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伊藤 孝; 西田 信彦*; 大石 一城; 髭本 亘; 柄木 良友*; 石本 英彦*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.189 - 191, 2006/08
PrPtは核断熱消磁冷却の冷媒として知られる物質であり、低温において核磁性と電子による一般的な磁性の中間的な性質をもった磁性を示す。最近、PrPt多結晶試料において超伝導転移を示唆する抵抗及び磁化の異常が観測された。これがバルクの超伝導であるならば、「増強された核磁性」との共存という観点から非常に興味深い。われわれはSR法を用いて微視的な視点からPrPtの超伝導特性の研究を行い、混合状態におけるミュオンスピン緩和率の測定から磁場侵入長に関する知見を得た。
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城; 西田 信彦*; 柄木 良友*; 石本 英彦*
no journal, ,
近年、非磁性の基底状態を持つPr系において新奇な現象が相次いで見つかり、注目を集めている。SR法による研究では共通して異常な緩和が報告されており、原因として増強核磁性が議論されている。ヴァンヴレック常磁性体PrPtは増強核磁性を示す典型的な系である。1.7mKにおける核磁気秩序を含めよく研究されており、増強核磁性と異常なミュオンスピン緩和の関係を調べるのに格好の物質である。われわれはPrPtのSR測定を行い、核双極子磁場から予想されるよりずっと大きな局所磁場を観測した。これは超微細相互作用により4電子の磁気モーメントが誘起されていることを示唆している。局所磁場の揺らぎは数MHz程度であり、核磁気秩序温度からの見積もりとよく一致する。本研究により、Pr系における異常なミュオンスピン緩和が増強核磁性によって矛盾なく説明できること、及びSRがその諸性質を調べるための優れたプローブであることがわかった。