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論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の動力変換系統の設計

高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 皆月 功*

第31回ガスタービン定期講演会論文集, p.55 - 60, 2003/06

ヘリウムガス冷却高温ガス炉ガスタービン発電プラント(GTHTR300)の設計研究を行った。再生式閉サイクルにより、850$$^{circ}$$C,7MPaのタービン入口条件で45.8%の発電効率を得た。ターボマシンは、単軸,磁気軸受支持とした。タービン及び圧縮機は、各々93%,90%のポリトロープ効率を達成した。再生熱交換器は、プレートフィン型とした。効率が高く、安全性に優れた原子力発電プラントの成立性の見込みが得られた。本報告では、GTHTR300ターボ圧縮機の空力設計,動力変換系統設計及びターボ圧縮機の保守補修方針について報告する。なお、本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。

論文

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の発電系設計

高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 片西 昌司; 小杉山 真一; 皆月 功*; 三好 保行*

日本原子力学会和文論文誌, 1(4), p.341 - 351, 2002/12

GTHTR300発電系設計では、経済性を高めるため、動力変換機器の高性能化,中間冷却器無サイクルの採用による物量低減を行った。タービンと圧縮機には3次元翼設計により、スラスト力を10kNに低減し、各々93.90%の高ポリトロープ効率を達成し、発電効率45.8%を得た。圧縮機ではサージマージン30%を得た。ターボマシンは横置とし、またダイヤフラムカップリングにより発電機とターボ圧縮機の振動絶縁を行い、磁気軸受負荷容量を低減しつつ軸系振動振幅をISO管理値75$$mu$$m以下とした。熱交換器設計では、小型化・物量低減を行った。プレートフィン型再生熱交換器では1.2$$times$$1.2mmの正方フィンを採用し、温度効率95%を確保した。前置冷却器はローフィン管ヘリカルコイル型とした。本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。

論文

Improvement in the design of helium turbine for the HTGR-GT power plant

武藤 康; 石山 新太郎; 猪亦 麻子*; 岸部 忠晴*; 皆月 功*; 松本 岩男*; Levet, F.*

Proceedings of ASME Turbo Expo 2001 (CD-ROM), 8 Pages, 2001/00

本報告は科学技術庁から原研に委託された「高温発電システムフィージビリティスタディ」の成果をまとめたものである。熱出力600MW、原子炉出口温度850$$^{circ}C$$、圧力6MPaの高温ガス炉に接続するヘリウムガスタービン発電系統についての予備設計からの改良点につきまとめた。改良の目標はガスタービンロータのコンパクト化であり、タービンについては負荷係数とコード長さの変更により、圧縮機については詳細な応力解析によりコンパクト化に成功した。また軸系についても、磁気軸受の設計による改良を行い、高圧圧縮機とタービン間の軸受の削除及び発電機ロータの応答倍率の縮少に成功した。さらに、遠隔保守により、ガスタービンロータを収納容器から引抜き、検査の上、再組立できることを示した。これらの改良設計の結果、正味46%の高い熱効率の魅力的な設計概念を構築できた。

論文

High temperature engineering test reactor design

田中 利幸; 塩沢 周策; 大久保 実; 馬場 治; 皆月 功*; 秋定 俊裕*; 井上 登代一*; 山口 茂*

Proc. of the ASME Joint Int. Power Generation Conf., 0, 10 Pages, 1994/00

高温工学試験研究炉(HTTR)は、熱出力30MW、原子炉出口冷却材温度950$$^{circ}$$Cの高温ガス炉型試験炉であり、将来の高温ガス炉技術基盤の確立と高度化及び種々の高温工学に関する先端的基礎研究を行うことを目的としている。HTTRは我が国初のHTGRであり、750$$^{circ}$$C以上の冷却材を炉外に取り出す世界初の原子炉である。原子炉出口冷却材温度960$$^{circ}$$Cを達成するために、HTTRの設計において種々の工夫を行った。燃料、原子炉停止系、補助冷却系、FP放出に対する多重障害等についての必要な安全対策もHTTRの設計に採用している。本報は、HTTRの設計について、特に原子炉出口温度950$$^{circ}$$Cを達成するための工夫と安全上の考慮について記述したものである。また、HTTRの安全評価及び建設状況についても簡単に述べる。

報告書

DCA炉心実験データ集(15) 25.0cmピッチ格子におけるミクロパラメータの測定

仁柴 明人*; 皆月 功*; 若林 利男*; 草別 幸夫*; 戸村 和二*

PNC TN941 79-195, 66 Pages, 1979/10

PNC-TN941-79-195.pdf:2.06MB

プルトニウム燃料を装荷した25.0cmピッチ格子についてミクロ・パラメータの測定を行なった。使用したプルトニウム燃料は天然ウランにスタンダード・グレイド($$sim$$90%Pu-fissile)のプルトニウムを0.54w/o富化した混合酸化物(5sPu)とリアクター・グレイド($$sim$$75%Pu―fissile)のプルトニウムを0.87w/o富化した混合酸化物(8RPu)の二種類である。5sPuの格子では0%,30%および100%の三種類の冷却材ボイド率について,8RPuの格子では0%および100%の二種類の冷却材ボイド率について,測定を行なった。さらに重水減速材中に10Bを3.9ppm含んだ,冷却材ボイド率が0%である5sPu格子についても測定を行なった。▲プルトニウム箔,濃縮ウラン箔,天然ウラン箔,または劣化ウラン箔などを裸とカドミ・カバーをして燃料棒内にセットし,照射により箔内に生じたFPの$$gamma$$線またはネプツニウム239の$$gamma$$線を計数した。これらの箔の比放射能から$$rho$$$$times$$18,$$delta$$$$times$$25,$$delta$$$$times$$49,$$delta$$$$times$$28,$$delta$$$$times$$49/25等のミクロパラメータを求めた。

報告書

プルトニウム炉心における単位格子内熱中性子束分布の測定: 25.0cmピッチ格子における実験

若林 利男*; 仁村 明人*; 皆月 功*; 草別 幸夫*; 戸村 和二*; 八谷 雄喜*

PNC TN941 79-149, 76 Pages, 1979/09

PNC-TN941-79-149.pdf:1.5MB

プルトニウム燃料棒28本集合体を装荷した格子ピッチ25.0cmの炉心における単位格子内熱中性子束分布の測定を,Dy―A1合金箔を用いた箔放射化法によっておこなった。使用したプルトニウム燃料は0.54wt%PuO/2―UO/2(スタンダードクレード)と0.87wt%PuO/2―UO/2(リアクターグレード)の2種類の燃料であった。冷却材ボイド率は0.54wt%PuO/2―UO/2燃料の場合が,0%,30%,70%の3種類で,0.87wt%PuO/2―UO/2燃料では0%と100%であった。また0.54wt%PuO/2―UO/2燃料で冷却材ボイド率が0%においては,重水減速材中にホウ素10が3.9ppm入った場合についても測定をおこなった。熱中性子束分布の測定誤差は冷却材中では+-3%,圧力管とカランドリア管の内側では+-2%,その他の燃料中および重水中では+-1.5%であった。▲今回の実験結果より,25.0cm格子ピッチにおける単位格子内熱中性子束分布の特性が集大成され,先に測定報告された22.5cm格子ピッチの実験結果との比較から熱中性子束分布の格子ピッチ依存性について明らかになった。LAMP―DCAコードによる計算との比較では,燃料クラスター平均では2%以内の差で実験値を再現しており,METHUSELAH―2コードの場合の8%よりもよい精度で求めることができることが確認された。これより,LAMP―DCAコードはプルトニウム燃料装荷ふげん型重水炉の持性評価に非常に有効であると考えられる。▲

報告書

54本及び60本燃料集合体1体の臨界実験

若林 利男*; 皆月 功*; 草別 幸男*

PNC TN941 78-84, 134 Pages, 1978/01

PNC-TN941-78-84.pdf:3.42MB

54本又は60本燃料集合体1体を用いた臨界実験により,大型燃料集合体の核特性のうち冷却材ボイド反応度,熱中性子束分布,中性子スペクトル,局所ピーキング係数について調べた。今回の実験結果より次の事が明らかになった。▲1)54本燃料集合体の冷却材ボイド反応度は,集合体中心部に軽水を満たし,100%ボイド時にはその軽水がぬける構造にした場合がより負側になる。▲2)54本燃料集合体中心部の軽水層にGd,Cd等吸収棒を入れた場合,冷却材ボイド反応度は1)の場合より12$$sim$$21%負側になる。このことより,冷却材ボイド反応度をより負側にする新しい構造の燃料集合体を示すことができた。▲3)燃料棒内Dy反応率分布の測定結果より,大型燃料集合体において冷却材ボイド反応度を負側にするメカニズムを説明することができた。▲4)燃料棒内の微細Dy反応率分布の測定結果は,燃料棒内の自己遮蔽効果を考えることによりよく説明することができた。▲5)燃料中の中性子スペクトルを示すスペクトルインデックスの測定は,各種箔について+-3%の精度で求めることができ,計算コードの評価が可能となった。▲6)局所ピーキング係数は,60本燃料集合体が一番悪く,54本燃料集合体が一番良くなっている。また,Gd吸収棒が入った場合は,54本燃料集合体より4%程度大きくなっているだけである。▲

口頭

Small-sized high temperature reactor (MHR-50) for electricity generation; Core design with long refueling interval

寺田 敦彦; 島川 聡司; 柴田 大受; 塩沢 周策*; 皆月 功

no journal, , 

三菱重工と原子力エネルギー基盤連携センターに高温ガス炉要素技術開発特別チームを設置して、電気出力50MWのブロック型小型高温ガス炉(MHR-50)の設計に取り組んでいる。ブロック型高温ガス炉の炉心の課題の一つに、運転コスト低減につながる炉心燃料交換のための期間削減がある。この課題を解決する炉心の長寿命化を目指し、燃料体発熱密度や燃料コンパクトのウラン/黒鉛の配合比等をパラメータにして検討し、燃料体10段積みカラム(平均発熱密度3W/cc)を42カラム設置した炉心構成にすることにより約10年にわたり燃料を交換することなく運転が可能なことを明らかにした。

口頭

実用高温ガス炉(MHR-50/100is)の設計研究,4; 炉心特性,安全性に関する検討

中川 繁昭; 國富 一彦; 橘 幸男; 寺田 敦彦; 皆月 功*; 小山 直*; 塚本 裕貴*

no journal, , 

原子力機構と三菱重工業とが連携し、概念の検討を進めている実用高温ガス炉(MHR-50/100is)の設計研究については、日本で初めての高温ガス炉であり、原子力機構の大洗研究開発センターに設置された高温工学試験研究炉(HTTR)の設計,建設,試験・運転で得られた知見を活かして炉心特性に関する評価検討を行った。得られた炉心特性に基づき、技術的成立性を判断するための代表的な事故事象について安全性に関する評価検討を行った。その結果、設計検討を行ったMHR-50/100isの2つのシステムのうち、代表的なシステムであるMHR-50isについて、炉心は3年間の燃焼が可能であり、燃焼度は平均52GWd/t(最高93GWd/t)に達するとの結果を得た。また、代表的な事故事象として、1次冷却設備二重管内管破損事故(加圧事故)、スタンドパイプ破損事故(反応度投入事故)等に対して原子炉の安全性が確保されることを確認した。

口頭

実用高温ガス炉(MHR-50/100is)の設計研究,1; 実用高温ガス炉開発の概要

清水 克祐*; 皆月 功*; 大谷 知未*; 溝上 頼賢*; 小山 直*; 塚本 裕貴*; 國富 一彦; 橘 幸男; 寺田 敦彦

no journal, , 

三菱重工業と日本原子力研究開発機構とが連携し、平成21年より、高温ガス炉の特長(安全性,運転性,経済性,熱利用)を生かした実用高温ガス炉(MHR-50/100is)の設計研究を行っている。原子炉炉システムの開発理念は、HTTRで開発された技術及び既往技術を活用することによる開発リードタイムの短縮、投資リスクの低減から小型炉を志向した。加えて、小型炉の強みを活かして建設工期の短縮によるコスト低減を図った。本発表では、本実用高温ガス炉のプラント概念を中心に、開発の概要、小型高温ガス炉の市場性及びフィナンシャル分析による事業性について報告する。加えて、高温ガス炉で懸念される水浸入事故,反応度印加事故に対する耐性を有するシステムの概要を報告する。

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