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古木 裕一*; 末吉 哲郎*; 甲斐 隆史*; 岩永 泰弥*; 藤吉 孝則*; 石川 法人
Physica C, 518, p.58 - 62, 2015/11
被引用回数:4 パーセンタイル:19.47(Physics, Applied)一次元的な磁束ピン止めセンターが交差した場合の酸化物超伝導体の臨界電流密度への影響を明らかにするために、高エネルギー重イオン照射法を利用して、交差角度の変化に対応した臨界電流密度の変化を系統的に調べた。ここで、柱状欠陥は、印加電流方向に平行な交差面内に導入され、c軸に対して対称な方向()に交差させた。このような2方向の柱状欠陥をGdBaCuO酸化物超伝導体に導入し、臨界電流密度の磁場角度依存性を測定した。その結果、交差角度が=15の場合には、磁場角度=c軸方向の周りに1つの鋭い臨界電流密度ピークが現れた。交差角度が=45の場合には、そのピークが、単純にブロードになった。さらに、交差角度を広げて=75にすると、低い交差角度の結果とは大きく異なり、臨界電流密度の増加が見られるが磁場角度依存性が弱くなる方向に働き、3次元的な点状欠陥を導入した場合の結果と似通った結果を示すことが分かった。
末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 古木 裕一*; 浦口 雄世*; 甲斐 隆史*; 藤吉 孝則*; 嶋田 雄介*; 安田 和弘*; 石川 法人
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 25(3), p.6603004_1 - 6603004_4, 2015/06
被引用回数:11 パーセンタイル:50.77(Engineering, Electrical & Electronic)GdBCOコート線材に導入した不連続柱状欠陥による磁束ピン止め特性への影響を、連続柱状欠陥による影響と比較することによって明らかにした。具体的には、270MeV Xeイオン照射効果と80MeV Xeイオン照射効果を比較した。前者の場合、連続的な柱状欠陥を導入することができ、後者の場合不連続的な柱状欠陥が形成されることを、透過型電子顕微鏡観察により確認した。それぞれのイオン照射による臨界電流密度(Jc)の上昇を比較した結果、以下のことが分かった。前者の場合、柱状欠陥の導入方向と同じ方向に磁場が向いているときに、最もJcの上昇が顕著にみられ、磁場角度依存性曲線において未照射試料に見られなかったJcピークが現れた。この傾向は、後者の不連続柱状欠陥の場合にも同様に見られた。ただし、後者の場合には、柱状欠陥の導入方向以外の磁場角度においても、平均的なJcの上昇傾向がみられた。この傾向は、点状欠陥の場合でも見られており、不連続な柱状欠陥は、連続的な柱状欠陥と点状欠陥の影響を合わせ持つような効果を与えることが分かった。超伝導体の応用面からは、ある磁場角度に偏らない形でJcの大きな向上を図ることが望ましいため、不連続な柱状欠陥の導入は、材料設計上優れた手法であることが分かった。