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茂筑 高士*; 畑 慶明*; Wuernisha, T.*; 井川 直樹; 星川 晃範*; 石垣 徹*; 安岡 宏*; 平田 和人*
Physica C, 470(Suppl.1), p.S158 - S159, 2010/12
被引用回数:2 パーセンタイル:12.17(Physics, Applied)FeSrYCuO系超伝導体における結晶構造と超伝導物性との相関を明らかにするため、超伝導体FeSrYCuOとCuサイトの一部をZnで置換することで超伝導を発現しない試料FeSrY(CuZn)Oについて中性子回折実験を行った。その結果、本超伝導体中では磁気超格子に起因する反射は観察されず、磁気秩序は長距離秩序を持たないことが明らかになった。この超伝導体では30K付近で非超伝導体では観測されないCuに関連する特異点が見られたことから、この温度で電荷分布変化が生じている可能性がある。
鈴木 淳市; 門脇 和男; 畑 慶明*; 岡安 悟; 西尾 太一郎; 掛谷 一弘*; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 中山 哲*; 茅根 一夫*
低温工学, 38(9), p.485 - 492, 2003/09
最近、微小超伝導体に拘束された量子化磁束が特異な空間秩序を示すことが理論的に明らかとなり、注目を集めている。このような秩序化は、高い空間分解能を有する磁気顕微鏡により観測が可能である。われわれは、微細加工技術を利用した磁気検出コイルサイズの微小化とスタンドオフの縮小により、磁気顕微鏡の高空間分解能化に成功した。そして、この高空間分解能磁気顕微鏡を利用して、Nb、及び、YBaCuO微小超伝導体の量子化磁束配列を観測することにより、量子化磁束配列の変化に対応した磁化の量子振動を明らかにすることができた。
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 中山 哲*; 茅根 一夫*
Physica C, 388-389(1-4), p.719 - 720, 2003/05
近年、微細加工技術の発展とともに、微小領域(マイクロメーターからナノメーターオーダー)に束縛された超伝導体の磁束状態に興味が持たれている。通常の超伝導体では、磁束はに量子化されて超伝導体中に分布する。しかし、微小な超伝導体では超伝導体の大きさや形状に依存した磁束の配列が実現することが理論的に示されている。例えば、微小超伝導Diskでは外形の対称性を維持するために中央に外部磁場に対応して、量子磁束の整数倍の磁束強度を持つ巨大磁束が安定である。しかし、このような超伝導体の磁束観察に関する研究の報告はほとんど存在しない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いてYBCO-Diskの磁束配列の観察を試みた。試料はFIB(Forcused Ion Beam)加工を用いて作成し、直径はである。走査型SQUID顕微鏡による磁束観察の結果、Disk中の磁束は外部磁場の増大に伴い個数が増加した。全ての磁束は量子化されており、巨大磁束は存在しなかった。
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 中山 哲*; 永田 篤*; 小田原 成計*; 茅根 一夫*
Physica C, 378-381(Part1), p.420 - 423, 2002/10
第二種超伝導体では、ある一定以上の磁場の下で超伝導体内部に量子化された磁束が侵入する。走査型SQUID顕微鏡を用いると、この量子化された磁束の振る舞いを直接観察することができる。磁性超伝導体では、磁性イオンを含まない超伝導体とは違い、この量子磁束に内部構造が見られることが理論的に示されている。しかし、その直接観察の例はこれまでにほとんど報告されていない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いて磁性超伝導体の量子磁束観察を行った。磁性超伝導体系は低温での磁気的性質は磁性を担う希土類イオンの種類により大きく異なる。ではクラスター状に分布した量子化された磁束量子が観測され、印加磁場の増大にともなう磁束量子の密度の増加がみられた。磁性イオンを持たないYBCOの観察結果と比較的類似した結果が得られた。これに対してでは量子磁束の数倍の強度を持つ大きな磁束とその周辺に逆向きの磁束分布が観測された。これは試料の持つ磁気モーメントと超伝導体中に侵入した磁束の和が量子化条件を満足するために見られる現象で、このような現象を直接観察したのはこれが初めてである。
畑 慶明; 喜多 英治*; 籠宮 功*; 近 桂一郎*; 白鳥 紀一*; 中島 健次*; 加倉井 和久*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.195 - 196, 2001/05
ZnCrOはAサイトにはいるZnが非磁性であるためA-Bサイト間に相互作用が存在せず、Bサイト最近接イオン間に反強磁性的相互作用を考えるとBサイトがフラストレートすることが知られている。また低温の秩序状態の磁気構造は複数の磁区に分かれており、いまだ磁気構造は未知である。そこで、中性子線散乱実験を通じて磁気構造決定を目的に実験を行った。実験の結果、ネール点10Kをはさんで、それより上で磁気散漫散乱が、それ以下で磁気ブラッグ反射が観測された。転移は一段であり、類似した物質のMgCrOとは全く異なる現象である。磁気的に単分域にするために、磁場中冷却を行い同様の測定を行ったが単分域にはできなかった。秩序相の磁気対称性がある条件を満足する場合、電気磁気効果がみられ、電場・磁場両方を印加して冷却することで単分域化することが可能であり、ZnCrOもこのような手法で単分域化できると考えられた。
茂筑 高士*; 畑 慶明*; Tuerxun, W.*; 井川 直樹; 星川 晃範*; 石垣 徹*; 安岡 宏*; 平田 和人*
no journal, ,
FeSrYCuO系はBaYCuO系超伝導体のCuサイトをFeに置換した磁性超伝導体であり、還元熱処理及びそれに引き続く酸化熱処理によって超伝導と磁性が発現される。高温還元雰囲気で正方晶から斜方晶への相転移が、これら特性の発現のために必要なCuとFeの秩序配列の要因である。本研究では、低温での磁気秩序発現に関する知見を得るために中性子回折実験を行った。その結果、磁性相転移温度以下でも磁気反射は観測されず、この系の磁気秩序は長距離秩序ではないことが明らかになった。格子定数の温度変化は30K付近で極値を持つ傾向がみられ、構造的な変化と磁気秩序の発現が関連している可能性がある。
茂筑 高士*; 畑 慶明*; 土屋 佳則*; 井川 直樹; 星川 晃範*; 石垣 徹*; 安岡 宏*; 平田 和人*
no journal, ,
近年、Feを基軸とするニクタイド系における超伝導や平面四配位を持つ新しいFe酸化物が報告され、Feの周りの配位と物性との関連に関心が集まっている。本系における超伝導と磁性の発現もFeの周りの酸素配位に大いに依存している。本研究では、FeSrYCu O系における酸素配列を中性子回折法によって解析した。基本構造そのものは通常の固相反応法で合成可能であるが、還元アニールによりCuとFeの配列を秩序化させた。還元アニール後の構造は、アニール温度が700C付近の場合は元の構造に対してaa2cなる単位胞を持つ超構造(斜方晶)で、それ以外では元の正方晶のままであった。これはFeの周りの酸素が四面体配位を取り、このFeO四面体が規則的に配列しているか、していないかの違いによる。さらに還元アニール後酸化アニールを施すと、CuとFeの秩序配列はそのままに酸素のみが供給され、Feのまわりの酸素は八面体配位となった。
茂筑 高士*; 畑 慶明*; 土屋 佳則*; 井川 直樹; 星川 晃範*; 石垣 徹*; 安岡 宏*; 小澤 清*; 平田 和人*
no journal, ,
FeSrYCuO系の超伝導体は、CuとFeの秩序配列化及び酸素欠損が超伝導発現に重要な役割を果たしている。中性子回折法によって、非超伝導相では、酸素量6+が7付近でのみ安定であり、また、超伝導相の出現は酸素量6+が7.6付近に集中することを明らかにした。
茂筑 高士*; 畑 慶明*; 星川 晃範*; 岩瀬 謙二*; Sulistyanintyas, D.*; 小黒 英俊*; 石垣 徹*; 井川 直樹; 土屋 佳則*; 岩井 秀夫*; et al.
no journal, ,
FeSrYCuO系には、CuとFeの相互置換,酸素欠損を要因とする構造的な乱れがあり、超伝導と反強磁性的な磁気秩序の発現に大きく影響している。本報では、中性子回折により構造的な乱れや低温での構造変化を解析し、構造的な乱れと、超伝導,磁性との関連を議論する。