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吉井 賢資; 池田 直*; 西畑 保雄; 真栄田 大介*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 狩野 旬*; 神戸 高志*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(3), p.033704_1 - 033704_4, 2012/03
被引用回数:10 パーセンタイル:55.37(Physics, Multidisciplinary)磁性と誘電性が共存するマルチフェロイックFeO(=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)の交換バイアスを観測した。小さいイオンの場合(=Tm, Yb, Lu and In)、100-150K以下で交換バイアス磁場は1kOe以上の大きな値を示した。この性質は、強磁性的相互作用と反強磁性相互作用の競合に由来する磁気的グラス状態により発現する。交換バイアス磁場は、イオンを小さくすると大きくなる傾向を示した。すなわち、サイト元素を置換することにより交換バイアスを制御できる可能性が示され、応用的にも興味深い結果が得られた。
道内 尊正*; 横田 祐輔*; 小松 拓磨*; 早川 弘毅*; 黒田 朋子*; 真栄田 大介*; 松尾 祥史*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 花咲 徳亮*; et al.
Ferroelectrics, 378(1), p.175 - 180, 2009/00
被引用回数:18 パーセンタイル:59.66(Materials Science, Multidisciplinary)鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる標記物質LuFeOにつき、合成条件を変えることにより酸素量を変えた試料に対する磁性と誘電性について報告する。試料作成はCO-CO混合ガスフロー中で行い、COとCOの比を変えることで酸素量を変えた。CO:COのフロー比が1:5付近において、磁気転移温度が最高の240250K近傍となったことから、この試料が最良のものと判断される。本試料の誘電率は、室温で10000近傍であった。誘電率の虚数部分から求めた活性化エネルギー0.40.5eV程度であり、これまでLuFeOにおいて報告されていた0.3eVよりも大きい傾向が見られた。今後さらに測定を行い、物性の詳細のわかっていないLuFeOの性質とその起源を明らかにする予定である。
吉井 賢資; 米田 安宏; 真栄田 大介*; 横田 祐輔*; 道内 尊正*; 小松 拓磨*; 池田 直*; 松尾 祥史*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7599 - 7602, 2008/09
被引用回数:8 パーセンタイル:33.28(Physics, Applied)新規強誘電体RFeO(R=Y,Ho-Lu)の性質を明らかにするため、標記酸化物の物性を調べた。RFeOのうち、物性の報告例のないHoFeOを合成し、磁性と誘電性を調べた。誘電率は室温で1000程度であり、ほかのRFeOと類似であるが、誘電応答における系の乱れと磁気転移温度は明瞭な違いが見られた。この違いは、酸素量の違いに由来すると推測される。また、希土類サイトの置換を行い、物性を調べた。最もイオン半径の異なるYとLuの間で混晶が作成でき、その物性が非混晶系と類似であることから、R=Y,Ho-Luの間で混晶が作成でき、物性も非混晶系と本質的に同じと推測された。さらに、LuFeOのLuの一部を、希土類の中で最も小さいScに置換した。X線回折からは、20%ほどのSc置換が上限であることがわかった。誘電性はLuFeOと類似であったが、磁気転移温度はSc置換により、250Kから200Kへと大幅に下がった。このことは、希土類サイトの置換により、物性コントロールが可能なことを示唆する。
安居院 あかね; 水牧 仁一朗*; 河村 直己*; 黒田 朋子*; 早川 弘毅*; 真栄田 大介*; 道内 尊正*; 池田 直*
no journal, ,
これまでLuFeOのFe K吸収端励起のKb1,3発光線を測定し3d-3p電子間の交換相互作用によりスペクトルに反映される3d電子の状態について入射方向依存性を観測した。これまでに報告しているFe La,b軟X線発光分光の結果と合わせて報告する。
真栄田 大介*; 福山 諒太*; 北村 聡*; 船江 岳史*; 松尾 祥史*; 池田 直*; 神戸 高志*; 君塚 昇*; 吉井 賢資
no journal, ,
鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる標記酸化物の逐次相転移について調べた。この系は330K付近に電荷秩序相転移が現れ、250Kに鉄スピンの磁気転移が起こり、磁気転移温度直下でさらに構造相転移が起こると報告されており、複雑な相転移挙動を示す。本発表では、合成条件をさまざまに変えて作成したYFeO試料につき、その構造・磁性・誘電性を調べた。酸素分圧等の合成条件の微妙な変化によって試料の酸素量が変わり、それが構造や物性の大きな変化を引き起こすことがわかった。