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中畑 俊彦*; 吉河 朗*; 小柳津 誠*; 大矢 恭久*; 石本 祐樹*; 木津 要; 柳生 純一; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 宮 直之; et al.
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1170 - 1174, 2007/08
被引用回数:3 パーセンタイル:25.53(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにて行われているボロニゼーションを模擬し、静岡大学のP-CVDにて膜調整を行った高純度ボロン膜に対して飽和量の重水素を照射した後、加熱とSIMS測定を繰り返し行い、膜中に捕捉された水素同位体放出過程に関する以下の知見を得た。重水素脱離を支配する要素は試料温度である。第1期、すなわち573K以下では、B-D-B結合からの重水素の脱離が支配的であり、その温度領域においては、拡散が律速過程であった。573Kを上回ると、重水素はBD結合からおもに脱離し、その温度領域においては、再結合が律速過程であった。BD結合として捕捉された重水素の実効的な再結合定数は等温加熱実験によって算出した。
上田 良夫*; 福本 正勝*; 西川 雅弘*; 田辺 哲朗*; 宮 直之; 新井 貴; 正木 圭; 石本 祐樹*; 都筑 和泰*; 朝倉 伸幸
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.66 - 71, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:58.28(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uの外側ダイバータ部分に、タングステンをコーティングしたCFCグラファイトタイルを13枚設置し、タングステンタイルの健全性や損耗されたタングステンの輸送・再堆積特性を調べた。タングステンの再堆積分布については、EDXやXPSを用いて測定を行った。タングステンタイルには最大6MW/mの熱負荷が加わったが、特に目立った損傷は観測されなかった。Wタイルに隣接したCFCグラファイトタイル上には、タングステンが損耗・電離後、磁力線に沿って移動して堆積した厚い堆積層が局所的に存在した。また、タングステンタイルと同じセクションにおけるタングステンのポロイダル方向の再堆積分布を調べたところ、内側ダイバータストライク点近傍と外側ウイング下部に多くの堆積が見られた。これらの分布を、Cの再堆積分布と比較したところ、内側ダイバータではほぼ同様の分布を観測したが、ドームの内側ウイングと外側ウイングでは、異なった堆積傾向が見られた。
芦川 直子*; 木津 要; 柳生 純一; 中畑 俊彦*; 信太 祐二; 西村 清彦*; 吉河 朗*; 石本 祐樹*; 大矢 恭久*; 奥野 健二*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.1352 - 1357, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:58.28(Materials Science, Multidisciplinary)LHD真空容器内で主放電6081ショット,ボロニゼイション3回に曝された。ステンレス(SS316)サンプル、及び同様にJT-60U真空容器ポート内で主放電1896ショット,ボロニゼイション2回に曝された。SS316サンプル表面の元素分布状態をX線光電子分光装置(XPS)を用いて分析し、LHDとJT-60Uの結果を比較した。(1)LHDでは最表面において炭素が20%,酸素が45%であり、それ以降基板界面に至るまで80%のボロン膜が保持されている。JT-60Uでは最表面において炭素が60%であり、その後55%程度のボロン膜が保持されている。このようにLHDと比較するとJT-60Uでは壁材による堆積層が顕著である。(2)JT-60Uでのボロン膜上の堆積層はトーラス方向に非均一であり、C1s及びO1sのXPSスペクトルピークシフトの結果においても場所により異なる傾向を示す。これはトーラス方向の酸素捕捉能力が非均一であることを示唆している。(3)ボロン膜厚は、LHDではグロー電極の位置に依存するが、JT-60Uではそのような傾向は見受けられなかった。理由の一つとして炭素による堆積層がトーラス方向に非均一であることが考えられる。(4)ボロン膜の厚みは実験サイクル中十分に保持されているため、ボロン化壁による酸素軽減効果はおもにボロン膜の最表面の特性に起因すると考えられる。
木津 要; 柳生 純一; 石本 祐樹*; 仲野 友英; 都筑 和泰*; 宮 直之; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 相良 明男*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2005 - March 2006, P. 65, 2006/11
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)では、近年、金属壁へのヘリウム(He)蓄積を避けるために、Heグロー放電(He-GDC)ばかりでなく、Neグロー放電(Ne-GDC)も積極的に行っている。そこで、ヘリウムより大きな原子番号を持つ希ガスを用いたグロー放電のボロナイゼーション壁に対する影響を調査した。静岡大学でボロナイゼーションした試料(Si, F82H)をLHDのHe-及びAr-GDCに6時間,12時間(Arは6.5及び13時間)さらす前後でSIMS深さ分析を行ったところ、Heグローでは最大24nm程度しかボロン膜は損耗しなかったが、Arグローの場合は、6.5時間では平均150nm、13時間では平均190nmの膜厚の減少が観測された。LHDのグロー放電の条件では、ArとHeによる物理スパッタは同程度であるが、今回両者で大きな差異が出たことは、ArとHeグロー放電では電流密度の分布が異なり、局所的に大きなスパッタリングが起こっていることを示している。
後藤 純孝*; 田辺 哲朗*; 石本 祐樹*; 正木 圭; 新井 貴; 久保 博孝; 都筑 和泰*; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 357(1-3), p.138 - 146, 2006/10
被引用回数:27 パーセンタイル:85.66(Materials Science, Multidisciplinary)1997年より2002年までの長期間のJT-60U重水素実験運転を通して、W型ダイバータ部における炭素タイル表面の損耗・再堆積分布を評価した。損耗・再堆積の内外ダイバータでの非対称性が確認された。ドーム部においては、内側ドームウィングで損耗が、また外側ドームウィングのアウトボード側領域では堆積が観測された。再堆積層は第一壁表面の垂直線に対しある傾度を持って成長する柱状組織構造を示している。ダイバータ領域での損耗・再堆積分析結果及び外側ドームウィングの再堆積構造のポロイダル方向分布の分析結果から、損耗領域からトーラス内側方向へ向かう炭素輸送の存在を示した。ダイバータ領域での損耗・再堆積の収支結果から得られた評価期間の全損耗量は0.55kgであり、そのうちの38%は第一壁領域からきたものであった。実験期間中でのNBI加熱の積算時間内で評価した炭素の再堆積率は910C/sとなった。ダイバータ排気スロットがプライベート領域に位置するJT-60Uのダイバータ構造は、内側排気スロットの影の部分における炭素再堆積層の蓄積を抑える効果があると考えられる。
石本 祐樹; 後藤 純孝*; 新井 貴; 正木 圭; 宮 直之; 大山 直幸; 朝倉 伸幸
Journal of Nuclear Materials, 350(3), p.301 - 309, 2006/05
被引用回数:21 パーセンタイル:80.19(Materials Science, Multidisciplinary)ELMによる過渡的な熱負荷を評価するため、JT-60UW型ダイバータの内側ターゲットタイル上に形成された再堆積層の熱物性値をレーザーフラッシュ法を用いて初めて測定した。再堆積層の観察は走査電子顕微鏡によって行い、ストライクポイントの頻度が高い位置に200マイクロメートルを超える再堆積層を確認した。この位置より再堆積層のみの試料を取り出し、分析を行った。マイクロバランスを用いて試料の質量を測定し、再堆積層のかさ密度が、タイル基材である炭素繊維材料のおよそ半分であることを明らかにした。室温から1000度の領域では、比熱は参照試料である等方性黒鉛とほぼ同じであるが、熱拡散係数は、炭素繊維材料に比べておよそ2桁小さいことがわかった。測定した熱物性値をELMの熱流負荷解析に適用すると、熱負荷はタイル表面を炭素繊維材料であるとして解析した場合の10分の1程度になると示唆される。これは、赤外カメラの温度上昇から見積もったダイバータへの熱負荷がプラズマ蓄積エネルギーの減少分よりも大きくなっているという矛盾を説明する理由の1つとなることがわかった。また、熱物性値のポロイダル分布や熱負荷の非一様性を考慮する必要があることも明らかになった。
柳生 純一; 木津 要; 芦川 直子*; 石本 祐樹; 西村 清彦*; 宮 直之; 相良 明男*
no journal, ,
原子力機構と核融合科学研究所では、次期核融合試験装置の壁材料・壁温度において有効な表面処理システム設計の基礎データを取得することを目的として共同研究を行っている。その一環として、既存装置のJT-60UとLHDを使って、(1)グロー電極とボロン注入ポートの真空容器内配置が、ボロン膜厚トーラス・ポロイダル分布にもたらす影響,(2)成膜状況と不純物蓄積の関係、について比較・検討した。その結果、(1)においては、ボロン膜のポロイダル分布はグロー電極とボロン注入ポートの位置に影響を受けるが、少ない注入ポートでもグロー電極を駆動させることで均一化が図れる可能性があることを示した。また、(2)については、JT-60UとLHDの成膜の比較から、JT-60Uで作製したボロン膜の酸素ゲッターには未だ余録が有り、従来よりも高い不純物レベルでボロナイゼーションが行えることを示した。
石本 祐樹; 後藤 純孝*; 新井 貴; 正木 圭; 宮 直之; 都筑 和泰; 朝倉 伸幸; 田辺 哲朗*
no journal, ,
外側ダイバータで発生する炭素不純物の輸送経路と堆積場所を明らかにするため、JT-60UにおいてCHガスを外側ダイバータプラズマへ入射する実験を行った。実験後の第一壁上の炭素同位体比を2次イオン質量分析装置を用いて計測した結果、局所ガスパフポート付近の外側ダイバータタイルに形成された堆積層では、炭素原子の約90%がCであることがわかった。局所ガスパフポートと同一断面のCポロイダル分布と内側ダイバータ部のストライクポイントの頻度分布を比較したところ、Cのピークがわずかに排気スロット側に観測された。第一壁上は、分析タイル中最もCが少なかった。さらに、可動静電プローブの計測から、プライベート領域に外側から内側ダイバータへのプラズマの流れがあることがわかっている。これらのことから、今回の実験条件においては、SOLだけではなく、プライベート領域の流れもCの輸送に大きな影響を与えていると考えられる。また、外側ダイバータにおいて磁力線の下流に多くCが堆積し、上流には少ないというトロイダル分布から、Cは磁力線に沿って堆積と損耗を繰り返して輸送していることが示唆される。
石本 祐樹; 後藤 純孝*; 新井 貴; 正木 圭; 宮 直之; 都筑 和泰; 朝倉 伸幸; 田辺 哲朗*
no journal, ,
外側ダイバータで発生する炭素不純物の輸送経路と堆積場所を明らかにするためにJT-60UにおいてCHガスを外側ダイバータプラズマへ入射する実験を行った。実験後、走査電子顕微鏡を用いてガス導入口近傍の外側ダイバータタイル断面を観察し、200ミクロンを超える堆積層を確認した。この堆積層の炭素同位体比を2次イオン質量分析装置を用いて計測した結果、堆積層中の炭素原子の約90%がCであることがわかった。このことから外側ダイバータにおいて発生した炭素不純物の大部分は堆積・損耗を繰り返して輸送されていると考えられる。また、第一壁上は、分析タイル中もっともCが少なかった。局所ガスパフポートと同一断面のCポロイダル分布と内側ダイバータ部のストライクポイントの頻度分布を比較したところ、Cのピークがわずかに排気スロット側に移動していた。さらに、可動静電プローブの計測から、プライベート領域に外側から内側ダイバータへのプラズマの流れがあることがわかっている。これらのことから、今回の実験期間及び実験条件においては、SOLだけではなく、プライベート領域の流れもCの輸送に大きな影響を与えている可能性がある。
柴原 孝宏*; 廣畑 優子*; 大矢 恭久*; 小柳津 誠*; 大西 祥広*; 吉河 朗*; 奥野 健二*; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 新井 貴; et al.
no journal, ,
JT-60Uのダイバータタイル及び第一壁の水素同位体(軽水素,重水素)蓄積量とその深さ分布を、昇温脱離法(TDS),二次イオン質量分析法(SIMS),X線光電子分光法(XPS)で分析し、タイル表面の損耗・再堆積を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。第一壁は損耗・再堆積にかかわらず水素同位体蓄積量はほぼ一定であり、タイル表面付近に打ち込まれた水素の寄与が大きいことが示唆された。ダイバータ部分の再堆積領域において、プラズマに曝され放電時にタイル表面温度が上昇した領域は、水素同位体は再堆積層中に(H+D)/C=0.02と非常に低い濃度で均一に蓄積されていた。これに対し、プラズマの影になり放電時の温度上昇が小さかった領域では、水素同位体は再堆積層中に(H+D)/C=0.13と高い濃度で蓄積されていた。一方、損耗領域での水素同位体蓄積量は非常に少なかった。また、タイル温度が高かった領域では軽水素放電による重水素の置換が大きく進行したことが明らかとなった。以上から、水素同位体蓄積量は放電時のタイル表面温度に大きく依存し、タイル温度を上昇させることで水素同位体蓄積量が低減できることが示唆された。
中畑 俊彦*; 吉河 朗*; 小柳津 誠*; 大矢 恭久*; 木津 要; 石本 祐樹*; 柳生 純一; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 宮 直之; et al.
no journal, ,
JT-60Uにてボロニゼーションを行い、D-D放電に曝した試料中に捕捉された重水素の深さ分布を二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定した。その結果から以下のことが明らかとなった。(1)JT-60U真空容器P-10水平ポート内部に長期設置し、ボロニゼーションを行ったボロン膜の膜厚は35nmであり、重水素は表面下約20nmの位置にピーク濃度を持って存在していた。(2)静岡大学にて調製を行った高純度ボロン膜と比較して、炭素シグナルの明らかな上昇が得られたことから、今回のSIMS測定結果はJT-60U内のボロニゼーションにより、炉内の多くの不純物がボロン膜内に混入していることを示したものと考えられる。(3)加熱実験の結果より、673K以上の温度範囲において、重水素プロファイルの形状は大きく変化しないことから、脱捕捉した重水素が比較的速い速度で拡散,放出されること,JT-60Uボロン膜中に捕捉された重水素の放出は重水素脱捕捉過程を律速段階として進んでいることが示唆された。
柳生 純一; 木津 要; 石本 祐樹*; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 吉河 朗*; 宮 直之; 奥野 健二*; 相良 明男*; 大矢 恭久*
no journal, ,
本研究は、次期核融合試験装置の壁材料・壁温度において有効な表面処理法の基礎データを取得することを目的としている。その一環として、ボロナイゼーションを行った実機の第一壁に対するグロー放電洗浄の影響を評価するため、グロー放電洗浄前後におけるボロン化膜の膜厚変化と軽水素蓄積の変化を調査した。静岡大学のボロン化装置を用いて作製したボロン化膜試料をLHDに取付け、その後、He-GDCに6時間と12時間晒した試料をSIMSで分析したところ、12時間照射した場合にのみボロン化膜は24nm損耗することを確認した。これに対し、Ar-GDCに6.5時間と13時間晒したボロン化膜試料は、6.5時間の照射で平均150nm,13時間では平均190nmのボロン化膜が損耗した。Ar-GDCを13時間行うことでLHDのボロナイゼーションで生成する膜厚とほぼ同程度の厚さが損耗してしまうことは、装置の運用上極めて重要な知見である。また、軽水素の蓄積変化については、ガス種に関係なく、GDCに晒すことによってすべてのボロン化膜試料で最表面のみ水素が増加し、膜中においては顕著な変化が見られなかった。なお、最表面の水素挙動は、GDCによって周囲の壁材料から叩き出された軽水素が不純物である鉄と結合して再堆積したものと考えられる。
芦川 直子*; 西村 清彦*; 増崎 貴*; 相良 明男*; 大藪 修義*; 木津 要; 柳生 純一; 信太 祐二; 石本 祐樹*; 宮 直之; et al.
no journal, ,
LHD及びJT-60U真空容器内部に設置した照射サンプルをX線光電子分光装置(XPS)を用いて分析比較した。測定には、LHDで主放電6081ショット,ボロニゼイション3回に曝されたステンレス(SS316)サンプルを、また同様にJT-60Uポート内で主放電1896ショット,ボロニゼイション2回に曝された SS316サンプルを使用した。(1)LHDでは最表面において炭素が20%,酸素が45%であり、それ以降基板界面に至るまで80%のボロン膜が保持されている。JT-60Uでは最表面において炭素が60%であり、その後55%程度のボロン膜が保持されている。このようにLHDと比較すると、JT-60Uでは壁材による堆積層が顕著である。(2)JT-60Uでのボロン膜上の堆積層はトーラス方向に非均一であり、C1s及びO1sのXPSスペクトルピークシフトの結果においても場所により異なる傾向を示す。これはトーラス方向の酸素捕捉能力が非均一であることを示唆している。(3)ボロン膜厚は、LHDではグロー電極の位置に依存するが、JT-60Uではそのような傾向は見受けられなかった。理由の一つとして炭素堆積層がトーラス方向に非均一であることが支配的となっていると考えられる。(4)ボロン膜の厚みは実験サイクル中十分に保持されているため、ボロン化壁による酸素軽減効果はおもにボロン膜の最表面の特性に起因すると考えられる。