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Wang, Y.*; 梶原 駿*; 松岡 秀樹*; Saika, B. K.*; 山神 光平*; 竹田 幸治; 和達 大樹*; 石坂 香子*; 岩佐 義宏*; 中野 匡規*
Nano Letters, 22(24), p.9964 - 9971, 2022/12
被引用回数:9 パーセンタイル:83.82(Chemistry, Multidisciplinary)In a conventional magnetic material, a long-range magnetic order develops in three dimensions, and reducing a layer number weakens its magnetism. Here we demonstrate anomalous layer-number-independent ferromagnetism down to the two-dimensional (2D) limit in a metastable phase of CrTe. We fabricated CrTe thin films by molecular-beam epitaxy and found that CrTe could host two distinct ferromagnetic phases characterized with different Curie temperatures (). One is the bulk-like high- phase showing room-temperature ferromagnetism, which is consistent with previous studies. The other is the metastable low- phase with 160 K, which exhibits a layer-number-independent down to the 2D limit in marked contrast with the conventional high- phase, demonstrating a purely 2D nature of its ferromagnetism. Such significant differences between two distinct phases could be attributed to a small variation in the doping level, making this material attractive for future ultracompact spintronics applications with potential gate-tunable room-temperature 2D ferromagnetism.
松岡 秀樹*; Barnes, S. E.*; 家田 淳一; 前川 禎通; Bahramy, M. S.*; Saika, B. K.*; 竹田 幸治; 和達 大樹*; Wang, Y.*; 吉田 訓*; et al.
Nano Letters, 21(4), p.1807 - 1814, 2021/02
被引用回数:13 パーセンタイル:77.64(Chemistry, Multidisciplinary)Magnetocrystalline anisotropy, a key ingredient for establishing long-range order in a magnetic material down to the two-dimensional (2D) limit, is generally associated with spin-orbit interaction (SOI) involving a finite orbital angular momentum. Here we report strong out-of-plane magnetic anisotropy without orbital angular momentum, emerging at the interface between two different van der Waals (vdW) materials, an archetypal metallic vdW material NbSe possessing Zeeman-type SOI and an isotropic vdW ferromagnet VSe. We found that the Zeeman SOI in NbSe induces robust out-of-plane magnetic anisotropy in VSe down to the 2D limit with a more than 2-fold enhancement of the transition temperature. We propose a simple model that takes into account the energy gain in NbSe in contact with a ferromagnet, which naturally explains our observations. Our results demonstrate a conceptually new magnetic proximity effect at the vdW interface, expanding the horizons of emergent phenomena achievable in vdW heterostructures.
藤田 奈津子; 松原 章浩; 三宅 正恭*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 加藤 元久*; 岡部 宣章*; 磯崎 信宏*; 石坂 千佳*; 西尾 智博; et al.
Proceedings of the 8th East Asia Accelerator Mass Spectrometry Symposium and the 22nd Japan Accelerator Mass Spectrometry symposium (EA-AMS 8 & JAMS-22), p.34 - 36, 2020/00
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは加速器質量分析装置JAEA-AMS-TONOを1998年から運用を開始し、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として行う深地層の科学的研究のうち、地質環境の長期安定性に関する研究に対して年代測定及びその技術の開発を行っている。本発表では2019年度の現状について報告する。装置導入から2018年度までの総測定時間は約25,000時間であり、総測定試料数は20,000試料を超え、複数の核種による年代測定法を実用化しており、幅広い年代値を持つ地質試料等に適用している。最近では測定試料が増加し、新しいAMS装置の導入が予定されている。
中野 匡規*; Wang, Y.*; 吉田 訓*; 松岡 秀樹*; 真島 裕貴*; 池田 啓祐*; 平田 靖透*; 竹田 幸治; 和達 大樹*; 小濱 芳允*; et al.
Nano Letters, 19(12), p.8806 - 8810, 2019/12
被引用回数:56 パーセンタイル:92.05(Chemistry, Multidisciplinary)The discoveries of intrinsic ferromagnetism in atomically thin van der Waals crystals have opened a new research field enabling fundamental studies on magnetism at two-dimensional (2D) limit as well as development of magnetic van der Waals heterostructures. Here we demonstrate that VSe epitaxial thin films grown by molecular-beam epitaxy exhibit emergent 2D ferromagnetism with intrinsic spin polarization of the V 3d electrons although the bulk counterpart is originally antiferromagnetic. Moreover, thickness-dependence measurements reveal that this newly developed 2D ferromagnet could be classified as an itinerant 2D Heisenberg ferromagnet with weak magnetic anisotropy.
國分 陽子; 藤田 奈津子; 三宅 正恭; 渡邊 隆広; 石坂 千佳; 岡部 宣章; 石丸 恒存; 松原 章浩*; 西澤 章光*; 西尾 智博*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 456, p.271 - 275, 2019/10
被引用回数:5 パーセンタイル:48.99(Instruments & Instrumentation)JAEA-AMS-TONOは、日本原子力研究開発機構東濃地科学センターに導入されてから20周年を迎えた。5MVタンデム型加速器質量分析装置を用いて、炭素,ベリリウム,アルミニウムの同位体測定を行っている。また、現在、さらなる利用を広げるため、ヨウ素同位体測定等の整備を進めている。年間の測定試料数はここ5年の平均で、およそ1000個である。そのうち、最も多い測定は炭素であり、主に高レベル放射性廃棄物の地層処分に関わる地質環境の長期安定性に関する研究の一環で地質試料の年代測定に使われている。近年、試料調製のスピードを上げるため、自動グラファイト調製装置の導入及び地下水中の溶存無機炭素のガス化回収装置の構築を行った。また、ベリリウム、アルミニウム測定では地球科学の研究に利用する一方、ベリリウムについては検出限界の低減を図った。最近、ヨウ素の測定に向け、測定条件の検討を行っている。
渡邊 隆広; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 石坂 千佳*; 西尾 智博; 松原 章浩*; 三宅 正恭; 加藤 元久*; 磯崎 信宏*; 虎沢 均*; et al.
JAEA-Conf 2018-002, p.116 - 119, 2019/02
東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、放射性廃棄物の地層処分の研究開発の一環として加速器質量分析法(AMS)を用いた放射性炭素年代測定を実施している。しかし、高時間分解能でのデータが必要となるケースもあり、多数の試料を効率良く処理する手法が求められている。したがって、放射性炭素年代測定の前処理の効率化を進めるため、自動グラファイト調製装置(IonPlus社製AGE3)を2016年度に導入した。年代値を適切に評価するためには、試料調製時における炭素汚染や収率を把握することが重要となる。本研究では、標準物質であるIAEA-C1, C4, C5, C6, C7, C9およびNIST-SRM4990Cを用いて、AGE3の性能評価を実施した。測定結果は各標準試料の放射性炭素濃度の合意値とおおよそ2の範囲で一致した。また、バックグラウンド評価として実施したIAEA-C1の測定結果は0.150.01pMCであり、地質試料の年代測定において十分に適用可能であると考えられる。
國分 陽子; 藤田 奈津子; 松原 章浩*; 西澤 章光*; 西尾 智博; 三宅 正恭; 石丸 恒存; 渡邊 隆広; 尾方 伸久; 島田 顕臣; et al.
JAEA-Conf 2018-002, p.5 - 8, 2019/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所JAEA-AMS-TONOは、平成9年3月に5MVの加速器(NEC製ペレトロン15SDH-2)を有する加速器質量分析装置を導入し、平成29年で20年を迎えた。本発表では、JAEA-AMS-TONOのこれまでのあゆみについて紹介する。現在、土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として行う深地層の科学的研究のうち、地質環境の長期安定性に関する研究の基盤となる年代測定技術の開発を行っている。その中で、JAEA-AMS-TONOは放射性炭素をはじめとする数種の年代測定が可能であり、その中核施設としての役割を担っている。これまで放射性炭素やベリリウム-10、アルミニウム-26測定により、断層の活動性や津波の痕跡、気候変動に関する研究、地表面の侵食速度や岩石の露出年代を求める研究に貢献している。
藤田 奈津子; 三宅 正恭; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 松原 章浩*; 加藤 元久*; 岡部 宣章; 磯崎 信宏*; 石坂 千佳*; 虎沢 均*; et al.
第31回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.92 - 95, 2018/12
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターではJAEA-AMS-TONOを平成9年に導入し、当機構で進める深地層の科学的研究の基盤となる年代測定等を行っている。本発表では平成29年度のJAEA-AMS-TONOの状況について報告する。平成29年度は、タンク内の定期メンテナンスに加え、不具合の生じていたペレットチェーン用インバータ及びストリッパーガス圧計の交換を実施した。装置に関する不具合としては、4月にダブルスリットの動作の不具合が生じた。調査の結果、原因は制御基板のコンデンサーの老朽化による破損にあることが判明した。また、平成30年2月にはイオン源のリークが発生した。調査の結果、原因はセシウム輸送管の溶接部の亀裂にあることが分かった。このため、アイオナイザーハウジング一式の更新を行った。
奥村 進; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 百合 庸介; 奈良 孝幸; et al.
JAEA-Review 2012-046, JAEA Takasaki Annual Report 2011, P. 172, 2013/01
東日本大震災のため、2011年度のAVFサイクロトロンの運転は5月9日から開始し、4月に計画されていたすべての実験は中止となった。全運転時間は3,038.4時間であった。4月の中止分を補てんするため、土曜日の運転を8回実施した。例年の整備を実施した。
北村 智; 秋田 祐介; 石坂 宏*; 鳴海 一成; 田中 淳
Journal of Plant Physiology, 169(6), p.636 - 642, 2012/04
被引用回数:71 パーセンタイル:90.11(Plant Sciences)アントシアニンはフラボノイドの一種で、花弁のさまざまな色がフラボノイドによって支配されている。本研究では、シクラメンにおいて、アントシアニン輸送に関与するグルタチオントランスフェラーゼ(GST)遺伝子を同定するために、若い花弁より抽出したRNAに対してディジェネレートPCRを行うことにより、これまでに報告のない4種類のGST様遺伝子(CkmGST1, 2, 3, 4)を得た。発育ステージの異なる花弁RNAを用いた発現解析により、CkmGST3を除く3遺伝子はいずれのステージでも同程度の発現であったが、CkmGST3のみ、他のアントシアニン生合成遺伝子(CkmF3'5'H, CkmDFR2)と類似した発現パターンを示すことが明らかとなった。分子系統学的解析からは、CkmGST3がフラボノイド輸送関連因子に最も近縁であることが示唆された。4種のCkmGST遺伝子をシロイヌナズナ変異体で個別に発現させたところ、CkmGST3のみのアントシアニン欠損表現型を相補することがわかった。これらの結果から、CkmGST3がアントシアニン経路に関与するシクラメンGSTであることが明らかとなった。
奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 奥村 進; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 百合 庸介; et al.
JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 172, 2012/01
TIARAの主要加速器であるAVFサイクロトロンの、2010年度における運転及び整備の状況、また、東北地方太平洋沖地震の影響並びに新しく開発したイオンビームや多重極電磁石を用いた大面積高均一照射などの技術開発の現状を報告する。
秋田 祐介; 北村 智; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 石坂 宏*; 近藤 恵美子*; 亀有 直子*; 中山 真義*; 谷川 奈津*; 森田 裕将*; et al.
Planta, 234(6), p.1127 - 1136, 2011/12
被引用回数:41 パーセンタイル:75.95(Plant Sciences)Anthocyanin -methyltransferase (OMT) is one of the key enzymes for anthocyanin modification and flower pigmentation. We previously bred a novel red-purple-flowered fragrant cyclamen (KMrp) from the purple-flowered fragrant cyclamen "Kaori-no-mai" (KM) by ion-beam irradiation. Since the major anthocyanins in KMrp and KM petals were delphinidin 3,5-diglucoside and malvidin 3,5-diglucoside, respectively, inactivation of a methylation step in the anthocyanin biosynthetic pathway was indicated in KMrp. We isolated and compared genes expressed in KM and KMrp petals. RT-PCR analysis revealed that was expressed in the petals of KM but not in KMrp. Three additional s with identical sequences were expressed in petals of both KM and KMrp. Genomic PCR analysis revealed that was not amplified from the KMrp genome, indicating that ion-beam irradiation caused a loss of the entire region in KMrp. In vitro enzyme assay demonstrated that CkmOMT2 catalyzes the 3' or 3',5' -methylation of the B-ring of anthocyanin substrates. These results suggest that CkmOMT2 is functional for anthocyanin methylation, and defective expression of is responsible for changes in anthocyanin composition and flower coloration in KMrp.
奥村 進; 宮脇 信正; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 倉島 俊; 柏木 啓次; 吉田 健一; 石堀 郁夫; 百合 庸介; 奈良 孝幸; et al.
Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.374 - 376, 2011/12
原子力機構AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ研究利用が主流のため、同じビームでの照射時間が数時間程度と短く、ビーム切換時間の占める割合が大きい。マシンの利用効率を向上するために、高頻度で実施されるビーム切換の時間短縮を目指している。ビーム切換では、毎回再立ち上げを行うサイクロトロン磁場形成に最も時間を費やしている。そこで、短時間でサイクロトロンの磁場形成を可能とする技術開発を行っている。磁場立ち上げ直後に発生する磁場の過渡的変動を抑制し、安定な磁場を迅速に形成するために、磁場補正システムの構築を行った。すなわち、主コイルの外周に沿って5ターン分巻いた補正コイルによって主磁場の微調整を行う。磁極間に設置されたNMR磁場計測プローブによって得られた磁場計測値に基づいて、PID制御による磁場制御を行い、短時間で設定磁場に収束できることを確認した。
奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 奥村 進; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 百合 庸介; et al.
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 180, 2011/01
TIARAの主要加速器であるAVFサイクロトロンの2009年度における運転及び整備の状況、また、新イオンビーム開発及びビーム計測技術並びにサイクロトロンのイオン種・エネルギー短時間切替技術開発の現状を報告する。
近藤 恵美子*; 中山 真義*; 亀有 直子*; 谷川 奈津*; 森田 裕将*; 秋田 祐介; 長谷 純宏; 田中 淳; 石坂 宏*
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 65, 2011/01
埼玉県では、シクラメンの栽培種と芳香性野生種の種間交雑と染色体倍加により、バラやスズランと同様の香気成分を持つ複二倍体の芳香性シクラメンを育成した。しかし、芳香性シクラメンは色や形が限定されているため、幅広い消費者の要望に応じるために、イオンビームによる突然変異育種を試みた。芳香性シクラメン「香りの舞い」に炭素イオンビームを2Gy照射して得られたM2個体の中から、花色変異体が得られた。「香りの舞い」の主要色素がマルビジン3.5-ジグルコサイドであるのに対して、変異体の主要色素はシクラメンでは今までに見いだされていないデルフィニジン3,5-ジグルコサイドであった。以上の結果は、変異体では、デルフィニジンの3'位及び5'位の水酸基のメチル化酵素をコードする遺伝子が、イオンビームの影響を受け、マルビジンへの代謝が阻害されていることを示唆している。
秋田 祐介; 石坂 宏*; 中山 真義*; 島田 明彦; 北村 智; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 田中 淳
Journal of Horticultural Science & Biotechnology, 85(5), p.437 - 443, 2010/09
シクラメンの花色合成遺伝子に関する解析のために、紫色の花を有するシクラメン野生種(,gra6)とその白花変異体(gra50)を用いて、花色成分とその合成にかかわる遺伝子群の比較解析を行った。gra6の花の色素は、アントシアニンのマルビジン3,5ジグルコシドであった。一方、gra50の花ではアントシアニンが確認されず、その前駆物質であるフラボノールの蓄積が確認された。花色合成にかかわる酵素遺伝子群をgra6より単離し、その発現をgra6とgra50で解析したところ、二つのdihydroflavonol-4-reductase(DFR)遺伝子(, )のうち、の発現がgra50で減少していた。を含む他の遺伝子群には大差がみられなかったことから、がにおける花色に重要であり、その発現抑制によってアントシアニンの合成が進まず、白花に変異したと考えられた。の発現が減少した理由として、遺伝子発現にかかわるプロモーター領域の変異が大きな候補として挙げられた。本研究は、シクラメン花色合成に関する選抜マーカーとして遺伝子が一つの候補であることを示した。
宮脇 信正; 奥村 進; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 倉島 俊; 柏木 啓次; 吉田 健一; 石堀 郁夫; 百合 庸介; 奈良 孝幸; et al.
Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.975 - 978, 2010/08
原子力機構AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ研究利用が主流であるため、同じビームでの照射時間が短く、ビーム切換が高頻度のため、ビーム切換時間、つまりサイクロトロンの運転条件変更時間の占める割合が大きい。マシンの利用効率を向上するために、このビーム切換時間の短縮を目指しているが、この時間の大半は、磁場の立ち上げに費やされている。減衰振動型励磁方法を用いた迅速な主磁場立ち上げを行うことで、従来よりも短時間で磁場を立ち上げることが可能となった。
奥村 進; 宮脇 信正; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 倉島 俊; 柏木 啓次; 吉田 健一; 石堀 郁夫; 百合 庸介; 奈良 孝幸; et al.
Proceedings of 6th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (CD-ROM), p.572 - 574, 2010/03
原子力機構AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ分野の研究利用のために高頻度でビーム条件の変更が求められており、マシンの利用効率の向上のため、さらにマシンタイムの慢性的な不足を解消するためにもこのビーム変更の短時間化が課題であった。サイクロトロンの場合、ビーム変更に最も時間を要してきたのは磁場の変更時間であり、われわれは、それを短縮するために磁場迅速切換技術の開発を行っている。磁場切換を短時間で行うには、サイクロトロン磁場をいかに高精度にモニタし、いかに短時間で磁場を収束・安定化するかが課題である。そこで、今回はサイクロトロン内部の磁場を計測可能なNMRプローブを導入し、サイクロトロンで加速するすべてのビーム条件に対応する磁場計測システムを開発した。本発表では、開発したシステムの概要及び磁場計測結果を中心に報告する。
近藤 恵美子*; 中山 真義*; 亀有 直子*; 谷川 奈津*; 森田 裕将*; 秋田 祐介; 長谷 純宏; 田中 淳; 石坂 宏*
Plant Biotechnology, 26(5), p.565 - 569, 2009/01
被引用回数:33 パーセンタイル:66.84(Biotechnology & Applied Microbiology)香りシクラメンシリーズのバリエーションの増加のために、紫の花が咲き、主要アントシアニンとしてマルビジン3,5-ジグルコサイドを含む香りシクラメン品種( )「香りの舞」の黄化葉柄に320MeVの炭素イオンビームを016Gyの強さで照射した。M1植物の自家受粉により得られたM2植物から変異体が選抜された。そのうち、2Gyを照射して得られたM2植物68個体中9個体は、これまでの紫の花と葉は異なる赤紫の花が咲いた。その花の色素を抽出し液体クロマトグラフィー(HPLC)で解析したところ、その主要アントシアニンは、デルフィニジン3,5-ジグルコサイドであった。花の形態や香り成分等、花の色以外の要素はこれまでのシクラメン品種とは大差がなかったことから、この変異体は花の色素合成にかかわる遺伝子にのみ変異が生じたと考えられる。デルフィニジン3,5-ジグルコサイドを主な色素として持つシクラメンはこれまで報告されておらず、この変異個体は商業的な価値があるだけでなく、シクラメンの貴重な遺伝子資源としても有用である。
近藤 恵美子*; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 石坂 宏*
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 79, 2008/11
シクラメンの栽培種と芳香性野生種の種間交雑により雑種を育成し、その染色体倍加により複二倍体の芳香シクラメンを育成した。しかし、芳香シクラメンの花は色,形,大きさの変化が乏しいため、形質の多様化が求められている。そこで、イオンビーム照射と組織培養を利用した突然変異育種による変異の拡大を検討した。種子を無菌的に播種し暗黒下で培養することにより発生させた黄化葉柄,葯培養から作出した半数体を暗黒下で培養することにより発生させた黄化葉柄,開花個体から着色する前に採取した未熟な花弁を供試した。花弁には220MeV炭素イオンを、黄化葉柄には320MeV炭素イオンをそれぞれ0から50Gyの範囲で照射し、その後、培養を行った。イオンビーム照射により花弁に現れた変異は、花色の濃淡,花弁の矮小化,花弁周囲の鋸歯,斑入りなどであったが、花弁以外にも葉の斑入りなどの変異が現れた。今後、花の色素,香気成分に関する変異の解析及び世代更新による有望な変異形質の固定をとおして品種育成を進める予定である。