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論文

Responses of the salt chemotaxis learning in ${it C. elegans}$ mutants to microbeam irradiation

坂下 哲哉; 鈴木 芳代; 服部 佑哉; 池田 裕子; 武藤 泰子*; 横田 裕一郎; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 白井 花菜*; 小林 泰彦

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 74, 2015/03

昆虫・哺乳動物等を用いた実験から、放射線被ばくにより学習障害等の神経系への影響がもたらされることが示唆されている。我々は、神経系を研究するためのモデル生物として知られる線虫を用いて、化学走性学習が、特定の条件下においてのみコバルト60$$gamma$$線照射の影響を受けることを明らかにした。しかし、線虫のどの部位における放射線応答が、化学走性学習行動の変化を誘導するかは明らかでない。そこで、我々は、炭素イオンマイクロビームを用いて、線虫の化学走性学習に対する直接的な放射線の影響部位を明らかにすることを目的とした。マイクロビーム照射技術は、細胞あるいは組織レベルでの直接的な放射線の影響を調べるための有効なツールとして知られている。本報告では、2つの線虫変異体(${it gpc-1}$, ${it daf-2}$)に対して、マイクロビームの局部照射を行った結果について報告する。

論文

Development of the irradiation method for the first instar silkworm larvae using locally targeted heavy-ion microbeam

深本 花菜; 白井 孝治*; 佐方 敏之*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 和田 成一*; 柿崎 竹彦; 志村 幸子*; 小林 泰彦; et al.

Journal of Radiation Research, 48(3), p.247 - 253, 2007/05

 被引用回数:17 パーセンタイル:47.8(Biology)

本研究では、これまで不可能だった孵化直後の蚕幼虫に対する重イオンビームの局所的な照射方法を新たに開発し、特徴的な皮膚形態の発現過程に介入することによって、発生・変態時における形質発現過程をラジオマイクロサージャリ技術を用いて解析することを可能にした。具体的には、幼虫の大きさの穴を開けた薄いアルミニウムプレート内に虫を入れ、上下をフィルムで挟むことによって固定し、体長約2mmの孵化直後幼虫の特定部位に重イオンマイクロビームを局部照射する方法を考案した。この方法を用いて、蚕の突然変異の一系統であるコブ突然変異個体のコブ形成予定領域に対して照射を行った。この幼虫は4齢頃になると斑紋部がコブ状に突出するが、孵化直後にはまだ形成していない。照射後の幼虫を飼育したところ炭素イオン250Gyの以上の線量で、半数以上の幼虫のコブが欠失した。また、120Gyでは5.6%の幼虫にのみコブの欠失が認められたことから、コブ欠失の閾値が120Gyと250Gyの間にあることが示唆された。今回新たに可能になった孵化幼虫への局部照射法は、発生・変態時におけるさまざまな組織を対象とした研究に役立つと考えられる。

論文

Regeneration mechanism of hemopoietic organs in the silkworm, ${it Bombyx mori}$, after heavy-ion irradiation; Analysis by transplantation of the irradiated organs using a transgenic silkworm strain

木口 憲爾*; 白井 孝治*; 佐方 敏之*; 深本 花菜; 柿崎 竹彦; 和田 成一*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 小林 泰彦

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 117, 2007/02

これまでに、カイコ幼虫の造血器官に重イオンビームを照射して機能破壊すると、その後、高い確率で再生し再び血球を生成することを報告したが、そのメカニズムには不明な点が多い。造血器官の再生には、照射を免れた器官内の造血幹細胞,体液中を循環している造血幹細胞、あるいはその両方が関与する可能性がある。そこで、重イオン照射を受けた造血器官の再生に関与する血球の由来を明らかにするため、オワンクラゲ緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を組み込んだトランスジェニックカイコ体内への重イオン照射造血器官の移植実験を行った結果、重イオン照射造血器官の再生に体液中の循環血球が関与することが示唆された。

論文

Process of ${it in vivo}$ cyst formation from the implanted larval integument in the sweet potato hornworm, ${it Agrius convolvuli}$; A Simple model for studying wound healing

深本 花菜; 白井 孝治*; 佐藤 茂*; 金勝 廉介*; 木口 憲爾*; 小林 泰彦

Journal of Insect Biotechnology and Sericology, 75(3), p.99 - 106, 2006/10

昆虫の体内に、別の幼虫から採取した皮膚片を、真皮細胞層を外側にして半分に折りたたみ移植すると、その後移植された真皮細胞の端が互いに癒着し内側にクチクラを分泌して、シストと呼ばれる真皮細胞の球を形成する。エビガラスズメ幼虫を用いて、経時的にシスト形成過程を光学顕微鏡並びに電子顕微鏡観察し、真皮細胞の検出のためにeCBP(epidermal carotenoid binding protein)を、真皮細胞のDNA合成の検出にはBrdUを使用した結果、シスト形成は大きく分けて五つの過程を経ることが明らかになった。(1)まず移植直後に皮膚の切断面に血球が集まり、(2)その後、それらの血球が細胞塊を形成する。(3)さらに切断面付近だけではなく比較的広範囲にわたって真皮細胞がDNA合成を行い、(4)前述の細胞塊の間を縫うようにして伸張する。(5)最後に、互いに伸張することで断絶部分が閉塞した真皮細胞から、内側に向かってクチクラを分泌する。この一連のシスト形成過程は、観察が容易であることや比較的単純な系であることなどから、創傷の治癒機構、特にダメージを受けた領域を閉塞する真皮細胞の伸張を詳細に研究するうえで非常に有用であると考えられる。

論文

Effects of heavy-ion irradiation on the differentiation of epidermal cells in the silkworm, ${it Bombyx mori}$

深本 花菜; 志村 幸子*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 木口 憲爾*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦

Journal of Insect Biotechnology and Sericology, 75(3), p.107 - 114, 2006/10

カイコ幼虫の真皮細胞に重粒子線を照射した後の分化過程への影響を調査した。5齢一日目のカイコ幼虫に400Gy相当の炭素イオンを照射しても形態上の変化は観察されず、TUNEL法によるアポトーシス細胞の検出頻度も対照と同程度であったが、成虫になると照射領域で鱗毛の欠失が生じた。光学顕微鏡及び電子顕微鏡による観察で、照射領域の真皮細胞は成虫のクチクラを正常に分泌できるが、成虫鱗毛を形成するための細胞(ソケット細胞,生鱗細胞)への分化抑制や、コブ形成阻害が観察された。これは照射後に真皮細胞の分裂が阻害されることによると考えられた。

論文

Regeneration of hemopoietic organs in the silkworm, ${it bombyx mori}$, after locally targeted irradiation with heavy ion beams

Ling, E.*; 深本 花菜*; Xu, S.*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 小林 泰彦; Tu, Z.; 舟山 知夫; 渡辺 宏; 木口 憲爾*

Journal of Insect Biotechnology and Sericology, 72(2), p.95 - 100, 2003/09

家蚕4齢幼虫の造血器官に重イオンビームを局部照射した後に組織を観察すると、照射個体の5齢初期では造血器官内の多くの細胞がネクローシス様の異常形態を示し、造血器官を包む無細胞性の被膜組織が消失するが、5齢後期では器官内部が再び多くの血球細胞で満たされる。これは、重イオン照射によって傷害を受けた造血器官がその後の発育過程で再生することを示している。

口頭

重イオン照射造血器官の再生機構; トランスジェニックカイコを用いた造血器官移植実験による解析

佐方 敏之*; 白井 孝治*; 木口 憲爾*; 深本 花菜; 柿崎 竹彦; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 小林 泰彦

no journal, , 

これまでに、カイコ幼虫の造血器官に重イオンビームを照射して機能破壊すると、その後、高い確率で再生し再び血球を生成することを報告したが、そのメカニズムには不明な点が多い。造血器官の再生には、(1)照射を免れた器官内の造血幹細胞,(2)体液中を循環している造血幹細胞,(3)あるいはその両方、が関与する可能性がある。そこで、重イオン照射をうけた造血器官の再生に関与する血球の由来を明らかにするため、オワンクラゲ緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を組み込んだトランスジェニックカイコ体内への重イオン照射造血器官の移植実験を行った結果、重イオン照射造血器官の再生に体液中の循環血球が関与することが示唆された。

口頭

Inhibition of abnormal proliferation of epidermal cells in the knobbed mutant silkworm larva by the heavy-ion microbeam irradiation

深本 花菜; 佐方 敏之*; 白井 孝治*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 和田 成一*; 浜田 信行*; 柿崎 竹彦; 原 孝光*; 鈴木 芳代*; et al.

no journal, , 

蚕は、発生及び細胞分化を研究するための良い実験材料である。蚕のコブ突然変異${it K}$は幼虫背面の斑紋が瘤状に突出する。現在、コブの主な原因は真皮細胞が異常分裂して局所的に多層になるためと考えられるが、コブの形成時期など、不明な点が多い。発表者らがこれまでに行った蚕4齢幼虫のコブ形成領域への重イオン局部照射によって、この形質の顕著な抑制は認められなかった。そこで、外見上コブが形成されていない、孵化直後の幼虫への重粒子線局部照射を行い、コブ形質発現の抑制の有無を調べた。まず孵化幼虫の特定領域に限定して照射するため、孵化幼虫サイズの穴を多数有するアルミ板を作成し、その穴に孵化幼虫を入れ上下面にOHPフィルムを貼ることで、幼虫の動きを抑制した。孵化幼虫の、コブが将来形成される領域に炭素イオンマイクロビーム照射を行ったところ、コブ形質発現の消失が認められる個体は全照射個体の7割以上であった。またコブ消失部位では真皮細胞の異常分裂が抑制され、正常蚕の真皮細胞層と同じ1層のままであった。これらの結果から、コブ形質の発現及び形成が孵化直後には未だ完了していないことが明らかになった。

口頭

カイコ孵化幼虫真皮細胞への重イオンマイクロビーム照射によるコブ突然変異${it K}$の発現抑制

深本 花菜; 佐方 敏之*; 白井 孝治*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 和田 成一*; 浜田 信行*; 柿崎 竹彦; 原 孝光*; 鈴木 芳代; et al.

no journal, , 

カイコは、発生及び細胞分化を研究するためのよい実験材料である。カイコのコブ突然変異${it K}$は幼虫背面の斑紋が瘤状に突出するもので、その主な原因は真皮細胞が異常分裂して局所的に多層になるためと考えられるが、コブ形質にかかわる遺伝子の発現がいつどこで発揮されるのかなど、不明な点が多い。これまでにカイコ4齢幼虫のコブ形成領域を重イオンで局部照射してもこの形質の顕著な抑制は認められなかった。そこで、外見上コブがまだ形成されていない、孵化直後の幼虫への重粒子線局部照射を行い、コブ形質発現の抑制の有無を調べた。まず孵化幼虫の特定領域に限定して照射するため、孵化幼虫にあわせたサイズの穴を多数有するアルミ板の幼虫固定板を作成し、その穴に孵化幼虫を入れ、上下面に透明なプラスチックフィルムを貼って幼虫の動きを抑制した。孵化幼虫の、コブが将来形成される領域に炭素イオン局部照射(LET=128keV/$$mu$$m, $$phi$$180$$mu$$m)を行ったところ、コブ形質発現の消失が認められる個体は全照射個体の7割以上であった。またコブ消失部位では真皮細胞の異常分裂が抑制され、正常カイコの真皮細胞層と同じ1層のままであった。これらの結果から、コブ形質を発現する細胞・領域の決定は孵化以前に既に完了していることが明らかになった。

口頭

重イオン照射造血器官の再生機構; 再生過程のタイムテーブル作成の試み

佐方 敏之*; 白井 孝治*; 土屋 志織*; 木口 憲爾*; 深本 花菜; 坂下 哲哉; 小林 泰彦; 佐藤 茂*

no journal, , 

カイコ幼虫の造血器官に重イオンビームを照射すると、造血器官自体は一旦崩壊するが、その後高い確率で再生し再び血球を生成する。しかし、そのメカニズムには不明な点が多い。本研究では、照射後から造血器官再生までの各ステップについて再生までのタイムテーブルを電子顕微鏡像による形態及びタンパク質の成分から詳細に解析を行うことを試みた。その結果、5齢4日目には造血器官が再生されることを観察した。さらに、タンパク質成分については、血球前駆細胞が大きく崩壊する5齢day2には幾つかの特徴的な成分が認められたものの、非照射サンプルとの大きな違いは現在のところ認められなかった。

口頭

カイコ血球由来培養細胞株SS4への$$gamma$$線照射の影響

深本 花菜; 土屋 志織*; 白井 孝治*; 木口 憲爾*; 坂下 哲哉; 小林 泰彦; 今西 重雄*

no journal, , 

カイコ血球由来の培養細胞SS4は、血球の性質を残した培養細胞で、一部にプラズマ細胞様の伸長した細胞を含んでいる。$$gamma$$線照射後の細胞を観察したところ、線量200Gyで照射した場合でも細胞は死滅しなかった。この結果は、これまでに報告された昆虫細胞への$$gamma$$線照射の結果と線量レベルに関して一致する。照射後に、細胞数密度の時間的な変化を調べた結果、線量の増加とともに細胞の増殖速度が低下する傾向が観察された。今後、重イオンビームに対する同様の実験を行い、将来的に昆虫培養細胞を用いた重イオンマイクロビームによるバイスタンダー効果の解析を行う予定である。

口頭

血球由来培養細胞(SS4)への$$gamma$$線照射が細胞増殖に与える影響

深本 花菜; 土屋 志織*; 坂下 哲哉; 浜田 信行*; 鈴木 芳代*; 柿崎 竹彦*; 和田 成一*; 原 孝光*; 今西 重雄*; 白井 孝治*; et al.

no journal, , 

昆虫の細胞は比較放射線抵抗性が高く、真皮細胞では400Gyの重イオン照射においても放射線障害による細胞死は起こらないことが明らかになっている。一方、造血器官に重イオン(100Gy)を照射すると、血球前駆細胞がアポトーシス様の細胞死を起こすことから、比較的抵抗性が低いことを明らかにしてきた。血球前駆細胞における細胞死の過程をほかの細胞と比較することで、昆虫細胞の高い放射線抵抗性の要因の一端が明らかになると期待される。本研究は血球前駆細胞の対照として、カイコ血球由来細胞SS4を用いた。まず、$$gamma$$線を照射して増殖に与える影響を調査した。照射後96時間まで細胞数の変化を調査したところ、低線量(1Gy)ではほとんど影響は認められなかったものの、線量の増加とともに減少した。詳細には、10-20Gyでは24時間後には増殖が認められなかったが、その後増殖を再開した。一方、約50 Gy付近を境に増殖速度に変化が認められ、特に100及び200Gyでは96時間後においても細胞数に変化は認められず、ほぼ横ばいであった。しかし細胞は死滅することはなく、SS4細胞が放射線に抵抗性であると推測された。

口頭

エビガラスズメ緑色幼虫の真皮細胞における真皮細胞カロチノイド結合タンパク質(eCBP)のプロセシング

白井 孝治*; 角田 嘉伸*; 福島 壽斗*; 深本 花菜; 木口 憲爾*

no journal, , 

エビガラスズメ緑色幼虫の体色は基本的に真皮細胞中に存在する青色色素を結合したインセクトシアニン(INS)と黄色色素を結合した真皮細胞カロチノイド結合タンパク質(eCBP)による。eCBPは一般的な分泌タンパク質によく認められるシグナルペプチドを有することから分泌タンパク質と考えられるが、これまでに特異抗体を用いた実験から体液中には分泌されないと考えられていた。しかしeCBPのN末端側6アミノ酸残基上流で切断されたheCBPが体液中に極微量存在することを発見した。そこでeCBPとheCBPの関係を明らかにすることを目的に研究を行った。まず、eCBPの合成後のプロセシングを調査した結果、真皮細胞では生合成直後はheCBPの形で検出され、約2時間後に急激にheCBPが消失し、代わりにeCBPが検出されることが明らかになった。また真皮細胞のミクロソームからheCBPが検出された。これらの結果から、真皮細胞中においてeCBPmRNAからタンパク質に翻訳された際、最初にシグナルペプチドが切断されheCBPの形となり、その後もう一度N末端の6アミノ酸残基が切断され、成熟したeCBPとなり蓄積されると判断される。すなわちheCBPはeCBPの前駆体である。

口頭

重イオン照射造血器官の崩壊・再生機構; 時期特異的な分子マーカーの探索

小林 智史*; 佐方 敏之*; 土屋 志織*; 白井 孝治*; 木口 憲爾*; 深本 花菜; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦

no journal, , 

カイコ幼虫の造血器官に重イオンビームを照射すると機能不全となり、その後一旦崩壊するものの、その後再生する。この造血器官の崩壊・再生のメカニズムをさらに詳細に研究するには、各段階で特異的に変化する分子マーカーを探索し、それを足がかりに研究を展開する必要がある。そこで、照射後の造血器官におけるタンパク質成分の経時的変化を2次元電気泳動で分析し、大きく変化した成分の同定を試みた。その結果、5齢day2、すなわち照射造血器官が崩壊するステージに特異的に増大する2つのスポットを検出した。これらのスポットは非照射の造血器官のサンプルには認められない。その後、5齢day4にはこれらのスポットは対照区と同じ濃度になったことから、検出された2つのスポットが造血器官崩壊期に特異的であると考えられる。これら2つのタンパク質成分をゲルから回収し、トリプシンで消化後、peptide mass finger print法により分析した。その結果、eIF2$$alpha$$kinase、及び可溶性alkaline phosphataseであると推定された。両成分ともに細胞の活性調節に関与するタンパク質として興味深い。

口頭

昆虫培養細胞Sf9への重イオン照射の影響; 照射によるeIF2$$alpha$$のリン酸化の誘導

土屋 志織*; 深本 花菜; 白井 孝治*; 木口 憲爾*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 小林 泰彦

no journal, , 

昆虫細胞(ヨトウガ卵巣由来培養細胞Sf9)への重イオンビーム照射の影響を調査した結果、10Gy照射区ではほとんど影響は認められず、100又は400Gy照射した区では増殖が抑制されている可能性が示唆された。また400Gy照射区では照射後、浮遊し凝集する細胞が多く認められた。しかし、トリパンブルーを用い致死細胞を調査したが、顕著な細胞死(約25%)は認められなかった(対照区15$$sim$$16%)。照射16時間後に細胞を回収し真核生物翻訳開始因子の$$alpha$$サブユニット(eIF2$$alpha$$)のリン酸化の増加を調査したところ、顕著なリン酸化が認められた。Sf9細胞のeIF2$$alpha$$のリン酸化はUV照射のダメージにより誘導され、場合によりアポトーシスを誘導することが明らかにされている。しかし、非照射区細胞においても弱いながら検出されたため、現在、真偽を確認中である。本研究によりSf9細胞が他の放射線と同じく重イオンビーム照射にも耐性であることが判明した。

口頭

低線量重イオン照射によるカイコ造血器官の血球産出の抑制

深本 花菜; 土屋 志織*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 横田 裕一郎; 白井 孝治*; 木口 憲爾*; 小林 泰彦

no journal, , 

放射線耐性とされる昆虫細胞・器官の中で、造血器官は比較的放射線の影響を受けやすい。例えばカイコ造血器官はわずか1Gyの炭素イオンビーム照射で血球産出を停止する。組織切片を観察したところ、非照射側の造血器官では幼虫の発育に伴い器官も発達し、その内部には多くの血球前駆細胞が認められた。一方照射した側の造血器官では、器官を囲む無細胞性の膜は非照射造血器官とほぼ同様に発達したが、内部の血球前駆細胞は極端に少なく、islet内に多くの間隙が認められた。ヨトウガ卵巣由来Sf9細胞に重イオンを照射しその影響を調査したところ、カイコ血球前駆細胞と異なり10Gy照射区までは顕著な照射の影響を認めなかったが、100Gy以上の照射区では明らかな増殖遅延が認められた。以上の結果から、低線量の炭素イオンを照射された造血器官において血球産出が停止する原因は、血球前駆細胞の増殖抑制であると考えられる。

口頭

Regeneration mechanism of hemopoietic organs in the silkworm, ${it Bombyx mori}$, after heavy-ion irradiation; Analysis by transplantation of the irradiated organs using a transgenic silkworm strain

白井 孝治*; 木口 憲爾*; 佐方 敏之*; 深本 花菜; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 小林 泰彦

no journal, , 

Locally-targeted irradiation of the silkworm, Bombyx mori, with heavy-ions resulted in marked damage of the larval hemopoietic organs (HPOs), but that these were subsequently regenerated with high frequency. In order to clarify the origin of the stem cells responsible for the regeneration of heavy-ion-irradiated HPOs, we conducted transplantation experiments of the organs using transgenic silkworm larvae, which were characterized by GFP expression in cells. Here we suggest that the stem cells responsible for regeneration may also originate from the hemocytes in circulation. The implanted organs were recovered from the host larvae six days. Then GEP in the regenerated organs was immunohistochemically detected by using anti-GFP. As a result, GFP-signals were clearly detected in those HPOs that regenerated after heavy-ion irradiation. This finding suggests that the hemocytes expressing GFP in circulation, invade the implanted HPOs where they are involved in regeneration.

口頭

昆虫培養細胞Sf9におけるバイスタンダー効果の有無について

土屋 志織*; 白井 孝治*; 木口 憲爾*; 深本 花菜; 横田 裕一郎; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 小林 泰彦

no journal, , 

昆虫細胞におけるバイスタンダー効果の有無を明らかにすることを目的とし、昆虫培養細胞に炭素イオンを照射して、周囲の非照射細胞における増殖、及び致死誘導の有無を検討した。特に本研究では、培養液中に放出された可溶性因子を介した液性のバイスタンダー効果と、細胞間のギャップジャンクションを介したシグナルによるバイスタンダー効果(GJICバイスタンダー効果)の両方を調査することにした。その結果、照射した細胞と共培養した非照射細胞においても、照射細胞の周囲の非照射においても、顕著な増殖低下やアポトーシス誘導は認められなかった。今後は、コロニー形成率を調査することで昆虫細胞におけるバイスタンダー効果の有無をさらに詳細に検討する予定である。

口頭

重イオン照射造血器官の崩壊・再生機構; 崩壊期におけるeIF2$$alpha$$kinase(BeK)の発現調査

小林 智史*; 土屋 志織*; 白井 孝治*; 深本 花菜; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 小林 泰彦

no journal, , 

カイコ造血器官は、同じように分裂・増殖を盛んに行う培養細胞と比べ低線量の照射で崩壊することがわかっている。このことから造血器官への重イオンビーム照射によって誘導される細胞死は、血球前駆細胞の分裂・分化の制御機構と密接にかかわると考えられる。そこでカイコ血球細胞の分化・増殖機構を解明する新たなアプローチとして、重イオンビームを照射した造血器官の崩壊・再生の各ステップにおける分子マーカーを探索したところ、崩壊期に特異的に量が増大するタンパク質を発見した。本研究では、特にストレス応答にかかわることで知られているeIF2$$alpha$$kinaseに着目し、調査を行った。カイコのeIF2$$alpha$$kinaseであるBeKをクローニングし、照射した造血器官の崩壊期におけるBeKmRNA量の変動を調査したところ、顕著な増大は認められなかった。今後、既に哺乳類では報告のある4種のeIF2$$alpha$$kinaseを参考に、別のカイコeIF2$$alpha$$kinaseを探索し、崩壊に関与する成分を特定する予定である。

口頭

線虫変異体の化学走性学習に対する重イオンマイクロビーム局部照射の影響

坂下 哲哉; 服部 佑哉; 池田 裕子; 武藤 泰子*; 横田 裕一郎; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 白井 花菜*; 小林 泰彦

no journal, , 

宇宙放射線被ばくにより、学習障害など神経系に影響をもたらすことが危惧されている。我々は、これまで放射線照射に対する神経系の応答に関して基礎的なメカニズムを明らかにすることを目的として、神経系のモデル生物として知られる線虫を用いて、様々な学習及び行動について低LET(linear energy transfer)及び高LET放射線の影響を調べてきた。これまでの研究から、全身を照射した線虫の化学走性学習行動が、特定の条件下においてのみ影響を受けることを明らかにした。しかし、線虫のどの部位への放射線照射が、学走性学習行動の変化を誘導するかは未だ明らかでない。一方、マイクロビーム照射技術は、細胞あるいは組織レベルでの直接的な放射線の影響を調べるための有効なツールである。そこで、炭素イオンマイクロビームを用いて、線虫の化学走性学習に対する直接的な放射線の影響部位を明らかにする実験を開始した。本実験では、野生型の線虫に加えて、化学走性学習に関連する変異体についてもマイクロビーム照射実験を行った。本発表では、重イオンマイクロビーム照射実験の最新結果を報告する。

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