺奥 拓史; 大野 修司; 宮原 信哉; 三宅 収; 田辺 裕美
JNC TN9400 2000-089, 258 Pages, 2000/08
「もんじゅ」2次主冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の一環として、ナトリウムによる漏えい速度・漏えい形態の確認実験、ナトリウム漏えい燃焼実験-I、ナトリウム漏えい燃焼実験-IIを順次実施した。本報告は、この内のナトリウム漏えい燃焼実験-Iに関するものである。ナトリウム漏えい燃焼実験-Iは、換気空調ダクト、グレーチングでの漏えいナトリウムの燃焼および破損挙動、漏えいナトリウムの床ライナヘの影響挙動を明らかにする目的で、大規模ナトリウム漏えい燃焼試験施設(SAPFIRE)の大型密閉試験装置(SOLFA-2)を用いて実施した。実験では、「もんじゅ」と同仕様の温度計と周囲の保温構造の一部、換気空調ダグトおよびグレーチングを実機と同様に設置し、また床面には実機の床ライナと同仕様の受け皿を設置し、漏えい事故室の機器構造・配置を部分的に模擬した。実験は、480のナトリウムを温度計から当初約4時間にわたって漏えいさせる予定であったが、排煙処理装置の排気流量低下のため約1.5時間で終了した。各部における燃焼挙動、破損挙動等はCCDカメラ、熱電対等を用いて確認した。ナトリウム漏えい燃焼実験-Iから、以下の結果を得た。(1)温度計からのナトリウム漏えい形態は、煽ネい開始直後はフレキシブル管からの流線状の飛散後、換気空調ダクト上で跳ね返って液滴状燃焼になるのが確認された。(2)換気空調ダクトは、表面温度が約600約700の範囲であったが、「もんじゅ」で見られたような開口はなく、ダクト本体の破損は認められなかった。(3)グレーチングは、上面温度が約650約940の範囲で推移していたが、鋼板の一部に欠損や減肉が認められた。(4)床面に設置した受け皿の裏面温度は、約10分後に約700に達し、その後は約740約770で推移していたが、受け皿の破損はなく、最大約1mmの減肉が認められた。(5)受け皿上には、「もんじゅ」と同様にナトリウム酸化物が山状に堆積し、堆積物最下層からは、鉄とナトリウムの複合酸化物(Na4FeO3)が確認された。
浜田 広次; 田辺 裕美; 和田 雄作
サイクル機構技報, (4), p.37 - 48, 1999/09
FBR蒸気発生器伝熱管の破損伝播現象を詳細に評価するために,高温ラプチャを想定したナトリウム-水反応評価条件の整理,高温材料試験データの蓄積,構造評価手法や水ブロー評価手法の整備を行い,これら評価手法を用いて,「もんじゅ」蒸気発生器への適用解析を行った。その結果,実機で想定される各種運転条件から水ブロー終了までの期間において,高温ラプチャは発生しないことを確認できた。また,安全裕度を拡大する方策として,ブロー弁増設による水ブローの高速化が有効であることを定量的に示した。
斎藤 直*; 田辺 裕美
JNC TY9200 99-001, 44 Pages, 1999/03
高速炉における冷却材ナトリウム漏えい事故時の燃焼挙動に係わる研究に関しては、これまでの工学的取り組みに加えて、現象論的にその挙動を解明していくことが重要である。本研究は、自治省消防庁消防研究所と核燃料サイクル開発機構で各々実施しているナトリウム燃焼挙動に係わる基礎実験ならびに解析について、情報交換を定期的に行い、ナトリウム燃焼挙動に関する理解を深めるとともに共通認識を得ることを目的として実施したものである。
浜田 広次; 田辺 裕美*; 和田 雄作*; 宮川 明*; 広井 博*
PNC TN9410 98-029, 122 Pages, 1998/05
高速炉蒸気発生器伝熱管の高温ラプチャに対する健全性評価のため、動燃では次の研究を進めてきた。1)超高温材料データの取得と構造健全性評価法の整備2と1/4Cr-1Mo鋼の高温(7001200)クリープ試験データを取得し、高温、短時間破裂である高温ラプチャ特性を踏まえて時間依存のクリープ破断評価法に基づく材料基準値を策定した。また伝熱管破損模擬試験(TRUST-2)により本評価法を検証した。2)ブローダウン時の減圧特性を含む伝熱管内流動解析手法の整備本ブローダウン解析に使用するBLOOPHと汎用コードであるRELAP-5とで実機ブローダウン解析結果の比較を行い、両者が良好な一致を示すことを確認した。また、ナトリウム-水反応時の入熱を考慮した管内蒸気流モデルを開発した。3)ナトリウム-水反応試験データに基づく定量的な検証過去のナトリウム-水反応試験データから保守的に求めた反応域温度と管外熱伝達率を用いてSWAT-3試験及び米国LLTR試験の解析を行い、クリープ破断モードよりも延性破断モードが早期に現われること、破断時間は実際の試験結果よりもかなり短時間の保守的な結果となることを示した。これらの結果を踏まえて、PFR大リーク事故及び高速増殖原型炉「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管破損の再評価を行った。主な結果は、以下のとおり。1.1987年の英国PFRの事故が多数の伝熱管破損に至った最大の原因は、事故当時過熱器に高速減圧系が設置されていなかったためであることが、上記評価法を適用して定量的に示された。2.以上の検証解析結果を踏まえて選定した保守的なパラメータを用いて、「もんじゅ」条件での100%、40%、10%の各定常運転から水ブローまでの解析を行い、いずれの場合も高温ラプチャが発生する条件に至らないことを確認した。3.管束部中下部ではブロー途中に伝熱管内部流量が低下するため、安全裕度が相対的に小さくなるが、蒸気ブロー弁の増設による水ブローの高速化が裕度拡大方策として有効であることを示した。
石川 浩康; 宮原 信哉; 田辺 裕美; 大野 修司; 三宅 収; 前田 清彦
PNC TN9410 97-030, 93 Pages, 1997/04
高速炉の安全評価におけるナトリウム漏えい燃焼の解析において、スプレイ燃焼とプール燃焼をお互いの影響を考慮しながら同時に取り扱うことが可能なようにするため、スプレイ燃焼解析コードSPRAY-IIIMとプール燃焼解析コードSOFIRE-MIIを結合させた新たなナトリウム燃焼解析コードASSCOPS(Analysis ofSimultaneous Sodium Combustions in Pool and Spray)を開発した。開発したASSCOPSコードの妥当性を検証するため、内容積21mSUP3/SUPの試験容器を用いて実施したナトリウムスプレー燃焼の実験結果を解析し、以下の結論を得た。(1)窒素雰囲気においては、SPRAY-IIIMコードでガスから壁への熱移行量が過小評価であった点について改善され、ガス圧力・温度に関してほぼ妥当評価をする (2)空気雰囲気においても、SPRAY-IIIMコードで全般的に過小評価であった点について改善され、ガス圧力・温度に関してほぼ妥当な評価をする (3)ガスと壁との間の輻射伝熱とプール燃焼を考慮しない「もんじゅ」パラメータを用いた場合には、窒素雰囲気および空気雰囲気ともにガス圧力・ガス温度に関して保守的な評価をする これらの結論から、SPRAY-IIIMコードを用いた従来の解析における課題を解決できたことを確認した。
下山 一仁; 宇佐美 正行; 三宅 収; 西村 正弘; 宮原 信哉; 田辺 裕美
PNC TN9450 97-007, 81 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の目的で、第1回目を平成8年2月15日に、第2回目を平成8年3月28日に、大洗工学センターのナトリウム漏洩火災基礎試験装置(SOFT-1)を用い、温度計を模擬してナトリウム漏えい速度、漏えい形態の確認実験を行った。なお本実験データ集については、情報公開の一環として平成9年3月21日付けで、本社インフォメーションルーム、大洗工学センター展示館、敦賀事務所アトムプラザの3カ所で公開を開始した。
内山 尚基; 宮原 信哉; 田辺 裕美; 高井 俊秀; 三宅 収
PNC TN9450 97-006, 330 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の目的で、平成8年6月7日に、大洗工学センターの大規模ナトリウム漏えい燃焼試験施設(SAPFIRE)内の原子炉補助建屋部分モデル試験装置(SOLFA-1:コンクリート矩形セル)を用い、「もんじゅ」2次系配管室の温度計、換気空調ダクト、グレーチング、床ライナ等の配置を模擬してナトリウム漏えい燃焼実験-IIを行った。なお本実験データ集については、情報公開の一環として平成9年3月21日付けで、本社インフォメーションルーム、大洗工学センター展示館、敦賀事務所アトムプラザの3カ所で公開を開始した。
川田 耕嗣; 宮原 信哉; 田辺 裕美; 寺奥 拓史; 三宅 収
PNC TN9450 97-005, 145 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の目的で、平成8年4月8日に、大洗工学センターの大規模ナトリウム漏えい燃焼試験施設(SAPFIRE)内の大型密閉試験装置(SOLFA-2)を用い、「もんじゅ」2次系配管室の温度計、換気空調ダクト、グレーチング、床面には同仕様の受け皿等の配置を模擬してナトリウム漏えい燃焼実験-Iを行った。なお本データ集については、情報公開の一環として平成9年3月21日付けで、本社インフォメーションルーム、大洗工学センター展示館、敦賀事務所アトムプラザの3カ所で公開を開始した。
内山 尚基; 高井 俊秀; 西村 正弘; 宮原 信哉; 三宅 収; 田辺 裕美
PNC TN9410 97-051, 383 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の一環として、原子炉補助建屋部分モデル試験装置(SOLFA-1: コンクリート製矩形セル)内に模擬漏えい配管、換気空調ダクト、グレーチングおよび床ライナ等を実機と同様に配置して、ナトリウム漏えい燃焼実験を行った。本実験の目的は、ナトリウム漏えい燃焼挙動、換気空調ダクト・グレーチングの破損挙動、床ライナ・コンクリートへの影響を確認することであった。試験後、各種の分析・調査を行い、以下の結果を得た。(1)ナトリウム漏えい燃焼挙動: 漏えい初期のナトリウム落下状況は、液滴状で換気空調ダクトに跳ね返り広範囲に飛散した。一部は、換気空調ダクト表面を伝わってコラム状に流れ、さらにグレーチング、ガス温度測定用サポートに当たり液滴となって飛散した。(2)換気空調ダクト、グレーチングの破損挙動: 換気空調ダクトは600700Cで推移し、温度計直下周辺に「もんじゅ」より大きな欠損部が認められた。グレーチングは600900C(最高温度1000C程度)で推移し、温度計直下近傍に「もんじゅ」で見られた半楕円状の欠損ではなく、グレーチング長手方向に広い2山形状の欠損が認められた。(3)床ライナへの影響: 床ライナ温度は主に800850Cで推移し、3時間20分後頃に1000Cを越えた。表面は波打つように変形して、温度計直下周辺 約1m1mの範囲に大小5個の破損孔が認められた。また、温度計直下を中心に、北側と西側に減肉の大きい範囲が分布していた。(4)コンクリートへの影響: 壁、天井コンクリートは、強度測定・化学分析結果について実験前調査結果と比較して有意な差はみられず、健全性は保たれていた。床コンクリートは、ナトリウム化合物の床ライナ下部への侵入により、最大8cmの浸食がみられた。当該部では、圧縮強度に対し静弾性係数が低く、熱負荷の影響がみられたが、圧縮強度は設計基準値以上であった。(5)ナトリウム燃焼生成物の化学組成: 床ライナ上の堆積物は水酸化ナトリウムとNaFe複合酸化物NaFeOが多く含まれており、床ライナ上に約5cm以下の厚さに広く比較的平坦に堆積していた。実験実施から3日後に行われたセル内観察によると、温度計直下から遠いセル入り口側床ライナ上には、深さ約1cmの潮解液プール(水以外の主成分は水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウム)が形成されていた。
川田 耕嗣; 大野 修司; 三宅 収; 寺奥 拓史; 宮原 信哉; 田辺 裕美
PNC TN9410 97-036, 243 Pages, 1997/01
「もんじゅ」2次主冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の一環として、ナトリウムによる漏えい速度・漏えい形態の確認実験、ナトリウム漏えい燃焼実験-I、ナトリウム漏えい燃焼実験-IIを順次実施した。本報告は、この内のナトリウム漏えい燃焼実験-Iに関するものである。ナトリウム漏えい燃焼実験-Iは、換気空調ダクト、グレーチングでの漏えいナトリウムの燃焼および破損挙動、漏えいナトリウムの床ライナへの影響挙動を明らかにする目的で、大規模ナトリウム漏えい燃焼試験施設(SAPFIRE)の大型密閉試験装置(SOLFA-2)を用いて実施した。実験では、「もんじゅ」と同仕様の温度計と周囲の保温構造の一部、換気空調ダクトおよびグレーチングを実機と同様に設置し、また床面には実機の床ライナと同仕様の受け皿を設置し、漏えい事故室の機器構造・配置を部分的に模擬した。実験は、480のナトリウムを温度計から当初約4時間にわたって漏えいさせる予定であったが、排煙処理装置の排気流量低下のため約1.5時間で終了した。各部における燃焼挙動、破損挙動等はCCDカメラ、熱電対等を用いて確認した。ナトリウム漏えい燃焼実験-Iから、以下の結果を得た。(1)温度計からのナトリウム漏えい形態は、漏えい開始直後はフレキシブル管からの流線状の飛散後、換気空調ダクト上で跳ね返って液滴状燃焼になるのが観察された。(2)換気空調ダクトは、表面温度が約600約700の範囲であったが、「もんじゅ」で見られたような開口はなく、ダクト本体の破損は認められなかった。(3)グレーチングは、上面温度が約650約940の範囲で推移していたが、鋼板の一部に欠損や減肉が認められた。(4)床面に設置した受け皿の裏面温度は、約10分後に約700に達し、その後は約740約770で推移していたが、受け皿の破損はなく、最大約1mmの減肉が認められた。(5)受け皿上には、「もんじゅ」と同様にナトリウム酸化物が山状に堆積し、堆積物最下層からは、鉄とナトリウムの複合酸化物(Na4FeO3)が確認された。
下山 一仁; 西村 正弘; 宇佐美 正行; 宮原 信哉; 三宅 収; 田辺 裕美
PNC TN9410 97-085, 163 Pages, 1996/11
「もんじゅ」2次主冷却系でのナトリウム漏えい事故の原因究明の一環として、動燃大洗工学センターのナトリウム漏洩火災基礎試験装置SOFT-1を用いた燃焼実験を2回実施した。本実験の目的は、破損した温度計からのナトリウムの漏えい速度と漏えい形態の確認、温度計周辺の配管保温構造とフレキシブルチューブへの影響の確認、及び温度計の温度履歴の「もんじゅ」との比較である。漏えい速度は、実験に用いた模擬温度検出器の流路が確保された条件で56(2)g/secが得られた。この漏えい速度を「もんじゅ」事故当該部に補正し53g/secの値を得た。ただし、熱電対ウェル先端アニュラス部の流路断面積は公称寸法を、また漏えいナトリウムの加圧圧力は漏えい期間中の最高圧力値1.65kg/cmGとした。漏えい形態について、特に初期の挙動は温度検出器コネクタとフレキシブルチューブの接続状態が漏えいナトリウムの落下の様子に影響を与える。第1回実験では、「もんじゅ」事故後に現場で確認された状況に合わせて、チューブを始めから外して実験を開始したのに対し、第2回実験では接続した状態で実験を開始した。第2回実験では、漏えい開始から17秒後にチューブをコネクタのエルボ部に固定するふくろナットによる接続が外れて、第1回実験の初期状態と同じになった。接続が外れるまでの漏えい形態は、エルボ部継ぎ目からの液滴の飛散やチューブの被覆を貫いて流線状の流れが特徴的であったのに対し、接続が外れてからの漏えい形態は、チューブの内外を伝って最下端部から連続的に滴下する流れが主流であり、時折散発的にエルボ部付近からの飛散が見られた。配管保温構造(外装板等)への影響については、第1回実験においてコネクタのエルボ部に近い部分の外装板に腐食による穴が開いたが、第2回では特に穴等の損傷は見られず、その差はナトリウム漏えい時間の違いによると考えられる。温度検出器の熱電対信号は、「もんじゅ」の当該温度と極めて良く似た挙動が得られ、ナトリウムの流出と熱電対信号履歴の関係を十分説明できることが確認できた。
浜田 広次; 田辺 裕美
PNC TN9410 96-027, 41 Pages, 1995/12
FBR蒸気発生器(SG)で水リークによるナトリウム-水反応ジェットが生じると、隣接伝熱管が急速に高温状態に曝される。このような条件下でも、管壁の機械的強度の低下による高温ラプチャが生じないことを確認することが安全上重要である。高温ラプチャ評価手法を確立するため、これまで構造解析コードFINASによる解析モデルを使用し、模擬試験データによる検証を行ってきた。今回は英国PFRの過熱器を対象として、1987年の大リーク事故解析を行った。事故当時の低速ブロー系設置体系においては、反応ジェットに曝された隣接管に過熱器隔離後3秒で解析上の高温ラプチャが生じており、実際の事故シナリオと非常に良好な一致が得られたことから、採用した高温ラプチャ解析モデルの妥当性を確認できた。また高速ブロー系設置体系を想定した比較解析からは、伝熱管やナトリウム側の条件が同じでも、過熱器隔離後の蒸気ブローによる急速な減圧及び管内冷却効果の存在により隣接管に高温ラプチャは生じないことが確認された。以上の解析結果は、PFRで見られた大リークへの進展が過熱器の設計・運転の違いに起因して生じたものであったことを示しており、これらの知見からは、SGの設計はもちろん水/蒸気系の隔離及びブローといったリーク後の運転操作も高温ラプチャを回避する観点から極めて重要であることが推測できる。実証炉以降の大型炉SGの設計においては、水リーク後の最適な蒸気ブローの設計・運転法を見いだす必要があり、本報で開発した高温ラプチャ解析手法は、その設計評価にも充分反映できるものであると考える。